新宿三井ビルディング - 日本建築防災協会

日本建築防災協会理事長賞・耐震改修優秀建築賞
建築物名称
耐震改修工事竣工年月
耐震改修関係者
新宿三井ビルディング
2015 年 4 月
三井不動産株式会社
鹿島建設株式会社
推薦理由
新宿三井ビルは外壁の2面にデザインされた大きな耐震ブレースが見える超高層ビルとして
よく知られている。ただ、この時代の設計には長周期かつ長く続く地震動が考慮されておらず、
先きの東日本大震災を受けて2m程の前後左右の横揺が長時間生じ、建物利用者に不安を与え
た。これに対する備えとして、今回新開発の制振技術で耐震補強がなされ、オフィスで働く多く
の人に安心・安全と地震後の業務復帰を容易にするため、ビル所有者と設計者・施工者が一体に
なって課題に取組み見事に解決している。この制振技術は、300tの振子式の巨大な鋼板の錘
を6基、全部で1800t(建築全体質量の約3%)を屋上に設置し、これらが地震時の頂部の
揺れと逆方向に揺れる性質を利用して、長く続く長周期地震による横揺れを半分以下に低減し、
また揺れを早期に収束させることができるものである。300tの各錘には全方向の揺れを制御
するためのパッシブ系ダンパーが付けられているが、これらの制振装置に加え、建物全体の揺れ
を制御するために、低層階の5階から10階のエレベーターコアに48台の高性能オイルダンパ
ーを設けている。制振装置の設置工事では屋上階の追加梁工事の影響を受ける最上階のみ業務を
一時停止し、他の階ではすべて日常業務を継続できている。またこの耐震補強によって各階の室
内からの景色は全く変ることなく、外観も塔屋の変化のみで殆ど影響がない。この高度な技術に
よって実現された制振補強はオフィスで働く人々になによりの安心感を与えるものであり、優れ
た耐震改修として高く評価される。
TMD を計6基配置
短辺方向のみ
オイルダンパを設置
新宿三井ビルディング全景
水平オイルダンパの減衰特性
TMD 全景(300t/1基):全方向±2m以上の振幅に対応
TMD 設置に伴う既存躯体の補強状況
低層階でのオイルダンパ設置状況