都立高校改革推進計画 新実施計画

別添2
都立高校改革推進計画
新実施計画
平成28年2月
東京都教育委員会
は じ め に
東京都教育委員会は、生徒の多様化や急激な生徒数の減少等に対応するため、都立高
校改革推進計画(平成9~18 年度)を策定し、中途退学率の低下や入学者選抜の倍率
の回復等に成果を上げてきました。また、計画期間終了後の都立高校の現状の課題を明
らかにした上で、新たな都立高校改革推進計画(平成 24~33 年度)を策定するととも
に、同時に策定した同計画の第一次実施計画(平成 27 年度までを計画期間とする)に
基づき、都立高校改革を推進しており、本年は、第二次実施計画を策定する予定となっ
ていました。
一方、第一次実施計画策定後の我が国の高校教育や東京都政の動向に目を向けると、
高大接続改革や学習指導要領の改訂に向けた検討の進展、東京 2020 オリンピック・
パラリンピック競技大会の開催決定、東京都教育施策大綱の策定等、都立高校の教育活
動に影響を及ぼす様々な変化が生じています。このため、これらの変化に的確に対応す
る観点から、今回の実施計画を第二次実施計画としてではなく、
「新実施計画」として
取りまとめることとしました。
新実施計画では、教育基本法の理念を踏まえ、都立高校が生徒を「真に社会人として
自立した人間」に育成する、具体的には「これからの時代を担う『知』
『徳』
『体』の調
和がとれた人間」
、
「グローバル化する東京、日本を支える人間」
、
「自他を共に尊重し社
会の中で自立して生きていく人間」に育成するため、①次代を担う社会的に自立した人
間の育成(教育内容)、②生徒一人一人の能力を最大限に伸ばす学校づくりの推進(学
校設置・課程改善等)、③質の高い教育を支えるための環境整備(教育諸条件)の三つ
を計画の柱として施策を展開していきます。
東京都教育委員会は、こうした新実施計画を着実に推進し、より良い都立高校の実現
に向けた改革を進めてまいります。今後とも、都立高校及び東京都教育委員会に対して、
教育関係者、保護者及び都民の皆様の一層の御理解、御支援をいただきますよう、お願
い申し上げます。
平成 28 年2月
東 京 都 教 育 委 員 会
目
次
はじめに
第1部 都立高校改革の推進
1 都立高校改革推進計画の策定 …………………………………………………………………2
2 都立高校改革推進計画の目的と目標 …………………………………………………………5
3 都立高校改革推進計画の性格 …………………………………………………………………6
4 都立高校改革推進計画の体系図 ………………………………………………………………8
第2部 都立高校改革推進計画・新実施計画
目標Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成 …………………………13
1
1
1
2
3
4
5
社会的自立に必要となる「知」「徳」「体」の育成【知】 …………………………………………14
社会的自立に必要となる「知」「徳」「体」の育成【徳】 …………………………………………23
社会的自立に必要となる「知」「徳」「体」の育成【体】 …………………………………………26
グローバル人材の育成 …………………………………………………………………………31
オリンピック・パラリンピック教育の推進 ………………………………………………………38
社会的・職業的自立意識の醸成 ………………………………………………………………42
都立高校における特別支援教育の推進 ………………………………………………………47
目標Ⅱ 生徒一人一人の能力を最大限に伸ばす学校づくりの推進 ………51
1 国際色豊かな学校の拡充 ……………………………………………………………………52
2 専門高校等の改善 ……………………………………………………………………………56
3 定時制課程・通信制課程の改善 ………………………………………………………………59
4 島しょ高校の改善 ………………………………………………………………………………64
都立高校等の新配置計画・学科の改編・学校の指定 ……………………………………………66
目標Ⅲ 質の高い教育を支えるための環境整備 ……………………………69
1
2
3
4
5
6
組織的な学校経営の強化………………………………………………………………………70
教員の資質・能力の向上 ………………………………………………………………………74
安全で環境に優しい施設整備 …………………………………………………………………79
就学機会の適正な確保…………………………………………………………………………82
社会の変化に対応した入学者選抜の改善 ……………………………………………………85
課題を抱える生徒の自立に向けた支援の充実 ………………………………………………87
資料
第1部 都立高校改革の推進
1
都立高校改革推進計画の策定
2
都立高校改革推進計画の目的と目標
3
都立高校改革推進計画の性格
4
都立高校改革推進計画の体系図
第1部 都立高校改革の推進
1
都立高校改革推進計画の策定
(1)都立高校改革推進計画(平成9~18 年度)の策定
都教育委員会は、生徒の多様化や急激な生徒数の減少等に対応するため、平成9年9月に、
都立高校の改革に関する総合的な計画である「都立高校改革推進計画」を策定しました。こ
れに基づき、二次にわたる実施計画と、その後の社会状況の変化や教育への都民の期待の高
まり等を踏まえた「都立高校改革推進計画・新たな実施計画」
(平成 14 年 10 月)を策定し、
一人一人の生徒の多様性に対応した弾力的な教育を実施してきました。
具体的には、新しいタイプの高校の設置や学区の撤廃等により、中学生の進路選択におけ
る選択肢の拡充を図るとともに、少子化による生徒数の減少に対応するため、地域バランス
を考慮した都立高校の規模と配置の適正化に取り組みました。これらのことにより、中途退
学率の低下や大学等進路実績の向上、入学者選抜の倍率の回復等の成果を上げてきました。
(2)新たな都立高校改革推進計画(平成 24~33 年度)の策定
都教育委員会は、平成9年に策定した都立高校改革推進計画の成果検証や、中学生や高校
生を含む都民、企業、大学を対象とした都立高校に対する意識調査を実施した上で、平成 23
年9月に、
「都立高校と生徒の未来を考えるために -都立高校白書(平成 23 年度版)-」
を作成・公表し、生徒の学力や体力、規範意識、職業的自立意識、教員の資質・能力や学校
の経営体制等についての現状と課題を明らかにしました。
また、その間に教育基本法の改正(平成 18 年)や学習指導要領の改訂(平成 21 年)が行
われました。これらの趣旨も踏まえながら、都立高校が都民の期待に応えていくためには、
都立高校が抱えている課題の解決に向けて計画的に取り組んでいく必要があるという認識に
基づき、都教育委員会は平成 24 年2月に、①社会的自立の基盤となる力の確立、②変化する
社会の中での次代を担う人間の育成、③生徒の育成を担う教員の資質・能力と学校の経営力
の向上、④生徒一人一人の能力を最大限に伸ばす学校づくりの推進、⑤質の高い教育を支え
る教育諸条件の整備、の五つの目標により構成された、10 年間の新たな長期計画を策定しま
した。あわせて、当初4年間の具体的な計画である第一次実施計画を策定し、都立高校の更
なる改革に取り組んできています。
(3)第一次実施計画(平成 24~27 年度)の主な取組
目標Ⅰ 社会的自立の基盤となる力の確立
・学校の設置目的に応じて、都立高校卒業までに生徒が修得すべき学力の水準である「都立
高校学力スタンダード」を策定しました。これに基づき、各校では自校の学力スタンダー
ドを設定し、生徒一人一人の学力の向上を図っています。
・定時制・通信制課程を除く全ての都立高校において、消防などの関係機関と連携した一泊
二日の宿泊防災訓練を実施し、生徒一人一人の防災に対する自助・共助の精神を醸成して
います。
2
第1部 都立高校改革の推進
・東京都統一体力テストを実施し、その結果を踏まえた体育授業の工夫・改善や外部人材の活
用等の取組を行ってきています。
目標Ⅱ 変化する社会の中での次代を担う人間の育成
・生徒が将来への展望をもって高校生活を送れるよう、企業や大学、NPO等と連携して職業
的自立に向けた教育プログラムを普通科高校を中心に展開し、進路実現につなげています。
・平成 24 年度から、海外で通用する英語力や広い視野、世界に飛び出すチャレンジ精神等を
育成した上で海外留学を経験させる「次世代リーダー育成道場」を開設し、毎年約 200 名の
都立高校生が約1年間の留学を通じて英語力を高めるとともに、豊かな国際感覚を身に付け
ています。
・平成 27 年度から、国際高校において、海外大学の入学資格として幅広く活用されている国
際バカロレアの教育プログラムにより授業を実施するコースを設置し、国際バカロレア機構
の認定を取得しました。
目標Ⅲ 生徒の育成を担う教員の資質・能力と学校の経営力の向上
・高い専門性と優れた教科指導力をもつ教員の力を活用し、教員全体の意欲と学習指導力の向
上を図るため、
「指導教諭」の職を設置しました。
・学校経営の観点から行うべき取組をまとめた「学校経営指標」を策定し、各校が自律的な経
営改善に活用しています。
目標Ⅳ 生徒一人一人の能力を最大限に伸ばす学校づくりの推進
・社会の変化に対応した専門高校の改善に向けた検討を進め、教育内容の改善や学科改編等の
方向性を取りまとめました。
・入学者選抜の応募倍率が高いチャレンジスクールにおいて、第一志望とする生徒をより多く
受け入れるため、募集方法を改善しました。また、規模と配置の適正化に向けた検討を進め
ました。
目標Ⅴ 質の高い教育を支える教育諸条件の整備
・入学者選抜において、中学校で身に付けるべき「基礎的・基本的な知識・技能」や「課題を
解決するために必要な思考力・判断力・表現力等」を的確にみることができるよう検討を進
め、平成 28 年度入学者選抜から学力検査に基づく選抜方法を改善することとしました。
・災害時に地域住民の避難所としても活用される体育館を中心に、天井材などの非構造部材の
耐震化を計画的に進めています。
(4)我が国の高等学校教育に係る近年の動向
平成 26 年6月、中央教育審議会初等中等教育分科会高等学校教育部会において、高校教育
の質の確保・向上に向けた基本的考え方や具体的方策を整理した「審議まとめ」が取りまと
められました。
「審議まとめ」では、社会で生きていくために必要となる力などを共通して身
3
第1部 都立高校改革の推進
に付けられるよう「共通性の確保」を図りつつ、生徒の卒業後の進路が多様になっているこ
となどを踏まえ、
「多様化への対応」も併せて進めることにより、高校教育の質の確保・向上
を目指すこととしています。
平成 27 年1月には、
「高大接続改革実行プラン」が策定されました。当該プランでは、高
校教育・大学教育・大学入学者選抜を通じて、これからの時代に求められる力を育成・評価
するために、学力評価のための新テスト(
「高等学校基礎学力テスト(仮称)
」及び「大学入
学希望者学力評価テスト(仮称)
」
)の在り方について検討を行うとしています。
また、平成 28 年度には、中央教育審議会が新しい時代にふさわしい学習指導要領等の基本
的な考え方などについて答申を出す予定としています。平成 27 年8月に取りまとめられた教
育課程企画特別部会の「論点整理」では、次期高等学校学習指導要領において育成すべき生
徒の資質・能力について、
「何を知っているか、何ができるか(個別の知識・技能)
」、「知っ
ていること・できることをどう使うか(思考力・判断力・表現力等)
」、
「どのように社会・世
界と関わり、よりよい人生を送るか(学びに向かう力、人間性等)
」の三つの柱で整理するこ
とが考えられるとしています。
(5)東京都政の近年の動向
平成 25 年9月、国際オリンピック委員会(IOC)総会において、東京が 2020 年オリン
ピック・パラリンピック競技大会の開催都市に決定しました。
また、平成 26 年 12 月には、都政の今後の羅針盤となる「東京都長期ビジョン」が策定さ
れました。この長期ビジョンでは、10 年後の東京都の将来像として、グローバル化が一層進
んだ東京で、日本人としての自覚と誇りをもちながら、国際感覚にあふれ、自分の力で未来
ひら
を切り拓くことができる若者が東京や日本を支える人材として活躍し始めている姿を描いて
います。
平成 27 年 11 月には、総合教育会議における教育委員会との意見交換を踏まえ、知事が、
東京都の教育の根本的な方針となる「東京都教育施策大綱」を策定しました。大綱では、
「個々
の子供に応じたきめ細かい教育の充実」
、「社会的自立を促す教育の推進」
、「世界で活躍でき
る人材の育成」
、
「オリンピック・パラリンピック教育の推進」
、
「不登校・中途退学対策」
、
「子
供たちの健全な心を育む取組」
、
「特別支援教育の推進」を重点事項として掲げています。
(6)都立高校改革推進計画の一部改定及び新実施計画の策定の必要性
教育基本法の理念や現行の学習指導要領の基本的な考え方に加えて、上記(4)
(5)に示
したような大学入試改革及び次期高等学校学習指導要領への対応、グローバル人材の育成に
向けた取組の強化、ニート、フリーター等の若年者の就業問題の解決に資する取組の推進と
いった新たな課題に向き合い、より良い都立高校を目指していくためには、教育内容の充実
や教育環境の整備に向けて、中長期的視点に立ち、これまでの枠組みにとらわれない広範な
取組が必要です。そのため、現在の都立高校改革推進計画を一部改定するとともに、実施計
画についても、第一次実施計画に引き続く第二次実施計画としてではなく、新たな取組を数
多く盛り込んだ新実施計画として策定し、更なる改革に取り組むこととします。
4
第1部 都立高校改革の推進
2
都立高校改革推進計画の目的と目標
目
的
教育基本法の理念を踏まえ、都立高校が生徒を「真に社会人として自立した
目標Ⅰ 社会的自立の基盤となる力の確立
人間」に育成する。
具体的には、
「これからの時代を担う『知』
『徳』
『体』の調和がとれた人間」
、
「グローバル化する東京、日本を支える人間」、「自他を共に尊重し社会の中で
自立して生きていく人間」に育成する。
この目的を具現化するため、「教育内容」
、「学校設置・課程改善等」、「教育諸条件」の観点
から以下の三つの目標を定めるとともに、各目標を達成するため、
「全ての生徒に個に応じた
適切な学びを提供し、本人の希望・適性に応じた進学・就職につながる学校づくりの徹底」を
基本的な考え方として、各取組の方向(施策)を展開します。
三つの目標
目標 Ⅰ
目標Ⅰ 社会的自立の基盤となる力の確立
次代を担う社会的に自立した人間の育成(教育内容)
東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会の開催とその先を見据え、
「知」「徳」「体」の調和がとれ、社会人としての自覚や働く意欲をもち、グロ
ーバル化が進む社会で活躍できる人間を育成します。
目標 Ⅱ
目標Ⅱ 変化する社会の中での次代を担う人間の育成
生徒一人一人の能力を最大限に伸ばす学校づくりの推進
(学校設置・課程改善等)
生徒の能力を最大限に伸ばす教育実践の場の充実に向けて、生徒や社会のニ
ーズを踏まえながら、既存の学科の改善等に加え、新たな学校の設置に取り組
みます。
目標
77
Ⅲ
質の高い教育を支えるための環境整備(教育諸条件)
目標Ⅲ 生徒の育成を担う教員の資質・能力と学校の経営力の向上
質の高い教育を実現するため、組織的な学校経営の強化、教員の指導力の向
上、課題を抱える生徒の自立に向けた支援の充実など、様々な教育条件や支援
体制を着実に整備します。
5
第1部 都立高校改革の推進
3
都立高校改革推進計画の性格
(1)計画の性格
本計画は、都民の期待に応えるため、都立高校が抱える課題の解決を図り、今後の展望を
明らかにする総合的な計画です。
(2)都立高校改革推進計画及び新実施計画の計画期間
都立高校改革推進計画(長期計画)は、平成 24 年度から平成 33 年度までの 10 年間を計画
期間としています。
また、長期計画の実現に向けた具体的な計画である実施計画は、社会状況の変化や公立中
学校卒業予定者数の推計等を勘案しながら3~4年ごとに策定することとしており、平成 24
年2月に、平成 24 年度から平成 27 年度までの4年間を計画期間とする第一次実施計画を策
定しました。
平成 28 年度以降については、今回の長期計画の一部改定に伴い、新実施計画として平成
28 年度から平成 30 年度までの3年間を計画期間とします。
実施計画の区分
第 一 次 実 施 計 画
新 実 施 計 画
次 期 実 施 計画 (仮 称)
6
計画期間
平成24年度から平成27年度まで
平成28年度から平成30年度まで
平成31年度から平成33年度まで
第1部 都立高校改革の推進
7
第1部 都立高校改革の推進
4
都立高校改革推進計画の体系図
目標
具体的な目標
取組の方向(施策)
新実施計画における取組
ア 校内の統一的指導体制の構築
イ 個の状況に応じた学力向上の支援
ウ 言語能力向上のための取組の推進
(1)個々の生徒に応じた指導の充実
エ 普通科中堅校の特色化と進学指導体制の強化
オ 進学指導重点校等の自習環境の充実と進学指導体制の強化
カ 高大連携の充実
キ 次期高等学校学習指導要領及び大学入試改革に対応した能力の育成
ア ICT環境の充実
(2)ICTを活用した学習の充実
イ ICTパイロット校の指定
ア 「理数イノベーション校」の充実
1
社会的自立に必要となる
「知」「徳」「体」の育成
(3)科学技術分野に関心と知識をもつ生徒の育成
ウ 理数研究校の指定
エ 医学部等を進学希望する生徒による「チーム」の結成
(4)道徳教育の推進と規範意識の育成
ア 新教科「人間と社会」の設置
イ 都立高校生活指導指針に基づく指導の充実
(5)いじめ防止対策の推進
ア 「いじめ総合対策」の充実
(6)インターネット被害の防止と情報モラルの向上
ア インターネット等の適正な利用の推進
ア 「アクティブプラン to 2020」-総合的な子供の基礎体力向上方策
(第3次推進計画)-の推進
Ⅰ
次
代
を
担
う
社
会
的
に
自
立
し
た
人
間
の
育
成
イ 「理数アカデミー」の取組
イ コオーディネーショントレーニング地域拠点校の指定
(7)基礎体力や競技力の向上
ウ 部活動推進指定校(体力気力鍛錬道場)の指定
エ 「スポーツ特別強化校」の指定による競技力向上
オ 部活動指導の民間委託モデル事業の実施
ア 健康づくり推進プランの実施
(8)健全な心と身体の育成
イ 危険ドラッグ等の薬物乱用防止教育の推進
ア 英語教育推進校の指定
(1)使える英語力の育成
イ JETプログラムによる外国人指導者の配置
ア 姉妹校交流の拡大
イ 東京グローバル10の取組の充実
(2)豊かな国際感覚の醸成
ウ 海外からの留学生受入れの促進
エ 次世代リーダー育成道場の充実
2 グローバル人材の育成
オ 多言語学習の充実
ア 伝統芸能鑑賞教室の実施
かんよう
(3)日本人としての自覚と誇りの涵養
イ JET青年等の活用による文化交流の促進
ウ 都独自の英語教材「Welcome to Tokyo」 の活用
エ 日本史の必修化
(4)持続可能な社会づくりの担い手の育成
ア ESDの推進
ア 東京ユースボランティアの推進
3
オリンピック・パラリン
ピック教育の推進
(1)オリンピック・パラリンピック教育の推進
イ スマイルプロジェクトの推進
ウ 夢・未来プロジェクトの推進
エ 世界ともだちプロジェクトの推進
ア 主権者意識の醸成
(1)キャリア教育の推進
イ 企業・NPO等との連携によるキャリア教育の推進
ウ 新教科「人間と社会」の設置(前掲)
社会的・職業的自立意識
4
の醸成
(2)社会貢献意識と実践力の育成
ア 防災教育の充実
イ 東京ユースボランティアの推進(前掲)
ア 技術・技能の習得に向けた取組の改善
(3)専門教育の充実
イ アグリマイスター顕彰制度を活用した農業教育の推進
ウ ものづくりへの興味・関心を高める工業教育の充実
エ ビジネスを実地に学ぶ商業教育への改革
都立高校における特別支
5
援教育の推進
ア 発達障害教育環境の整備
(1)特別支援教育の推進・充実
イ 発達障害教育に係る指導内容の充実と組織的な対応
ウ 支援体制の充実
8
第1部 都立高校改革の推進
目標
具体的な目標
取組の方向(施策)
新実施計画における取組
ア 新国際高校(仮称)の設置検討
Ⅱ
に生
伸徒
ば一
す人
学一
校人
づの
く能
り力
のを
推最
進大
限
1 国際色豊かな学校の拡充
(1)国際色豊かな教育環境の整備
イ 中高一貫教育校の充実
ウ 小中高一貫教育校の設置
エ 「国際バカロレア」の取組
ア デュアルシステム科の拡充
2 専門高校等の改善
(1)専門高校等の改善・充実
イ エンカレッジスクールの追加指定
ウ 工業高校における学科改編の推進
エ 商業高校の適正規模・適正配置
(2)保育や介護分野などを学ぶ学校の整備
ア 家庭・福祉高校の設置
ア チャレンジスクールの新設・規模拡大
イ 昼夜間定時制高校の規模拡大
定時制課程・通信制課程
3
の改善
(1)定時制課程の改善
ウ 夜間定時制課程の一部閉課程
エ チャレンジスクール・昼夜間定時制高校の充実
オ 定時制課程の給食の在り方の見直し
(2)通信制課程の改善
4 島しょ高校の改善
(1)島しょにおける教育の充実
ア 通信制課程の教育活動の充実
ア 島外生徒の受入体制整備
イ 海洋国際教育の充実
ア 管理職及びミドルリーダー層のマネジメント能力の向上
1 組織的な学校経営の強化
(1)学校経営に対する組織的支援の推進
イ 学校経営指標による組織的な学校経営の支援
ウ 特色ある教育活動や部活動等のPR方法の改善
(2)外部人材の活用
ア 学校サポートチームの効果的な活用
(3)地域に開かれた学校としての取組の推進
ア 地域における学習機会の提供と施設の開放
(1)教員の指導力向上に向けた取組の推進
ア 指導教諭の計画的任用と活用
ア 英語科教員の海外派遣研修の実施
イ 英語科教員の指導力・英語力向上のための研修の実施
Ⅲ
質
の
高
い
教
育
を
支
え
る
た
め
の
環
境
整
備
2 教員の資質・能力の向上
(2)研修の充実と強化
ウ 都教職員研修センターにおける教員の研修内容の充実
エ 進学指導研修の実施
オ 体罰根絶に向けた総合的な対策 安全で環境に優しい施設
3
整備
(3)人事交流の促進
ア 公募制人事の改善
(4)教員のメンタルヘルス対策の推進
ア 教員のメンタルヘルス対策の充実
(1)防災拠点としての施設・設備の整備
ア 非構造部材の耐震化
(2)教育活動を支えるための環境整備
(3)環境負荷低減を可能とする施設・設備整備
(1)就学対策の推進
4 就学機会の適正な確保
ア 特別教室の冷房化
イ 老朽校舎の改築・大規模改修
ア 太陽光発電設備の設置
イ 校舎屋上・壁面の緑化
ア 適正な募集枠の設定
イ 公立中学校卒業予定者数の増加に伴う対応
ア 「在京外国人生徒対象」の募集枠の検討
(2)在京外国人生徒の受入れ
イ 在京外国人生徒への日本語指導の充実
ウ 外国籍の受検者に対する措置
5
社会の変化に対応した
入学者選抜の改善
(1)入学者選抜の改善
(2)転学・編入学制度の改善
ア 推薦に基づく選抜の改善
イ 学力検査に基づく選抜の改善
ア 転学・編入学制度の活用と推進
ア 不登校・中途退学対策の中心的役割を担う教員の指定
(1)学校における指導体制の強化
イ スクールカウンセラーの拡充
ウ 精神科医の活用の促進
課題を抱える生徒の自立
6
に向けた支援の充実
(2)学校における指導内容の充実
(3)自立支援チームによる支援の実施
(4)再チャレンジに向けた環境づくり
ア 定時制課程における人間関係づくりの構築
ア 自立支援チームの設置
イ 関係機関との連携強化
ア 民間の支援団体との連携
9
第1部 都立高校改革の推進
10
第2部 都立高校改革推進計画・
新実施計画
目標Ⅰ
次代を担う社会的に自立した人間の育成
目標Ⅱ
生徒一人一人の能力を最大限に伸ばす学校づくりの推進
目標Ⅲ
質の高い教育を支えるための環境整備
第2部「都立高校改革推進計画・新実施計画」
〔ページの見方〕
各目標の具体的な目標(8・9ページ体系図を参
照)を示しています。
具体的な目標ごとに「現状と課題」を整理し、取
都
立
○○○○○
1
組の方向として 33 年度までの長期的に取り組む施
策と、新実施計画期間中(平成 28~30 年度)の具
現状と課題
体的な取組を説明しています。
高
校
具体的な目標における現状と課題を説明しています。
改
革
推
取組の方向
進 (1)○○○○○○
計
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
画
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
具体的な目標を達成するために長期的に取り組む施策を
説明しています。
(都立高校改革推進計画の内容)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ア
△△△△△△△
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
上記の長期的に取り組む施策に基づき、平成 28 年度から
新
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
実
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
施
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
平成 30 年度までの期間に具体的に取り組む内容を説明し
ています。
(新実施計画の内容)
計
画
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
○○の指定
□□□□
○○の実施
(○○の策定)
第一次実施計画の取組及び新実施計画の取組を年次計画表で
表しています。第一次実施計画欄の括弧()書きの取組は、第一
次実施計画策定後に、社会状況の変化などを踏まえ、新たに実施
した取組(第一次実施計画に記載のない取組)です。
12
目標Ⅰ
次代を担う
社会的に自立した人間の育成
1
社会的自立に必要となる「知」「徳」「体」の育成
2
グローバル人材の育成
3
オリンピック・パラリンピック教育の推進
4
社会的・職業的自立意識の醸成
5
都立高校における特別支援教育の推進
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
1
社会的自立に必要となる「知」「徳」「体」の育成 【知】
現状と課題
○各校が設置目的に応じて学力スタンダード1を設定したことにより、生徒の学力の実態把握
や教員間での指導方針等の共通認識を図ることが可能となりました。しかし、現状では学力
向上に向けた組織的な取組はまだ十分とは言えず、また、学力スタンダード学力調査の結果
によると、一部の学校においては、義務教育段階の基礎学力の定着が十分ではない生徒が少
なからず存在しています。そのため、今後は、生徒の基礎学力の定着を一層支援する必要が
あります。
図1 都立高校における学力スタンダード学力調査の結果
30
25
基礎学力の定着
が不十分
基礎学力を定着させる
ための支援が必要
例.数学Ⅰ
生徒数(
人)
20
15
10
5
0
0~ 4~ 8~ 12~ 16~ 20~ 24~ 28~ 32~ 36~ 40~ 44~ 48~ 52~ 56~ 60~ 64~ 68~ 72~ 76~ 80~ 84~ 88~ 92~ 96~100
得点分布(点)
平成26年度「都立高校学力スタンダード学力調査の「基礎」段階を活用したある学校(1学年分)のデータ」から作成
○価値観の多様化が進むグローバル社会をたくましく生き抜くためには、自らの考えや意見を
論理的に説明したり、議論・説得したりするための論理的思考力・表現力等の言語能力を一
層育む必要があります。
○生徒一人一人がその能力を伸ばし、将来を見据えた進路を実現するため、都立高校等の経営
計画では、
「知」
「徳」
「体」についての達成目標を明記し、成果検証と自律的な改革を推進し
てきました。しかし、普通科中堅校
2
では、生徒の学習意欲や卒業後の進路希望が多様であ
るため、個々の生徒の学力向上や進路実現に向けて、生徒の学力に応じた指導体制や、個別
指導等を更に強化する必要があります。
○進学指導重点校 3 の難関国立大学等への合格者は、指定以来、大幅に増加してきましたが、
生徒の進路希望の実現に向けて、教科指導力の強化など、進学指導の充実を一層図る必要が
あります。
14
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
図2 進学指導重点校の難関国立大学等の合格状況(現役)
(人)
50
40
45
44
30
32
国立
26
戸山
16
15
14
立川
日比谷
西
20
10
青山
八王子東
0
23年度
24年度
25年度
26年度
27年度
※難関国立大学等:東大・京都大・一橋大・東工大・国公立大医学部医学科
「各校公表資料」から作成
○「高等学校基礎学力テスト(仮称)
」や「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)
」等の国の
動向を念頭に置きながら、都立高校の学力向上について、更なる支援の在り方を検討する必
要があります。また、次期高等学校学習指導要領や大学入試改革を見据え、
「アクティブ・ラ
ーニング 4」の視点に立った学びを推進するための指導の充実などが求められます。
○都立高校では、全ての普通教室にLANを敷設するとともに、教員が利用するパソコン及び
常設プロジェクターを配備していますが、生徒の興味・関心を引き出しながら、生徒の思考
力、判断力、表現力等を伸長させるためには、普通教室でも生徒が協働学習などに利用でき
るICT環境を構築する必要があります。
○科学技術の発展は、我が国の国際競争力を維持、向上させていくために不可欠であり、都民
の期待するところです。
「全国学力・学習状況調査」
(平成 27 年度文部科学省)では、観察
や実験を中心とした授業などをよく行った場合の平均正答率が、行っていない場合に比べ高
くなっているという結果が表れています。今後、観察や実験を中心とした、体験的・問題解
決的な学習を通して学習内容への理解を深め、思考力、判断力、表現力等を伸長させる必要
があります。
図3 観察や実験を中心とした授業などを行った場合の平均正答率
■観察・実験の結果を整理し考察する授業
中学理科平均正答率
70%
65%
60%
■課題を設定し、話し合い、表現する授業
80%
実施した方が正答率が高い
55.6%
55%
49.5%
50%
75%
平
70%
均
正 65%
答 60%
率 55%
50%
45%
45%
40%
78.3%
実施した方が正答率が高い
74.8%
68.5%
67.3%
64.8%
62.9%
56.6%
51.7%
45.6%
40.0%
35%
40%
よく
行った
あまり/全く
行っていない
30%
国語A
国語B
数学A
数学B
よく行った
あまり/全く行っていない
理科
平成27年度「全国学力・学習状況調査」(文部科学省)から作成
15
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
○進学指導重点校では、国公立大学医学部への進学希望者が一定程度存在しているものの、合
2
格実績は横ばいで推移しています。医学部への進学など、生徒の多様な進路実現を図ってい
くためには、個々の進学ニーズに応じた、きめ細やかな取組が求められています。
取組の方向
(1)個々の生徒に応じた指導の充実
学力スタンダードに基づく学習指導を引き続き行うことで、生徒一人一人の学力の確実な
定着を図るとともに、定着状況を組織的に把握できるようにします。また、
「高等学校基礎学
力テスト(仮称)
」などの導入に向けて、学力向上について更なる支援の在り方を検討します。
さらに、義務教育段階の基礎学力の定着が十分ではない生徒に対し、個に応じた学び直し学
習を支援するため、外部人材を活用した学習環境の充実などを図ります。
言語能力の育成を図る取組や読書活動を推進し、コミュニケーション能力や生徒の考える
力を向上させます。
普通科中堅校において、学習指導や進路指導、部活動等の各分野において一層のレベルア
ップを図り、生徒・保護者の多様なニーズに応える魅力ある学校づくりを進めていくととも
に、進学指導重点校等において、高い進学ニーズに応えるため進学指導に関する支援を充実
させます。
大学進学への目的を明確にするとともに、大学進学後の自己の在り方生き方を意識させる
ため、大学や研究機関等との連携を推進します。また、次期高等学校学習指導要領等を見据
え、課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習方法の開発・普及を図ります。
ア 校内の統一的指導体制の構築
各都立高校では、自校で設置した学力スタンダードの学習内容を高校卒業までに着実に身
に付けさせる指導の充実を図ります。
また、都教育委員会では、各教科で組織的な指導を効果的に実施していくことを支援する
ため、生徒の学力の定着状況を把握するための標準問題を作成し、各校が共通に利用するこ
とができるデータバンクに保存・登録します。各校では、データバンクに登録された標準問
題を参考にして、自校の学力調査問題を作成することにより、生徒の学力の定着状況を分析
し、学習進度や指導内容の改善を図るとともに、各教科では教科主任を中心に指導の統一化
を一層推進し、生徒の学力向上につなげます。
1 学力スタンダードとは、各校が定めた明確な到達目標のこと。各校では学力スタンダードに基づいて、校内で組織的・効果的
な指導及び評価を行い、その評価に基づいて、指導内容・方法の改善を図っている。
2 普通科中堅校とは、多様な都立高校が存立する中で、一定の学力を備えているが、難関大学への進学率は特に高くなく、また、
学習や生活の基礎基本が十分に培われていないために生じる中途退学や生活指導による困難も多くない、全日制課程の普通
科高校のこと。
3
進学指導重点校とは、生徒の進学希望を実現するとともに、将来日本社会のリーダーとなり得る高い資質をもった生徒が、理
科系・文科系を問わず幅広い教科を学んで、難関国立大学等への進学を目指す学校として、都教育委員会が指定した都立高
校のこと。平成 13 年9月に日比谷高校、戸山高校、西高校、八王子東高校の4校を、平成 15 年 11 月に青山高校、立川
高校、国立高校の3校を指定し、平成 28年 2 月現在、7校を指定している。
4
アクティブ・ラーニングとは、教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れ
た教授・学習法の総称のこと。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験
を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれるが、教室内でのグループ・
ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。
16
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
「都立高校学力
スタンダード」の策定 継続実施
標準問題の
作成とデータ
バンクへの
登録
校内の統一的指導体制の構築
イ 個の状況に応じた学力向上の支援
義務教育段階の基礎学力の定着が十分ではない生徒に対して、放課後や休業日等に外部人
材を活用して学習支援を行う「校内寺子屋」を試行的に 10 校に設置します。
なお、校内寺子屋の設置校のうち1校には、学校に配備されたタブレットPC5 に、弱点を
克服する学習支援ツールを導入・実施し、設置校での効果検証を行い順次拡充していくこと
を検討します。3
また、義務教育段階での学習を復習しながら高校での学習に円滑な接続を図るための学び
直し科目の開発を進めるとともに、教育課程上の位置付けについて検討します。
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
校内寺子屋
の設置・
効果検証
個の状況に応じた学力向上
の支援
学習支援
ツールの導入
・効果検証
学び直し科目 教育課程
の開発
編成基準・
資料の提示
順次学び直し
科目の開講
5 タブレットPCとは、平板状の外形を備え、タッチパネル式などの表示・入力部を持った携帯可能なパーソナルコンピュータ
のこと。ノートPCと同様の形態にして本体側のキーボードで操作することも可能である。
17
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
ウ 言語能力向上のための取組の推進
言語能力の向上に取り組み、成果を上げている学校の指導実践を授業公開や実践報告会の
開催などを通して普及させます。全ての都立高校において、国語をはじめとする全教科で言
語活動 6 を取り入れた授業の改善を進めます。また、言語能力の向上を図るため、引き続き「言
葉の祭典」及び「高校生書評合戦 7」等を開催します。さらに、不読率 8 の更なる改善を図る
とともに読書の質の向上を目指し、
「楽しみを広げる」
、
「知識を得る」など、目的をもった読
書や読書によって感じたことを伝える機会等を通じて、読書に主体的に関わる態度を育成し
ます。4
項目
新実施計画
第一次実施計画
24年度~27年度
28年度
言葉の祭典【弁論、
英語スピーチ】
継続実施
高校生書評合戦の
実施
継続実施
29年度
30年度
言語能力向上のための取組
の推進
第三次東京都子供読 計画に基づく
書活動推進計画策定 取組の推進
読書状況調査の実施
読書状況
調査の実施
(隔年)
エ 普通科中堅校の特色化と進学指導体制の強化
普通科中堅校に入学する多様な生徒の学力向上や進路実現に向けて、外部機関を活用して
「進学指導体制の調査・改善」を行い、生徒の学力に応じた指導体制を強化します。また、
当該校の卒業生等の外部人材を活用した「チューター制度」を導入し、生徒の自主学習を教
員とともにサポートする体制を構築していきます。学校経営支援センターは、
「知」
「徳」
「体」
のバランスのとれた学校経営の実現に向けて助言・指導を行うとともに、各校のキャリア教
育や教科指導、部活動等の特色化に向けて経営支援を強く推進していきます。
6
言語活動とは、国語科をはじめとする全ての教科等で、思考力、判断力、表現力等を育む観点から行われる、記録、説明、批
評、論述、討論等の活動のこと。
7
書評合戦とは、発表参加者(5~10 人)が、一人 5 分間で自分が推薦する図書を紹介した後、参加者全員で 2 分から 3 分の
ディスカッションを行い、最も読みたくなった図書に対する投票を参加者全員で行い「チャンプ本」を決定する催しのこと。
8
不読率とは、1 か月に 1 冊も本を読まなかった生徒の割合のこと。
18
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
項目
普通科中堅校の特色化と
進学指導体制の強化
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
「学校経営計画」に
外部機関の
「知」「徳」「体」の達成
活用や
目標を明記
「チューター
制度」の導入
キャリア教育や教科
指導、部活動等の
学校経営支
特色化を推進
援センターが
各校の特色
学校経営支援
化に向けて経
センターが助言・
営支援を強化
指導を実施
30年度
効果検証
継続実施
オ 進学指導重点校等の自習環境の充実と進学指導体制の強化
進学指導重点校等を対象に、自学自習の時間の確保に向けて、自習室を中心とした学習環
境を充実させていきます。具体的には、机や椅子等のじゅう器類の整備、自習室の利用時間
の延長、卒業生を活用したチューター配置の拡充等を図ります。また、これまで行ってきた、
進学指導研究協議会参加校による授業研究、外部機関を活用した進学指導コンサルティング、
若手教員育成システムとしての進学指導研修生事業、都立高校の校長経験者等からなる巡回
指導員による学校への指導訪問などを継続し、進学指導重点校等における進学対策の一層の
充実を図ります。5
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
進学指導研究協議会
継続実施
参加校による授業研
進学指導重点校等の自習
環境の充実と進学指導体制 究等
の強化
自習環境の
状況調査
カ
30年度
調査結果を踏
まえ順次整備
高大連携の充実
大学や研究機関等と連携して実施する「志」育成事業
9
や合同説明会等を推進するととも
に、社会で活躍するために必要な力の育成を目的としたキャリア教育の視点に立った教科指
導、進路指導を組織的・計画的に実施します。
9 「志」育成事業とは、大学進学等進路目標を明確にするとともに、将来の自己の在り方生き方を意識させるため、最先端の科
学・技術等に関する講演等を実施する事業のこと。
19
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
項目
高大連携の充実
キ
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
「志」育成事業の実施 継続実施
次期高等学校学習指導要領及び大学入試改革に対応した能力の育成
次期高等学校学習指導要領等で求められている、協力しながら問題を解決する上で必要な
思考力・判断力・表現力等を育成するため「アクティブ・ラーニング」の手法を活用して、
受動的な学習ではなく、課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習方法の開発・
普及を図ります。
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
アクティブ・
ラーニング
順次拡大
推進校
の指定(15校)
次期高等学校学習指導要領
及び大学入試改革に対応し
た能力の育成
(2)ICTを活用した学習の充実
全ての都立高校にタブレットPCを計画的に配備し、普通教室における協働学習を充実し
ていきます。また、家庭での反復学習や学び直しにタブレットPCを効果的に活用していく
ための取組を推進します。
ア ICT環境の充実
調べ学習やグループ討議、プレゼンテーション等の学習活動をより効果的に行うため、タ
ブレットPCを全ての都立高校に1教室分ずつ導入していきます。あわせて、無線LANを
利用し、インターネットの活用やタブレットPC同士で情報の共有ができるようにします。
項目
ICT環境の充実
20
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
タブレットPCの導入 順次導入
29年度
全校に導入
30年度
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
イ
ICTパイロット校の指定
タブレットPCの特長を生かし、授業改善を図り、生徒の主体的で能動的な学習により学
力向上を目指すモデル校として、光丘高校と三鷹中等教育学校をICTパイロット校に指定
します。ICTパイロット校の効果を検証し、他の都立高校でのICTの活用について検討
していきます。
新実施計画
第一次実施計画
24年度~27年度
項目
28年度
29年度
30年度
2校指定
ICTパイロット校の指定
効果検証
(3)科学技術分野に関心と知識をもつ生徒の育成
観察や実験など体験的・問題解決的な学習を充実させた授業やカリキュラムの導入のほか、
大学や研究機関等との連携や外部人材の活用などにより、生徒の理数に対する興味・関心を
高めるとともに、生徒の思考力、判断力、表現力等を伸長させることで、将来の科学技術を
支える人間を輩出します。
生徒の多様な進学ニーズに対応するため、進学希望を同じくする生徒同士でチームを結成
せ っさた くま
し、互いに切磋琢磨し支え合うプログラムを実施します。
ア 「理数イノベーション校」の充実
けんいん
科学技術系人材の素地を育成する拠点として、東京都の理数教育を牽引する理数イノベー
ション校において、生徒の能力を一層伸長するため、大学や研究機関等と連携して最先端の
実験・講義を受講できる機会を設けるなど、取組の一層の充実を図ります。
第一次実施計画
24年度~27年度
項目
「理数イノベーション校」
の充実
新実施計画
28年度
理数イノベー
理数イノベーション校
ション校の
の指定
充実
29年度
30年度
効果検証
イ 「理数アカデミー」の取組
富士高校・附属中学校において、理数アカデミーの取組を行い、探究活動等の充実を図る
とともに、大学や研究機関等と連携して最先端の実験・講義を受講できる機会を設けるなど、
6年間を見通した系統的な理数教育を推進します。
21
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
探究活動等
の充実
「理数アカデミー」の取組
ウ 理数研究校の指定
理数に興味をもつ生徒の裾野を広げるため、大学や研究機関等と連携して理数に関するテ
ーマについての研究を行い、その成果を校内や各種科学コンテスト等で発表できる生徒を育
成するなど、特色ある教育活動を実施する学校を理数研究校に指定します。
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
理数研究校
の指定
理数研究校の指定
エ 医学部等を進学希望する生徒による「チーム」の結成
生徒の進学ニーズに対応するため、戸山高校において、医学部等への進学を希望する生徒
せ っさた くま
によるチームを結成し、互いに切磋琢磨し支え合う、3年間一貫した育成プログラムを実施
します。
項目
医学部等を進学希望する
生徒による「チーム」の結成
22
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
育成プログラ
ムの実施
29年度
30年度
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
1
社会的自立に必要となる「知」「徳」「体」の育成 【徳】
現状と課題
○生徒が自らの人生観や価値観に基づき、他者と対話し協働しながら、より良い解決策を生み
出していく力を育むことが非常に重要であり、この点で学校における生活指導は大きな役割
を担っています。しかしながら、かつてに比べれば、生活指導は全体として大きく改善され
てはいるものの、都立高校の一部では授業規律の乱れやマナーが守られていない生徒などの
問題が依然として見られます。組織的な生活指導を十分に行うことで、社会人としてのルー
ルやマナーを着実に身に付けさせていく必要があります。
○平成 26 年度に策定した「東京都教育委員会いじめ総合対策」に基づき、全ての都立高校に
「学校いじめ対策委員会
1
10
」を設置しました。今後はこの対策委員会を十分に機能させ、
いじめ問題解決のための組織的対応を漏れなく確実に実施する必要があります。
○携帯電話やスマートフォンの普及により、高校生がスマートフォン等を長時間、また、夜遅
くまで利用している状況があります。スマートフォン等の長時間利用に伴う学力の低下やS
NS11 等への書き込みによるトラブルが見られるため、生徒がSNS等を適正に利用するこ
とができるよう資質・能力を育てていく必要があります。
図4 都立高校生のスマートフォン等の利用状況
■利用終了時刻
していない
1
■一日当たりの利用時間
25.3%
していない
21.0%
午後7時頃まで
3.8%
1時間程度まで
20.1%
午後7時過ぎ~8時頃まで
1.9%
2時間程度
12.9%
午後8時過ぎ~9時頃まで
3.3%
3時間程度
9.3%
午後9時過ぎ~10時頃まで
5.9%
4時間程度
5.9%
午後10時過ぎ~11時頃まで
9.5%
5時間程度
3.8%
午後11時過ぎ~12時頃まで
13.5%
6時間程度
1.7%
午後12時過ぎ~午前1時頃まで
8.7%
7時間程度
1.5%
午前1時以降
8.3%
7時間以上
4.6%
無回答
19.7%
※午後1 0 時以降の利用が約4 割
19.3%
無回答
※1 日3 時間以上の利用が約3 割
平成26年度「インターネット・携帯電話利用に関する実態調査報告書」(都教育委員会)から作成
図5 SNSによるトラブルの状況
小学校
中学校
高校
自分の悪口や個人情報を書かれた
3.2%
8.9%
15.4%
仲間はずれにされた
2.6%
6.4%
11.9%
平成26年度「インターネット・携帯電話利用に関する実態調査報告書」(都教育委員会)から作成
10 学校いじめ対策委員会とは、いじめ防止対策推進法第 22 条に基づき学校に設置される組織であり、校長や副校長、養護教
諭、スクールカウンセラー(解説は P61 参照)その他校長が必要と認める者(保護者・部活動顧問)により構成する委員
会のこと。
11
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)とは、Twitter や Facebook、LINE など、インターネット上の交流を
通して社会的ネットワークを提供するサービスのこと。
23
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
取組の方向
(4)道徳教育の推進と規範意識の育成
都立高校生に道徳的価値の自覚を深めさせ、社会の様々な場面や状況に応じて適切に選択
・行動する能力を育成します。また、人間関係の構築に必要なコミュニケーション能力を向
上させるとともに、人間としての在り方生き方に関する自覚を深めさせ、道徳的実践力を育
成します。
社会人としてもつべき基本的なルールやマナーを身に付けさせるため、授業や日常生活の
かんよう
中でルールを遵守する指導を充実させ、規範意識の醸成と公共の精神の涵養を図ります。
ア 新教科「人間と社会」の設置
道徳教育とキャリア教育の一体化を図った、人間としての在り方生き方に関する新教科「人
間と社会」を開発し、平成 28 年度から全ての都立高校で実施します。社会の現実に照らした
体験活動や演習を通じて、道徳性を養い、判断基準(価値観)を高めることで、より良い生
き方を主体的に選択し、行動する力を育成します。
項目
新教科「人間と社会」の設置
第一次実施計画
24年度~27年度
教科「奉仕」で試行
実施
新実施計画
28年度
29年度
30年度
全校で
「人間と社会」
の実施
イ 都立高校生活指導指針に基づく指導の充実
各都立高校において、社会人としての基本的なルールやマナーを身に付けさせる指導を組
織的に実施していくため、
「都立高校生活指導指針」を示すとともに、指導の充実に資する指
導資料を作成し、全ての教職員による組織的な指導体制を構築し、学校における規律の維持・
向上を図ります。
項目
都立高校生活指導指針に
基づく指導の充実
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
「社会人として身に付 指導資料に
けさせる規律・規範」 基づく指導の
の明示
充実
(5)いじめ防止対策の推進
全ての都立高校において、いじめを防止するための組織的な取組を更に徹底するとともに、
学校教育相談体制の充実を図ります。
24
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
ア 「いじめ総合対策」の充実
いじめ対策に効果が認められる実践事例を各校や教職員に周知するとともに、実践事例を
活用した教職員への研修を実施し、意識啓発を図ることで、
「学校いじめ対策委員会」の機能
を更に強化していきます。また、いじめや暴力行為等に対して見て見ぬふりをせず、生徒た
ち同士で話し合い、解決に向けて行動できるようにするなど、生徒の主体的な取組を促進し
ていきます。
項目
「いじめ総合対策」の充実
新実施計画
第一次実施計画
24年度~27年度
28年度
29年度
30年度
改訂「いじめ
「いじめ総合対策」の 「いじめ総合
総合対策」の
策定
対策」の改訂
実施
(6)インターネット被害の防止と情報モラルの向上
情報通信機器等の発達により、生徒を取り巻く環境が急激に変化している中で、様々な情
報を適切に取捨選択し活用する実践力や、情報社会に参画する望ましい態度、犯罪の被害者
や加害者にならないための知識を身に付けさせます。
ア インターネット等の適正な利用の推進
全ての都立高校を対象に、学校非公式サイト等の監視を行い、検出した不適切な書き込み
については、サイトの運営者等に対して書き込みの削除要請を行うとともに、当該校への連
絡を行い、学校での指導など適切な対応を行います。都立高校の生徒とその保護者、教員を
対象として、生徒のインターネットやスマートフォンの利用状況及び学校生活への影響等に
ついて調査を行い、その結果を指導の基礎資料として活用します。また、インターネット等
を通じて都立高校生がいじめ等のトラブルや犯罪に巻き込まれないようにするとともに、学
習への悪影響を防ぐため「SNS東京ルール」に基づいた取組を行います。さらに、都立高
校生が小・中学生に指導する「高校生ネット出前講座」の実施等により、高校生をはじめ子
供がインターネットを通じて他人を傷つける行為や犯罪・トラブルに巻き込まれるおそれの
ある行為を行わないようにするための取組を充実させます。
項目
インターネット等の適正な
利用の推進
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
学校非公式サイトの
監視
継続実施
情報モラル教育の
実施
情報モラル
教育の充実
29年度
30年度
「SNS東京
ルール」に
よる取組
25
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
1
社会的自立に必要となる「知」「徳」「体」の育成 【体】
現状と課題
○都立高校生の体力水準が低位で推移している状況を改善するとともに、生徒を東京 2020
オリンピック・パラリンピック競技大会(以下「東京 2020 大会」という。)の開催都市に
ふさわしい、運動・スポーツに親しむ元気で活発な人間に育成していく必要があります。
○脳神経と身体の動きを効果的に結び付け、生徒の体力向上を図ることが期待できるコオーデ
ィネーショントレーニング
12
に先進的に取り組む都立高校を平成 27 年度に6校指定して
います。今後、東京 2020 大会を見据え、全ての都立高校に普及させていく必要がありま
す。
1
○都立高校では、運動をする生徒と運動をしない生徒の二極化や生徒の身体活動量が全体とし
て減少している状況があります。体力や気力を向上させ、活気ある学校生活を実現していく
ためには、生徒の実態に応じて体育授業の指導内容・方法の工夫・改善や部活動加入率を向
上させる取組が必要です。
図6 都立高校生の1日の運動・スポーツ実施時間(学校の体育の授業を除く。)
【女子】
【男子】
全日制1年
39.8
全日制2年
41.0
全日制3年
定時制1年
定時制2年
25.2
21.6
34.8
12.7
10.9
定時制4年
7.8
18.4
18.6
11.7
定時制3年
19.9
18.8
16.5
0%
2時間以上
11.4
9.8
19.4
20.5
20%
40%
1~2時間
60%
定時制1年 5.0 11.4
49.1
定時制2年 5.1 11.5
49.8
定時制3年 4.8 9.3
定時制4年 2.2 9.0
80%
30分~1時間
19.0
47.5
55.2
30分未満
100%
20.0
23.3
全日制3年
36.0
21.3
22.9
全日制2年
27.7
10.8
20.5
全日制1年
23.6
0%
2時間以上
17.1
12.9
44.3
10.6
49.0
14.2 10.6
18.4
56.2
65.2
19.9
63.4
16.6
69.3
16.6
20%
72.3
40%
1~2時間
60%
30分~1時間
80%
100%
30分未満
平成27年度「東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査報告書」(都教育委員会)から作成
○都立高校生の全国大会出場は、都内の高校全体の 10 パーセント程度に止まっています。
東京 2020 大会の開催等を見据え、競技力向上に向けた取組の裾野を拡大するとともに、
国内のトップレベルを目指す選手を育成するため、運動部活動を活性化させる必要がありま
す。
26
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
図7 都立高校生の全国大会出場率
1
20%
18%
16%
15.4%
14.4%
14.9%
12.7%
14%
10.2%
12%
都立(個人)
10%
8%
6%
8.0%
7.8%
23年度
24年度
9.6%
9.0%
25年度
26年度
8.3%
都立(団体)
4%
2%
0%
27年度
平成27年度「都教育委員会調べ」
○生徒が自己の健康について自ら考え、判断し、行動できる実践力や健康的な生活習慣を身に
付けさせる必要があります。また、薬物使用の根絶に向けた規範意識の向上を図るため、全
ての生徒が、保健の授業において、薬物による健康被害について学習しています。さらに、
都立高校では、警察職員、麻薬取締官OB、学校薬剤師等を講師に招いた薬物乱用防止教室
やセーフティ教室を年1回以上開催しています。しかし、社会では近年、危険ドラッグ
13
を含め薬物乱用の事犯が多発しており、薬物乱用防止に関するより一層の指導の徹底が求め
られています。
取組の方向
(7)基礎体力や競技力の向上
基本的な生活習慣・運動習慣の確立に向けた取組などを柱とした総合的な対策を実施し、
生徒の基礎体力を向上させます。
また、運動部活動の一層の活性化や外部指導員の活用により、部活動の振興を図り、国内
のトップレベルを目指す生徒を育成していきます。
ア 「アクティブプラン to 2020」-総合的な子供の基礎体力向上方策(第3次推進計計画)-の推進
「総合的な子供の基礎体力向上方策(第1次及び第2次推進計画)
」の成果と課題を踏まえ、
平成 27 年度に策定した「アクティブプラン to 2020」-総合的な子供の基礎体力向上方策(第
3次推進計画)-に基づき、オリンピック・パラリンピック教育の一環として、体力向上の原
理・原則である「基本的生活習慣の定着」
、「栄養・運動・休養の健康三原則の実施」、「アク
ティブライフの実践」を柱に様々な取組を展開します。
12 コオーディネーショントレーニングとは、身体を動かすことを苦手とする生徒でも、手軽に取り組むことができる運動であ
り、運動意欲を高めたり、自信をもって運動に取り組むことができるトレーニングのこと。脳、身体に適切な感覚・運動刺
激を与え、体力・運動能力を向上させることを目的としている。
13 危険ドラッグとは、覚醒剤や大麻等の規制薬物と類似した化学物質を混入させた植物片等で、体内摂取により、これら規制
薬物と同様の有害性が疑われる物のこと。乾燥植物片状、粉末状、液体状、固体状といった様々な形態があり、合法ハーブ、
アロマ、リキッド、お香等と称して販売されている。
27
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
項目
新実施計画
第一次実施計画
24年度~27年度
28年度
29年度
30年度
「アクティブプラン to
「アクティブプラン to 2020」
2020」-総合的な子供
-総合的な子供の基礎体力
計画に基づき
の基礎体力向上方策
向上方策(第3次推進計画)取組実施
(第3次推進計画)の推進
の策定
イ コオーディネーショントレーニング地域拠点校の指定
コオーディネーショントレーニングに先進的に取り組む都立高校を地域拠点校として順次
拡大し、平成 32 年度までに全ての都立高校で実施します。また、都教職員研修センターが主
催する教員研修に、平成 28 年度から平成 32 年度までの5年間で教職員を毎年度 250 名参加
させるなど、コオーディネーショントレーニングの普及を図ります。
項目
コオーディネーション
トレーニング地域拠点校
の指定
新実施計画
第一次実施計画
24年度~27年度
実験校、実践研究校
における試行的取組
28年度
29年度
30年度
地域拠点校
における
展開・普及
普及に向けた
教職員研修
の実施
ウ 部活動推進指定校(体力気力鍛錬道場)の指定
部活動推進指定校において、引き続き体育の授業の工夫・改善や部活動の推進等を通して、
生徒の体力や気力の向上に取り組んでいきます。
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
部活動推進指定校
指定校(30
部活動推進指定校
【体力気力鍛錬道場】 校)における
(体力気力鍛錬道場)の指定
30校指定
取組実施
28
29年度
30年度
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
エ 「スポーツ特別強化校」の指定による競技力向上
「スポーツ特別強化校」において、引き続き複数の運動部活動が全国大会や関東大会へ出
場することを目標として競技力向上を図るとともに、競技人口の少ない運動部活動の普及・
活性化にも取り組みます。このため都教育委員会は、顧問教諭や生徒に対し専門的な知識や
技術の指導を行うための外部人材(スーパーバイザー)の派遣等を行っていきます。また、
都立高校の部活動が他県へ遠征する際の支援を行うことで、遠征先の高校生とのスポーツ交
流等を通じて、競技力の向上などを図っていきます。
項目
「スポーツ特別強化校」の
指定による競技力向上
第一次実施計画
24年度~27年度
スポーツ特別強化校
50部指定
新実施計画
28年度
29年度
30年度
競技実績等、
指定について
は年度ごとに
評価
100部指定
外部人材
(スーパー
バイザー)
の導入
効果検証
他県への
遠征支援
オ 部活動指導の民間委託モデル事業の実施
民間事業者による専門的指導者を学校に派遣し、部活動の指導面の充実と顧問教諭の業務
縮減に向けたモデル事業を実施していきます。
項目
部活動指導の民間委託
モデル事業の実施
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
モデル校の
民間委託モデル事業
指定(1校)
の計画・準備
試行的実施
29年度
30年度
効果検証
(8)健全な心と身体の育成
心の健康など、深刻化する健康問題や新たな感染症等に的確に対応するため、平成 25 年度
に策定した「都立学校における健康づくり推進プラン」に基づき、生徒の健全な心と身体の
育成を図ります。
社会では危険ドラッグ等に関する薬物乱用の事犯が多発しているため、薬物乱用の防止に
関して指導の徹底を図ります。
29
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
ア 健康づくり推進プランの実施
「都立学校における健康づくり推進プラン」に基づき、心の健康、アレルギーなど、深刻
化する健康問題や、新型インフルエンザ等の新たな感染症等に的確に対応するため、学校が
地域保健機関等と組織的な連携を図るなど、学校健康危機管理体制を強化していきます。ま
た、食育リーダー等を中心とした食に関する指導を推進し、生徒の健全な心と身体の育成を
図ります。
項目
健康づくり推進プランの実施
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
「都立学校における健
康づくり推進計画」の
検証・評価
健康づくり推
進プランに基
「都立学校における健 づく取組実施
康づくり推進プラン」の
改定・実施
イ 危険ドラッグ等の薬物乱用防止教育の推進
危険ドラッグを含めた薬物乱用防止については、教員向けの「薬物乱用防止に関する指導
資料(平成 27 年3月改訂)
」を活用するなどして、薬物乱用防止に関する指導の充実に努め
ていきます。
項目
危険ドラッグ等の
薬物乱用防止教育の推進
30
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
薬物乱用
「薬物乱用防止に関す
防止教育の
る指導資料」の改訂
充実
29年度
30年度
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
2
グローバル人材の育成
現状と課題
○JETプログラム 14 による外国人青年(以下「JET青年」という。)の招へいを拡大し、
平成 27 年度は全ての都立高校及び中高一貫教育校に、英語の外国人指導者としてJET青
年を配置しました。これによって、英語の授業で日本人教員とティームティーチングを実施
したり、部活動等で生徒と日常的に交流したりすることにより、生徒にコミュニケーション
のツールとして使える英語力を身に付けさせ、国際理解教育の推進を図っています。
〇生徒一人一人が英語を発話する時間が限定的であることや、4技能「聞く」
「話す」
「読む」
「書く」の英語力を測定する機会の不足、教員の英語力や指導力などに課題があることから、
1
今後は、使える英語力の育成に向けた取組を更に進めるとともに、日本人教員及びJET青
年の指導力を更に向上させる必要があります。
図8 企業が考えるグローバル人材に必要な能力(複数回答)
0%
20%
40%
60%
英語コミュニケーション能力
80%
100%
78.4%
異文化理解力
実行力
リーダーシップ
主体性
40.6%
31.3%
27.3%
25.5%
2011年「上場企業における英語活用実態調査」
(一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会)から作成
○海外の学校と姉妹校交流を行うことは異文化理解の促進を図る上で有効です。しかし、各校
が提携校を独自に開拓することは難しく、姉妹校との提携を行う都立高校数は増えていない
状況であるため、提携先の開拓などを支援していく必要があります。
○平成 27 年度に都立学校 10 校を「東京グローバル 10 15」として指定し、将来、国際的に
活躍できるグローバル・リーダーの育成に取り組んでいます。今後は、生徒の英語力向上や
海外大学進学のための更なる取組が必要です。
○留学生の受入れを行い、校内に外国人生徒が存在することは、日本人の生徒にとっても、異
文化理解を促進し、視野を拡大することが期待できます。しかし、都立高校における留学生
の受入れは十分に進んでいない状況にあり、留学生受入れの促進に向けた更なる取組が求め
られます。
31
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
○生徒の海外留学について、高額な留学費用や実践的な英語力の不足、進学へのリスク懸念の
ちゅうちょ
ため、生徒や保護者が躊 躇 する事例が少なからずあります。海外で学ぶ意欲を喚起するた
め、一層の情報提供など、支援の強化が必要です。
○東京 2020 大会の開催に向けて、英語圏に限らず、他の言語圏からも多数の外国人の来日
が予想されます。様々な言語で積極的にコミュニケーションを取る力を高めたり、異文化理
解を深める必要があります。
1
○日本人として世界を舞台に活躍するためには、伝統・文化など日本の良さをより一層理解す
ることが必要であり、学校設定教科・科目「日本の伝統・文化」の設定や日本史の必修化、
部活動等への日本の伝統・文化に関する外部人材の活用等を行っています。今後は、全ての
都立高校で展開するオリンピック・パラリンピック教育などを通して、各教科や学校行事等
の様々な場面で、日本の伝統・文化に関する指導を更に充実させていく必要があります。
図9 自分の子供の文化芸術体験について親として期待する効果
1
項 目
日本の文化を知り、国や地域に対する愛着をもつ
美しさなどへの感性が育まれる
他者の気持ちを理解したり想像するようになる
コミュニケーション能力が高まる
他国の人々や文化への関心が高まる
割 合
60.2%
51.9%
38.6%
37.9%
35.7%
平成21年度「文化に関する世論調査」(内閣府)から作成
○平成 27 年度に都独自の英語教材「Welcome to Tokyo」を作成し、全ての都立高校生に
配布します。今後は、授業や授業以外の様々な場面で「Welcome to Tokyo」を効果的に
活用するなどして、日本・東京の文化や歴史等の理解の促進及び英語による発信力の向上を
図る必要があります。
○ユネスコスクール
16
に指定されている学校では、ESD17 の趣旨を踏まえた学習に取り組
むとともに、姉妹校との交流や留学生とのシンポジウム、海外の高校生との意見交換などの
活動を行っています。今後、こうした取組をユネスコスクール以外の学校においても進めて
いくことができるよう、多様な機会を捉えて、ESDの周知を図ることが重要です。
14 JETプログラム(
「語学指導等を行う外国青年招致事業」
(The Japan Exchange and Teaching Programme の略)
)と
は、外国語教育の充実や地域レベルでの国際交流を推進することを目的として世界各国の外国青年を各地域に招致する、世
界最大級の国際交流事業のこと。
「一般財団法人自治体国際化協会(クレア)」が、総務省、外務省、文部科学省と連携し、
プログラムを推進している。
15 東京グローバル 10 とは、外国語授業の改善に向けた先進的取組や、学校独自の特色ある取組を実施するなど、次代を担う
グローバル人材育成に向けた学校の取組を推進するため、都教育委員会が指定した都立学校のこと。平成 27 年4月に、日
比谷高校、深川高校、西高校、国際高校、飛鳥高校、千早高校、小平高校、小石川中等教育学校、三鷹中等教育学校、立川
国際中等教育学校の 10 校を指定している。
16 ユネスコスクールとは、ユネスコ憲章に示されたユネスコの理念に沿って、国際的な連携を実践する学校のこと。日本では、
ESD(持続可能な開発のための教育)を推進する拠点として位置付けられている。
17 ESD(
「持続可能な開発のための教育」(Education for Sustainable Development の略))とは、環境、貧困、人権、
平和、防災といった現代社会における様々な地球規模の課題を自らの問題として捉え、身近なところから取り組むことによ
り、それらの問題の解決につながる新たな価値観や行動を生み出し、それによって持続可能な社会を創造していくことを目
指す学習や活動のこと。
32
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
取組の方向
(1)使える英語力の育成
英語の4技能「聞く」
「話す」
「読む」
「書く」を確実に身に付けさせるため、個々の生徒へ
のきめ細かい指導を展開していきます。
外国人指導者を効果的に活用した授業の実践例などを全ての都立高校で共有し、英語の授
業の改善を図ります。
ア 英語教育推進校の指定
平成 27 年度に指定した「東京グローバル 10」指定校に加え、進学指導重点校や中高一貫教
育校等の中から英語教育推進校を指定します。これらの学校では、ICTを活用した学習ソ
フトの導入を進めるとともに、英語力を向上させるための外部検定試験受験への支援や生徒
及び教員を対象としたオンライン英会話等を実施し、4技能「聞く」
「話す」
「読む」
「書く」
のうち「聞く」
「話す」を特に強化するなど、個々の生徒へのきめ細かい指導を展開していき
ます。
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
英語教育推進校の指定
新実施計画
28年度
29年度
30年度
40校指定
イ JETプログラムによる外国人指導者の配置
JET青年が、日本人教員と協力しながら、より効果的な指導を行えるように、来日時の
研修や任用途中に実施している指導力向上研修の充実を図ります。また、JET青年を効果
的に活用した授業の実践例や指導案、授業以外での活用事例などを全ての都立高校で共有し、
英語の授業改善を図ります。
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
JETプログラムによる外国人 JET青年を全ての都立 JET青年の
指導者の配置
高校に配置
一層の活用
(2)豊かな国際感覚の醸成
海外で学ぶ経験等を通して、広い視野や様々な分野に挑戦する意欲を都立高校生に育むこと
や、高校卒業後の留学や海外大学への進学に対応した学習に取り組ませることにより、将来、
世界を舞台に活躍し、日本や東京の未来を担う次世代のリーダーを輩出します。
33
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
ア 姉妹校交流の拡大
都立高校におけるこれまでの国際交流の実績や、
「次世代リーダー育成道場」等の事業実績
を活用し、姉妹校交流の提携先の開拓などを支援していきます。また、これらの国内外の交
流活動の実践例や成果を収集し、全ての都立高校に還元していきます。
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
交流の提携
先の開拓など
の支援
姉妹校交流の拡大
イ 東京グローバル 10 の取組の充実
「東京グローバル 10」に指定した都立高校において、オンライン英会話などICTを活用
した研修や外部検定試験への支援を行い、生徒の英語力の向上を図ります。また、海外大学
進学希望者に対し、海外大学進学に向けた準備や学習に関する情報収集・提供等の支援を行
い、将来、国際的に活躍できるグローバル・リーダーの育成を図っていきます。
項目
東京グローバル10の取組の
充実
第一次実施計画
24年度~27年度
東京グローバル10の
指定
新実施計画
28年度
29年度
30年度
ICTを活用し
た研修等の
実施
海外大学進
学希望者へ
の支援
ウ 海外からの留学生受入れの促進
都立高校生の国際交流の機会を更に拡大し、豊かな国際感覚を醸成していくため、交換留
学を実施する団体等と連携し、日本への留学を希望する外国人生徒を積極的に受け入れてい
きます。
項目
海外からの留学生受入れの
促進
34
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
留学生受入
れの拡大
29年度
30年度
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
エ 次世代リーダー育成道場の充実
都立高校生に海外留学を経験させる「次世代リーダー育成道場」において、海外留学に必
要な語学力、問題解決能力、チャレンジ精神等を更に高めるとともに、日本の伝統や文化の
理解を深めるため、国内事前研修を充実していきます。また、海外で学ぶ意欲を高めるため
に、留学フェアの開催及び専用ホームページでの情報提供を行い、海外経験の有用性を積極
的に発信するとともに、新たな支援策について検討していきます。
項目
次世代リーダー育成道場の
充実
新実施計画
第一次実施計画
24年度~27年度
第1期生~第4期生
留学
28年度
第5期生
留学
29年度
第6期生
留学
30年度
第7期生
留学
図 10 次世代リーダー育成道場修了生の意識調査
■留学して身に付いたと思う力
項 目
海外で通用する英語力
問題解決能力
コミュニケーションをとる力
■今後、再度留学を希望するか
項 目
今後、留学することが決まっている
今後、留学することを予定している
今後、留学することを希望している
計
1期生
68.2%
83.5%
91.8%
2期生
83.8%
87.8%
95.9%
1期生
16.5%
15.3%
49.4%
81.2%
2期生
4.1%
23.3%
60.3%
87.7%
「次世代リーダー育成道場修了生(1期生・2期生)の意識調査」から作成
オ 多言語学習の充実
多様な言語が学べる環境を充実させるため、都立高校における英語以外の外国語選択科目
の実施拡大、異文化交流や外国語の学習を行う部活動等への外国語講師派遣、都立高校生を
対象とした外国語体験講座の開設により、多言語学習の機会を拡充していきます。
項目
多言語学習の充実
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
・英語以外の外国語
選択科目の実施拡大
継続実施・
・部活動等への外国
充実
語講師派遣
・外国語体験講座
かんよう
(3)日本人としての自覚と誇りの涵養
生徒に我が国の伝統や文化とその価値に対する理解を深めさせることで、国際社会で主体
的に生きる日本人としての自覚と誇りを養います。
35
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
ア 伝統芸能鑑賞教室の実施
都立高校生が外国人と良好な人間関係やコミュニケーションを築く基礎となる日本の伝統
文化を理解し、その良さを外国人に発信していくため、平成 30 年度までに全ての都立高校で
伝統芸能鑑賞教室を実施するよう支援していきます。
項目
新実施計画
第一次実施計画
24年度~27年度
28年度
29年度
30年度
伝統芸能
鑑賞教室
の実施
伝統芸能鑑賞教室の実施
イ JET青年等の活用による文化交流の促進
日本の伝統・文化の理解を深めるとともに、日本人としての誇りをもち、日本の良さを発
信する能力や態度を育成するため、授業や部活動等において、日本の伝統・文化に関する取
組を実践する学校を指定します。また、地域の伝統芸能等の専門家などによる継続的な指導
や、生徒がJET青年等の外国人と文化交流する機会を設定します。
項目
新実施計画
第一次実施計画
24年度~27年度
JET青年等の活用による
文化交流の促進
28年度
29年度
30年度
効果検証
再指定
50校指定
ウ 都独自の英語教材「Welcome to Tokyo」の活用
東京 2020 大会の開催を見据え、日本・東京の文化、歴史等の理解の促進及び英語による発
信力の向上を図るため、平成 27 年度に全ての都立高校生に配布する都独自の英語教材
「Welcome to Tokyo」の活用を図っていきます。また、そのための教員用の指導書を作成し、
全ての都立高校に配布します。さらに、都立高校におけるタブレット端末の導入拡大を見据
え、
「Welcome to Tokyo」のデジタルコンテンツ化に向けた検討など、
「聞く」ことと「話す」
ことの双方向による学習を可能とする環境を整備していきます。
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
教材の活用
指導書の作
都独自の英語教材
「Welcome to Tokyo」
成・配布
「Welcome to Tokyo」の活用 の配布
教材の電子
化検討
36
29年度
30年度
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
エ 日本史の必修化
日本の伝統・文化に対する理解を深めるとともに、近現代史の大きな歴史の流れを総合的
に理解させるため、引き続き日本史を必修とし、授業の充実を図っていきます。さらに、都
独自の日本史科目「江戸から東京へ」の普及啓発を図り、国際社会に生きる日本人としての
自覚と誇りを養うとともに、多様な文化を尊重できる態度や資質を育みます。
項目
日本史の必修化
第一次実施計画
24年度~27年度
日本史の必修化
新実施計画
28年度
29年度
30年度
継続実施
(4)持続可能な社会づくりの担い手の育成
世界が直面している様々な課題を、自らの暮らしや地域の課題と結び付けて考えることに
より、持続可能な社会の担い手を育成します。
ア ESDの推進
持続可能な社会の担い手を育成するため、全ての都立高校に対して、ユネスコスクールに
指定されている学校の優れた指導実践を普及します。
また、各校において、世界各国の社会情勢や文化などについて探究する課題解決学習を充
実させ、ESDの趣旨を踏まえた国際交流を推進するため、次世代リーダー育成道場や
JICA18 と連携した体験研修の成果報告会を実施していきます。
項目
ESDの推進
2
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
リーフレットの
配布や実践
報告会の実
施等による
ESDの普及・
啓発
18 JICA(
「独立行政法人国際協力機構」)とは、日本の政府開発援助(ODA)を一元的に行い、開発途上国への国際協力を
実施する機関のこと。
「すべての人々が恩恵を受けるダイナミックな開発」というビジョンを掲げ、多様な援助手法のうち最
適な手法を使い、地域別・国別アプローチと課題別アプローチを組み合わせて、開発途上国が抱える課題解決を支援してい
る。
37
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
,,、
、
、
、
3
オリンピック・パラリンピック教育の推進
現状と課題
○東京 2020 大会の開催が決定したことを踏まえ、公益財団法人東京オリンピック・パラリ
ンピック競技大会組織委員会は「東京 2020 大会開催基本計画」において、アクション&
レガシープランの方向性として、教育プログラム等を通じたオリンピック・パラリンピック
の精神の普及と継承を掲げています。
○都内の公立学校のうち、平成 26 年度に 300 校(うち都立高校 24 校)
、平成 27 年度は
600 校(うち都立高校 38 校)をオリンピック・パラリンピック教育推進校に指定してい
ます。これらの学校では、各校の実態に応じて、オリンピック・パラリンピックの理念や歴
1
史等の学習、国際理解・交流、運動・スポーツへの興味・関心を高める体育授業等の先行実
施等を通して、オリンピック・パラリンピック教育の推進に取り組んできました。
○「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」
(平成 25 年度内閣府)では、自尊感情に関
わる肯定的な回答の割合や、ボランティア活動に興味があると回答した割合が、諸外国と比
べ低いという結果が表れています。東京を発展させていくには、多様な文化を受け入れ、あ
らゆる人々が互いの人権を尊重し合い、共に力を合わせて生活する共生社会を実現する必要
があります。
図 11 ボランティア活動に興味があるという回答の割合
0%
日本
20%
40%
60%
100%
35.1%
韓国
56.9%
アメリカ
1
80%
61.1%
英国
50.6%
ドイツ
50.4%
フランス
42.6%
スウェーデン
42.8%
※各国13歳から29歳までの男女対象
平成25年度「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」(内閣府)から作成
○また、国際社会に貢献し、東京、そして日本の更なる発展の担い手となるには、多様な価値
観を持つ人々と協力・協働しながら課題を解決する力を育成するとともに、日本人としての
アイデンティティ、豊かな国際感覚等を醸成する必要があります。
38
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
○これらの資質を育成していくためには、全ての都立高校において、オリンピック・パラリン
ピックの精神に基づく教育を展開していく必要があります。
図 12 オリンピック・パラリンピック開催で期待される効果
0%
10%
20%
30%
40%
44.4%
障がい者への理解の向上
スポーツ(障がい者スポーツ
を含む)の振興
39.2%
空港・鉄道・道路などの交通
インフラの利便性向上
38.5%
バリアフリーの導入など、すべて
の人に優しい街づくりの促進
38.4%
観光客の増加
50%
37.7%
※上位5項目を掲載(%は選択者の割合)
平成27年度「東京オリンピック・パラリンピックに関する世論調査」(内閣府)から作成
取組の方向
(1)オリンピック・パラリンピック教育の推進
東京 2020 大会を、生徒にとってまたとない重要な機会と捉え、オリンピック・パラリンピ
ック教育を全ての都立高校で展開します。これにより、生徒の良いところを更に伸ばすとと
もに、弱みを克服するための取組を確実に推進することで、国際社会に貢献し、東京、そし
て日本の更なる発展の担い手となる人材を育成していきます。また、東京 2020 大会の経験を
通じ、その後の人生の糧となるような掛け替えのないレガシーを生徒一人一人の心と体に残
していきます。
オリンピック・パラリンピック教育を推進していく上で、①全ての生徒が大会に関わる、
②座学だけでなく、体験や活動を通じて学ぶことを重視する、③大会後も見据え、計画的・
継続的にオリンピック・パラリンピック教育を展開することを基本的な視点とし、
「オリンピ
ック・パラリンピックの精神」
「スポーツ」
「文化」
「環境」の四つのテーマと四つのアクショ
ン〔学ぶ(知る)
、観る、する(体験・交流)、支える〕を組み合わせ、多くの資質や能力を
育成していきます。その中でも「ボランティアマインド」
、「障害者理解」、「スポーツ志向」、
「日本人としての自覚と誇り」
、
「豊かな国際感覚」の五つの資質を重点的に育成します。
これらを踏まえ、全ての生徒に学習読本を、また、全ての都立高校に映像教材を配布し、
基礎的な学習を推進するとともに、体験や活動を重視した取組を展開していきます。
39
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
ア 東京ユースボランティアの推進
生徒のボランティアマインドなどを更に育成するため、各校が取り組んできた社会奉仕の
精神を養う取組を充実・拡大する「東京ユースボランティア」を推進します。
具体的には、地域清掃、地域行事、地域防災活動、スポーツ大会、障害者・高齢者施設等
でのボランティアなど、これまでの教育活動の中で取り組んできた活動を中心に構成しつつ、
新たな取組も積極的に取り入れていきます。また、東京 2020 大会開催時には、大学生や社会
人として大会関連ボランティアに従事できるよう、生徒が自ら積極的に地域のボランティア
活動やスポーツ大会の運営ボランティアなどに参加できるような仕組みを検討していきます。
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
東京ユースボランティア
の推進
新実施計画
28年度
29年度
30年度
取組の実施
イ スマイルプロジェクトの推進
生徒の障害者理解などを一層育成するため、各校が取り組んできた思いやりの心を育てる
取組や、障害の有無にかかわらず、生徒の相互理解を図る教育を充実・拡大する「スマイル
プロジェクト」を推進します。
具体的には、障害者スポーツの観戦や体験、特別支援学校の生徒との障害者スポーツなど
を通じた様々な交流活動などを行っていきます。また、高齢者介護施設や障害者施設の訪問、
障害のある人が感じる不便や不安を直接体感する活動、障害者アートの鑑賞、バリアフリー
の街づくりの学習等にも取り組んでいきます。
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
スマイルプロジェクト
の推進
新実施計画
28年度
29年度
30年度
取組の実施
ウ 夢・未来プロジェクトの推進
生徒がオリンピック・パラリンピックの理念や価値を理解し、スポーツへの関心を高め、
夢に向かって努力したり困難を克服したりする意欲を培うことができる取組として、
「夢・未
来プロジェクト」を推進します。
具体的には、生徒がアスリートなどと直接交流し、鍛錬の積み重ねに基づく卓越した身体
能力を実感したり、経験に裏付けられた講話を間近に聞くことなどを通じて、夢や希望を持
ち続けられるよう、オリンピアンやパラリンピアン等を派遣する取組を充実・拡大していき
ます。
40
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
項目
夢・未来プロジェクト
の推進
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
オリンピアン・パラリ
取組の実施
ンピアン等の派遣
エ 世界ともだちプロジェクトの推進
日本人としての自覚と誇りや豊かな国際感覚などの更なる醸成を図るため、世界の様々な
国や地域の言語、文化、歴史などを学ぶことを通し、世界の多様性を知り、様々な価値観を
尊重することの重要性を理解する、東京ならではの国際交流を推進する取組である「世界と
もだちプロジェクト」を推進します。
具体的には、地域在住の留学生、大使館等との交流や、手紙、メール、直接交流等による
海外の姉妹校等との交流を促進するとともに、各学校で計画的に行っている国際理解教育を
一層深めていきます。
項目
世界ともだちプロジェクト
の推進
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
取組の実施
41
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
4
社会的・職業的自立意識の醸成
現状と課題
○全ての都立高校において、外部人材を活用したキャリア教育を実施していますが、今後は、
平成 27 年6月に成立した、選挙権年齢を満 18 歳以上に引き下げる公職選挙法の改正等も
踏まえ、生徒自身がより一層社会との関わりをもち、社会での役割を果たし、自己実現を図
るという自覚を持つことが大切になります。
○都教育委員会では、企業・大学・NPOの教育支援ネットワークである「地域教育推進ネッ
トワーク東京都協議会
19
」の会員団体の連携協力の下、都立高校のキャリア教育を支援し
てきました。また、生徒が社会や職業について実感をもって理解できる教育プログラムを、
企業や大学、NPO等と連携して普通科高校を中心に導入してきました。しかし、現状では、
多くのプログラムが単発的な導入にとどまっているという課題があります。今後は、系統的
1
にプログラムを導入し、より継続的・計画的な取組を推進する必要があります。
○専門高校に比べ、普通科高校においては、
「職業」について学ぶ機会が少ない状況にありま
す。特に就職や進路未決定者が比較的多く、生徒の進路が多様となっている普通科高校や夜
間定時制高校等の就職希望者が多い学校で、職業教育の機会を拡充する必要があります。
○社会貢献意識と実践力を向上させていくため、
「防災活動支援隊 20」を全ての都立高校に設
置するなど、学校・関係機関・家庭など様々な場において防災に関する取組を行っています。
今後も、防災に関わる技能を計画的に習得させ、高校生「防災ボランティア」や卒業後も地
域社会で「防災リーダー」となる人材に育てていくことが重要です。
○産業構造の変化や科学技術の進展等に伴い、職業人に求められる技術・技能が高度化してお
り、これに対応した人材の育成が求められています。一方、専門高校においては、普通科高
校と比較して、中途退学率が高く、積極的に志望する生徒の割合が少ないなどの課題が明ら
かとなっています。このような状況を踏まえ、社会の変化と期待に応える人材の育成を推進
し、生徒の能力の伸長と進路実現を図るため、専門教育の充実を図っていく必要があります。
1
取組の方向
(1)キャリア教育の推進
社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らしい生き方を実現し、国や社会の様々な問
題を自分の問題として捉え、考え、判断することができるよう主権者意識の醸成を一層図っ
ていきます。
学校の教育活動全体を通じてキャリア教育を推進するため、企業・NPO等と連携し、系
統的なキャリア教育支援の仕組みづくりを進めます。
19 地域教育推進ネットワーク東京都協議会とは、子供たちの学校内外の教育活動に、企業・NPO 等の専門的な教育力を効果的
に導入するためのネットワークづくりを目指し、平成 17 年8月に都教育委員会が設立したものである。平成 27 年 12 月
1日現在で 461 団体が加盟している。
20 防災活動支援隊とは、自校の防災活動の運営補助や地域の防災活動への参加などの活動を行う生徒による防災組織のこと。
42
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
ア 主権者意識の醸成
選挙権年齢の引下げに伴い、生徒自身が在学中からより一層社会との関わりをもち、社会
の一員であることを自覚する必要があります。そのため、職業意識の醸成を図るとともに、
社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らしい生き方を実現し、国や社会の様々な問題
を自分の問題として捉え、考え、判断することができるよう、主権者教育を充実させていき
ます。また、社会保障教育、租税教育、金融・金銭教育などについても充実させ、自立的社
会人としての素養を養います。
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
主権者意識を
醸成する
教育の充実
主権者意識の醸成
イ 企業・NPO等との連携によるキャリア教育の推進
これまでの企業・NPO等と連携した「都立高校生の『社会的・職業的自立』支援教育プ
ログラム事業」の実施に加え、平成 27 年2月に締結した「東京都雇用対策協定」を踏まえ、
ハローワークをはじめとした労働行政との連携を図るなど、系統的なキャリア教育支援の仕
組みづくりを進めます。
主に普通科高校を対象に、地元企業やNPO、若年者就労支援機関と連携して、体験実習
等を組み込んだ職業に関する学校設定科目を設置するなど、職業教育の充実の在り方につい
て検討を進めます。
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
プログラムの開発と事 プログラムの
業の実施
充実
企業・NPO等との連携による
キャリア教育の推進
普通科高校
における職業
教育導入の 試行的導入
検討
ウ 新教科「人間と社会」の設置(前掲<24 ページ>)
(2)社会貢献意識と実践力の育成
自分だけでなく他人も守り、世のため人のために尽くす高い社会貢献意識と実践力を兼ね
備えた人間を育成するため、生徒による実践を中心とした防災教育等を展開し、都立高校生
に対する期待や防災に関する社会的要請に応えていきます。
また、防災活動支援隊の活動や地域のボランティア活動等により、卒業後も地域社会で活
躍できる人材を育成していきます。
43
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
ア 防災教育の充実
社会貢献意識と実践力を育成するため、防災ブック「東京防災」と連係した防災ノート「東
京防災」の活用等による防災教育を通して、学校と家庭が一体となった取組を進めていきま
す。また、阪神淡路大震災や東日本大震災の教訓を踏まえ、地域や関係機関と連携した避難
訓練や宿泊防災訓練等を引き続き実施し、自助・共助の精神を醸成します。2
卒業後も地域社会で「防災リーダー」や「防災ボランティア」として活躍できる人材を育
成するため、防災活動支援隊の活動や上級救命講習(東京消防庁)
、救急法基礎講習(日本赤
十字社)等の受講を促進していきます。さらに、被災地を訪問し、復興支援ボランティア体
験や交流活動を行う「合同防災キャンプ」の実施や、
「防災士 21」の資格取得の支援などによ
り、災害発生時に地域に貢献できる人材を育成します。
第一次実施計画
24年度~27年度
項目
新実施計画
28年度
29年度
30年度
防災活動支援隊の全 継続実施
校設置
一泊二日の宿泊防災 継続実施
訓練等の実施
「防災ノート」
に関する取組
防災教育の充実
「合同防災
キャンプ」の
実施
「防災士」資
格取得の支
援
防災ノートと防災ブック
【防災ノート「東京防災」】(都教育委員会)
○
各家庭に配布されている防災ブック「東京防
災」を有効に活用し、学校でも家庭でも児童・
生徒が主体的に防災について調べ、考え、家族
と一緒に行動(防災アクション)するための防
災教育教材
【防災ブック「東京防災」】(都総務局)
○ 首都直下地震などの災害に対する事前の備え
防災ノートと防災ブック
や発災時の対処法等について役立つ情報をまと
めた防災指針
21 防災士とは、特定非営利活動法人日本防災士機構が認証する民間資格で、自助、互助、協働を原則として、社会の様々な場
で、減災と社会の防災力向上のための活動が期待され、かつ、そのために十分な意識・知識・技能を有する者として認めら
れた人のこと。
44
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
イ 東京ユースボランティアの推進(前掲<40 ページ>)
(3)専門教育の充実
ものづくり人材など、社会の変化と期待に応える人材の育成を推進し、生徒の能力の伸長
と進路実現を図るため、専門教育の充実を図っていきます。
ア 技術・技能の習得に向けた取組の改善
平成 27 年度から全ての専門高校で取り組んでいる「都立専門高校技能スタンダード 22」に
ついて、これまでの取組の成果を検証し、産業界が求める技術・技能など、生徒の専門性向
上に資する改善を図ります。
項目
技能・技術の習得に向けた
取組の改善
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
全ての専門高校に
全校での
おいて都立専門高校
実施状況の
技能スタンダードの
検証
取組の実施
29年度
改善の検討
30年度
各校の
教育課程へ
の反映
イ アグリマイスター顕彰制度を活用した農業教育の推進
農業科の高校において、農業に関する技術・技能の習得の成果を顕彰する「アグリマイ
スター顕彰制度 23」を導入するなど、生徒の専門性の向上を図ります。
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
アグリマイスター顕彰制度を
活用した農業教育の推進
新実施計画
28年度
29年度
30年度
顕彰制度の
導入
ウ ものづくりへの興味・関心を高める工業教育の充実
工業高校において、ものづくり人材を育成していくため、ものづくりの面白さや魅力を学
び、ものづくりへの興味・関心を高めていくような学校設定科目を開発し、導入を推進しま
す。
また、全ての工業高校でインターンシップをより一層推進し、企業等と連携した実践的な
教育活動を充実させます。
3
22 都立専門高校技能スタンダードとは、都立専門高校の生徒の専門性の向上を図るため、専門高校において生徒が身に付ける
べき、専門分野に関する主な技術・技能の具体的な内容を定めたもの。
23 アグリマイスター顕彰制度とは、資格取得や検定試験合格など、農業に関する知識・技術・技能を習得し、専門性を高めた
生徒にアグリマイスターの称号を授与する制度のこと。
45
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
新科目の
開発
ものづくりへの興味・関心を
高める工業教育の充実
29年度
30年度
教育課程の 順次実施
検討・具体化
インターンシッ
プの充実
エ ビジネスを実地に学ぶ商業教育への改革
商業高校において、実社会でのビジネスに直結した授業の充実を図るため、1学年で東京
や地域のビジネスについて調査・研究する科目「東京のビジネス(仮称)
」、2学年で企業や
地域と連携した市場調査や商品企画を行う科目「ビジネスアイデア(仮称)
」を学校設定科目
として開発します。
また、商業高校が企業や地域との連携を深め、ビジネスを実地に学ぶ機会を拡充していく
ため、商業高校や企業、大学、専門学校、関係機関などが共同して教育活動を支援する組織
を設立します。これらの改革に併せて、全日制課程の商業科、情報処理科、総合ビジネス科
のビジネス(仮称)科への改編等について検討していきます。
項目
ビジネスを実地に学ぶ商業
教育への改革
46
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
新科目の
開発
試行校による 新科目の
実践
開講
支援組織の
設立準備
支援組織の
設立
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
5
都立高校における特別支援教育の推進
現状と課題
○都教育委員会はこれまで、東京都特別支援教育推進計画に基づき、都立高校における特別支
援教育の推進体制を整備してきました。
○平成 17 年の発達障害者支援法の施行、平成 19 年の学校教育法の一部改正により特別支援
教育の対象が、発達障害
24
を含めた障害のある生徒となり、特別な支援を必要とする生徒
が在籍する全ての学校において特別支援教育を実施することとされました。さらに、平成
26 年に「障害者の権利に関する条約」が批准されたほか、平成 28 年 4 月には「障害を理
由とする差別の解消の推進に関する法律」が施行される予定です。
1
○平成 26 年度に都教育委員会が実施した調査によると、都立高校における発達障害と考えら
れる生徒の在籍率は 2.2 パーセントであることが分かりました。学校ごとに学科や課程、
発達障害の生徒の在籍状況や生徒一人一人の進路希望先等が異なることから、それぞれの実
態や必要性に応じた指導・支援を行っていく必要があります。
図 13 都立高校における発達障害の生徒の在籍状況
生徒数
発達障害の
生徒の在籍数
在籍率
全日制
定時制
a
125,425人
13,483人
b
1,511人
1,539人
c=b/a
1.2%
11.4%
計
138,908人
3,050人
2.2%
平成26年度「公立学校統計調査報告書(a欄)」及び
平成26年度に都教育委員会が実施した調査結果(b欄)から作成
○全ての都立高校において、校長が特別支援教育コーディネーター25 を指名し、必要に応じて
特別支援学校と連携した進路指導などの取組を行ってきましたが、障害の状態に応じた指
導・支援や組織的な対応は十分とは言えない状況にあります。このため、学校や生徒の実態
に応じた指導・支援を充実し、発達障害に起因する学校・学級不適応(不登校、中途退学を
含む。
)を予防するとともに、将来の自立と社会参加を実現できるようにしていく必要があ
ります。
○生徒の学校生活上の課題が障害によるものなのか否かの見極めや、生徒一人一人の障害の状
1
態に応じた適切な対応等は、担当する教員だけでは難しい場合があります。このため、教員
が生徒の学校生活上の課題を的確に分析し、生徒一人一人の障害の状態に応じた指導・支援
を行えるよう、専門的な助言等が必要です。
24 発達障害とは、発達障害者支援法では「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性
障害その他これに類する脳機能の障害であって、その症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と
定義されている。
25 特別支援教育コーディネーターとは、各学校における特別支援教育の推進のため、主に、校内委員会・校内研修の企画・運
営、関係諸機関・学校との連絡・調整、保護者からの相談窓口などの役割を担っている。
47
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
取組の方向
(1)特別支援教育の推進・充実
今後5年間を見据えた発達障害の総合的な計画として、平成 27 年度に策定した「東京都発
達障害教育推進計画」に基づき、教育環境の整備や指導内容の充実等により発達障害教育を
推進します。2
ア 発達障害教育環境の整備
各校における発達障害の生徒の在籍者数等にかかわらず、生徒の状態に応じて指導・支援
が受けられるよう、放課後や土曜日などに教育課程外で、学校外において、民間のノウハウ
を活用するなどして、ソーシャルスキルトレーニング
26
等の特別な指導・支援を行える仕組
みを構築します。
このほか、発達障害の状態に応じた社会性に関する指導や、進学・就労支援等、高校にお
ける特別な指導・支援を行う方策について更に検討を進めます。
第一次実施計画
24年度~27年度
項目
発達障害教育環境の整備
新実施計画
28年度
29年度
30年度
教育課程外
での特別な指
本格実施
導・支援の検
討、試行実施
イ 発達障害教育に係る指導内容の充実と組織的な対応
自己の障害に関する理解と社会性を向上させるための指導や、現場実習を含むキャリア教
育を実施することを目的とした、学校設定教科・科目について実践的な研究開発を行い、各
校において在籍する生徒の状況に応じて活用できるようにします。
あわせて、発達障害の生徒にとって「分かりやすい授業展開の方法」や、
「適切な行動を促
す行動支援の方法」等について研究開発をするとともに、指導の手引を作成し、ユニバーサ
ルデザインの考え方
27
に基づき、発問や指示が理解しやすい、活動の見通しが持ちやすいな
ど、障害特性に応じた授業や行動支援を行います。
26 ソーシャルスキルトレーニングとは、社会生活上の対人関係に関する基本的な技能を身に付けるための指導のこと。
27 ユニバーサルデザインの考え方とは、障害の有無、年齢、性別、人種等にかかわらず多様な人々が利用しやすいよう都市や
生活環境をデザインする考え方のこと。
48
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
学校設定
教科・科目の モデル校での 必要な学校で
開発とガイド 先行実施
導入
東京都特別支援教育 ラインの作成
発達障害教育に係る指導
推進計画第三次実施 ・配布
内容の充実と組織的な対応
計画に基づき実施
指導内容等
の開発と手引 成果普及
の作成・配布
ウ 支援体制の充実
都立高校に在籍する発達障害の生徒に対する支援員
28
による適切かつ効果的な支援の在り
方や、学級担任による円滑な学級経営への関わり方などについて研究します。あわせて、生
徒一人一人の障害の状態に応じた指導・支援を行うため、学級担任等への助言などを行う医
師、心理の専門家、スクールソーシャルワーカー29 等の外部専門家の活用についての研究を
行い、各校にその成果を普及していきます。3
項目
支援体制の充実
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
支援員及び
東京都特別支援教育
外部専門家
推進計画第三次実施
成果普及
の活用に関す
計画に基づき実施
る研究
28 支援員とは、発達障害の生徒に対する学習支援や行動支援、周囲の生徒への障害に対する理解促進など、障害に応じた適切
な教育を支援する人材のこと。
29 スクールソーシャルワーカーとは、いじめ、不登校、暴力行為、児童虐待など、生活指導上の課題に対応するため、教育分
野に関する知識に加えて、社会福祉等の専門的な知識や技術を用いて、生徒が置かれた様々な環境へ働き掛けたり、関係機
関等とのネットワークを活用したりして、問題を抱える生徒に支援を行う専門職のこと。
49
Ⅰ 次代を担う社会的に自立した人間の育成
50
目標Ⅱ
生徒一人一人の能力を
最大限に伸ばす学校づくりの推進
1
国際色豊かな学校の拡充
2
専門高校等の改善
3
定時制課程・通信制課程の改善
4
島しょ高校の改善
都立高校等の新配置計画・学科の改編・学校の指定
Ⅱ 生徒一人一人の能力を最大限に伸ばす学校づくりの推進
1
国際色豊かな学校の拡充
現状と課題
○グローバル化の進展に伴い、我が国の国際社会における持続的な発展を支える人材の育成が
急務となっています。また、多くの企業が海外に事業展開しており、企業のグローバル人材
に対するニーズは今後も高まっていくと考えられます。
○近年の若者は、積極的にチャレンジする意識や、海外留学・就職後の海外勤務への意欲など
が以前に比べて低くなっていると言われています。また、英語力を測定する国際的な試験で
ある TOEFL テストにおいて、アジア各国と比較して、日本人の得点は低位置であり、高校
生の英語力についても、国が定める目標を下回る状況が明らかになっています。
図 15 英検準 2 級以上を取得している生徒及び
相当の英語力を有すると思われる生徒の
割合(公立高校第3学年)
図 14 TOEFL スコアの各国比較
合計 リーディング
(120点) (30点)
インド
韓 国
台 湾
中 国
日 本
91
84
80
77
70
22
22
20
20
18
リスニング スピーキング ライティング
(30点) (30点) (30点)
23
21
20
18
17
23
20
20
19
17
23
21
20
20
18
「Test snd Score Data Summary for TOEFL iBT Tests
January2014-December2014 Test Data」(H26 ETS)から作成
60%
国が目指す
取得率50%
50%
40%
30.4%
31.0%
31.0%
H23
H24
H25
31.9%
30%
20%
H26
平成26年度「英語教育実施状況調査」(文部科学省)から作成
○国際社会で活躍する人材の育成は喫緊の課題であることから、高い語学力や豊かな国際感覚
等を育成するための様々な手法を、児童・生徒の状況や地域事情等も見ながら、多様に展開
していく必要があります。また、帰国児童・生徒や外国人児童・生徒への対応も必要であり、
こうした取組は日本人の生徒の教育環境にもプラスに作用するものと考えられます。
○国際高校は、豊かな国際感覚と優れた外国語能力を身に付けた人材の育成を目指している学
校として、例年、一般募集及び海外帰国・在京外国人生徒募集ともに、応募倍率が高い状況
となっています。これは、高校段階からの国際理解教育や英語教育に重点を置いた教育に対
する都民の高いニーズを示すものであり、こうしたニーズに更に応えていく必要がありま
す。
○区部では、帰国児童・生徒や外国人児童・生徒が多く在住しています。今後、国や都が推進
している特区制度により、東京の中心部に外国企業の進出が期待されることから、外国人児
童・生徒に対する教育ニーズが高まると考えられます。こうしたことも踏まえ、区部では、
小学校低学年段階から国際理解教育や英語教育に取り組む事例が多数あります。
52
Ⅱ 生徒一人一人の能力を最大限に伸ばす学校づくりの推進
○多摩地区では、帰国児童・生徒や外国人児童・生徒が散在している状況にあり、小学校段階
からの国際理解教育や英語教育に十分には取り組めていない状況もあります。
図 16 帰国児童・生徒の区市町村別在籍者の割合(国公私立小中学校)
(%)
割合の大きい区市町村※
1
1
2
3
4
5
区
港区
目黒区
新宿区
世田谷区
文京区
割合
0.855%
0.794%
0.692%
0.642%
0.544%
1
2
3
4
5
市町村
割合
武蔵野市 0.738%
三鷹市
0.331%
小金井市 0.326%
国分寺市 0.291%
調布市
0.249%
※国公私立小中学校在籍児童・生徒数に対する割合
平成26年度「学校基本調査報告」(都総務局)から作成
図 17 外国人児童・生徒の区市町村別在籍者の割合(国公私立小中学校)
(%)
割合の大きい区市町村※
1
2
3
4
5
区
港区
新宿区
荒川区
江東区
台東区
割合
0.479%
0.407%
0.395%
0.343%
0.280%
1
2
3
4
5
市町村
福生市
羽村市
割合
0.178%
0.128%
東久留米市 0.100%
瑞穂町
0.098%
立川市
0.097%
※年少人口(0~14歳)に対する割合
平成26年度「学校基本調査報告」(都総務局)から作成
○国際高校は、平成 27 年4月、海外の大学への進学を希望する生徒のため、高校卒業資格と
国際バカロレア
30
資格の両方の取得を目指す「国際バカロレアコース」を開設し、同年5
月には国際バカロレア機構の認定校となりました。今後は、運営の充実を進めるとともに、
海外大学進学への支援を積極的に推進する必要があります。
30 国際バカロレアとは、国際バカロレア機構(本部:ジュネーブ)が実施する国際的な教育プログラムのこと。生徒の年齢に
応じたプログラムがあり、このうち高校相当のディプロマ・プログラム(DP)では、2 年間のカリキュラムを履修し、最
終試験を経て所定の成績を収めると、国際バカロレア資格が取得可能である。国際バカロレアのスコアは、海外の大学等に
おいて、入学者選抜等に広く活用されている。
53
Ⅱ 生徒一人一人の能力を最大限に伸ばす学校づくりの推進
取組の方向
(1)国際色豊かな教育環境の整備
日本人としての自覚と誇りを備え、国際的に活躍できる人材を育成するとともに、帰国児
童・生徒や外国人児童・生徒の受入れなどを行う、国際色豊かな教育環境を整備します。
ア 新国際高校(仮称)の設置検討
国際高校の入学者選抜の応募倍率が高い状況を踏まえ、日本人としての自覚と誇りを備え、
世界に通用する人材を育成するとともに、在京外国人等の教育ニーズにも応える都立高校と
して、都心部に帰国生徒や外国人生徒を受け入れ国際色豊かな学習環境を整備した新国際高
校(仮称)の設置を検討します。
【年次計画表は「都立高校等の新配置計画・学科の改編・学校の指定」<66 ページ>】
イ 中高一貫教育校の充実
白鷗高校・附属中学校において、日本人としてのアイデンティティの育成や国際交流、英
語教育などに重点を置いた特色ある教育の更なる充実を図ります。また、帰国生徒や外国人
生徒の受入れなどを行い、国際色豊かな学習環境を実現します。
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
中高一貫教育校の充実
ウ
新実施計画
28年度
教育課程等
の検討
29年度
教育内容等
の準備
30年度
実施
小中高一貫教育校の設置
語学力や豊かな国際感覚、日本人としての自覚と誇りを備え、国際的に活躍できる人材を
育成していくため、立川国際中等教育学校において、附属小学校を設置し、早い時期から帰
国児童・生徒や外国人児童・生徒とともに学ぶなど、国際色豊かな学習環境を整備します。
なお、本校の具体的在り方については、今後更に外部有識者等で構成する検討委員会を設
置し、多面的視点から検討していきます。
【年次計画表は「都立高校等の新配置計画・学科の改編・学校の指定」<66 ページ>】
エ 「国際バカロレア」の取組
国際高校では、平成 28 年度から英語により行われる授業を中心とした2年間のカリキュラ
ムである国際バカロレアのディプロマ・プログラムを「国際バカロレアコース」の第2学年
で開始します。このことにより、国際バカロレアの探究型の学習法による授業の充実を図り、
国際バカロレア資格の取得による海外大学進学を進めます。また、海外大学進学指導のノウ
ハウ等を蓄積し、海外大学進学希望者への支援を促進します。
54
Ⅱ 生徒一人一人の能力を最大限に伸ばす学校づくりの推進
項目
「国際バカロレア」の取組
第一次実施計画
24年度~27年度
国際バカロレアコース
の設置
国際バカロレア校の
認定
新実施計画
28年度
(一期生)
2学年
ディプロマ・
プログラム
の開始
29年度
(一期生)
3学年
ディプロマ・
プログラム
IB統一試験
30年度
(一期生)
海外大学等
への進学
55
Ⅱ 生徒一人一人の能力を最大限に伸ばす学校づくりの推進
¥
2
専門高校等の改善
現状と課題
○産業構造の変化や科学技術の進展等に伴い、職業人に求められる技術・技能は高度化・多様
化しており、これらに対応できる人材の育成が求められています。その一方で、専門高校は、
普通科高校と比較して、中途退学率が高く、積極的に志望する生徒の割合が少ないなどの課
題も明らかになっています。このような背景を踏まえ、社会の変化と期待に応える人材の育
成を推進し、生徒の能力の伸長と進路実現を図るため、教育内容等を見直し、魅力ある専門
高校づくりを進めていく必要があります。
図 18 専門高校の中途退学率 31 の推移
4.0%
3.6%
3.1%
3.2%
3.0%
2.0%
2.8%
2.2%
専門高校
1.2%
0.9%
0.9%
0.9%
H23
H24
H25
1.0%
普通科高校
0.7%
0.0%
H22
H26
(年度)
※全日制課程のみ算出
平成26年度「児童・生徒の問題行動等の実態について」(都教育委員会)から作成
図 19 専門高校(商業科・工業科・農業科)入学者選抜応募倍率(一次・前期募集)の推移
(倍率)
1.7
1.6
(1.57)
(1.55)
1.49
1.5
1.41
1.4
1.29
1.3
1.18
1.21
(1.54)
商業科
1.39
工業科
1.29
(参考)普通科
1.27
1.20
1.1
H23
H24
(1.54)
1.46
1.47
1.30
1.2
(1.55)
H25
H26
農業科
1.19
1.18
1.17
H27
(年度)
※全日制課程のみ算出
各年度「東京都立高等学校入学者選抜応募状況(最終応募状況)」から作成
2
○共働き世帯の増加や超高齢社会の到来により、保育や介護などの分野で活躍する人材の育成
が喫緊の課題となっていることや、調理師を養成できる家庭科の入学者選抜の応募倍率が高
い状況にあることから、これらのニーズに応えていく必要があります。
31 「児童・生徒の問題行動等の実態について」における中途退学者とは、年度の途中に校長の許可を受けて、又は懲戒処分を
受けて退学した者等をいい、他の高校への転学者及びいわゆる飛び入学により大学へ進学した者を含まない。
56
Ⅱ 生徒一人一人の能力を最大限に伸ばす学校づくりの推進
取組の方向
(1)専門高校等の改善・充実
ものづくり人材など、社会の変化と期待に応える人材の育成を推進するため、専門高校の
教育内容等の見直しを進めます。
ア デュアルシステム科の拡充
地域企業の求める人材の育成につながり、産業界から評価されている「東京版デュアルシ
ステム 32」を更に推進していくため、六郷工科高校と同様のデュアルシステム科を葛西工業
高校と多摩工業高校に設置します。
【年次計画表は「都立高校等の新配置計画・学科の改編・学校の指定」<67 ページ>】
イ エンカレッジスクールの追加指定
ものづくりに興味・関心のある生徒の進路実現を支援し、ものづくり産業を担う人材を輩
出するため、練馬工業高校での取組の成果を踏まえ、中野工業高校をエンカレッジスクー
ル 33 に指定します。3
【年次計画表は「都立高校等の新配置計画・学科の改編・学校の指定」<67 ページ>】
ウ 工業高校における学科改編の推進
工業高校において、中学生やその保護者、産業界のニーズを踏まえ、分かりやすい学科名
称にするなど学科改編を検討していきます。
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
工業高校における学科改編
の推進
新実施計画
28年度
学科改編
検討
29年度
30年度
改編計画の
策定
エ 商業高校の適正規模・適正配置
商業高校(普通科・商業科併置校を含む。
)において、志望倍率の低迷、不本意入学者の存
在、学習する専門分野と生徒の進路希望との相違が生じていることなどを踏まえ、学校の改
編や学科改編を実施し、規模の適正化を図っていきます。その際、五日市高校では、学校や
地域にある資源等を生かした特色化の推進を検討していきます。
【年次計画表は「都立高校等の新配置計画・学科の改編・学校の指定」<66、67 ページ>】
32
東京版デュアルシステムとは、学校と企業が一緒になって生徒を育成する新しい職業教育のこと。生徒が一定期間、企業で
働く訓練を行い、その訓練を授業の一部として認め、働くことが学びになるシステム。企業と生徒双方の合意により就業体験
先の企業に就職することが可能である。平成 16 年度から六郷工科高校で導入している。
33
エンカレッジスクールとは、これまで力を発揮できなかった生徒のやる気を育て、社会生活を送る上で必要な基礎的・基本
的学力を身に付けることを目的として、既設校の中から指定している。
57
Ⅱ 生徒一人一人の能力を最大限に伸ばす学校づくりの推進
図 20 入学を希望していた高校・学科について
2.3%
4.4%
商業科
56.7%
10.6%
0.8%
家庭科
ぜひ、この高校のこの学科に入学し
たかった
この高校の別学科に入学したかった
25.3%
88.2%
4.3%
0.7%
1.3%
5.6%
0.0%
別の高校の同じような学科に入学し
たかった
別の高校の別学科に入学したかった
84.0%
7.4%
福祉科
特にどの高校に入学したいというこ
とはなかった
無回答
1.1%
2.1%
5.3%
0.0%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
平成27年度「都立専門高校改編基本計画検討委員会報告書」(都教育委員会)から作成
図 21 希望の進路と現在学んでいる内容との関連について
37.1%
30.6%
商業科
現在、高校で学んでいることに、
関連がある
17.3%
15.1%
現在、高校で学んでいることに
は、関連がない
77.3%
9.6%
7.3%
5.8%
家庭科
まだ、具体的な就職先を決めて
いない及びまだ、具体的な学科や
コースを決めていない
わからない・無回答
84.1%
福祉科
8.5%
0.0%
7.3%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
※卒業後の進路希望について、4年制大学、短期大学若しは専門学校への進学又は就職を希望しているとの回答のみを抽出し構成比を算出
平成27年度「都立専門高校改編基本計画検討委員会報告書」(都教育委員会)から作成
(2)保育や介護分野などを学ぶ学校の整備
共働き世帯の増加や超高齢社会の到来により、保育人材や介護人材の育成などの喫緊の課
題に対応した専門教育を展開する必要があるため、保育や介護分野などを学ぶ学校を整備し
ます。
ア 家庭・福祉高校の設置
入学者選抜の応募倍率が高い調理師を養成できる家庭科や、不足が見込まれる保育人材を
育成する家庭科、超高齢社会に対応した介護人材を育成する福祉科を併せもった高校を新た
に設置します。
【年次計画表は「都立高校等の新配置計画・学科の改編・学校の指定」<66 ページ>】
58
Ⅱ 生徒一人一人の能力を最大限に伸ばす学校づくりの推進
3
定時制課程・通信制課程の改善
現状と課題
○定時制課程の高校は、従来、昼間に学校に通うことができない勤労青少年の学びの場となっ
てきました。しかし今日では、学習習慣や生活習慣等に課題がある生徒や、小・中学校時代
に不登校を経験した生徒、外国人の生徒など、多様な生徒が在籍するようになっています。
今後一層、個々の生徒の状況に応じた指導を行うことが課題となっています。
〇都教育委員会では、このような生徒や保護者のニーズに対応すべく、チャレンジスクー
ル 34 や昼夜間定時制高校 35 を設置してきましたが、平成 27 年度入学者選抜においても、
その応募倍率はチャレンジスクールが 1.66 倍、昼夜間定時制高校が 1.77 倍であり、入学
希望に十分に応えられていない状況があります。
図 22 チャレンジスクール及び昼夜間定時制高校入学者選抜応募倍率の推移
(倍率)
2.2
2.1
2.16
2.04
2.0
1.9
昼夜間定時制高校
2.00
1.80
1.8
1.7
1.6
1.77
1.65
1.66
(1.55)
1.70
(1.55)
(1.54)
(1.54)
H24
H25
H26
H27
1.74
(1.57)
チャレンジスクール
1.76
(参考)
全日制普通科高校
1.5
H23
(年度)
※平成25年度入学者選抜から、前期・後期の分割募集をやめ、前期募集のみ実施
各年度「東京都立高等学校入学者選抜応募状況(最終応募状況)」から作成
〇チャレンジスクールは、小・中学校時代に不登校経験をもつ生徒等を、主に受け入れている
高校です。都立高校全体の中でも入学希望者が多く、入学者選抜の応募倍率が高い水準で推
移しています。また、多摩地域には昼夜間定時制高校である八王子拓真高校にチャレンジ枠
を設けて募集しているものの、チャレンジスクールは設置されていません。このため、多摩
地域から 23 区内にあるチャレンジスクールに通学する生徒が相当数存在しています。不登
校経験のある生徒の進路実現の観点から、チャレンジスクールの適正な規模と配置を実現し
ていく必要があります。
〇昼夜間定時制高校は、多様化する生徒のニーズに応えるために設置した定時制独立校で、学
習時間帯を午前・午後・夜間の3部から選択し、自分のペースに合わせて学習することがで
きます。入学者選抜の応募倍率が高いことなどから、今後、規模を拡大して都民ニーズに応
えていく必要があります。
59
Ⅱ 生徒一人一人の能力を最大限に伸ばす学校づくりの推進
〇夜間定時制課程を当初から希望する生徒の入学者選抜応募倍率は、平成 23 年度には 0.63
倍でしたが、平成 27 年度は 0.42 倍と更に低下しています。また、第二次募集以降では、
全日制課程の高校などへの進学希望がかなえられなかった生徒のセーフティネットの機能
を果たしていますが、それでもなお、募集人員に対する在籍生徒数の割合は、平成 23 年度
以降、年度を追って低下し、平成 27 年度では定員の 68.6 パーセントにとどまっています。
その上、昭和 40 年度には夜間定時制課程に進学した生徒のうち勤労青少年は 88.3 パーセ
ントでしたが、平成 13 年度の夜間定時制課程に在籍する全ての生徒のうちでは 7.0 パー
セントに、平成 27 年度には更に 3.3 パーセントにまで減少しています。
一方、全日制課程・定時制課程併置校には、施設の共用による利用上の時間的制約があり、
双方にとって十分な指導時間が確保できない状況があります。
また、社会状況の変化や勤労青少年の生徒の減少に伴い、働きながら定時制課程で学ぶ生徒
のための給食について、その在り方の検討が必要となっています。
図 23 夜間定時制課程の入学者選抜応募倍率の推移
年度
入学者選抜
応募倍率
23年度 24年度 25年度
26年度 27年度
0.63倍 0.54倍 0.51倍
0.47倍 0.42倍
各年度「東京都立高等学校入学者選抜応募状況(最終応募状況)」から作成
図 24 夜間定時制課程の生徒数・定員・充足率の推移(第1学年)
(人)
3,000
120%
2,850
2,791
2,500
97.9%
2,607
102.2%
2,550
2,550
2,428
2,550
2,550
100%
生徒数
2,261
95.2%
定員
88.7%
2,000
2,550
1,976
77.5%
充足率
80%
1,750
68.6%
1,500
60%
平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度
※充足率=生徒数÷定員数
各年度「公立学校統計調査報告書」から作成
60
Ⅱ 生徒一人一人の能力を最大限に伸ばす学校づくりの推進
図 25 公立中学校卒業者のうち定時制課程進学者の推移とそのうち就職している者の推移
(人)
14,000
12,000
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
0
29
34
39
昭
44
49
54
59
元
6
11
和
16
平
就職している者
21
成
26
(年度)
就職していない者
平成27年度「公立学校統計調査報告書【公立学校卒業者(平成26年度)進路状況調査編】」から作成
○定時制課程の高校では、様々な取組により、多様な生徒の学習活動を支え、進路実現や社会
的自立を図っていますが、学習支援や相談支援を一層充実させ、更なる中途退学の防止や一
層の進路実現を図る必要があります。
○通信制課程の高校は、不登校をはじめ様々な理由から全日制課程及び定時制課程の高校に通
1
学することができないものの、学ぶ意欲のある青少年に対して高校教育を受ける機会を提供
しています。一方、都立高校全体の中途退学率は減少してきてはいるものの、依然として中
途退学する生徒が一定数存在しています。このような状況を踏まえ、引き続き、通信制課程
の高校のセーフティネットとしての機能の充実を図る必要があります。
取組の方向
(1)定時制課程の改善
多様化する生徒や保護者のニーズに応え、チャレンジスクール及び昼夜間定時制高校に入
学を希望する生徒をより多く受け入れられるよう、チャレンジスクールの新設及びチャレン
ジスクールや昼夜間定時制高校の規模の拡大を行います。
また、夜間定時制課程は、在籍する勤労青少年の割合が減少するともに、募集人員に対す
る在籍生徒数の割合も低下しているため、一部を閉課程していきます。
あわせて、定時制課程の高校全体で学力向上の支援やスクールカウンセラー36 の配置の拡
充等による教育相談体制の強化、有職生徒に対する都単独の補助制度の継続などを行い、定
時制教育の充実を図っていきます。
定時制課程の高校に在籍する勤労青少年のために設けられた給食の在り方についても検討
します。
34 チャレンジスクールとは、小・中学校時代に不登校経験をもつ生徒や高校で長期欠席等が原因で中途退学を経験した生徒等
を主に受け入れる総合学科・三部制(午前部・午後部・夜間部)の高校で、3年での卒業も可能である。
35 昼夜間定時制高校とは、単位制で昼夜開講多部制の高校のこと。様々な進路希望に対応した多様で弾力的な教育を行ってお
り、3年での卒業も可能である。
36 スクールカウンセラーとは、いじめ、不登校、暴力行為、児童虐待など、生活指導上の課題に対応し、学校内の教育相談体
制等の充実を図るため、生徒へのカウンセリングや教職員及び保護者に対する助言及び援助を行う臨床心理士等のこと。
61
Ⅱ 生徒一人一人の能力を最大限に伸ばす学校づくりの推進
ア チャレンジスクールの新設・規模拡大
チャレンジスクールについて、23区内及び多摩地域における新設に加え、既存校の夜間
部の学級増による規模拡大を順次実施していきます。これにより、不登校経験等のある入学
希望者がより多く入学できるように、適正な規模と配置を実現します。
【新配置計画は「都立高校等の新配置計画・学科の改編・学校の指定」<66 ページ>】
イ
昼夜間定時制高校の規模拡大
多様な生徒が在籍する昼夜間定時制高校について、より多くの入学希望者が入学できるよ
う既存校の夜間部の学級増により、順次受入規模を拡大していきます。
【新配置計画は「都立高校等の新配置計画・学科の改編・学校の指定」<66 ページ>】
ウ 夜間定時制課程の一部閉課程
チャレンジスクールの新設やチャレンジスクールと昼夜間定時制高校の夜間部の規模拡大
を行い、その進捗や夜間定時制課程の応募倍率の推移などの状況を考慮しながら、一部の夜
間定時制課程を閉課程します。これに伴い、全日制課程・定時制課程併置校において、二つ
の課程が一つの施設を使用しているために生じている制約を解消していきます。
【新配置計画は「都立高校等の新配置計画・学科の改編・学校の指定」<66 ページ>】
エ チャレンジスクール・昼夜間定時制高校の充実
チャレンジスクール及び昼夜間定時制高校において、午前部・午後部・夜間部に分かれて
いる授業時間帯のより柔軟な運用による学習の充実など、多様な生徒の個々の状況に合わせ
た教育環境の提供を行い、社会的に自立できる力の育成を図っていきます。
項目
チャレンジスクール・
昼夜間定時制高校の充実
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
多部制の定時制高校
の教育環境等の改善
継続実施
に関する検討及び
順次実施
オ 定時制課程の給食の在り方の見直し
定時制課程の高校における給食について、勤労青少年の在籍割合や喫食状況の変化の背景
などを多面的に分析し、多様化する生徒のニーズに応える食の提供方法などの検討を行い、
見直しを図ります。
62
Ⅱ 生徒一人一人の能力を最大限に伸ばす学校づくりの推進
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
定時制課程の給食の在り方
調査・検討
の見直し
新実施計画
28年度
29年度
30年度
提供方法の
検討
(2)通信制課程の改善
多様な生徒が存在している通信制課程の高校について、その特性を活用し、都立高校全体
の原級留置や中途退学の未然防止につなげる仕組みなどを検討します。
ア 通信制課程の教育活動の充実
通信制課程の高校の特性を活用し、他の全日制課程や定時制課程に在籍している都立高校
生の原級留置や中途退学の未然防止につなげる仕組みなど、通信制課程の教育活動の充実に
ついて検討します。
項目
通信制課程の教育活動
の充実
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
教育活動の
充実に向けた
検討
29年度
30年度
順次実施
63
Ⅱ 生徒一人一人の能力を最大限に伸ばす学校づくりの推進
4
島しょ高校の改善
現状と課題
○島しょの高校(大島海洋国際高校を除く。以下同じ。)は、在籍生徒数が定員を大きく下回
せ っさた くま
る状況が続いており、生徒同士が切磋琢磨する環境が生まれにくいなどの課題が生じていま
す。平成 27 年度現在、島しょ以外の都内に居住する生徒(以下「島外生徒」という。
)が
島しょの高校への入学を希望する場合には、応募資格要件として、当該高校が所在する島
しょ町村への一家転住等が原則となっており、島外生徒が島しょの高校を希望しても、単身
で島しょに居住し進学することができない仕組みになっています。今後、島しょの高校を活
性化させるためには、島外生徒が島しょの高校に進学することを可能とするための仕組みが
必要です。
図 26 島しょの高校の充足率の推移
(単位:%)
23年度
24年度
25年度
26年度
27年度
大
島
46.3
44.2
37.9
42.1
43.3
新
島
41.7
36.7
39.2
40.0
44.2
神
津
24.2
19.2
21.7
28.3
27.5
三
宅
20.0
20.0
11.7
10.8
14.2
八
丈
49.2
49.2
46.9
47.2
41.4
小 笠 原
65.6
48.9
50.0
47.8
51.1
平
42.9
39.8
37.3
39.0
38.3
均
各年度「公立学校統計調査報告書」から作成
○大島海洋国際高校では、実習船「大島丸」を活用した海洋実習や国際交流などの海洋国際教
育を行っています。また、寄宿舎における学習により、学習習慣を身に付けさせるなど、
「実
習船」
「寄宿舎」
「海洋」という教育環境を活用した特色ある教育を実施しています。近年、
海洋基本法の制定をはじめとする海洋教育を推進する動きなど、学校を取り巻く状況は変化
してきており、生徒・保護者の期待や社会の要請に応えていくためには、教育内容の改善・
充実を図るとともに、特色ある教育内容を実現するための教育環境を整備していくことが必
要です。
取組の方向
(1)島しょにおける教育の充実
島外生徒が単身で島しょに居住し、島しょの高校に進学することを可能とするため、都教
育委員会、島しょの各町村及び各高校が連携して、生徒の受入体制の整備を進めていきます。
また、大島海洋国際高校では、海洋国際教育の更なる充実を図っていくため、新たな海洋
教育を取り入れた教育課程や効果的な航海実習を検討していきます。
64
Ⅱ 生徒一人一人の能力を最大限に伸ばす学校づくりの推進
ア 島外生徒の受入体制整備
平成 27 年度に神津島村で試行した、島外生徒に島しょでの高校生活や日常生活を体験して
もらう「中学生島しょ体験ショートステイ」の実施状況を踏まえ、平成 28 年度の入学生から
神津高校及び神津島村において、ホームステイ方式による島外生徒の受入れを開始します。
また、都立高校がある他の島しょの町村についても、各町村の意向を踏まえながら、平成 29
年度以降の島外生徒受入れに向けた検討・調整を進めていきます。
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
受入実施(神
津高校・神津
島村)
島外生徒の受入体制整備
受入れに向け
た検討・調整
(その他の島
しょの高校・
町村)
イ 海洋国際教育の充実
大島海洋国際高校では、海洋国際教育の更なる充実を図るため、新たな海洋教育を取り入
れた教育課程や効果的な航海実習を検討します。また、生徒が希望する進路の実現に向けて、
専門教育の活用や寄宿舎における学習の工夫などの学力向上の取組を推進します。
項目
海洋国際教育の充実
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
船を活用した
新たな海洋教
育の導入や 検討に基づき
寄宿舎を活用 順次実施
した学力向上
策などの検討
65
Ⅱ 生徒一人一人の能力を最大限に伸ばす学校づくりの推進
都立高校等の新配置計画・学科の改編・学校の指定
1.新配置計画
(1)学校の設置
内 容
年 度 別 計 画
区分
対 象 校<設置場所>
開校(予定)年度
28年度
29年度
30年度
立川国際中等教育学校
基本計画
基本設計
基本設計
実施設計
家 庭 ・ 福 祉 高 校
平 成 3 3 年 度
赤羽商業高校
基本計画
設置に
向けた調整
新国際高校(仮称)
未
定
<未 定>
基本構想
基本計画
荒川商業高校
基本計画
設置に
向けた調整
基本計画
設置に
向けた調整
小 教 小中高一貫教育校
一
中 育 平 成 3 4 年 度
貫
高 校
専
門
高
校
足立地区チャレンジスク ール
ャ
チ
平 成 3 4 年 度
ー
ス
ク
設置に
向けた調整
レ
ン
ル
ジ
立川地区チャレンジスク ール
平 成 3 5 年 度 <多摩教育センター敷地>
基本設計
(2)閉課程
区分
内 容
全定
日時
夜間定時制課程の閉課程により併置を解消
併
制制
既存のチャレンジスクール・昼夜間定時制
置
課課
高校のⅢ部(夜間)の規模を拡大し、夜間
校
程程
の時間帯における学習ニーズに対応(※)
・ ・
対 象 校
小山台高校
雪谷高校
江北高校
立川高校
※ 対象校は以下のとおり
チャレンジスクール:六本木高校、稔ヶ丘高校、桐ヶ丘高校、大江戸高校
昼夜間定時制高校:一橋高校、浅草高校、砂川高校
※個々の施設整備の着手に当たっては、関係諸機関との調整や課題の検討等を十分に行い、配置の適正化を踏まえた設置場所と
するとともに、最も合理的かつ効果的な施設整備の規模、整備手法及び整備スケジュールとなるよう必要な見直しを行います。
66
Ⅱ 生徒一人一人の能力を最大限に伸ばす学校づくりの推進
2.学科の改編・学校の指定
(1)学科の改編
年 度 別 計 画
区分
普専併
通門置
科学校
・ 科
専高
門校
内 容
商業科を閉科
(普通科に改編)
工業高校にデュアル
システム科を設置
対 象 校
五日市高校
葛西工業高校
多摩工業高校
28年度
29年度
30年度
方向性の
検討
改編準備
中学生や
保護者への
周知
教育課程等 中学生や
デュアル
の検討
保護者への システム科
周知
の設置
協力企業
開拓
(2)学校の指定
年 度 別 計 画
区分
内 容
対 象 校
28年度
専高
門校
工業高校をエンカレッジ
スクールに指定
中野工業高校
29年度
30年度
中学生や エンカレッジ
教育課程等
保護者への スクール
の検討
周知
に指定
67
Ⅱ 生徒一人一人の能力を最大限に伸ばす学校づくりの推進
68
目標Ⅲ
質の高い教育を支えるための
環境整備
1
組織的な学校経営の強化
2
教員の資質・能力の向上
3
安全で環境に優しい施設整備
4
就学機会の適正な確保
5
社会の変化に対応した入学者選抜の改善
6
課題を抱える生徒の自立に向けた支援の充実
Ⅲ 質の高い教育を支えるための環境整備
1
組織的な学校経営の強化
現状と課題
○都立高校は、自校の課題を捉え、具体的な学校経営の目標を定めることにより、計画的で組
織的な学校経営を推進してきました。今後、更に学校経営を強化するためには、より一層、
管理職及びミドルリーダー層のマネジメント能力を向上させる必要があります。
○都教育委員会は、都立高校が目指すべき組織的な学校経営の指標を「学校経営指標」
(以下
「指標」という。
)として示しています。学校経営支援センターは、指標に基づく検証を通
して、各校の自律的な学校経営の到達状況を把握し、より適切に学校を支援する仕組みを構
築しました。今後は、指標に基づく適切な支援を実践していくため、学校経営支援センター
の支援機能の向上を図っていく必要があります。
○全ての都立高校において、入学者選抜の倍率や進学実績などを掲載した「学校経営シート」
を作成し、都教育委員会ホームページで掲載しています。今後は、中学生や保護者が都立高
校を調べる際、各校の魅力や特色を一層分かりやすくPRしていく必要があります。
○都立高校におけるいじめ、不登校、暴力行為等の生徒の問題行動に対しては、平成 26 年度
に策定した「東京都教育委員会いじめ総合対策」に基づき、全ての都立高校に「学校サポー
トチーム
37
」を設置しています。今後は、教職員と外部の人材が連携して迅速に対応する
など、いじめ総合対策の取組を更に実効性のあるものにして、課題を解決していく必要があ
1
ります。
○都立高校の施設には、学校教育のほか、社会教育の場としての役割も求められています。地
域住民の学習やスポーツ活動へのニーズは多様化しており、これらのニーズに対応する取組
を推進していく必要があります。
取組の方向
(1)学校経営に対する組織的支援の推進
計画的で組織的な学校経営を実践するためには、経営のマネジメントサイクル 38 の確立や
具体的な指標の提示が必要です。このため、校長、副校長、主幹教諭などの学校経営に係る
マネジメント能力を一層向上させます。また、各校の指標に基づき、適切な支援を実践でき
るよう学校経営支援センターの支援機能の向上を図っていきます。
中学生や保護者に各都立高校の特色や魅力が伝わるよう、広報について改善していきます。
37
学校サポートチームとは、生徒の問題行動への対応において、保護者、地域住民、関係機関と迅速かつ適切に連携・協力で
きるサポート体制を確立し、生徒の健全育成を図るとともに、いじめ防止対策推進法で規定する学校いじめ対策委員会を支
援する組織のこと。
38
都立学校におけるマネジメントサイクルとは、生徒の実態やそのニーズを全教職員が把握した上で、校長が目指す学校像を
掲げ、その学校像に向けて各年度に学校が重点的に取り組むべき事項を数値目標を含む具体的な目標として設定し(Plan)、
目標達成に向けて1年間の学校経営を行い(Do)、結果を評価し(Check)、その評価を翌年度の学校経営目標に反映させて
いく(Action)
、PDCAサイクルのことである。
70
Ⅲ 質の高い教育を支えるための環境整備
ア 管理職及びミドルリーダー層のマネジメント能力の向上
学校マネジメント能力の育成指針(
「学校管理職育成指針」平成 25 年)に基づき、OJT
ガイドラインの活用などにより、管理職及びミドルリーダー層のマネジメント能力の育成を
図ります。また、
「学校リーダー育成特別講座」の対象者を拡充するとともに、講座内容の充
実を図り、組織的な教育力の向上に努めます。
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
学校管理職育成指
針、東京都教員人材
育成基本方針【一部
改正版】の策定及び
周知と活用
管理職及びミドルリーダー層
のマネジメント能力の向上
OJTガイドラインの改
定
新実施計画
28年度
29年度
30年度
一層の周知と
活用
一層の周知と
活用
教育管理職研修及び
ミドルリーダー層への 研修の充実
研修の実施
イ
学校経営指標による組織的な学校経営の支援
指標を活用した、経営状況の検証・把握に基づく適切な経営支援を強化します。また、外
部有識者による成果検証も実施し、各校に共通する課題を抽出して改善を図るとともに先進
的な取組成果を他校に還元していきます。さらに、指標の内容についても見直しを図り、学
校経営支援センターが学校支援体制を強化できるよう改善していきます。
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
「学校経営指標」を作
学校経営指標による組織的
成し、全ての都立高校
な学校経営の支援
の取組状況を検証
新実施計画
28年度
29年度
30年度
外部有識者
による成果検
証を抽出実施
中高一貫教
育校への「学
校経営指標」 順次実施
の適用等、指
標の見直し
71
Ⅲ 質の高い教育を支えるための環境整備
ウ 特色ある教育活動や部活動等のPR方法の改善
中学生やその保護者が都立高校を調べる際、部活動の実績、特徴ある学校行事、学校説明
会・文化祭等の日程等、各校の特色や魅力が伝わる情報にすぐアクセスできるよう、都教育
委員会のホームページにある各校の「学校経営シート」の記載を工夫するなど、PR方法に
ついて改善していきます。
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
学校の特色
や魅力が伝
わる「学校経 実施
営シート」等
の検討
特色ある教育活動や部活動
等のPR方法の改善
(2)外部人材の活用
いじめ、不登校、暴力行為等の学校が抱える様々な問題に対応するため、外部人材を積極
的に活用し、教員と外部人材との連携により、それぞれが専門性を発揮することで、学校の
教育力を高めます。
ア 学校サポートチームの効果的な活用
定例会議や個別の事案に応じた緊急会議等の開催を通して「学校サポートチーム」を機能
させることにより、教職員と外部人材が役割分担しながら、生徒の問題の解決に向けた支援
を行っていきます。また、校内で中心となって連絡調整や会議の運営等を担う教員の指定な
どにより、
「学校サポートチーム」との連携を強化することで、迅速かつ適切に生徒の問題に
対応できる体制づくりを推進します。さらに、学校の教育力向上等の観点からも、外部人材
の積極的な活用を検討していきます。
項目
学校サポートチームの
効果的な活用
72
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
学校サポートチーム
の設置
学校サポート
「学校いじめ対策委 チームの機能
員会」との連携によ 強化
る体制の確立
29年度
30年度
Ⅲ 質の高い教育を支えるための環境整備
(3)地域に開かれた学校としての取組の推進
地域社会との確かなパートナーシップの下での円滑な学校運営に向け、学校の教育活動の
確保を図った上で、施設の開放や公開講座の実施など開かれた学校づくりに取り組むことで、
魅力ある学校をつくります。
ア
地域における学習機会の提供と施設の開放
地域に開かれた都立高校として、地域住民の学習・文化・スポーツ活動の振興に資するた
め、学校教育活動の時間を確保した上で、公開講座及び施設開放事業を実施していきます。
項目
地域における学習機会の
提供と施設の開放
第一次実施計画
24年度~27年度
公開講座及び施設
開放事業の実施
新実施計画
28年度
29年度
30年度
全校での
継続実施
73
Ⅲ 質の高い教育を支えるための環境整備
2
教員の資質・能力の向上
現状と課題
○教員全体の指導力や専門性の向上を図るため、学習指導等において高い専門性を有し、他の
教員に対して優れた指導力を有する教員の職として、平成 25 年度から都立高校に指導教諭
の職を設置しています。指導教諭を計画的に任用していくことにより、個々の教員が自ら成
長しようとする意欲を引き出すとともに、都立高校全体の指導力を高めていく必要がありま
す。
○大学入試改革の検討の中で、英語の4技能「聞く」
「話す」
「読む」
「書く」を測定する外部
検定試験導入に向けた議論がなされていることを受け、4技能を測る外部検定試験に対応し
た指導法を研究していく必要があります。また、
「アクティブ・ラーニング」やICTを活用
した指導法、更には難関国立大学等への進学に向けた指導などの充実を図っていく必要があ
ります。
○体罰について、平成 25 年度から、根絶に向けた総合的な対策を講じたことにより、部活動
における体罰事案が減少した一方、感情のコントロールができずに体罰に至る事案はいまだ
に後を絶たず、根絶に向けて引き続き取り組んでいく必要があります。
○教員の人事交流について、都立学校を取り巻く環境の変化や都民の多様な期待に的確に応
え、特色ある学校づくりを推進するために、中高一貫教育校、エンカレッジスクール、チャ
レンジスクール等において公募制を導入し、意欲のある教員を配置しています。進学指導重
点校等についても公募を行ってきましたが、学校によって公募の方法や時期が異なっている
ため、進学指導に意欲のある人材を適材適所に配置することが困難な状況にあります。公募
方法を一元化し、全体を見据えた人員配置を行う必要があります。
○都立高校教員の精神疾患による病気休職者は、平成 26 年度で約 50 人おり、教員に対する
メンタルヘルス対策の更なる充実が必要となっています。
取組の方向
(1)教員の指導力向上に向けた取組の推進
生徒の個に応じた教育を推進するために、個々の教員が自ら成長しようとする意欲を引き
出すとともに、都立高校全体の指導力を高めていきます。
ア 指導教諭の計画的任用と活用
平成 29 年度までに指導教諭を計画的に任用していきます。また、指導教諭が模範授業等を
通じて他校の教員に優れた指導技術を伝えるとともに、その教員が指導教諭から学んだ指導
技術を校内OJT等で自校の教員に広めていくことにより、都立高校全体の指導力を高めて
いきます。
74
Ⅲ 質の高い教育を支えるための環境整備
項目
指導教諭の計画的任用
と活用
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
指導教諭の
計画的任用
継続実施
模範授業等による
指導教諭の活用
継続実施
29年度
30年度
(2)研修の充実と強化
グローバル化の進展や大学入試改革などの社会の変化に対応できるよう専門性の高い教員
を育成していきます。
都教職員研修センターにおいて毎年度実施している都立高校教員対象の研修について、評
価・検証を継続して実施し、課題に迅速に対応した実効性のある研修を実施します。
進学指導重点校における取組等を踏まえた研修を実施し、進学指導研修の一層の改善・充
実を図ります。
全ての教員に体罰を正しく認識させ、体罰根絶に向けた取組を実施します。
ア 英語科教員の海外派遣研修の実施
英語科教員の海外派遣研修により、より高い指導力や国際的視野を身に付けた教員を育成
する取組を推進します。
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
英語科教員の海外派遣研修
海外派遣研修の実施 継続実施
の実施
イ 英語科教員の指導力・英語力向上のための研修の実施
生徒の言語活動の充実と英語の4技能にわたる総合的なコミュニケーション能力を育成す
るための指導力向上を目的とした研修や、英語で行う授業のための英語力向上を目的とした
研修を実施します。
項目
英語科教員の指導力・
英語力向上のための
研修の実施
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
教員の英語力
を高める研修
を実施
75
Ⅲ 質の高い教育を支えるための環境整備
ウ 都教職員研修センターにおける教員の研修内容の充実
「アクティブ・ラーニング」やICTを活用した指導法などに関する教科等の研究を行い、
生徒に主体的・協働的な学びを促し、思考力・判断力・表現力等を育成する指導法を開発し、
それを研修内容に反映させることで普及を図っていきます。
第一次実施計画
24年度~27年度
項目
研究機能の在り方の
検討
教科等研究の実施
研修内容への反映
都教職員研修センターに
おける教員の研修内容の
充実
新実施計画
28年度
29年度
30年度
教科等研究
の実施
研修内容へ
の反映
エ 進学指導研修の実施
進学指導の実践力向上のため、各進学指導重点校の取組や教員の授業実践の報告、次期高
等学校学習指導要領を踏まえた系統的な指導の在り方や大学入試改革に関する最新の情報等
を盛り込むことなどにより、進学指導研修の一層の改善・充実を図ります。
第一次実施計画
24年度~27年度
項目
新実施計画
28年度
29年度
30年度
進学指導研修
の一層の
改善・充実
進学指導研修の実施
オ 体罰根絶に向けた総合的な対策
しっかい
体罰根絶に向けた教員悉皆の研修や、体罰を指導の手段とする誤った認識を改めるための
「指導方法・意識改善プログラム」の内容の改善等を図り、教員に体罰の問題点を正しく認
識させていきます。また、模範となる指導を実践している運動部活動顧問教諭を「Good Coach
賞」として広く顕彰し、指導者講習会を実施する等、望ましい指導方法を普及していくこと
で、体罰発生ゼロを目指します。
項目
体罰根絶に向けた総合的な
対策
第一次実施計画
24年度~27年度
28年度
「指導方法・
体罰根絶に向けた総 意識改善プロ
合的な対策の策定 グラム」の
改善・実施
「Good Coach賞」
の創設
76
新実施計画
「Good Coach
賞」の顕彰
実施
29年度
30年度
Ⅲ 質の高い教育を支えるための環境整備
(3)人事交流の促進
学校間の人事異動や校内人事を通じて多様な経験を積むことは、教員としての視野や幅を
広げ、能力の伸長につながります。このため、人事異動を活性化し、教員としての能力・資
質を高めるとともに、学校の組織力の向上に資する人材を育成します。
ア 公募制人事の改善
これまで行ってきた、中高一貫教育校、エンカレッジスクール、チャレンジスクール等の
公募制人事を引き続き実施するとともに、進学指導重点校等については、
「進学指導重点校・
進学指導特別推進校 39・進学指導推進校 40 担当教員公募」を実施することで、人事配置をよ
り統一的に行い、各校のレベルアップを図っていきます。1
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
中高一貫教育校等の 継続実施
公募実施
公募制人事の改善
進学指導重点校等の
公募改善に向けた
実施
検討
(4)教員のメンタルヘルス対策の推進
教員に対して「早期自覚」
「早期対処」に重点をおいたメンタルヘルス対策を実施するこ
とで、精神疾患による休職者の減少に努めます。2
ア 教員のメンタルヘルス対策の充実
教職員の精神的健康の保持・向上を促進するため、引き続き、新規採用教員を対象とした
個別のカウンセリング、新任副校長を対象とした健康相談とカウンセリングを併用した「副
校長ベーシックプログラム」
、全ての教職員を対象とした定期健康診断でのストレスチェック
等の実施により、予防に重点を置いた「早期自覚」
「早期対処」を基本とするメンタルヘルス
対策を推進します。また、精神疾患で休職した教員の円滑な職場復帰及び再休職の防止を図
るため、
「リワークプラザ東京 41」を中心とする復職に向けた支援を継続していきます。
39 進学指導特別推進校とは、進学指導重点校レベルの進学実績を目指せる学校として、都教育委員会が指定した都立高校のこ
とである。平成 19 年 6 月に小山台高校、駒場高校、新宿高校、町田高校、国分寺高校の5校を、平成 25 年度から国際高
校を指定し、平成 28年 2 月現在、6校を指定している。
40 進学指導推進校とは、進学校の全都的な配置のバランスや地域のニーズなどを踏まえ、進学対策を進める都立高校の裾野を
広げ、都立高校全体の進学対策を強化することを目的として、都教育委員会が指定した都立高校のことである。平成 22 年
5 月に三田高校、国際高校、豊多摩高校、竹早高校、北園高校、墨田川高校、城東高校、小松川高校、武蔵野北高校、小金
井北高校、江北高校、江戸川高校、調布北高校、日野台高校の 14 校を指定。平成 25 年度から国際高校を進学指導特別推
進校に指定しており、平成 28年 2 月現在、13 校を指定している。
41 リワークプラザ東京とは、精神疾患による休職者の円滑な職場復帰と再休職の防止を目的として、学校における職場復帰訓
練に対して復職に向けた支援を行う復帰訓練機関のこと。
77
Ⅲ 質の高い教育を支えるための環境整備
項目
教員のメンタルヘルス対策の
充実
78
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
メンタルヘルス対策
【土日相談等】の実施
継続実施
復職支援【リワークプ
ラザ東京】の実施
29年度
30年度
Ⅲ 質の高い教育を支えるための環境整備
k
3
安全で環境に優しい施設整備
現状と課題
○島しょを除く全ての都立高校は「帰宅支援ステーション
42
」に指定され、また、多くの都
立高校が区市町村から避難所として指定されています。今後とも、首都直下地震等の脅威に
備えるため、都立高校の防災機能を強化する必要があります。
○都立高校では、普通教室や防音性が求められる音楽室・視聴覚室・図書室、熱を発するIC
T機器を設置するPC室等の特別教室に冷房設備を整備してきました。しかし、近年、真夏
日・猛暑日が増加しており、夏季に冷房設備の整備されていない特別教室で行う実験・実習
に支障を来す事例も生じています。生徒の安全・安心の確保や良好な教育環境の実現に向け
た施設・設備の整備に取り組んでいく必要があります。また、建築年数や老朽度合いなどを
1
考慮して、施設を計画的に維持更新していく必要があります。
○環境配慮への意識が高まる中、電力使用量とCO2 排出量の更なる削減など、環境負荷の一
層の低減に向けた学校づくりも求められています。
取組の方向
(1)防災拠点としての施設・設備の整備
生徒の安全・安心を確保するとともに、地域社会からの防災拠点としての期待に応えるた
め、都立高校の防災機能の一層の強化に取り組む必要があります。
都立高校の安全性が確実に確保されるよう、天井材、照明器具、外壁や窓ガラス等の非構
造部材 43 の耐震化などを行い、防災機能を強化します。
ア 非構造部材の耐震化
安全で安心な学校づくりや地域の防災拠点としての期待を踏まえ、天井材、照明器具、外
壁や窓ガラス等の非構造部材の耐震化を進め、都立高校の防災機能を強化していきます。
項目
非構造部材の耐震化
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
各都立高校における
非構造部材の調査・
耐震化工事
点検
の実施
調査・点検結果に基づ
く耐震化工事の実施
42
帰宅支援ステーションとは、災害発生時に徒歩による帰宅者に対し、水道水・トイレ・テレビ及びラジオからの災害情報の
提供を行う施設である。島しょを除く全ての都立学校及び東京武道館を帰宅支援ステーションとして位置付けているほか、
コンビニエンスストアやガソリンスタンド等も帰宅支援ステーションの役割を担う。
43
非構造部材とは、柱、梁、壁、床等の構造設計の主な対象となる部材以外の天井材、内・外装材、照明器具、設備機器、窓
ガラス、家具等のこと。
はり
79
Ⅲ 質の高い教育を支えるための環境整備
(2)教育活動を支えるための環境整備
生徒の安全・安心を確保し、良好な学習環境を維持するために、必要な施設・設備の整備
や校舎等の維持更新を進める必要があります。
このため、建築年数や劣化状況などを考慮した計画的な施設の維持更新を実施するととも
に、学校の設置目的やそれに基づく教育課程の実現、多様な生徒に対する様々な教育の実施
などに向け、学校の特色や機能を十分に発揮できる施設整備に取り組みます。
ア 特別教室の冷房化
備え付けの機器や火気等を使用して実験・実習を行うなど、普通教室では代替することが
できない理科系実験室、美術室、工芸室、調理室、被服室について計画的に冷房化を進め、
夏季における教育環境の改善を図ります。
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
28年度
整備計画に
基づき設計
特別教室の冷房化
イ
新実施計画
29年度
30年度
整備計画に
基づき設計
及び工事
老朽校舎の改築・大規模改修
良好な学習環境を維持するため、老朽化した施設の改築・大規模改修を計画的に実施する
とともに、学校の特色に応じた施設整備を進めます。
項目
老朽校舎の改築・大規模
改修
80
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
「主要施設10か年維
持更新計画」に基づく 更新計画に
改築・大規模改修の 基づき実施
実施
29年度
30年度
Ⅲ 質の高い教育を支えるための環境整備
(3)環境負荷低減を可能とする施設・設備整備
都立高校において、環境負荷の一層の低減に努めるなど、環境に配慮した学校づくりを進
めることで、世界一の環境先進都市を目指す都にふさわしい施設を整備します。2
このため、最新の省エネルギー設備や再生可能エネルギー44 設備を盛り込んだ「省エネ・
再エネ東京仕様 45」
(平成 26 年改正 都財務局)に基づき、複層ガラスなどによる建物の熱負
荷低減、LED照明などによる設備システムの省エネルギー化、太陽光発電設備などの再生
可能エネルギーの利用などにより電力使用量とCO2 排出量の削減を図るとともに、屋上や壁
面の緑化などを推進し、ヒートアイランド対策 46 を図っていきます。3
ア 太陽光発電設備の設置
再生可能エネルギーの積極的な活用により環境負荷を軽減し、さらには発災時におけるエ
ネルギー供給の確保にも資するため、校舎屋上への太陽光発電設備の設置を推進します。
項目
太陽光発電設備の設置
イ
第一次実施計画
24年度~27年度
各年度
6~8校設置
新実施計画
28年度
29年度
30年度
改築校及び
構造上設置
可能な高校に
設置
毎年度7校
程度に設置
校舎屋上・壁面の緑化
空調負荷を軽減するとともに、ヒートアイランド現象の緩和や緑あふれる都市空間形成の
ため、校舎の屋上や壁面などの空きスペースの緑化を実施します。
項目
校舎屋上・壁面の緑化
44
第一次実施計画
24年度~27年度
各年度
7校~16校設置
新実施計画
28年度
29年度
30年度
毎年度13校
程度に設置
再生可能エネルギーとは、太陽光や太陽熱、水力、風力、バイオマス、地熱など、一度利用しても比較的短期間に再生が可
能であり、資源が枯渇しないエネルギーのこと。
45
省エネ・再エネ東京仕様とは、
「2020 年までに東京のエネルギー消費量を 2000 年比で 20%削減する」という目標の達
成に向けた率先的取組として、都有建築物の改築等において、建築物の熱負荷の低減、最新の省エネ設備、多様な再エネ設
備の導入等により、エネルギーの使用の合理化を図ることを目的とするもの。
46 ヒートアイランド対策とは、空調機器や自動車などから排出される人工排熱の増加や、道路舗装、建築物などの増加による
地表面の人工化によって、都心部の気温が郊外に比べて高くなる現象(ヒートアイランド現象)を緩和、抑制するための対
策のこと。
81
Ⅲ 質の高い教育を支えるための環境整備
4
就学機会の適正な確保
現状と課題
○高校への進学を希望する都内公立中学校卒業者については、一般財団法人東京私立中学高等
学校協会との協議の下、毎年度就学計画を策定した上で、都立高校と私立高校で分担して受
入れを行っています。この就学計画における計画進学率
47
は、都内公立中学校卒業予定者
数の進学希望率を上回る 96.0 パーセントで設定しています。今後、都内公立中学校卒業予
定者数の推移については、平成 27 年度の約8万人から、平成 40 年度には約8万5千人程
度にまで増加していくことが見込まれており、中長期的視点からの就学計画の検討が必要と
なっています。
図 27 年度別都内公立中学校卒業予定者数の推移
(人)
87,000
平成24年度(平成25年4月入
学予定者)から平成27年度
(平成28年4月入学予定者)
にかけて2,332人増加
85,000
年
度 83,000
別
卒
業
予
定 81,000
者
数
79,000
平成27年度(平成28年4月入学予定
者)から平成40年度(平成41年4月入
学予定者)にかけて5,287人増加予定
83,175
85,036
83,627
83,585
82,530
81,954
79,140
80,010
79,749 79,677
79,011
82,587
78,819
平成33年度以降に
大幅増加となる。
78,897
77,417
77,601
平成32年度(平成33年4月
入学予定者)まで生徒数の
減少傾向が続く
77,000
76,296
75,000
H24
H25
H26
H27
H28
H29
H30
H31
H32
H33
H34
H35
H36
H37
H38
H39
H40
年度(卒業予定年度)
※1 各年度の数値は、平成27年度教育人口等推計による各年度5月1日現在の中学校3年生在籍者数推計値である(平成27年度以前の数値は実数)。
※2 各年度5月1日現在の中学校3年在籍者数を当該年度の卒業予定者数とした。
○平成 25 年度の入学者選抜以降、在京外国人生徒対象枠の応募倍率が上昇しています。平成
27 年度入学者選抜では既設置校の募集人員を増員しましたが、応募者が増加し、依然とし
か いり
て一般枠の応募倍率との乖離が生じていることから、平成 28 年度入学者選抜では在京外国
人生徒対象枠を設定する学校を2校追加し、合計 5 校としました。今後、区部と多摩地域
とのバランスなども考慮して、入学者選抜の応募状況等を十分に見極めていく必要がありま
す。
82
Ⅲ 質の高い教育を支えるための環境整備
○都立高校においては、一般の入学者選抜の学力検査問題及び在京外国人生徒対象の入学者選
抜で使用する問題に、平仮名のルビを振る措置を平成 20 年度入学者選抜から実施していま
1
す。また、平成 28 年度入学者選抜から、全日制課程の高校で第一次募集・分割前期募集に
おける学力検査が原則として5教科となることに合わせて、他県における措置の状況などを
踏まえ、改めて検討した結果、辞書の持込みと時間延長も認めることとしました。今後、他
の受検者との公平性に配慮しつつ、引き続き受検者の状況等を検証し、外国籍の受検者に対
する措置について検討する必要があります。
○多くの外国企業の誘致や人材の受入れを進めていく上からも、在京外国人生徒のニーズに対
応した教育環境を整備していくことは重要であり、入学者選抜や入学後の学校生活に支障が
生じないよう、引き続き適切な支援を行っていく必要があります。
取組の方向
(1)就学対策の推進
高校への進学を希望する意欲と熱意のある生徒の就学機会を確保するため、生徒数の動向
や志望の動向、地域バランス、各校の施設の状況等を踏まえ、私立高校との適切な役割分担
の下、引き続き中長期的視点に立った就学対策を推進します。
ア 適正な募集枠の設定
高校への進学を希望する意欲と熱意のある生徒を確実に受け入れることができるよう、生
徒数の動向、地域バランスや施設条件等を踏まえ、募集枠を設定していきます。
項目
適正な募集枠の設定
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
適正な募集枠の設定 実施
イ 公立中学校卒業予定者数の増加に伴う対応
教育人口等推計に基づく都内公立中学校卒業予定者数の中長期的な動向を踏まえ、学校の
新設も含めた対策を検討していきます。
項目
公立中学校卒業予定者数の
増加に伴う対応
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
学校の新設を
対応策の
含めた対策の
決定
検討
30年度
対応策の
順次実施
47 計画進学率とは、就学計画において、都内公立中学校3年生のうち、全日制課程の高校等(国・公・私立)へ進学すると予
想される割合のこと。
83
Ⅲ 質の高い教育を支えるための環境整備
(2)在京外国人生徒の受入れ
在京外国人生徒数の推移等を踏まえ、適正な募集枠を設定するとともに、生徒の母語に応
じた日本語指導の充実や外国籍の受検者に対して必要な配慮を行っていきます。
ア 「在京外国人生徒対象」の募集枠の検討
中学校における日本語指導が必要な在京外国人生徒数の動向や、区部と多摩地域のバラン
ス、在京外国人生徒対象枠の募集校における入学者選抜の応募状況等を踏まえ、適正な募集
枠を設定します。
項目
「在京外国人生徒対象」の
募集枠の検討
第一次実施計画
24年度~27年度
既設枠の増員
新設枠の設定
新実施計画
28年度
29年度
30年度
効果検証
継続実施
イ 在京外国人生徒への日本語指導の充実
都立高校における日本語指導が必要な外国人生徒数が年々増加していることを踏まえ、外
部人材を活用した個別指導の拡大・充実等を図ります。
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
在京外国人生徒への日本語 日本語指導外部人材
拡大・充実
活用事業の実施
指導の充実
ウ 外国籍の受検者に対する措置
学習意欲がありながら日本語に十分習熟していない外国籍の受検者の進路実現を図るため、
受検に際して特別な措置について検討し、必要に応じて検証・見直しを行っていきます。
項目
外国籍の受検者に対する
措置
84
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
検討を踏まえ
特別な措置に
順次検証・
ついて検討
見直し
30年度
Ⅲ 質の高い教育を支えるための環境整備
5
社会の変化に対応した入学者選抜の改善
現状と課題
○推薦に基づく選抜について、平成 25 年度入学者選抜から改善を行い、
「基礎的な学力を前
提に、思考力、判断力、表現力等の課題を解決するための力やコミュニケーション能力など、
これからの社会で生徒に必要となる力を評価し、選抜する」という目的が定着してきていま
す。今後、集団討論や小論文などについては、各検査の目的に合ったテーマ設定や適正な評
価の実施に向けた取組が必要です。
○学力検査に基づく選抜について、中学校で身に付けるべき学力を的確に評価し、選抜するこ
とを明確にするとともに、複雑化した選抜制度の簡素化を図ることとし、平成 28 年度入学
者選抜から制度を改善することにしました。
○文部科学省の「英語力評価及び入学者選抜における英語の資格・検定試験の活用促進に関す
る行動指針」において、生徒の英語力向上に4技能評価を取り入れることや入学者選抜に英
語の資格・検定試験を活用することが示されており、英語に関する入学者選抜の在り方につ
いて、検討を進めていく必要があります。
○都立高校の補欠募集(転学・編入学)については、高校等入学後の進路変更希望に応え、中
途退学の未然防止を図るとともに、教育を受ける機会を確保することを目的に実施していま
す。しかし、制度の周知や趣旨の理解が十分とはいえないことなどから、補欠募集の制度が
有効に生かされていない状況があり、改善する必要があります。
取組の方向
(1)入学者選抜の改善
推薦に基づく選抜及び学力に基づく選抜について、改善を行ったところですが、それぞれ
の内容について検証を行い、必要に応じて改善策を講じていきます。
また、国の動向等を踏まえ、英語に関する入学者選抜の在り方について検討します。
ア 推薦に基づく選抜の改善
推薦に基づく選抜について、全ての都立高校で集団討論及び個人面接等を実施することと
しており、今後、入学した生徒の追跡調査などを通して、目的に沿った選抜が実施できるよ
う検証を行い、必要に応じて改善策を講じていきます。
85
Ⅲ 質の高い教育を支えるための環境整備
項目
推薦に基づく選抜の改善
第一次実施計画
24年度~27年度
制度改善
検証・見直し
新実施計画
28年度
検討委員会
による検証・
見直し
29年度
30年度
検証を踏まえ
順次改善
イ 学力検査に基づく選抜の改善
学力検査に基づく選抜について、全日制課程の高校では検査教科数を原則5教科で実施す
るなどの改善を行っており、今後、入学した生徒の追跡調査などを通して、目的に沿った選
抜が実施できるよう検証を行い、必要に応じて改善策を講じていきます。また、英語に係る
入学者選抜について、4技能を評価する具体的な方法について検討を進めていきます。
項目
学力検査に基づく選抜の
改善
第一次実施計画
24年度~27年度
検討委員会による
検証・順次改善
新実施計画
28年度
検討委員会
による検証・
見直し
29年度
30年度
検証を踏まえ
順次改善
(2)転学・編入学制度の改善
都立高校入学後の進路変更希望に応えるとともに、中途退学の未然防止を図るため、都立
高校間における一層柔軟な転学・編入学が可能となるよう、その仕組みなどについて改善を
図ります。
ア 転学・編入学制度の活用と推進
補欠募集の目的を達成するため、各校における補欠募集の実施状況や課題を把握し、より
効果的に実施できるよう具体的な検討を進めます。また、前年度に実施した補欠募集の試験
問題の提供方法を定めるなどの改善を図るとともに、中学校等への制度の周知に一層努めて
いきます。
項目
転学・編入学制度の活用と
推進
86
第一次実施計画
24年度~27年度
検討委員会による
検証・順次改善
新実施計画
28年度
制度活用の
推進
29年度
30年度
Ⅲ 質の高い教育を支えるための環境整備
6
課題を抱える生徒の自立に向けた支援の充実
現状と課題
○都立高校における中途退学者は減少傾向にありますが、例年約3千人の生徒が中途退学して
おり、定時制課程や専門高校等の一部の高校では、依然として高い中途退学率となっていま
す。また、例年約4千人の生徒が不登校の状態にあり、このうちの3分の1程度が当該年度
に中途退学しています。不登校や中途退学により学習の機会を失い、生徒が将来、社会的・
職業的に自立することが困難になるケースも少なくなく、生徒個人にとっても社会にとって
も重大な問題です。
図 28 中途退学者数及び中途退学率の推移
(人)
3,000
2,500
(%)
総数 5,270
3,500
全日制
15.4
専門
学科等
16
4,381
13.7
14
11.8
1,475
1,002
2,000
1,000
3,201
全日制
普通科
1,962
1,833
661
1,510 1,869
881
500
2.6
0
11.3
2,754
定時制
1,500
2.2
15年度
18
全日制専門学科等
10
全日制普通科
定時制
8
定時制中退率
全日制中退率
6
1,659
1.2
20年度
12
513
1,524
717
2
1.0
0
26年度
25年度
4
平成26年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査
(文部科学省)」の都立高校分から作成
図 29 不登校 48 の生徒数及び割合の推移
(%)
(人)
5,000
4,500
3,500
3,000
2,500
2,000
1,500
35
1,093
4,000
全日制
1,149
20.6
定時制
2,985
1,123
24.7
870
21.1
3,097
30
1,019
21.0
3,600
2,968
25
20
19.7
2,662
1,000
500
40
0.97
0.92
0.89
0.83
0.69
22年度
23年度
24年度
25年度
26年度
0
定時制不登校率
全日制不登校率
15
10
5
0
平成26年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査
(文部科学省)」の都立高校分から作成
87
Ⅲ 質の高い教育を支えるための環境整備
○不登校の生徒や中途退学者への対応は主に学級担任や当該学年の教員集団を中心に取り組
まれています。不登校や中途退学を未然に防止するとともに、不登校や中途退学に至った場
合でも、生徒が将来、社会的に自立できるよう支援していくためには、学校全体で組織的に
対応することが必要です。
○思春期の生徒が抱える問題は複雑・多様化しており、不登校やいじめなどの要因となってい
ます。このため、都立高校におけるスクールカウンセラー等の専門家の配置を拡充するなど、
生徒への相談支援体制を強化し、より一層きめ細やかな対応を行っていく必要があります。
○定時制課程では、規則正しい生活習慣を確立できていない生徒や人間関係をうまく構築でき
ずに中途退学する生徒が多く、特に、中途退学者に占める第1学年次の生徒の割合が高くな
っています。このため、生徒が、自分の気持ちや考えを適切に伝えたり、思いやりをもって
相手を受け止めたりすることができるよう、生徒同士や教員との関係等、人間関係を形成す
るスキルを身に付けるための支援が必要です。
図 30 中途退学者の学年別割合(定時制課程)
【平成26年度】
1学年
59.7%
2学年
21.1%
3学年 4学年
13.5% 5.7%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
※学年制ではない「単位制」の学校を除く。
平成26年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査
(文部科学省)」の都立高校分から作成
○不登校や中途退学に至る生徒は、心の問題や家庭の事情等、様々な課題を抱えています。ま
た、中途退学者の多くは、中途退学後何もしていなかったり不安定な就労を余儀なくされて
いるという状況があります。このため、これまでスクールソーシャルワーカーを活用した支
援や若者支援NPO やハローワーク等と連携した進路支援モデル事業などの取組を実施し
てきました。今後、これらの取組を踏まえ、不登校の生徒や中途退学者への支援を充実して
いく必要があります。
○中途退学者への再就学や就労に関して、多くの若者支援NPO等の民間団体による支援が行
1
われています。こうした民間の取組と連携し、中途退学者へ再就学や就労の機会を提供して
いく必要があります。
48 「児童生徒の問題行動等生活指導上の諸問題に関する調査」における不登校とは、4月1日から3月 31 日までの 1 年間に
30 日以上欠席した長期欠席生徒のうち何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは、社会的要因・背景により、生徒が登校
しないあるいはしたくてもできない状況にあることをいう(ただし、病気や経済的な理由によるものを除く。)
。
88
Ⅲ 質の高い教育を支えるための環境整備
取組の方向
(1)学校における指導体制の強化
学校における不登校や中途退学への対応について、学級担任のみならず、学校内の教職員
が適切な役割分担のもと協力するとともに、関係機関と連携を図るなど、組織的な取組を推
進していきます。
また、生徒が抱える問題は複雑・多様化していることから、生徒に対する支援体制の一層
の強化を図っていきます。
ア 不登校・中途退学対策の中心的役割を担う教員の指定
不登校の生徒や中途退学者の多い都立高校において、その対策の中心的役割を担う教員を
定め、学級担任への助言、関係機関との連絡調整などを行い、組織的な取組を推進していき
ます。
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
不登校・中途退学対策の
中心的役割を担う
教員の指定
新実施計画
28年度
29年度
30年度
中心的役割を
担う教員の
指定
イ スクールカウンセラーの拡充
生徒からの相談に十分に対応ができるよう、スクールカウンセラーの配置拡大や、勤務日
数の拡充など、教育相談活動の一層の充実を図ります。
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
全都立高校への配置
スクールカウンセラーの拡充
高校1年生対象全員
面接の実施
新実施計画
28年度
29年度
30年度
定時制・
通信制課程
に別途配置
ウ 精神科医の活用の促進
生徒の様々な問題行動等の早期発見・早期対応を図るため、個別事例の対応方法を学校全
体で共有するなど、教職員の対応力の向上を図り、必要な場合には医療機関につなぐことが
できるよう、精神科専門医による支援を強化していきます。
項目
精神科医の活用の促進
第一次実施計画
24年度~27年度
精神科医派遣事業
の実施
新実施計画
28年度
29年度
30年度
精神科専門医
による
支援の強化
89
Ⅲ 質の高い教育を支えるための環境整備
(2)学校における指導内容の充実
定時制課程は全日制課程に比べ、全ての生徒に占める不登校や中途退学者の割合が高くな
っています。定時制課程において、高校入学後に人間関係をうまく構築できるよう支援して
いきます。
ア 定時制課程における人間関係づくりの構築
定時制課程では、人間関係をうまく構築できずに入学後間もなく中途退学する生徒が多い
ことから、第1学年次において、
「構成的グループエンカウンター」のプログラム 49 を実施す
るなど、中途退学の未然防止を図ります。
項目
定時制課程における
人間関係づくりの構築
新実施計画
第一次実施計画
24年度~27年度
「構成的グループ
エンカウンター」の
プログラムの実施
28年度
継続実施
29年度
30年度
継続実施
効果検証
2
(3)自立支援チームによる支援の実施
生徒が将来社会的に自立できるよう、就労等の進路決定に向けた支援や福祉的な支援を行
うため、必要なスキルをもった人材により支援チームを構成するなどして、高校と連携して
支援していく体制を構築します。
ア 自立支援チームの設置
スクールソーシャルワーカー等による「自立支援チーム」を創設し、中途退学の未然防止
の取組、中途退学者や進路未決定卒業者への切れ目のない進路決定に向けた支援、不登校の
生徒への対応を行います。
項目
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
実態調査
自立支援チームの設置
自立支援
中途退学等進路支援 チームの派遣
モデル事業実施
イ 関係機関との連携強化
ハローワークや都立職業能力開発センター等の就労支援機関、福祉・医療機関等と組織す
る「都立高校生進路支援連絡協議会」を拡充し、生徒や中途退学者等への進路決定支援策に
ついて協議し、有効な方策を検討していきます。
49 「構成的グループエンカウンター」のプログラムとは、生徒同士や教員との人間関係・信頼関係づくりができるよう、他者
との触れ合いを意図的に構成し、円滑な人間関係を築く力を身に付けるプログラムである。
90
Ⅲ 質の高い教育を支えるための環境整備
項目
関係機関との連携強化
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
都立高校生
都立高校生進路支援 進路支援
連絡協議会の設置 連絡協議会
の拡充
(4)再チャレンジに向けた環境づくり
中途退学者の再就学や就労に向けた環境づくりを進めていきます。
ア 民間の支援団体との連携
若者支援NPO等と連携し、再就学や就労の支援を行うなど、中途退学者の再チャレンジ
に向けた環境づくりを進めていきます。
項目
民間の支援団体との連携
第一次実施計画
24年度~27年度
新実施計画
28年度
29年度
30年度
中途退学者
への再就学・
就労支援の
実施
91
Ⅲ 質の高い教育を支えるための環境整備
92
―資 料―
資料1
都立高校等の学校数、学級数、生徒数
資料2
都立高校等の教員数
資料3
都内公立高等学校進路状況
資料4
都内公立高等学校進路状況の進学者の内訳
資料5
都内公立高等学校進路状況の就職者の内訳
資料6
都内公立高等学校卒業者の進路状況推移
資料7
都立高校定時制課程の学校数・生徒数等の比較
資料8
これまで設置してきた多様なタイプの学校の一覧
資料9
都立高校の種類
資料 10
都立高校の配置
資料1 都立高校等の学校数、学級数、生徒数(平成 27 年 5 月 1 日現在)
区 分
高等学校
中等教育学校
中学校
全日制
定時制
通信制
学校数
173校
55校
3校
学級数
3,283学 級
613学 級
34学 級
生徒数
124,331人
12,920人
1,465人
学校数
5校
学級数
120学 級
生徒数
4,673人
学校数
5校
学級数
48学 級
生徒数
1,912人
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
平成 27 年度「公立学校統計調査報告書」から作成
資料2 都立高校等の教員数(平成 27 年 5 月 1 日現在)
区 分
高等学校
教員数
合計
全日制
定時制
9,478人
8,101人
1,334人
通信制
43人
中等教育学校
361人
-
-
中学校
113人
-
-
平成 27 年度「公立学校統計調査報告書」から作成
94
資料3 都内公立高等学校進路状況(平成 27 年3月卒業)
再掲
区 分
合 計
進学者
不詳
・
死亡
その他
の者
専修学校等
進学者のうち
入学者のうち
就職している
就職している
者
者
進学希望
在家庭者
5,471人
737人
2,765人
4人
9人
5人
4,132人
25.8%
12.9%
1.7%
6.5%
0.0%
0.0%
0.0%
9.8%
39,313人 21,928人 10,169人
4,574人
405人
2,237人
0人
9人
4人
3,982人
100.0%
全日制
一時的な
仕事に
就いた者
就職者
42,307人 22,423人 10,907人
全定計
定時制
1
専修学校
等入学者
53.0%
100.0%
55.8%
25.9%
11.6%
1.0%
5.7%
0.0%
0.0%
0.0%
10.1%
2,994人
495人
738人
897人
332人
528人
4人
0人
1人
150人
100.0%
16.5%
24.6%
30.0%
11.1%
17.6%
0.1%
0.0%
0.0%
5.0%
構成比(%)については、各数値を四捨五入しているため、計と一致しない場合がある。
平成 27 年度「公立学校統計調査報告書【公立学校卒業者(平成 26 年度)進路状況調査編】」から作成
資料4 都内公立高等学校進路状況(平成 27 年3月卒業)の進学者の内訳
(単位:人)
区
進
進大
人 文 科 学
社 会 科 学
工
学
学
者
学
文
史
部
哲
学
へ
分
者
計の
へ短
学
理
学
学
学
他
法
商
・
・
政
経
治
済
学
学
農
社
機
通電
会
械
信
他
工
家
教
芸
学
学
学気
学
他
の
学
そ
の期
進大
用
工
そ
応
科
学
保
学学
の
者本
健
政
育
術
他
計科
他
全 定 計 22,423 20,904
1,964
344 1,391 1,491 4,353 1,851
797
683
943 1,092
604 1,356
662 1,746
885
742 1,480
39
全 日 制 21,928 20,474
1,908
335 1,356 1,465 4,248 1,800
784
677
927 1,088
599 1,346
660 1,724
846
711 1,428
26
18,723 17,642 1,681
310 1,216 1,335 3,646 1,591
723
576
738
941
488 1,202
574 1,495
553
573 1,062
19
0
0
6
47
3
7
4
0
5
32
1
72 140
92
38
35
10
17
76
19
28
4
普通
農業
136
103
3
0
6
5
11
6
0
工業
665
633
10
3
6
9
64
12
30
商業
546
466
57
0
29
8 267
53
0
0
2
0
1
7
6
15
6
15
79
1
家庭
65
35
3
0
0
1
3
1
0
1
1
0
1
3
15
5
0
1
30
0
福祉
6
5
0
0
0
0
0
3
0
0
0
0
0
0
0
2
0
0
1
0
494
463
28
6
17
43
76
44
6
2
13
7
3
10
6
47 124
31
30
1
1,127 126
その他
総合
1,293
16
82
64 181
90
25
26
33
42
21
86
87
67 166
定時制
495
430
56
9
35
26 105
51
13
6
16
4
5
10
2
22
39
31
52
13
普通
265
227
34
3
11
14
63
24
10
4
6
3
1
4
0
9
16
25
29
9
農業
4
3
1
0
1
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
工業
20
17
2
0
1
0
4
1
0
0
1
0
0
0
1
0
7
0
2
1
商業
5
4
0
0
0
0
2
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2
0
1
20
16
4
0
0
1
1
3
1
0
3
0
0
1
0
0
1
1
3
1
181
163
15
6
22
11
34
23
2
2
6
1
4
5
1
13
15
3
18
0
その他
総合
1
42 139
0
本表は、
「進学者のうち就職している者」を含む。
平成 27 年度「公立学校統計調査報告書【公立学校卒業者(平成 26 年度)進路状況調査編】」から作成
95
資料5 都内公立高等学校進路状況(平成 27 年3月卒業)の就職者の内訳
(単位:人)
業
別
業業 業業 業
祉
れサ の公
務
なビ
を
ス 他
い業 に
除分
も他 類
に さ
く
の分 れ
類 る
さ も
(
ビ
福
ス
、
、
)
業
)
者 業
数 業業 業 業
業
サ
ー
石
取
合
療
、
職
複
ー
採採 設
医
ー
就
ー
区
分
、
利
飲宿 娯生 学教
活
食
関 習
サ
連 泊 楽サ 支 育
ビ
ビ 援
ス
ス
(
業
製 熱電 情 郵運 小卸 保金 物不 専学
門
供気
・術
報
品
給
動 技
・
研
術
造 ・
通 便輸 売売 険融 賃
サ
ガ
究
水
産
信
貸 ビ
機
道ス
ス
業 業 ・ 業 業業 業業 業業 業業 業関
ー
産 林農 漁 砂鉱 建
左
記
以
外
の
も
の
全 定 計 5,485
37
6
9 634 1,107 131 100 413 1,004
35
48 135 438 339
31 342 105 244 218 109
全 日 制 4,587
33
4
7 537 974 109
97 368 897
35
38 121 309 235
16 236
普 通 1,668
6
2
3 136 222
30 145 364
5
10
農 業 195
25
0
0
35
1
2
63
0
0
2
19
14
2
12
工 業 1,513
0
2
0 334 497
54
26
88 116
2
22
66
43
26
3
商 業 921
0
0
1
16
33 109 299
20
4
18
52
21
家 庭
50
0
0
0
1
1
2
1
0
14
0
0
2
16
福 祉
13
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
その他 129
0
0
3
9
38
1
2
15
23
4
1
総 合
98
2
0
0
4
10
1
3
6
18
4
1
定時制
898
4
2
2
97 133
22
3
45 107
0
10
普 通 521
1
1
1
45
65
4
1
28
60
0
42
1
0
0
0
7
0
0
2
6
工 業 155
1
0
0
42
25
14
0
9
商 業
55
0
0
1
8
7
1
1
その他
18
0
0
0
0
5
3
1
農 業
総 合 107
10
43 171
34
5
26 159 154
8 142
90 211 202
68
29
10
1
40 143
2
2
0
18
24 121
28
43
1
36
36
41
9
11
6
0
7
0
0
0
0
0
0
0
13
0
0
0
0
7
8
4
1
2
0
3
6
2
0
12
10
1
6
0
4
14
2
14 129 104
15 106
15
33
16
41
7
10
79
70
13
72
6
23
10
25
0
1
0
14
2
0
4
1
0
1
3
14
0
0
3
15
5
0
6
1
7
3
10
1
8
0
1
0
6
10
0
8
1
2
0
0
0
0
0
0
0
1
4
0
1
0
0
0
3
1
1
0
2 24
0
0
5 19
0
1
1 14 13
2 15
6
1
2
0
1 本表は、
「進学者のうち就職している者」及び「専修学校等進学者のうち就職している者」を含む。
2 産業別区分は、日本標準産業分類による。
平成 27 年度「公立学校統計調査報告書【公立学校卒業者(平成 26 年度)進路状況調査編】」から作成
96
資料6 都内公立高等学校卒業者の進路状況推移(平成 8 年度~平成 26 年度)
(単位:人)
卒
業
年
度
8
9
課
程
別
合
計
全 日 制
定 時 制
合
計
全 日 制
定 時 制
合
計
10 全 日 制
定 時 制
合
計
全 日 制
定 時 制
合
計
12 全 日 制
11
定 時 制
合
計
13 全 日 制
定 時 制
合
計
14
全
定
合
15 全
定
日 制
時 制
計
日 制
時 制
合
計
全 日 制
定 時 制
合
計
17 全 日 制
16
定 時 制
合
計
18 全 日 制
定 時 制
合
計
全 日 制
定 時 制
合
計
20 全 日 制
19
定 時 制
合
計
21 全 日 制
定 時 制
合
計
22
全
定
合
23 全
定
24
25
合
計
全 日 制
定 時 制
合
計
全
定
合
26 全
定
1
2
日 制
時 制
計
日 制
時 制
日 制
時 制
計
日 制
時 制
卒
業
者
数
52,732
49,717
3,015
50,834
48,091
2,743
47,898
45,193
2,705
47,762
45,006
2,756
47,265
44,619
2,646
47,250
44,718
2,532
46,243
43,386
2,857
44,432
41,779
2,653
43,500
40,896
2,604
42,491
39,861
2,630
41,900
39,369
2,531
39,979
37,344
2,635
39,208
36,501
2,707
40,134
37,218
2,916
39,762
36,959
2,803
40,658
37,799
2,859
42,908
39,845
3,063
41,265
38,179
3,086
42,307
39,313
2,994
進
学
14,404
14,202
202
15,052
14,827
225
15,363
15,110
253
16,111
15,848
263
16,448
16,142
306
16,922
16,613
309
16,850
16,502
348
16,608
16,310
298
17,409
17,052
357
18,272
17,964
308
19,164
18,830
334
19,694
19,281
413
19,855
19,361
494
20,228
19,652
576
20,200
19,647
553
20,790
20,274
516
21,946
21,414
532
21,458
20,946
512
22,423
21,928
495
者
%
27.3
28.6
6.7
29.6
30.8
8.2
32.1
33.4
9.4
33.7
35.2
9.5
34.8
36.2
11.6
35.8
37.2
12.2
36.4
38.0
12.2
37.4
39.0
11.2
40.0
41.7
13.7
43.0
45.1
11.7
45.7
47.8
13.2
49.3
51.6
15.7
50.6
53.0
18.2
50.4
52.8
19.8
50.8
53.2
19.7
51.1
53.6
18.0
51.1
53.7
17.4
52.0
54.9
16.6
53.0
55.8
16.5
専修学校等
入
学
者
19,921
19,534
387
18,616
18,239
377
16,617
16,224
393
16,403
16,034
369
15,785
15,434
351
15,651
15,321
330
15,601
15,175
426
14,828
14,406
422
13,772
13,370
402
13,038
12,599
439
11,982
11,539
443
10,431
9,932
499
10,158
9,633
525
10,826
10,143
683
10,545
9,877
668
11,249
10,514
735
12,114
11,349
765
11,143
10,335
808
10,907
10,169
738
%
37.8
39.3
12.8
36.6
37.9
13.7
34.7
35.9
14.5
34.3
35.6
13.4
33.4
34.6
13.3
33.1
34.3
13.0
33.7
35.0
14.9
33.4
34.5
15.9
31.7
32.7
15.4
30.7
31.6
16.7
28.6
29.3
17.5
26.1
26.6
18.9
25.9
26.4
19.4
27.0
27.3
23.4
26.5
26.7
23.8
27.7
27.8
25.7
28.2
28.5
25.0
27.0
27.1
26.2
25.8
25.9
24.6
就
職
9,220
8,121
1,099
8,472
7,576
896
7,107
6,355
752
6,123
5,532
591
5,995
5,452
543
5,666
5,158
508
5,243
4,773
470
5,202
4,723
479
5,301
4,810
491
5,399
4,851
548
5,713
5,093
620
5,338
4,707
631
4,953
4,310
643
4,352
3,739
613
4,259
3,699
560
4,464
3,901
563
4,827
4,211
616
4,942
4,175
767
5,471
4,574
897
者
%
17.5
16.3
36.5
16.7
15.8
32.7
14.8
14.1
27.8
12.8
12.3
21.4
12.7
12.2
20.5
12.0
11.5
20.1
11.3
11.0
16.5
11.7
11.3
18.1
12.2
11.8
18.9
12.7
12.2
20.8
13.6
12.9
24.5
13.4
12.6
23.9
12.6
11.8
23.8
10.8
10.0
21.0
10.7
10.0
20.0
11.0
10.3
19.7
11.2
10.6
20.1
12.0
10.9
24.9
12.9
11.6
30.0
一時的な仕事
に 就 い た者
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
1,877
1,159
718
1,829
1,131
698
1,614
949
665
1,338
781
557
978
545
433
1,036
609
427
1,095
706
389
1,188
822
366
1,152
802
350
928
598
330
833
454
379
737
405
332
%
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
…
4.2
2.8
27.1
4.2
2.8
26.8
3.8
2.4
25.3
3.2
2.0
22.0
2.4
1.5
16.4
2.6
1.7
15.8
2.7
1.9
13.3
3.0
2.2
13.1
2.8
2.1
12.2
2.2
1.5
10.8
2.0
1.2
12.3
1.7
1.0
11.1
左記以外
の者
在家庭者
・その他
不詳・ 死亡
%
9,121
7,860
1,261
8,683
7,447
1,236
8,777
7,472
1,305
9,114
7,591
1,523
9,014
7,570
1,444
9,008
7,623
1,385
8,541
6,936
1,605
5,915
5,179
736
5,183
4,529
654
4,168
3,498
670
3,694
3,124
570
3,537
2,879
658
3,206
2,588
618
3,631
2,978
653
3,567
2,911
656
2,999
2,307
692
3,092
2,272
820
2,889
2,269
620
2,765
2,237
528
17.3
15.8
41.8
17.1
15.5
45.1
18.3
16.5
48.2
19.1
16.9
55.3
19.1
17.0
54.6
19.1
17.0
54.7
18.5
16.0
56.2
13.3
12.4
27.7
11.9
11.1
25.1
9.8
8.8
25.5
8.8
7.9
22.5
8.8
7.7
25.0
8.2
7.1
22.8
9.0
8.0
22.4
9.0
7.9
23.4
7.4
6.1
24.2
7.2
5.7
26.8
7.0
5.9
20.1
6.5
5.7
17.6
%
66
-
66
11
2
9
34
32
2
11
1
10
23
21
2
3
3
-
8
-
8
2
2
-
6
4
2
-
-
-
9
2
7
1
-
1
-
-
-
2
-
2
3
3
-
4
1
3
1
1
-
-
-
-
4
-
4
0.1
-
2.2
0.0
0.0
0.3
0.1
0.1
0.1
0.0
0.0
0.4
0.0
0.0
0.1
0.0
0.0
-
0.0
-
0.3
0.0
0.0
-
0.0
0.0
0.1
-
-
-
0.0
0.0
0.3
0.0
-
0.0
-
-
-
0.0
-
0.1
0.0
0.0
-
0.0
0.0
0.1
0.0
0.0
-
-
-
-
0.0
-
0.1
通信制は含んでいない。
平成 15 年度卒業者(平成 16 年度調査)から、「一時的な仕事に就いた者」を追加している。
平成 27 年度「公立学校統計調査報告書【公立学校卒業者(平成 26 年度)進路状況調査編】」から作成
97
資料7 都立高校定時制課程の学校数・生徒数等の比較
昭和40年度 平 成 2 年 度
平 成 11 年 度
平 成 27 年 度
夜 間 定 時 制 夜 間 定 時 制 夜 間 定 時 制 昼夜間定 時制 夜 間 定 時 制 昼夜間定 時制
学校数
定
全 在
学 学
年 学
籍
生
級
徒
定
級
第
一
学
年
在
集
籍
学
人
生
徒
級
員
64,600人
30,540人
数
54,571人
22,518人
員
50人
30人
数
1,292学級
1,018学級
42.2人
22.1人
員
17,025人
7,500人
数
16,340人
6,490人
数
341学級
250学級
47.9人
26.0人
23.4人
43.0人
20.6人
29.7人
22校
22校
41校
-
17校
-
88.3%
24.9%
1 学 級 当 た り の
平 均 在 籍 生 徒 数
単
学
級
数
定時制進学者のうち
就 職 し て い る 者
30人
30人
703学級
24学級
計 727学級
17.8人
32.9人
5,230人
120人
計 5,350人
4,089人
258人
計 4,347人
175学級
6学級
計 181学級
3.0%
1 平成 11 年度の夜間定時制欄は代々木高校を含む。
2 平成 27 年度の昼夜間定時制欄についてはチャレンジスクール5校を含む。
98
11校
計 55校
9,630人
8,760人
計 18,390人
5,978人
6,942人
計 12,920人
44校
106校3分校
1 学 級 当 た り の
平 均 在 籍 生 徒 数
募
1校
97校2分校
計 98校2分校
21,090人
720人
計 21,810人
12,527人
789人
計 13,316人
110校11分校
30人
30人
321学級
292学級
計 613学級
18.6人
23.8人
2,550人
2,125人
計 4,675人
1,750人
2,165人
計 3,915人
85学級
73学級
計 158学級
1.0%
資料8 これまで設置してきた多様なタイプの学校の一覧(平成 27 年度現在)
校 種
中高一貫
教育校
校数
特 色
6年間の一貫した教育により様々な分野でリーダーとなり得る人材の育
設 置 校
①桜修館、小石川、立川国際、
南多摩、三鷹
10校 成を図る。①中等教育学校、②併設型(附属中学校)がある。
②白鷗、両国、武蔵、富士、大泉
総合学科高校
(総合学科)
10校
晴海総合、つばさ総合、杉並総合、
普通教育と専門教育を総合的に行う学校で、自己の進路への自覚を
若葉総合、青梅総合、葛飾総合、
深めることが出来る科目など 幅広い選択科目を開設し、多様な能力・
東久留米総合、世田谷総合、
適性等に対応した柔軟な教育を行っている。
町田総合、王子総合
① 多様な学習型
生徒一人一人の個性や特性、進路希望に対応した多様な学習
を可能とする教育を行っている。
飛鳥、芦花、上水、美原、大泉桜、
翔陽、忍岡、板橋有徳
② 進学重視型
単位制高校
12校 単位制の特質を生かし、生徒の難関大学等への進学希望を実
新宿、国分寺、墨田川
現できる教育を行っている。
③ 専門型
専門高校で学ぶ生徒の興味・関心等に応じた単位制の特質を
生かした教育を行っている。
六郷工科
科学技術高校
(科学技術科)
2校
技術者として生涯にわたり専門性を高めていくために必要な意欲、態
度や知識・技能を身に付け技術革新に主体的に対応できる人材を育
科学技術、多摩科学技術
成するため、大学等に進学し、継続して学習することを前提とした教育
を行っている。
産業高校
(産業科)
2校
生産・流通・消費の基礎と相互の関連を学んだ上で、自己の進路希望
に沿った専門教科を学び、幅広い視野と確かな職業観を備えた人間、
橘、八王子桑志
商工業の知識を基に将来自ら起業を目指そうとする志あふれる人間を
育成する教育を行っている。
進学型専門高校
(ビジネスコミュ
ニケーション科)
2校
ビジネスに関する基礎的・基本的な知識と技能を習得させ社会の変化
に主体的に対応し、将来、国際社会で活躍できるスペシャリストを育て 千早、大田桜台
る教育を行っている。
総合芸術高校
(芸術科)
1校
芸術の各分野において高度な専門性をもち、幅広い教養と豊かな人間 総合芸術
性を備えた人材を育成する教育を行っている。
(音楽科、美術科、舞台表現科)
チャレンジ
スクール
(定時制・総合学科)
5校
小・中学校時代に不登校経験をもつ生徒や高校で長期欠席等が原因
桐ヶ丘、世田谷泉、大江戸、
で中途退学を経験した生徒等を主に受け入れる総合学科・三部制(午
六本木、稔ヶ丘
前部・午後部・夜間部)の高校で、3年での卒業も可能である。
昼夜間定時制高校
(単位制)
6校
単位制で昼夜開講多部制の高校である。様々な進路希望に対応した 一橋、浅草、荻窪、八王子拓真
多様で弾力的な教育を行っており、3年での卒業も可能である。
新宿山吹、砂川
進学指導重点校
7校
進学実績の向上を目指し、既存校の中から進学指導重点校として指定 日比谷、戸山、西、八王子東、
し、やる気と熱意のある教員の重点配置などの支援を実施している。 青山、立川、国立
進学指導
特別推進校
6校
進学指導重点校レベルの進学実績を目指し、進学指導特別推進校と
小山台、駒場、新宿、
して指定し、やる気と熱意のある教員の重点配置などの支援を実施し
町田、国分寺、国際
ている。
進学指導特別推進校に次ぐ大学合格実績を上げる学校の中から、地
進学指導推進校
三田、豊多摩、竹早、北園、
墨田川、城東、小松川、
13校 域ニーズ・地域バランスや学校の取組状況等を総合的に勘案し、指定 武蔵野北、小金井北、江北、
している。
江戸川、調布北、日野台
エンカレッジ
スクール
5校
これまで力を発揮できなかった生徒のやる気を育て、社会生活を送る
足立東、秋留台、練馬工業、
上で必要な基礎的・基本的学力を身に付けることを目的として、既設校
蒲田、東村山
の中から指定している。
99
資料9 都立高校の種類(平成 27 年度現在)
〔進学指導重点校〕: 日比谷、戸山、西、八王子東、青山、立川、国立 (7校)
〔進学指導特別推進校〕: 小山台、駒場、町田 (3校)
〔進学指導推進校〕: 三田、豊多摩、竹早、北園、城東、小松川、武蔵野北、
小金井北、江北、江戸川、調布北、日野台 (12校)
〔エンカレッジスクール〕: 足立東、秋留台、蒲田、東村山 (4校)
上記以外の普通科の高等学校
<23区内にある学校>
向丘、上野、白鷗、日本橋、本所、両国、東、深川、大崎、八潮、目黒、
大森、田園調布、雪谷、桜町、千歳丘、深沢、松原、広尾、鷺宮、富士、
武蔵丘、杉並、豊島、文京、竹台、板橋、大山、高島、井草、大泉、石神井、
田柄、練馬、光丘、青井、足立、足立新田、足立西、淵江、葛飾野、南葛飾、
葛西南、小岩、篠崎、紅葉川 (46校)
<多摩地区にある学校>
片倉、八王子北、富士森、松が谷、武蔵、多摩、府中、府中西、府中東
昭和、拝島、神代、調布南、小川、成瀬、野津田、山崎、小平、小平西、
小平南、日野、南平、東村山西、福生、狛江、東大和、東大和南、清瀬、
久留米西、武蔵村山、永山、羽村、田無、保谷 (34校)
<島しょにある学校>
大島、新島、神津、三宅、八丈、小笠原 (6校)
(計112校)
普通科
コース制
農 業
高
等
学
校
100
全
日
制
課
程
学
年
制
深川(外国語)、田柄(外国文化)、片倉(造形美術)
松が谷(外国語)、小平(外国語)
五日市(ことばと情報) (6校)
園芸、農芸、農産、農業、瑞穂農芸 (5校)
〔エンカレッジスクール〕: 練馬工業 (1校)
〔デュアルシステム導入校〕: 北豊島工業、葛西工業、多摩工業、田無工業 (4校)
工 業
上記以外の工業科の高等学校
工芸、蔵前工業、墨田工業、総合工科、中野工業、杉並工業、荒川工業
足立工業、府中工業、町田工業 (10校)
(計15校)
科学技術
科学技術、多摩科学技術 (2校)
商 業
芝商業、江東商業、第三商業、第一商業、赤羽商業、第四商業、荒川商業
葛飾商業、第五商業、五日市 (10校)
ビジネスコミュニケーション
千早、大田桜台 (2校)
家 庭
農業、瑞穂農芸 (2校)
福 祉
野津田 (1校)
体 育
駒場、野津田 (2校)
国 際
〔進学指導特別推進校〕:国際 (1校)
大島海洋国際 (1校)
併合科
大島(農林・家政)、三宅(農業・家政)
八丈(園芸・家政) (3校)
産 業
橘、八王子桑志 (2校)
(計2校)
〔進学指導特別推進校〕:新宿、国分寺 (2校)
〔進学指導推進校〕:墨田川 (1校)
普通科
上記以外の単位制 普通科の高校
飛鳥、芦花、上水、美原、大泉桜、翔陽、忍岡、板橋有徳 (8校) (計11校)
全
日
制
課
程
単
位
制
六郷工科 (1校)
芸 術
総合芸術 (1校)
総合学科
晴海総合、つばさ総合、杉並総合、若葉総合、青梅総合、葛飾総合、
東久留米総合、世田谷総合、町田総合、王子総合 (10校)
普通科
大崎、小山台、大森、雪谷、桜町、松原、豊島、大山、足立、江北、
南葛飾、葛飾商業、江戸川、葛西南、立川、農業、神代、町田、福生、
大島、八丈 (21校)
農 業
園芸、農芸、農産、農業 (4校)
学
年
制
工 業
工芸、蔵前工業、墨田工業、総合工科、中野工業、荒川工業、
北豊島工業、本所工業、小金井工業 (9校)
夜
間
商 業
第三商業、足立、荒川商業、葛飾商業、第五商業 (5校)
併合科
五日市(普通・商業)、瑞穂農芸(普通・農業) (2校)
産 業
橘 (1校)
普通科
一橋、浅草、荻窪、八王子拓真、新宿山吹、砂川 (6校)
情 報
新宿山吹 (1校)
昼
夜
間
総合学科(チャレンジスクール)
単
位
制
夜
間
課 通
信
程 制
デュアルシステム
忍岡 (1校)
)
定
時
制
課
程
六郷工科 (1校)
家 庭
(
高
等
学
校
工 業
桐ヶ丘、世田谷泉、大江戸、六本木、稔ヶ丘 (5校)
普通科
六郷工科、飛鳥、板橋有徳 (3校)
工 業
六郷工科 (1校)
総合学科
青梅総合、東久留米総合 (2校)
普通科
一橋、新宿山吹、砂川 (3校)
■課程について
1 全日制課程…朝から午後までの日中に授業がありま す。
2 定時制課程…夜間、その他定められた時間帯に授業があります。
3 通信制課程…自宅等で学習し、レポートな どの添削指導を受け
ながら、定められた日(月2日程度)に登校し、
面接指導を受けます。
■学年制と単位制
1 学年制
学習する教科・科目が学年ごとに定められており、その学習成果
が認められると単位が与えられ、次の学年に進級する制度で す。
全日制は3年、定時制は4年(一部は3年)を終了すると、卒業が
認められます。
2 単位制
学年の区別がなく、3年間(または4年間)の中で必修(必履修)
科目のほかに自分に適した教科・科目を選択し、その学習成果が
認められて、入学から卒業までに決められた単位数を修得すれば
卒業できる制度です。
101
資料 10
都 立 高 校 の 配 置 ( 平 成 2 7 年 度 )
足立工
▲
小山台●●
大崎●●
●八潮
●野津田※
●田園調布
町田工▲
町田総合◎
大田桜台❖
●山崎
●●雪谷
町田●●
●●
大森
◉美原
●蒲田
▲●
六郷工科
成瀬●
◎つばさ総合
●
小川
大島※
●●
◐大島海洋国際
●新島
●神津
●三宅※
●小笠原
●●八丈※
篠崎●
◎大江戸
●深川※
世田谷総合
◎
◎晴海総合
◎若葉総合
永山●
桜修館中等●
※松が谷●
●片倉※
深沢●
■●園芸
桜町●●
翔陽◉
◆芝商
●南平
◆●第三商
日野●
第五商
◆●
●国立
※駒場
●
国際◐
●八王子東
足立●●
●●
立川
●
府中西
八王子桑志
☗
富士森●
◉
八王子拓真
国分寺
◉
立川国際中等
●
日野台●
南多摩中等
●
●小平西
工芸
▲●
●
昭和
板橋
●
八王子北
●
●
拝島
小平南●
砂川
◉○
多摩工
▲
石神井
●
◉
上水
福生●
●
東村山西
東大和
●
●
東大和南
●
北園●
東村山●
●
羽村
秋留台●
●高島
◎●青梅総合
●多摩
●●
五日市※
足立東
●本所工業
●青井
桐ヶ丘◎
●
●
足立新田
◎葛飾総合
◉●板橋有徳
赤羽商
足立西
●
清瀬●
●
●●江北
北豊島工 ◆
飛鳥
光丘
東久留米総合
大泉桜◉
●田柄※
■●農産
▲●
◉●
● ◎●
◆●荒川商
◆●葛飾商
練馬工 大山
●
大泉
久留米西
王子総合
練馬●
●●
▲
葛飾野
大泉高附属中
◎
●保谷
●
南葛飾●●
荒川工
◆第四商
▲●
●文京
豊島●●
小石川中等
❖千早
●
井草● 稔ケ丘◎ ●武蔵丘
●
田無工
●竹台 浅草
小平※
◉墨田川
武蔵野北
●小岩
●田無 ▲ ●
◉
●日本橋
上野●
●
向丘●
杉並工▲ ■●農芸
▲●
●本所 橘
白鷗
鷺宮 中野工
武蔵
戸 山 竹早●
小金井北
●●江戸川
●白鷗高附属中
☗●
●武蔵高附属中
●
●
◉○
●小松川
▲●蔵前工
新宿山吹
◆江東商
※忍岡◉
◉荻窪
●小金井工
●城東
◉○
●両国
★総合芸術
●杉並
▶多摩科学技術
●西
●
◉
両国高附属中
一橋
●豊多摩
●府中
▶科学技術
富士
新宿
▲●
三鷹中等
日比谷
葛西工▲
■●農業※
富士高附属中
墨田工
●
●
◎
●
◎
●
調布北
●東
▲府中工
杉並総合
世田谷泉
青山
六本木
芦花 松原●●
葛西南
●
◉
広尾 ◎
千歳丘
●●
●●
●
府中東
●
▲●
●
●
神代
◆
三田
総合工科
紅葉川
●調布南
第一商
●目黒
狛江
●
※瑞穂農芸
■●
●武蔵村山
淵江
●
【凡例(記号一覧)
】
● 普通科
◉ 普通科(単位制)
■ 農業科
▲ 工業科
▶ 工業科(科学技術科)
◆ 商業科
❖ 商業科(ビジネスコミュニケーション科)
☗ 産業科
◐ 国際科
★ 芸術科
◎ 総合学科
● 夜間定時制
◉ 昼夜間定時制
◎ 昼夜間定時制(チャレンジスクール)
○ 通信制
〔進学指導重点校〕:日比谷、戸山、西、八王子東、青山、立川、国立 (7校)
〔進学指導特別推進校〕:小山台、駒場、新宿、町田、国分寺、国際 (6校)
〔進学指導推進校〕:三田、豊多摩、竹早、北園、墨田川、城東、小松川、
武蔵野北、小金井北、江北、江戸川、調布北、日野台 (13校)
〔エンカレッジスクール〕:足立東、秋留台、練馬工業、蒲田、東村山 (5校)
※ を付している学校には、凡例による学科の他に以下の学科等を併置している
田柄高校には、
「外国文化コース(普通科)」を含む
深川、松が谷、小平高校には、
「外国語コース(普通科)」を含む
片倉高校には、
「造形美術コース(普通科)」を含む
五日市高校は、
「ことばと情報コース(普通科)」及び「商業科」を含む
駒場高校には、
「体育科」を含む
野津田高校には、
「体育科」及び「福祉科」を含む
忍岡、瑞穂農芸、農業高校には、
「家庭科」を含む
大島、三宅、八丈高校には、
「併合科」を含む
102
都立高校改革推進計画・新実施計画
●平成28年2月
編集
東京都教育庁都立学校教育部高等学校教育課
東京都教育庁指導部高等学校教育指導課
〒163-8001 東京都新宿区西新宿二丁目8番1号