立正佼成会附属佼成病院治験審査委員会手順書

立正佼成会附属佼成病院治験審査委員会手順書
第1章
治験審査委員会
(目的と適用範囲)
第1条 本手順書は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」
(以下「薬機
法」という)、厚生労働省令第 28 号「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」
(以下「医薬品
GCP 省令」という)、厚生労働省令 36 号「医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令」
(以下「医
療機器 GCP 省令」という)、厚生労働省令第171号「医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施に
関する省令」、厚生労働省令第38号「医療機器の製造販売後の調査及び試験の実施に関する省令」
ならびにその他の GCP に関連する通知等に基づいて立正佼成会附属佼成病院(以下「当院」という)
治験審査委員会(以下「本委員会」という)の運営に関し必要な手続きを定めるものである。
2.本手順書は当院において、医薬品若しくは医療機器の製造販売承認申請(承認事項の一部変更申
請を含む)のための臨床試験(以下「治験」という)、製造販売後臨床試験に対して適用する。
3.製造販売後臨床試験を行う場合は、医薬品 GCP 省令第56条ならびに医療機器 GCP 省令第76条
に準じ、
「治験」等とあるのを「製造販売後臨床試験」等と読みかえることにより本手順書を適用す
る。
4.医療機器の治験を行う場合は、本手順書において「医薬品」とあるのを「医療機器」、「治験薬」
とあるのを「治験機器」、「副作用」とあるのを「不具合または不具合による影響」と読みかえるも
のとする。
5.医薬品 GCP 省令第27条、医療機器 GCP 省令第46条に基づき、他の医療機関の長より調査およ
び審議を依頼された場合は、病院長と他の医療機関の長との契約が締結されたことを確認した上で、
当該治験の調査および審議を行なうことができるものとする。
(委員会の責務)
第2条 本委員会は、治験に参加するすべての被験者の人権、安全および福祉を保護しなければならない。
2.本委員会は、社会的に弱い立場にある者を被験者とする可能性がある治験には特に注意を払わな
ければならない。
3.本委員会は、倫理的、科学的および医学的妥当性の観点から、治験の実施および継続等について
審査を行なわなければならない。
(委員会の設置および構成)
第3条 本委員会は立正佼成会附属佼成病院治験標準業務手順書(「佼成病院における医薬品等の臨床試験
の実施に関する手順書」)第12条に基づいて設置され、名称を「立正佼成会附属佼成病院治験審
委員会」とし、所在地は当院住所地とする。
第4条 本委員会の委員は、次に掲げる者をもって構成する。病院長は治験の倫理的、科学的および医学
的観点(非専門委員は主に倫理的観点)で審議、評価することができる要件を満たすものを選任す
るものとする。病院長は指名した委員に対し任命書を発行し指名の記録とする。なお、病院長は委
員になること、ならびに審査および採決に参加することはできない。
(1)医学、歯学、薬学その他医療または臨床試験に関する専門的知識を有する者、数名。
(2)非専門委員(医学、歯学、薬学その他医療または臨床試験に関する専門的知識を有する者
以外の者)2名以上。(本項(3)及び(4)の委員を除く)
(3)当院と利害関係を有しない者 1 名以上(外部委員)
(4)当委員会と利害関係を有しない者1名以上(外部委員)
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2.委員会は男女両性で構成する。
3.委員会に委員長および副委員長を置く。委員長は内部委員より病院長が指名する。
4.委員長が何らかの理由で職務を行えない場合には、副委員長がその職務を代行する。委員長、
副委員長が不在の場合は、予め委員長より指名を受けた委員がその職務を代行する。
5.委員の任期は1年とするが再任は妨げない。
6.委員に欠員があった場合は、病院長と本委員会委員長と協議の上、新たなる委員を指名する。
この場合、当該委員の任期は欠員となった委員の残りの任期とする。
7.委員長が特に必要と認める場合には、本委員会において本条第1項に規定する委員以外の職員
または有識者の意見を聴くことができるものとする。
8.本委員会の委員ならびに本手順書第7条の本委員会事務局員は審査および本委員会関連業務等
を通じて知り得たすべての情報を他に漏洩しないものとする。また、その任を退いた後も同様と
する。
(委員会の業務)
第5条
本委員会は、その責務の遂行のために、次に掲げる最新の資料を病院長から入手し、その資料
に基づいて審議し、結果を病院長へ報告するものとする。
(1)治験薬概要書または治験機器概要書(製造販売後臨床試験の場合は添付文書)
(2)治験実施計画書(治験依頼者と治験責任医師が合意したもの)
(3)症例報告書の見本(治験依頼者と治験責任医師が合意したもの)
(4)同意文書およびその他の説明文書(治験責任医師が治験依頼者の協力を得て作成したも
の)
(5)治験責任医師が医薬品 GCP 省令第42条または医療機器 GCP 省令第62条に規定する要
件を満たすことを証明した履歴書、および、その他の資料ならびに治験分坦医師を置く
場合にはその氏名リスト(必要な場合には治験分担医師の履歴書)
(6)被験者の安全等に係わる報告(被験薬の品質、有効性および安全性に関する事項ならび
に当該治験を適性に行なうための重要な情報を記載した文書)
(7)被験者の健康被害の補償に関する文書(保険付保証明書、あれば社内ガイドライン等も)
(8)被験者への支払いに関する資料(※支払いがある場合)
(9)被験者の募集に関する資料(※広告などで募集する場合)
(10)予定される治験費用に関する資料(経費見積書)
(11)治験の現状の概要に関する資料(※継続審査等の場合)
(12)治験実施機関の概要(※他施設の場合)
(13)その他、委員会が必要と認める資料
2. 本委員会は、次の事項について調査・審議し、記録を作成する。
(1)治験を実施することの倫理的、科学的および医学的見地からの妥当性に関する事項
①治験薬概要書、非臨床試験等からヒトへの投与、治験機器の場合は使用が妥当なもの
であるか。
②治験の目的、計画および実施方法が妥当なものであること。
③医療機関が十分な臨床観察および試験検査を行うことができ、かつ、緊急時に必要な
措置を取ることができる等、治験を適切に実施できること。
④治験責任医師が当該治験を実施する上で適格であるか否かを履歴書等により検討す
ること。
⑤被験者の同意を得る際の同意文書およびその説明文書の内容が適切であること。
⑥被験者の同意を得る方法が適切であること。特に被験者の同意取得が困難な場合、非
治療的な治験緊急状況下における救命的治験および被験者が同意文書を読めない場
合にあっては答申 GCP に示された内容が遵守されていること。また、社会的に弱い立
場にあるものを被験者とする可能性のある治験に対しても配慮すること。
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⑦被験者への健康被害に対する補償が適切であること。
⑧予定される治験費用が適切であること。
⑨被験者に対する支払いがある場合、その支払額、支払い方法(被験者の治験への
参加に不当な影響を及ぼさないものであるか)を検討し、これらが適切であること。
⑩被験者の募集がある場合、その募集方法が適切であること。
(2)治験の実施中または終了時に行なう審査ならびに調査
① 被験者の同意が適切に得られていること。
② 以下にあげる治験実施計画の変更の妥当性に関すること。
・被験者に対する緊急の危険を回避する等医療上やむを得ない事情のために行った
治験実施計画書からの逸脱または変更。
・被験者に対する危険を増大させるか、または治験の実施に重大な影響を及ぼす当
該治験に関するあらゆる変更。
③ 治験実施中に当院で発生した重篤な有害事象についての検討ならびに当該治験継
続の可否。
④ 被験者の安全または当該治験の実施に悪影響を及ぼす可能性のある重大な情報に
ついての検討、ならびに当該治験の継続の可否。
⑤ 治験の実施状況についての調査(少なくとも年一回以上)
⑥ 治験の終了、治験の中止または中断、開発の中止の確認
本委員会は治験責任医師および治験依頼者に対し、上記第2項(2)②~④の事項が治験
実施中に発生した場合には、速やかに病院長を経由して本委員会に文書での報告を求める
ものとする。
注)上記(2)④にいう「重大な情報」とは以下のものが含まれる。
(ア)他施設で発生した重篤で予測できない副作用
(イ)重篤な副作用または治験薬および市販医薬品の使用による感染症の発生数、発生
頻度発生条件等の発生傾向が治験薬概要書(製造販売後臨床試験の場合は添付文
書「使用上の注意」)から予測できないもの
(ウ)死亡または死亡につながる恐れのある症例のうち副作用によるもの、または治験
薬および市販医薬品の使用による感染症によるもの
(エ)副作用もしくは治験薬および市販医薬品の使用による感染症の発生数、発生頻度、
発生条件等の発生傾向が著しく変化したことを示す研究報告
(オ)治験の対象となる疾患に対し効能もしくは効果を有しないことを示す研究報告
(カ)副作用もしくは感染症により、癌その他の重大な疾病、障害もしくは死亡が発生
する恐れのあることを示す研究報告
(キ)被験薬と同一成分を含む市販医薬品に係わる製造、輸入もしくは販売の中止、回
収、廃棄その他の保健衛生上の危害の発生または拡大を防止するための措置の実
施
(3)製造販売後調査(製造販売後臨床試験を除く)のうち病院長が審査の必要性を判断し
たものに関し、製造販売後調査(使用成績調査および特定使用成績調査等)を実施する
ことの妥当性
(4)その他委員長が必要と認めた事項
3.本委員会は病院長に対し、治験期間中、審査の対象となる文書が追加、更新または改訂さ
れた場合には、これらを速やかに提出するよう求めるものとする。
4.本委員会は治験責任医師に対し、本委員会が治験の実施を承認し、これに基づく病院長の
指示・決定が文書で通知されたとしても、治験依頼者と文書による契約が締結される前に、
被験者を治験に参加させないよう求めるものとする。また、本委員会は治験責任医師に対し、
被験者に対する緊急の危険を回避することが必要な場合、または変更が軽微で事務的事項で
ある場合を除き、本委員会からの承認を文書で得る前に治験実施計画書からの逸脱あるいは
変更を行なわないよう求めるものとする。
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5.本委員会は治験責任医師に対し、実施中の治験について少なくとも年一回は治験実施
状況報告の提出を求め、治験が適切に実施されているか否か、および継続の可否について審
査するものとする。
(委員会の運営)
第6条
本委員会は原則として1月、8月を除く毎月 1 回定期開催する。但し、委員長が開催の必
要がないと判断した場合はこの限りではない。また、病院長から緊急に意見を求められた場
合には臨時委員会を開催することができる。
2.本委員会の開催にあたっては予め本委員会事務局から原則10日前までに文書で委員長およ
び各委員に通知し、合わせて審査資料を配布するものとする。
3.本委員会は以下の条件を満たす会議においてのみ、その意思を決定できるものとする。
(1)全委員の過半数以上が出席していること。
(2)少なくとも委員の一人は自然科学以外の領域のものであること。
(3)少なくとも委員の一人(上記(2)に該当するものを除く)は治験依頼者、実施医療機
関および治験の実施に係わるその他の施設との利害関係を有していないものであること。
(4)少なくとも委員の一人(上記(2)に該当するものを除く)は当委員会との利害関係を
有していないものであること。
但し、製造販売後調査(製造販売後臨床試験を除く)の受託等を審議する場合は本項(3)
(4)を条件としない。
4.採決に当たっては本委員会に出席した委員のみが参加できるものとする。
5.当該治験の治験依頼者と関係のある委員、治験責任医師、治験分担医師、治験協力者および
病院長は、その関与する治験について情報を提供することはできるが当該治験に関する審査
および採決には参加出来ないものとする。
6.委員長が特に必要であると認める場合には委員以外の者を本委員会に出席させて意見を聞く
ことができる。
7.採決は出席した委員全員の合意を原則とする。
8.審査結果は次の各号のいずれかとする。
(1)承認
(2)修正の上承認
(3)却下
(4)承認事項の取消し
(5)保留
9.本委員会は審査および採決に参加した委員の名簿に関する記録および審査内容の記録を作成
し保存する。
10.委員長は病院長に対し、本委員会の審査結果を審査終了後速やかに報告する。なお、通知書
(書式5)には以下の項目を記載する。
(1)審査対象となった治験
(2)審査した資料
(3)審査を行った日付
(4)審査した治験に対する委員会の決定
(5)決定の理由(承認以外の場合)
(6)修正を条件に承認する場合はその内容
(7)委員会の名称と所在地および委員会がGCPに従って組織され運営されていることを保証
する旨の記述
(8)審議・採決に際しての出欠委員名
(9)委員会の決定に対する異議申し立てに関すること
11.委員会は承認した治験について治験期間内の軽微な変更の場合には迅速審査をすることがで
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きる。迅速審査の対象か否かの判断は治験審査委員長が行う。迅速審査は委員長と委員長より
指名された委員2名とで行い、本条9項に従って判定し、
「 承認」のみを決定することができる。
委員長は迅速審査の結果を本条11 項に従って病院長に報告する。また、委員長は次回の委員
会で迅速審査の内容と決定を報告する。
12.前項にいう軽微な変更とは、治験の実施に影響を与えない範囲で、かつ被験者への危険を増
大させない変更に限られる。
13.重篤な有害事象等、治験の継続に係わる重大な事象の審査のために開かれる臨時の委員会は、
第6条第3項の委員会成立条件を満たさない限り、当該治験における被験者の新たな登録を中
断し、治験実施中の被験者に対しては現在の治験に継続して参加するか否かの意思を直ちに確
認するよう、治験責任医師に指示できるものとする。
第2章
治験審査委員会事務局
(治験審査委員会事務局の業務)
第7条 治験審査委員会事務局(以下「IRB 事務局」という)は以下の業務を行なう。
(1)本委員会の開催準備(審査の受付、本委員会開催に関連する文書の作成、開催通知、審
査資料の配布等)
(2)本委員会の審査の記録等の作成、
(3)本委員会の審査結果通知書の作成
(4)本手順書第9条に定めた記録の保存
(5)本委員会の記録の公表に関する業務
(6)その他、本委員会に関する業務の円滑化を図るために必要な事務および支援
第3章
記録の保存
(記録の保存責任者)
第8条 本委員会に係わる記録の保存責任者は治験事務局長とする。
(記録の保存)
第9条 本手順書において保存する文書は以下のものとする。
(1) 本手順書
(2) 委員の名簿(各委員の所属・職名を含む)および任命書
(3) 調査審議された資料
(4) 委員会議事録、議事要旨
(5) 提出された文書、書簡
(6) その他、必要と認めたもの
(記録の保存期間)
第10条 第9条に定める記録等の保存期間は次のうちのいずれか遅い期日とする。但し、治験依頼者
がこれよりも長い期間保存を必要とする場合には、保存期間および保存方法について治験依頼
者と協議するものとする。
(1)被験薬または被験機器に係わる製造販売承認日(開発が中止された場合には開発中止が
決定された日)
(2)治験の終了または中止後3年が経過した日
(3)製造販売後臨床試験の場合は被験薬の再審査または再評価の終了した日
2.委員会は病院長を経由して治験依頼者より前項にいう製造販売承認取得あるいは開発中止の
連絡、および製造販売後臨床試験依頼者より再審査あるいは再評価終了の連絡を受けるものと
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する。
(記録の公表)
第11条
病院長は本委員会手順書、委員名簿および会議の記録の概要を当院ホームページに掲載す
るものとする。
2.病院長は、本委員会の記録の公表に際しては、治験依頼者の知的財産権を侵害することの
無いよう配慮する。
第4章
他の医療機関からの審査の受託
(他の医療機関からの審査の受け入れ)
第12条 病院長が他の医療機関(以下「委託医療機関」という)より本委員会に対しGCP省令第2
7条に定められた「他の医療機関の長が設置した治験審査委員会」としての意見を求め られた
場合は、
「立正佼成会附属佼成病院医薬品等の臨床試験審査受託に関する規定」に従う。特に定
めない事項に関しては本手順書第 1 章から第3章に従うものとする。
第5章
改訂
(改訂の手続き)
第13条 本手順書の改訂および廃止は、第1条に示される法令に基づき、治験事務局が起案し、 当院
治験審査委員会に報告する。なお、手順書の改訂は、必要に応じて随時行なうことができるも
のとする。
平成10年
3月10日
平成12年 11月 9日
平成18年
4月 6日
平成19年
7月 5日
平成20年
3月 6日
平成21年
5月 7日
平成24年
4月 1日
平成26年
1月 5日
平成27年 11月30日
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制定
改訂
改訂
改訂
改訂
改訂
改訂
改訂
改訂