第1章 福島市観光振興計画策定の目的 1.計画策定の目的 福島市の観光の振興については、平成18~22年度を計画期間とした「福島市総合計画(ふくし まヒューマンプラン21)後期基本計画」の「経済力の強い活力あるまち」の中で位置づけられ、 「美 しい元気な福島の創造」を基本テーマにして市民と協働しながら、多様な施策を複合的に展開してき ました。続いて、平成23年度~27年度を計画期間とする「福島市総合計画前期基本計画」では、 「ときめきとやすらぎ 希望にみちた人間尊重のまち 福島市」を将来都市像とし、「活力あるまち」 の中で「みんなが笑顔でおもてなしをする、何度でも訪れたくなる魅力的なまち」を目指し、魅力あ る観光地づくりのため、市民や民間、行政が連携し「オール福島市」で取り組んできました。 さらに、平成21年4月に「福島市総合計画」を上位計画とする「福島市観光振興計画」を策定し、 「市民が誇りと愛着を持つことができる地域社会」と「交流人口の拡大による地域経済の活性化」の 実現を目指すため、平成21~25年度を計画期間とし、「1.新しい福島市流の観光スタイルの提 供」 「2.南東北の核となる観光まちづくりの展開」 「3.地域経済が元気になる観光の実現」の3つ の基本目標を掲げ、7つの基本戦略のもとに各施策を推進してきました。 しかしながら、平成23年3月に発生した東日本大震災ならびに原発事故に伴う風評被害は、本市 基幹産業である農業・観光産業に大打撃を与え、その影響は今も尚色濃く残るなど、本市の観光を取 り巻く環境は大きく変化しました。 こうした現状を踏まえ、東日本大震災からの観光復興および観光振興施策の総合的かつ計画的な推 進を図ることを目的に、新たな「福島市観光振興計画」を策定することとしました。 2.計画の位置付け 本計画は、 「福島市総合計画」を上位計画とする分野ごとの個別計画です。福島市の観光振興の将 来像や基本方針を示すとともに、市民、民間、行政が連携して観光振興施策を推進するための指針と なるものです。計画期間は、平成28年度から32年度までの5年間とします。 福島市総合計画(平成 23 年度~32 年度) 基本構想:本市の目指すべき将来都市像や施策の方針などを示す。 総 合 ※平成 27 年度に「福島市復興計画」を統合し、見直しを実施 【将来都市像】ときめきとやすらぎ 希望にみちた人間尊重のまち 福島市 基本計画:基本構想に基づいて、具体的な施策の体系や主な事業を示す。 計 ○前期基本計画:平成 23 年度~27 年度 画 ○後期基本計画:平成 28 年度~32 年度 実施計画:基本計画で定められた施策・事業の年次計画(実施年度、内容、予算) ○(第 1 期~第 5 期)―(3 年間を計画期間として毎年策定) 部門ごとの 個別計画 福島市観光振興計画(平成 28~32 年度) 花見山周辺地域観光振興計画(平成 20.1 月策定) 福島市観光振興計画 1 3.計画策定に取り組む意義 (1)市民が誇りと愛着を持つことができる地域づくり 観光は、観光客との交流による地域住民の意識高揚や、都市イメージの向上、地域の付加価値を 向上させる手段となります。 また、 「 「観光はまちづくりの総仕上げ」と言われるように、観光の振興は地域づくりの観点から も重要な役割を有しています。観光振興に取り組むことにより、地域が有する「資源」を再度見直 す機会となり、そうした資源を活用しながら保全をしていくことにより、持続的に活用していくた めの資源管理を可能にするほか、住民自身が地域の魅力を発見して磨きをかけ、さらに訪れた人々 に提供し、実感していただくことによって、市民の地域に対する愛着と誇りの醸成につなげていく ことが可能となります。 (2)交流人口の拡大による地域経済の活性化 観光は、移動、飲食、宿泊、購買などを伴う他地域からの交流人口により成り立っており、定住 人口の増加が難しい現代において重要な活動といえます。したがって、観光産業は製品やサービス 等を地域外へ販売して対価を得る移出産業と言うことができ、経済的な側面において地域が自立す る上で、重要な役割を担う産業と言えます。 また、観光は、観光施設や宿泊施設など、限定的な業種によって構成されていると捉えられがち ですが、飲食店へ食材を提供する生産者や、一般の商店など間接的な波及効果を受ける業種が多く 存在します。このように観光産業は多業種が横断的に組み合わさる複合産業であり、既存産業の観 光的活用、観光関連の新規産業の立地、雇用機会の創出・増大、住民所得の増大など、地域への経 済波及効果も大きいものがあります。 さらに、観光政策は、政策面においても横断的な色彩が強く、関連する政策分野も非常に多岐に わたるように、観光政策は極めて横断的・複合的な側面を有しており、その推進にあたっては高度 な調整が必要となりますが、政策実現による効果も多方面に波及することとなります。 福島市観光振興計画 2
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