理事長所信 - 2016年度 一般社団法人 東根青年会議所

理事長所信
一般社団法人 東根青年会議所2016年度
第40代理事長 高橋 健吾
【はじめに】
戦後まもない1951年に「新しい日本の再建は我々青年の仕事である」という覚悟の
もと、日本青年会議所が創立されました。そして、その想いと志が全国各地に広がり、我
がまち東根においても、日本経済が目覚しい発展を遂げている高度成長の時代に「明るい
豊かな社会」の実現を目指し、1976年に日本青年会議所より認証をいただきました。
創立以来、未来を見据えながら、時代に即した事業を行い、先輩方の弛まぬ努力と情熱
で幾多の困難を乗り越え、今日の東根青年会議所が存在します。そして、今年で東根青年
会議所は40周年を迎えます。
我々は創始の精神を忘れず、先輩方が築き上げた歴史と伝統に感謝と敬意を表しましょ
う。そして、先輩方の熱き想いをしっかりと受け止め、地域の更なる発展の為、
「明るい豊
かな社会」の実現を目指し運動して参りましょう。
【協働と共創が織りなすまちづくり】
有識者で構成されている日本創成会議の人口減少問題検討分科会において、このまま何
も手を打たなければ、人口減少により将来消滅する可能性がある自治体が896に上ると
の試算を発表しました。その中に東根市は含まれておりませんが、対岸の火事ではありま
せん。この東根市においても間違いなく人口減少による危機が迫っており、その対策とし
て地域の特徴を活かし、自律的で持続的なまちづくりが求められております。
現在の東根市は県内で唯一人口が増えており、多くの県内外の人々が東根市に移り住ん
でおります。そして、東根青年会議所は会員の半数近くが市外の出身地者で構成されてお
ります。県内各地の青年会議所の中では特異な地域であり、地元と市外出身地者が協力し、
共に受け入れながら活動しています。
まちづくりや地域の活性化に必要なものは「よそもの・わかもの・ばかもの」と言われ
ております。
「よそもの」はその地域の魅力や財産を気づかせ、固定概念のない「わかもの」
は斬新なアイディアを生み、奇想天外な発想や行動力がある「ばかもの」は地域に活力を
与えます。東根青年会議所はこれら3つの要素を兼ね備えており、それは我々の強みであ
ります。人口減少の危機が迫る中、未来の地域社会を見据えて、この独自の強みを活かし
様々な角度から東根市の魅力と財産を改めて見直すことが新たな「地域のたから」を確立
できると考えます。そして、行政や各種団体と積極的に協力し、協働関係を構築すること
で地域に共創の和が広がり、互いの知恵やアイディアを共有しながら、議論を交わし持続
的に取り組むことで、市民が主体の自律したまちづくりを目指します。
【青少年の健全育成】
いつの時代も「近頃の子どもは」や「近頃のわかものは」など、よく聞く言葉でありま
す。しかし、それは単に子どもやわかものに責任を転換しているだけなのではないでしょ
うか。子どもたちが成長する過程において、我々大人との関係が大きく深く関わっており
ます。子どもは社会の鏡であり、生まれてくる子どもは今も昔も変わりません。変わった
のは社会環境や我々大人です。そのことを自覚し、まずは我々が模範となる大人にならな
ければなれません。
同じ空間、時間ではなくてもコミュニケーションが図れる時代だからこそ、青少年には
これまで以上に他者を自分に置き換えて考える「おもいやりの心」、善悪を判断し、社会的
に正しく行動しようとする「良心」を育むことが重要です。教育とは一朝一夕でできるも
のではなく、綿々と醸成していかなければなりません。我々大人も子どもたちと共に学び
ながら青少年の健全育成を推進していきましょう。
【会員資質の向上】
昨年、東根青年会議所では16名の新入会員が入会しました。16名の入会は数十年な
かったことだと思います。新しい仲間が増えることは、組織に新風を巻き起こし、LOM
の活性に繋がります。この新たな仲間が未来の東根青年会議所を作る人財であり、そして
地域と企業のリーダー育成のためにも会員資質の向上が急務であります。
青年会議所は積極的に参加し自ら行動しなければ何も得ることは出来ません。参加する
中で自分自身が考え、仲間と議論し、切磋琢磨しながら共に活動したり、事業を構築した
りすることで、かけがえのないモノを得ることができます。そして、会員同士の交流もさ
ることながら他団体とも交流を深め、友情を育み、腹を割って話せる仲間、悩みを話せる
仲間を作りましょう。
また、我々は家族の支え、社員の支え、その他にも様々な人達の支えのもと、青年会議
所の活動ができている事を忘れてはなりません。仕事、家庭があってのJAYCEEです。
常にまわりに感謝の気持ちと謙虚さを持ち、バランスよく活動することを心掛けなくては
なりません。
【会員拡大の推進】
我々の先輩方が「このまちをもっと良くしたい」、「子どもたちが安全に暮らせるまちに
したい」などの願いのもと、今から40年前に青年が立ち上がりました。その願いは今も
変わりません。それは我々も市民の皆様も同じだと思います。だからこそ、心身ともに一
番充実している我々青年が立ち上がらなければならないのです。同じ願いを持つ青年は確
実にいます。我々はもっと魅力のある事業を行い、自信と誇りを持つ魅力のある人間にな
らなければなりません。人は魅力や活力のある人に集まります。多くの会員が魅力のある
人物になれば、自ずと魅力のある団体になるのです。
青年会議所は40歳で卒業を迎えます。会員拡大の運動を疎かにすると会員数はすぐに
減少します。卒業がある以上、会員拡大は常に継続しなければなりません。今年度も昨年
の勢いを継承し、会員拡大を行いましょう。
【円滑な運営と継続的な情報発信】
我々は2013年に社団法人から一般社団法人に法人格移行しました。地域に資する団
体の確立にはコンプライアンスの高い意識を持ち、健全な運営を心がけなければなりませ
ん。それには「当たり前のことを当たり前にやる」ということであり、決められたルール
を守ることが大切です。会員の一人ひとりが青年会議所という組織を理解し、個人の自覚
と責任の意識が浸透すれば、円滑な組織運営が実現できます。
また、地域に資する団体として多くの市民の皆様に東根青年会議所の運動や運営をご理
解して頂くためにも情報の発信が重要であります。我々が地域や子どもたちに有益で魅力
のある事業を行っても、市内外に発信し、多くの人々に伝達ができなくては青年会議所の
存在意義を見出せません。より多くの方々に事業の案内や報告をするためには、WEBや
SNSなどのあらゆるツールを利用し、市内外のメディアや行政、各種団体のご協力を頂
きながら迅速かつ効果的で継続した情報発信を行いましょう。
【情熱に溢れたLOMの創造】
今の東根青年会議所に一番必要なものは何だろう。そう考えた時に真っ先に浮かんだの
が「情熱」という言葉でした。東根青年会議所が創立40周年を迎え、改めて創始の精神
と先輩方が築き上げられた「情熱」を感じなければなりません。そして、多くの新入会員
がこの東根青年会議所に入会し、未来を担う彼らの育成には、我々自身の「情熱」がなに
より大切だからです。
「情熱」が人の心を動かします。そして、人から人へと伝播していきます。何事も「情
熱」から始まるのです。まず、我々自身が熱い「情熱」を持ち、率先し行動して行きまし
ょう。
【結びに】
私は2006年に東根青年会議所に入会をしました。当時、会社は東根に移転してから
まもない時期であり、私は会社の現場から営業に変わったばかりで、東根の地域にほとん
ど仲間も知り合いもいない私にとって青年会議所は新たなチャレンジでした。偶然にも2
006年は東根青年会議所が創立30周年の年であり、新入会員だった私は先輩方の背中
をみて活動していました。月に1回の例会、そして30周年の記念式典、祝賀会に向けて
懸命に活動する姿、困難な状況でも決してあきらめずに情熱を持って行動する姿を目の当
りにして感銘を受けました。そして、理事長や委員長をはじめ多くの先輩方、メンバーに
恵まれJCの楽しさ、厳しさ、そして達成感を味あわせて頂きました。
「雲外蒼天」という言葉があります。その意味は困難を乗り越え、努力して克服すれば
心地良い青空が望めるという意味です。今年度は東根青年会議所の創立40周年であり、
わんぱく相撲東根大会においては第30回を迎えます。この記念の年に「雲外蒼天」の言
葉を胸に会員が一丸となり、情熱を持ってJC運動に取り組み、そして事業を通して心地
良い達成感を得ることが、40周年の節目の年において次代へ向けた飛躍の年になると確
信します。
我々は20代、30代の青年です。だからこそ、多くの失敗と多くの学びを得ましょう。
行動しなければ失敗も成功もありません。何もないのです。失敗を恐れず若者らしく意気
軒昂に行動しましょう。
最後に、この記念すべき年に理事長を務めさせて頂くこと、メンバーに心から感謝致し
ます。そして、私自身が誰よりも情熱をもって邁進することを誓い所信と致します。