抗 生物 質Aminosidineに 関す る細菌 学的 研究 中

抗 生 物 質Aminosidineに
中
沢
関 す る細 菌 学 的 研 究
昭
三
東京大学医科学研究所
吉 田進 彦 ・工 藤 裕 子 ・斎 藤 紀 久子 ・佐 野 勝 子
京都薬科大学 微生物学教 室
Lは
じ
め
は27℃48時
に
Aminosidine(AMD)は,1959年
イ タ リ アFarmitalia
研 究 所 のCANEVAzzrとSCOTTIら
に よ り,マ
サ ・マ リ チ
マ の 土 壌 か ら 分 離 さ れ た 放 線 菌StrePtom7ceschiestomyce-
に 非 常 に よ く似 て お り,一
よ びHydroxymycinな
ど
部 の 点 で は 全 く一 致 し て い る
と い つ て 差 仕 え な い 。 そ の 硫 酸 塩 は 白 色 粉 末,水
溶性 で
非 常 に安 定 で あ る。
広 い 抗 生 ス ベ ク ト ラ ム を 有 し ブ ドウ 球 菌,赤
グ ラ ム陰 性 桿 菌 感 染 症,ま
形 菌,緑
痢菌な ど
膿菌 などの
た赤 痢 ア メー バ な どの一 部 の
原 虫 感 染 症 に 対 し経 口 お よ び 筋 注 に よ り使 用 さ れ て い
る。 マ ウ ス 急 性 毒 性(LD50)静
mg/kg,慢
注106mg/kg,皮
下1,062
性 毒 性 と して大 量 を長 期 間 注 射 した 場 合 に 腎
お よ び 神 経 に 対 す る 毒 性 が 認 め ら れ,禁
忌 と して腎 不 全
と蝸 牛 前 庭 の 病 変 に 注 意 が 必 要 で あ る 。
今 回,わ
抗菌 力は グラ ム陽 性 菌群 に 対 し
M工C・ が 得 られ た 。 また ジフ テ リア菌 ,炭 疸 菌 に つい
て は1・56mcg/mlの
感 受 性 が 認め られ た。 しか し同 じ陽
性 菌 群 で あ る レンサ球 菌100mcglmlあ
グ ラ ム陰性 菌 群 に つ い て は,変
にL56mcg/ml,大
∼3・13mcg/mlの
る いは 肺 炎 双球
感 受 性 は あ ま り強 くは な い。
腸 菌,エ
形 菌,肺 炎 桿菌 と も
ロ ゲネ ス菌 に 対 しては1.56
範 囲 内で 感 受 性 を 示 し,サ ルモ ネ ラ菌
群 に対 し て も1・56∼3.13mcg/m1,ま
して も0・78∼3・13mcg/mlの
た,赤 痢菌 群 に 対
範 囲 で増 殖 を お さ え て い
る。 しか し緑 膿 菌 に は100mcg/mlで
あ つ た。 一 方,嫌
気性 菌 群 では,い ずれ も100mcg/mlと
感 受 性は 認 め ら
れ なか つ た 。 な お抗 酸 性 菌 で あ る結 核 菌 に つ い て は,
た し た ち は こ の 抗 生 物 質Aminosidineを
て 細 菌 学 的 研 究 を 行 な い,2,3の
目に判 定
ては まず ブ ドウ球菌 群 に つ い て は039∼0・78mcg/m1の
菌12・5mcg/mlと
の 既 知 薬 剤 耐 性 菌 を 始 め 大 腸 菌,変
で7日
間 で 判 定 して い る。 そ の成 績 は表1に 示 され る ご と くで
あ る。 す な わ ちAMDの
の 培 養 液 か ら発 見 さ れ たticus
もの で あ る。 塩 基 性 配 糖
体 抗 生 物 質 でParomomycinお
間,7}齢oρ 妙纏 は27℃
し,そ の他 の一
一
・{E2細
菌 に つ い ては い ずれ も3ヲ℃,24時
用い
知 見 を 得 た の で こ こに
報 告 す る。
0・39mcg/mlと
い う強 い抗 菌 力 が認 め られ る。 なお 医 真
菌 群 に つ い て は 無効 で あつ た。 以上 の成 績 を 同時 に 実 施
した既 知 薬 剤 と比 較 検 討す る とAMDはFRM,PRM
II.抗
諸 種 病 原 細 菌,な
菌 ス ペ ク トラ ム
お よびKMと
らび に 医 真 菌 に つ い てそ の抗 菌 スペ
III.臨
ク トラ ム を 検 討 し た 。 実 験 は 対 照 薬 剤 と し て 緑 膿 菌 に 有
効 なColistin(CL),近
縁 抗 生 物 質 と し てFradiomycin
(FRM),Paromomycin(PRM),Kanamycin(KM),
Gentamicin(GM)を
きわ め て類 似 した抗 菌 力,抗 菌 スペ ク ト
ラム を示 す 抗 生 物 質 と思 わ れ る。
i)ブFウ
床 分離 細 菌 に 対 す るAMDの
昭 和41年4月
置 き,全
く同 一 条 件 で そ の 抗 菌 力
を 比 較 検 討 した 。 な お 使 用 薬 剤 の 単 位 は 表 の 欄 外 に 記 載
し た ご と くで あ る 。 試 験 方 法 は 以 下 の ご と き 培 地 で い ず
れ も常 法 の 平 板 寒 天 稀 釈 法 あ る い は 液 体 稀 釈 法 に よ り実
以 降 日本 各地 の大 学 病 院 に おい て 分 離
され た 病 原 ブ ドウ球 菌97株
2(a)に
感受性
球 菌 に対 す る感 受 性
の 感受 性 に つ い て は,表
示 され る ご と くで あ る。す なわ ち 上述 した ご と
く標 準株 の感 受 性 は0・39∼O・78mcg/m1の
が,分
離 株97株
中87株
範囲 に あ る
は0・195以 下 ∼L56mcglm1
施 した 。 使 用 培 地 は ほ と ん ど 大 部 分 の 細 菌 に つ い て は,
と標 準 株 に 近 い 感 受 性 を示 し,残 り1株 は6・25mcglm1,
pH7・2の
50mcg/mll株,1Gemcg/ml以
肉 汁 寒 天 培 地 を 使 用,な
お57砂
」o`oα
脇 ゐ〃初 か一
上8株 の強 い耐 性 が 認
tiCZts,Str.0'癩 鷹,Str..faecalis,1)iplecOccusPneumoniaeIII
め られ た 。 な お 本菌 に 対 す るPRMの
に つ い て は,1090血
に 示 され る。 な お 表2(a)(b)の
属 に つ い て は10%血
清 ブ イ ヨ ン を 使 用,ま
液 加G・C・
たNeisseria
培 地 を 使 用 した 。 つ ぎ
・
に 嫌 気 性 菌 群 のClostridiumldani・Cl.ωelchii,Cl・botutinum
に 関 し て は,チ
オ グ リ コ ー ル 酸 培 地 を 使 用 した 。 ま た,
医 真 菌 群 で あ るCandida,乃
勲 ψ妙 醜
に つ い ては サ ブ ロ
ー 寒 天 培 地 を 用 い た 。 な お 培 養 時 間 に つ い て は(7andida
感 受 性 は 表2(b)
成 績 よ りAMDとPRM
間 の交 叉 耐 性 が 認 め られ る。
2)大
腸 菌 に対 す る感 受 性
東 京大 学 医科 学 研 究 所 付 属 病 院 の検 査 室 よ り分 与 され
た大 腸 菌18株
の感 受 性 は,同
くで あ る。 す な わち16株
じ く表2に 示 され る ご と
に 対 して は 標準 株3・13mcgt
CHEMOTHERAPY
量06
表1抗
菌
ベ
ク
ト ラ
ム(そ
CLlFRM
種
菌
ス
FEB.1968・
の1)
PRM
KM
AMD
GM
顎
209P
StaPh"te`OCCttsaureUS
〃
〃
〃
s`aPh.躍
〃
TERASHIMA
ゐ
SMITH
〃
NEWMAtM
0.195
0.39
0.195
0.09
0.78
量2.5
0.ig5
0.39
0.39
0.09
0.39
25
0.195
0β9
0.39
0.04
0.39
50
0.39
1.56
0.78
0.09
0.78
0.195
0.39
0.78
0.09
12。5
3.13
0.09
∼
あas
50
12.5
ε'ψぬ.`髭 紹 鉱∫
12.5
SarCi'η4∼漉θα
0.78
6.25
StrePto`o`CttshemolyticusS-23
>100
Str.御'r3'dan5
>!00
50
Str.ノ 認`4痂
>100
50
1)ψ 面`occusPneumoniaeIII
>100
100
()oり,nebacteriumdiphtheriae
12.5
Ba`illussubtilisPCI-219
6.25
B.antゐraCt'5・
50
Nei,∬ 〃ia8enorrhoeae
20
ムr.meningitidi5
12.5
ProteUS捌
魯 α擁∫
PseudomonasueraginesaNo.1
0.39
0.195
50
0.78
0.09
50
25
50
12.5
>100
50
>100
>100
50
0.78
0.39
0.39
0。195
0.39
0.78
0.78
1.56
50
100
6.25
100
1。56
1.56
1。56
6.25
100
100
>100
蓋2.5
3.13
25
3。翌3
1.56・
100
12.5
25
1。56
0.78
12.5
12.5
1.56
且.56
0。02
0.39
0。04
1.56
12.5
3.IS
50
0.78
l2.5
0.75
1.56
25
1.56
100
〃
〃No。2
3、B
6.25
50
12。5
3.13
100
〃
〃No.3
3.13
6。25
50
12.5
3.13
100
0.78
6,25
Klebsie〃aPηeu栩eniae
0.78
遷
0.09
0。78
1.56
MIC(mcg/m1)
(そ の2)
菌
種
CL
GM
AMD
1.56
3.13
1.56
0.78
3.13
0.78
1.56
1.56
0.39
3.13
1.56
0。78
1.56
し56
0.195
1.56
T-287
0。78
L56
0.78
0.78
0.78
1.56
1.56
0.78
3.13
1.56
0。39
3.13
Aerobactera6rogene5
加54
KM
1.56
〃NIH
Salm伽8〃a妙
PRM
0。78
EscherichiacoliDenken
〃
FRM
〃
〃
H-901
〃
〃
0-901
1.56
L56
0.78
0.39
0.78
1.56
Satmon6〃aent6ritidi5・
0,78
3。13
6.25
6.25
1.56
6.25
Shig6〃ad]senteriae
0,78
0。78
0.78
0.39
0。39
0.78,
Sh。
0。78
1.56
3.13
1.56
1.56
3.13・
Sh.bo■dii
0。78
L56
3.13
1.56
0.39
1。56
Sh.sonnei
0.78
L56
3.11
1、56
0,78
3.Bこ
》
β伽67ゴ ー2a
Clostri'diumt8tani
100
>100
>100
50
>100
〉!00
α.ωelchii
α.
>100
うotulinum
(7andidaalbic2n5
TrichoPh■tonπ
め躍 η2
25
>100
25
ル1■`o加`teriumtuberculosis607
3.13
>100
0.39
>IOO
1.56
蓋2.5
1.56
0.39し
>100
>100
>100
>100
>100
>100
>100
>100
>100
>100
>100
>100
MIC(mcg/ml)
ColiStinsulfate
Fradiomycinsulfate
Paremomycinsulfate
19,650u/mg
589mcg/mg
733mcglmg
Kanamycinsulfate
Gentamicinsulfate
Aminosidinesulfate
800mcglmg
629mcglmg
1,000mcg/mg
C十拒MOTHERAPY
VOL.16NO.2
表2〈a)臨
床 分 離 ブ ドウ球 菌,大 腸 菌,赤 痢 菌 お よび 緑 膿 菌 のAMD感
AMD
MICmcgノ
8
ブ ドウ球 菌
大 腸
菌12
赤
菌1
膿
1・56匝781・.391≦
}}
161
1
16
…14,…12,…
い
表2(b)臨
37
18
16
97
8
9
・
…}5・
6251≦31・3
・125・li25
1
菌12
総 数
・.195
18
1
匿
受性分布
血[
25112・516・2513・13
1
】
≧16,…
緑
50
≧100
試 験菌
痢
107
6
1
4
床 分離 ブ ドウ球 菌,大 腸 菌,赤 痢 菌 のPRMの
4
1
18
感受 性 分 布
MICmcg/m1
PRM
総 数
ブ ドウ球菌
大 腸
25112・516・25i3」31i・S…781・
≧IOO50
試験菌
7
2
菌ll
1
2
外 とほ ぼ 同一 の6.25mcg/m1の
示 した。 な お本 菌 に 対 す るPRMの
上 とい う耐 性 を
成 績 よ りブ ドウ球 菌 の 場 合 と同 様 に 両
痢菌に対する感受性
5
外 とほ ぼ 同一 感受 性 を示 し
間に至る
一
一
一ヒ
刊++
十
十
十
十
十
十
十 十 十
十 十 十
十 十 十
L9×107
1.9×106
十
十
十 十 十 十 十
≡≡
一
十
十 十
十
一
十
十 十 十 十 十
十
十 十 十
un1以 上 とい う 特 に 強 い 耐 性 株 が 認 め
一 胴++++
一
は500mcg/
1.9×10s
・7Sle・39
十 十
清
接 種 菌 量
り
・・ls・12sli2・516・2s13・121i・S61・
0%
5
10
25
50
中8株 は標
m1,1株 は か な りよい 感受 性3L3mcgノ
・mlで あ り
,i残 り2株 は16,000mcgl
られ た。
温,
菌 力 に 及 ぼす 諸 因 子 の 影 響
十 十 十 十 十
血
性 は す で に上 記 した ご と く100mcg/
6株 は250mcg/ml,1株
を抗 菌 力 の変 動 よ り検 討 し た 。 培 養 約40日
十 十
成 績 は 同 じ く表2に 示 され る
準 株 に 近 い62.5∼12.5mcg/m】,残
水 溶 液 を 作 り,5℃,室
十 十 十 十 十
に対 す る
ご と くで あ る。 す な わ ち 標 準 株 の 感 受
あ り,分 離 株18株
AMDl,ooomcg加1の
十 十
78 0◎
膿 菌 に 対 す る感 受 性
り分 与 され た 緑 膿 菌18株
IO
6
東 京 大 学 医 科 学 研 究所 の 本 間教 授 よ
m1で
17
cont
1mcg/miい
pH
AMDの
99
「v.水 溶 液 の安 定性
表3抗
じ く表2に 示 され る ご
た。
4)緑
32
れ な かつ た 。
と くで あ る。 す な わ ち 標 準 株3.13
rncglml内
4
33
も,全 くい ず れ の条 件 にお い て もそ の力 価 の 減 少 はみ ら
同 じ く東 京 大 学 医科 学 研究 所 付属 病
'院の検 査 室 よ り分 与 され た赤 痢 菌9株
の 感 受 性 は,同
9
16
37℃ に そ れ ぞ れ 保 存 し一 定 期 間 ごとに そ の 力価 の減 少
感 受 性 は 表2(b)に
翻 間 に交 叉 耐 性 が 認 め られ る。
3)赤
8
感受性 を 示 し た
.が,残 り2株 に つい て は100mcg/ml以
示 され(a)(b)の
1
・195
8i2
赤 痢 劃
ml内
・391;S・
1.9×105
十
1.9×104
(E.coliDenken37℃24時
十
十
間 培 養〉
CHEMO「
108
V・ 抗 菌 力 に 及 ぽ す 諸 因 子 の 影 響
AMDの
抗 菌 作 用 に 及 ぼ す培 地pH,血
『HERAPY
FEB.1968
図3大
腸 菌 の 増 殖 曲 線 に 及 ぼ すAMDの
影響
(生 菌 数)
清 蛋 白,お よ
び 接 種 菌 量 に よ る影 響 を 大 腸菌 を 用 い た 抗菌 力試 験 に よ
り検 討 した 。 そ の 成 績 は 表3に 示 され る ご と くで あ る。
す なわ ち培 地 のpHの
影 響 は7,8の
ん ど変 動 が ない が,pH5,6と
AMDの
場 合抗 菌 力に ほ と
酸 性側 に い く に 従 つ て
抗 菌 力 は 弱 くな り,力 価 に影 響 を お よぼ した た
め と思 わ れ る。 つ ぎに血 清 蛋 白 の 影響 を みた 。 す な わ ち
血 清 を加 え てい な い 対 照 と,5,10,25,50%ま
の添 加 量 で 検 討 して い るが,全
で種 々
な い 。 さ らに 接 種 菌量 の 影 響 を み る と,蓑 の よ うにi.9
×104∼1・9xIO7の
2468/012/416Z8202224fUs.
観 察 時 向
く抗菌 力 に変 動 が み られ
図4大
腸 菌 の増 殖 曲線 に 及 ぼ すAMDの
範 囲内 で は あ ま り変 動 は な く,1.9×
影響
(生菌 数)
10sに な り著 し く抗 菌 力 が 減 少 し,そ の影 響 が み られ て
の%ど
ル
8♂
い る。
V1・ 大 腸 菌 の 増 殖 曲 線 に 及 ぽ す影 響
大 腸 菌 を使 つ てそ の増 殖 曲線 に 及 ぼ すAMDの
菌6
を比 濁 法 お よび 生 菌 数 に よ り 検 討 し た 。 そ の成 績 は 図
1∼4に
示 され る ご と くで あ る。 まず 図1お
培 養 豪初 に 種 々 の 濃 度 のAMDを
よび 図3の
数"
ノ
\忽 伽
添 加 した 場 合に は 濃
度 に 応 じて 対 数 期 の抑 制 が 認 め られ た。 また 図2,図4
〃
藁轟 β20盈 鰍
添 加 した 場 合 に も同 じ く 著 明 な対 数 期 の 抑
制 お よび 殺 菌 作 用 に よ る菌 数 の 減 少 が 認 め られ た 。 以 上
の結 果,AMDは
低 濃 度 に お い て 静菌,殺 菌 両 作 用 を有
す る抗 生 物 質 で あ る こ とが わ か つ た。
図1大
"襯
2468
の ご と く対 数 期 の 当 初(培 養 後6時 間 目)に 種 々の濃 度
のAMDを
ノ、
生loB
影響
腸 菌 の増 殖 曲線 に 及 ぼ すAMDの
V皿 ・ 耐 性 獲 得 状 態
緑 膿 菌,変 形 菌,ブ
い て,pH7。2の
影響
(比濁 法)
ドウ球 菌 お よび大 腸 菌4菌 株 を用
肉汁 ブイ ヨ ソを 用 い て37℃,24時
を1世 代 と して 常 法 の 増 量 的継 代 法 に よ る耐 性 獲 得 状態
を検 討 した 。 この と き同一 条 件 で 抗 菌 スペ ク トラ ムの場
合 と同 様 にCL,FRM,KM,PRM,GMを
比 較対 照 薬
餌 " 〃 81
増殖 度 (
比濁 )
剤 と して 用 い た 。 そ の 成 績 は 図5,6,7,8に
示 され る
ご と くで あ る。 まず 緑 膿 菌 の 耐性 獲 得 状態 を み る と,い
ず れ の 薬 剤 に つ い て もほ とん ど同 じよ うな 階 段 的 上 昇が
み られ た 。特 に どの 薬 剤 が 最 も耐 性 化 が 困 難 で あ る とい
図5緑
2468〃
図2大
間
∠2/4∠6〃202224hh.
観 察 時尚
腸 菌 の増 殖 曲線 に 及 ぼ すAMDの
膿菌の耐性獲得状態
畷'
最
影響
(比濁 法)
塞纏
吻磁
ψ脚
竪御
度4卯
鰐
ノ
ノ
'一〃 騙%げ
一グ
5
_認
ヤ
CHEMOTHERAPY
VOL.16NO.2
図6変
109
形 菌 の耐 性 獲 得 状 態
灰%ご
図8大
詔
詔
層轍
_/
尾・;加
・
〃卿
_.__t/一
耀
リ
リ
孤
砂
最 爪発育 阻
f
卿
叢﹁
塩登 育﹁
蔑止濃 幽
反
/
/妙 鋤
伽 脇伽6 -_〃
/1-7塑
腸 菌 の 耐 性 獲 得状 態
卿
窃偏1h
度2s
〃
緬代
→ 継代
Viomycin(VM)を
多
ヂ/
さ らに 追 加 してい る
。そ の成 績 は 表
示 され る ご と くで あ る。 まず 緑 膿 菌 に つ い てみ
4∼6に
る と,そ れ ぞ れ 各 薬 剤 の耐 性 度 に は い ろ い ろ差 が あ る
が,ま ずCLの
→ 継代
図7黄
珊%1
耐 性 菌,す なわ ち原 株 は1.56mcg/mlの
ものが400mcg/mlに
色 ブ ドウ球 菌 の 耐 性獲 得状 態
上 昇 した もの これ を考 え てみ る と
これ に 対 して はPMX-Bは3・13mcg/mlの
凹
筋
最ハ餐 竪 濃皮
菌 が200mcgtm1と
りCLとPMX-Bの
間 に は完 全 な交 叉 耐性 が み ら れ
る。 しか しCL耐
AMDに
原株感受性
なつ て くる の で こ の場 合 は予 想 どお
性 菌 は ほ か のFRM,VM,KM,GM,
つ いて み る と原株 とあ ま り変 わ つ てな い か らこ
れ ら薬 剤間 との 間 に は交 叉 耐 性 は 認 め られ な い わけ で あ
る。 つ ぎ にFRMに
〃
5
つ い て は 原株 は6・25mcglm1で
つ た が1,600mcgiml以
姐ヤ
今 継代
CL,PMX-Bに
は 交 叉 耐性 は 示 さな いが,VMに2倍,
う成 績 は 得 られ なか つ た 。 また,変 形菌 に つ い て もほ と
KMに
ん ど同様 の成 績 が 得 られ た。 しか しなが ら,ブ
な り の 交 叉 が,ま
ドウ 球
は25mcg!mlか
ら3,200mcg/ml以
たGMに
上 とい うか
は3.13mcgimiか
菌,大 腸 菌 に つ い て は 緑膿 菌,変 形菌 の場 合 と異 な り,
AMDの
耐 性 化 は や や ゆ る や か な上 昇傾 向に あ り,こ の
mcg/m1と
場 合比 較 したPRMも
強 い 交 叉 耐 性 が認 め られ る。 つ ぎにVM,KMあ
vm・
また 同 様 であ つ た 。
交 叉 耐 性(CressResistance)
前 項 の ご と くに して 得 られ た 緑 膿 菌,大 腸 菌,ブ
ドウ
ら12,800mcglm1以
とい う よ うに 耐 性 は 上 昇 して くるか ら,こ
先 に述 べ た比 較 薬 剤 の ほか に,PolymyxinB(PMX・B>,
にAMDに50mcglmlの
CレR×256
400
FRM-Rx256以
上
VM-R×4以
上
KM・R×128
GM-Rx32
6.25
400
3.13
200
200
3.13
KM
VM
3.13
3.13
原 株 を12,800mcglml以
上
>1600
800
1.56
1.56
25
>1600
1.56
1.56
400
>1600
GM
25
100
>3200
100
3200
AMD
PRM
0
5
1。56
れ ら薬 剤と
に は 交 叉 耐 性は み られ る よ うで あ る。 今度 は 逆
膿 菌 の 交 叉 耐 性
PMX・BFRM
株
原
株 は そ れぞ れ200mcglm1,12,800mcgim1,1,600mcg/ml
AMD間
原
るいは
耐 性 に した 場 合 に はAMDは50mcg/m]の
薬 剤 間 の 交叉 耐 性 を検 討 した 。 この 場 合対 照 薬 剤 と して
謹CL
は
上 とな り,た いへ ん
球 菌 の そ れ ぞれ 薬 剤 に対 す る耐 性 菌 を 用 い て 各 々交 互 の
表4緑
ら25
い う交 叉 耐 性が み られ る。 ま たAMDに
50mcg/m1か
GMに
あ
上 とい う高度 耐 性 菌 にす る と,
3.13
50
3.13
25
6.25
50
25
>12800
25
>12800
200
>12800
1600
400
>12800
6.25
3.13
400
>1600
1600
韮00
AMD・Rx256以
上
6.25
1.56
800
>1600
3200
25
>12800
>12800
PRM-R×256以
上
1.56
3.13
800
>1600
3200
50
>12800
>12800
3200
MIC(mcglml)
CHEMOTHERAPY
110
表5黄
色 ブ
PMX-B
菌
一
ド ウ 球 菌 の 交 叉 耐 性
抗生 物質
CL、
FEB.1968
VM
FRM
KM
GM
PRM
AMD
株
原
株
12.5
25
0.39
6.25
・・39【
…gl・
1.56
・78
CL-R
X4
100
50
1.56
50
1.56
0.19
1.56
1.56
PMX宿B-R
×8
200
100
0.78
50
1.56
0.19
3.13
1.56
FRM-R
×8
50
12.5
3.13
200
12。5
0.78
6.25
6.25
VM-R
×8
25
12.5
1.56
50
3.13
0.39
3.13
3.13
KM-R
×32
25
12.5
3。13
50
0。78
3.13
6.25
GM-R
×8
25
12.5
0.78
3.13
0.78
3.13
6.25
AMD-R
×4
50
12.5
1.56
50
3.13
0.78
3.13
6.25
PRM-R
×4
100
50
1.56
50
3。13
0.78
3.13
6.25
12.5
6.25
MIC(mcglm1)
表6大
抗生物質
菌
CL
腸 菌 の 交 叉 耐 性
PMxお
FRM
GM
KM
VM
AMD
PRM
株
原
株
・・781・
0.78
・39
0。39
6.25
0.78
CレR
×16
12.5
6.25
x32
0.19
0.39
25
50
VM-R
×64
0.39
0.78
25
KM-R
×64
0,39
0.39
25
GM-R
、X64
0.39
100
100
lOO
AMD-R
×64
50
100
200
PRM-R
×64
50
100
200
0.39
<0.19
0.19
0.19
6.25
1.56
FRM鱒R
<0.19
1.56
6.25
1.56
3.13
3.13
3.13
50
6.25
50
50
400
25
6.25
25
50
50
10e
6.25
50
100
25
200
200
25
200
200
25
200
200
MIC(mcg加1)
とい う高度 耐 性 菌 に した 場 合 のFRM,VM,KM,GM
に つ い て は,GMを
図9
除 い てFRM,VM,KMな
どの 間
に 強 い交 叉 耐 性 が 認 め られ て い る。 な おGMに
は3,13mcg/m1か
交 叉 耐 性が,ま
ら25mcglmlと
約8倍
ついて
た 近 似 す る とい わ れ て い るPRMと
腸菌 に つ い て も表5,6に
欝
の
ddKWtXl5±i}
示 され る ご と くほ
実 験 的 緑膿 菌 感 染 症 に 対 す る効 果
て,緑
後,6時
12345678910
ウ ス実 験 的 緑 膿 菌 感 染 症 に対 す る 効果
体 重15士19のdd系
マ ウス(1群10匹
膿 菌 を7LD5。,マ
間 後 の2回
mg/mouse,25mg/mouseを
〉 に対 し
ウス の皮 下 に接 種 し,1時
にAMDを
zsayx2
訟
㍉
、
IX・ 実 験 的 感 染 症 に対 す る治 療 効 果
わ
綴多
毒
繧 同 様 の傾 向 を示 して い る。
a)マ
PseひdemeRasaetti3ihesalVal2
の弱 い な が ら
間 に は ほ と ん ど完 壁 な 交 叉 耐 性 が 認 め られ る。 なお ブ ド
ウ球 菌,大
マ ウ ス実 験 的 緑 膿 菌 感 染 症 に対 す る効 果
間
各7.5mg/mouse,5.O
皮下注射 しそ の延命効果を
観 寮 召数
延 命 効果 は全 く認 め られ な か つ た 。
b)モ
ル モ ッ ト実 験 的 緑 膿 菌 感 染 症 に対 す る 効 果
平 均 体 重2709の
モ ル モ ッ ト(1群10匹)に,緑
膿 菌PseudomenasaeraginesaNo・12を2LDso(1・4×
観 察 した。 そ の成 績 は図9に 示 され る ご と くで あ る。 す
108),足 踪i皮下 に接 種 し,前 項 と同 様1時 間 後,6時
な わ ち対 照 群 お よび2・5mg×2/mouseは
後 の2回 に200mg,100mgを
皮 下 に 投 与,そ
果 をみ た。 そ の成 績 は 図10お
よび 表7に 示 され るご と
間 以 内 に 敗 血 症 死 し,5・Omg×2/mouseは2日
7・5mg×2/mouseは3日
そ れ ぞ れ24時
以 内,
以 内に そ れ ぞ れ 死 亡 し,有 効 な
間
の 延命 効
くで あ る。 す な わ ち8日 間 の 観 察 に お い て は,そ れ ぞ れ
CHEMOTHERAPY
VOL16NO.2
図10モ
mgimouse,O・5mglmouse,O・25mg/mouse皮
ル モ ノ ト実 験 的 緑膿 菌』
感 染 症 に対 す る効 果
多搬
下 注 射 し,
そ れ ぞ れ の治 療 効 果 を 観察 しそ の 生 存 率 を求 めた 。 そ の
禦
虚 轡
初
111
モ酬5。L蹴
成 績 は 表8に 示 され る ごと くであ る。 す なわ ち,こ の成
ゐ70鞠
・
績 よ りAMDはKMよ
欝
"
生 L仔 ﹂率 謬
f綴 野
りす ぐれ た,GMよ
り劣 る治
療 効果 が 得 られ た 。
3>マ
ウス 実 験 的 ブ ドウ球 菌 感 染 症 に対 す る効 果
鰯
ズ
監
■
●
一
}
一
一
一
一
薇
、、L
体 重18土19の
マ ウ ス(1群10匹)に18LD50の
ブ ドウ球 菌StaPhsloceccusaureusE46(東
'
教 授 分 与 株 〉 を3%ム
京大 学,岩 田
甘数
ρ
ひヨ
票
7観
6
5
4
3
2
ノ
チ ソを使 用 して 腹腔 内 に接 種 し,
2時 間 後 に1回AMDお
よび 対 照 薬 剤 と してKM,GM
各O、25mg/m◎use,O.5mg/mouse,1mg/mouse皮
表7モ
ル モ ッ ト実 験 的 様 膿 菌 感 染 症 に対 す る
化学 療 法係 数
POlymyxinB
7.8mglkg
58mglkg
su血te
Gentamicin
600mg/kg
sulfate
>10,000
mglkg
1,700
mglkg
Kasugamycin
su茎fate
Am㎞osidiぬe
sulfate
そ の 成 績 は 図llに
i僻 療ED・ ◎
l法係 数LD5。
58mg/kg
Colistlnsu血te
射 しそれ ぞれ の治 療 効 果 を 観 察 しそ の 生存 率 を求 めた 。
投 与法S.◎
LDsgiEDsg
抗 生 物 質
0.玉4
150mglkg
0.25
520mg/kg
ウ ス実 験 的 肺 炎球 菌 感 染 症 に 対 す る効 果
問 後,1回
らに6時 間 後 の2回 にAMDお
よ び対照薬剤 と して
KMを
各 々O.25mg/mouse,O.5mg/mouseを
0.41
あ り,こ
学 療 法 係 数(釜
斜
ウス 実験 的 ブ ドウ球菌 感 染 症 に対 す る効 果
譲
≦.___.__._._.__一
ルtノ
蜘1
刃ルの α袖Xノ
ー一
一『鴨 襯o薦7k'
の表
\ き}一
な る 。 い ま,化
を求 め て み る と …1・1とな り・わ
た した ち の教 室 で 行 なつ てい る ほか の 緑 膿 菌用 の抗 生 物
一
一
一一 ・
一
一 …一
…一…
κ〃o殉xノ
瑠鋤
生
存 灘
ラ
率 - 傷
質 の化 学 療 法 係 数,す
な わ ちCL,PMX-Bの
場 合は
0.14で あ り,GMの
場 合 は0.25で あ る。 また,KSM
の場 合0.05以
下 とい う成 績 を得 て い るの で,こ れ らの
ノ234レ6ア
薬 剤 と比 較 してみ る とAMDの
試 験 管 内 と同 様,あ
2)マ
緑 膿 菌 に 対 す る 効果 は
ま り有効 とは考 え られ な い 。
後 の マ ウ ス(1群10匹)に30LD5。
の
大 腸 菌 を3%ム
チ ソを 使 用 して 腹腔 内に 接 種 し,2時
間
後 に1回AMDお
よび 対 照 薬 剤 と してKM,GMを1
表8マ
抗生款1mg1-o嘉91一
GM
、\ 、
巡t塑
浬 ゐ
型 蟄遡)
1'\ 濾ρ鱗麟2幽紙編燭hrs勧忽謝)
佃
6
日
数
5 察
(紛
4 観
5・%13・%
10%
生存 率
0%
3
80%
・%
数
鞭儒
60%
2
AMD
7・%い
ヨ
寒
Com
/
KM
100%190%
謬
↓
テ1鳳
ウ ス実 験 的 大 腸 菌 感 染 症 に対 す る 治療 効 果
O.25
mg/mouse
日
観
図12マ
ウ ス実 験 的 肺 炎球 菌 感染 症 に対 す る効果
煮
域∠ρ5厩P
ウ ス実 験 的大 腸 菌 感 染 症 に 対 す る効 果
体 重179前
示 され
約 β乙伽 ∠ρ
表 示 した ご と く で あ る 。 す
求 め る と707・5mg/kgと
皮 下 注射
る ご と くで あ る。 す なわ ち対 照 群 は3日 以 内に 敗血 症 死
図11マ
よ りED50を
あ るい は さ
しそ の 延 命 効 果 を観 察 した。 そ の成 績 は 図12に
707.5
mg/kg
な わ ちAMDのLDsoは1,700mg/kgで
マ ウ ス(1群10匹)に100LD5,の
肺 炎 球 菌 を 腹腔 内に 接 種 し,1時
投 与 量 に 応 じた 延 命 効 果 が 認 め られ た 。 な お モ ル モ ッ ト
に 対 す るAMDのLDs,は
同 量 投与 群 よ りや や 良
好 な 治 療 効果 が 得 られ た。
体 重18±19の
<O.05
示 され る ご と くで あ る。 す なわ ち,
こ の 成 績 よ りAMDはKMの
4>マ
0.14
7.8mg/kg
下注
112
CHEMOTHERAPY
図13マ
ウス 実 験 的 溶 血 連 鎖 球 菌 に対 す る効 果
約50巨)seLk
FEB. 1968
蛋 白,接 種 菌 量 を 検 討 した 結 果,pHに
ついては酸性側
に お い て 抗 菌 力 の 著 しい 減 少 が 認 め られ,血
して は50%ま
礎 ゐ
σの
清 蛋 白 に対
で添 加 した が 抗菌 力 の減 少 はみ られ な か
つ た。 接 種 菌 量 に つ い て は,104∼107i接 種 の場 合 は あ ま
添st・ept・
照
生
…Cush・m・tsti・vss・23
マ ウス 解
刎
り抗菌 力 に 変 動 は な い が,108個
駄
存贈
の接 種 に よつ て 抗菌 力
の著 しい減 弱が 認 め られ た 。 また,大 腸 菌 を用 いた 増 殖
曲線 に お よぼ す 影 響 を比 濁 法 お よび 生菌 数 測定 法 に よつ
漕2解
率
て検 討 した 結 果,本
いr脚2旗2解
%黙
剤 は比 較 的 低 濃 度 に お い て 静 菌的 作
用 と同時 に殺 菌 的 作 用 を兼 ね そ な え て い る抗 生 物質 で あ
酬
る こ とが わ か つ た 。 つ ぎに 試 験 管 内耐 性 獲 得状 態 を緑 膿
菌,変 形 菌,ブ
123456ブ
観
εi
寮…
ヨ蚊
ドウ球 菌,大 腸 菌 の4菌 株 に つ い て検 討
した結 果,緑 膿 菌 と変 形 菌 に 対 す る耐 性 獲 得 は 非常 に 階
段 的に 耐 性 上 昇 が み られ た 。 こ の場 合KM,FRM,GM
しAMDO.5m9/mouse×1は60%,KM同
は20%で
量 注 射群
あ りこの 場 合 に お い て もAMDはKMよ
段 的上 昇 を示 した 。 しか しなが ら,ブ
りや や 良 好 な 治療 効果 が 得 られ た 。
5)マ
マ ウ ス(1群7匹)に
対 して
溶 血 連 鎖 球 菌Stroptececcus伽o舞6欝S-23を
LD馳
を 腹 腔 内 に 接 種 し,1時
ドウ球 菌 と大 腸 菌
に対 す る耐 性 獲 得 は 前2菌 株 に 比 べ て,ゆ るや か な耐 性
ウ ス実 験 的 溶血 連 鎖 球 菌 感 染 症 に 対 す る効 果
体 重25∼299のdd系
に つい て も両 時 に 行 な つ た が,こ れ ら も同様 に 著 名 な 階
間 後,6時
AMD,KM.GMの2.5mg×21mouseを
約50
の獲 得状 態 で,こ
の場 合,比
較 したPRMと
ほ とん ど
同程 度 の上 昇 が み られ た 。 こ の よ うに して得 られ た 各薬
剤耐 性 菌 株 を 使 つ て 交 互 の 交 叉 耐 性 を検 討 した 。 そ の結
間後 の2回 に
果AMDはFRM,VM,KM,PRM,GMの
皮 下 注射 し,
交 叉 耐 性 が か な りみ られ た 。 最 後 に 実 験 的 感 染 症 に対 す
そ の 治療 効 果 を観 察 した 。 そ の 成 績 は 図13に
示 され る
間に交互の
る治 療 効 果 に つ い て は,ま ず 緑膿 菌 感 染 症 に 対 す る効果
ご と くで あ る。 す なわ ち,対 照 群 お よびAMD,KMの
で あ るが,マ
ウ ス,モ ル モ ッ トを 用 い た 感 染 実 験 の結 果
間 に は差 が 認 め られ ず,全 群2日 以 内 に 死亡 した 。 こ の
は,AMDは
試験 管 内 と同 様i期待 され る 効 果 は 得 られ な
成 績 はAMD,KMい
か つ た 。 つ ぎに マ ウス 実験 的大 腸 菌 あ る い は ブ ドウ球
が100mcgtmlで
ず れ もinvitreに
おけ るM.1。C
ほ とん ど感 受性 が認 め られ なか つ た 事
実 と一 致 して い る。
X・
剤 と したKMよ
ま
抗 生 物 質Aminosidineに
つ た 結 果,つ
菌,肺 炎 球菌,感 染 症 に対 す る効 果 に つ い て は,対 照 薬
と
め
りもや や 有 効 な成 績 が 得 られ た。 つ ぎ
に 溶 血 連 鎖球 菌 に対 して はKM,AMDと
関 す る 細 菌 学 的 研 究 を行 な
ぎの ご と き成 績 が 得 られ た 。 まず,抗 菌 ス
もに試 験 管 内
と同 様,動 物 実 験 に お い て も全 く無 効 で あ つ た 。
稿 を 終 るに 当 た つ て 本研 究 に 始 終 ご協 力 下 さつ た京 都
ペ ク トラム は 既知 抗 生物 質 で あ るFRM,PRM,KM,
薬 科 大 学 微 生 物 学 教 室 の 横 田,小 野 両 助 手,な
GMと
室 員 の 方 々に 厚 く感 謝 致 し ます。
同 様 グ ラム陽 性 菌,グ
ラ ム陰 性 桿 菌 に 広 い 抗菌
ス ペ ク トラム を有 し,そ の抗 菌 力 は,こ れ らの 既 知 薬 剤
本 論 文 の 要 旨 は昭 和41年12月3日
に か な り近 い抗 菌 力 を示 してい た 。 臨 床 分 離 の細 菌 に対
K回
す るAMDの
本化 学 療 法学 会 総 会Aminosidineシ
た 結 果,ほ
感 受性 に つ い て は,97株
について検討 し
と ん ど大 部 分 は 標 準 株 と同一 の感 受 性 を示 し
てい た が,約10%近
くは50mcglm1以
認 め られ た。 この 耐 性 株 はKM,PRMに
交 叉 を示 して
2株 は100mcglml以
中
上 の耐 性 株,赤 痢 菌9株 に つ い て
検 討 した が 全 株 感受 性 範 囲 内 に あつ た。 緑 膿 菌18株
に
つ い て は,そ の 内2株 は 高度 の耐 性 株 であ つ た 。
つ ぎにAMDの
mcglm1の
約40日
水 溶 液 に つ い て5℃,室
温,37℃
にお い て
間 観 察 した が,そ の 間 の 力 価 の 減 少 は認 め られ
なか つ た。 またAMDの
抗 菌 力に お よぼ すpH,血
清
日
ン ポ ジ ウ ム基 礎 部
門 ア ンケ ー トに お い て報 告 さ れた もの で あ る。
参
考
文
献
1)
GHIONE,M. BuoGo,A., SANFILIPPO,
A.: Giornale
di Microbiologia; Vol. 8, No. 1, 9---24, 1960
2) ARCAMONE,
F. BERTAllLIC,
C. GHIONE,
M. Scorn,
T.: Giornale di Microbiologia: Vol. 7, No. 4, 251
—272,1959
3>Aminosidine研
19日(東
京)
水 溶 液 の安 定 性 に つ い て は1,000
京 都 に お け る第
日本 化 学 療 法 学 会 中 日本 支 部 総 会 お よび 第15回
上 の耐 性 株 が
い る こ とが 認 め られ た 。 また 臨床 分 離 の大 腸 菌18株
らび に教
4)第14回
究 会 講 演 報 告 集,昭 和41年ll月
日本化 学 療 法 学 会 中 日本 支 部 総 会 講 演要
旨,昭 和41年12月2日(京
都)
5)第15回
日本 化 学 療 法 学 会 総 会,Aminosidineシ
ソ
ポ ジ ウ ム講 演 要 旨・ 昭和42年6月2日(名
古 屋}
VOL. 16 NO. 2
CHEMOTHERAPY
BACTERIOLOGICAL
STUDY
113
ON AMINOSIDINE
SHOZO NAKAZAWA
The Institute
of Medical Science, The University
of Tokyo
NOBUHIKO YOSHIDA, HIROKO KUDO,
KIKUKO SAITO & MASAKO SANG
The Department
of Microbiology,
Kyoto College of Pharmacy
As an experiment in vitro of an antibiotic—aminosidine,
we have studied on antibacterial spectrum,
sensitivity to clinical isolated bacteria such as Staphylococcus, E. coli, Shigella and P. aeruginosa and
influences of pH, serum protein and inoculated bacterial cells on antibacterial activity.
On the other
hand, we also have worked on designating types of antibacterial activity by means of total cell count
method, viable count method and condition of acquired resistance and cross resistance.
Furthermore,
we researched in antibacterial activity in vivo to an experimental infectious disease and
as the result of the above studies, we could obtain a few findings.