平成28年 月 浦 市 安 浦安市耐震改修促進計画 目 次 第1 計画策定の趣旨 1 計画の背景と目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 2 耐震改修促進法の改正と促進計画の改定について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 3 計画の位置付け ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 4 計画の期間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 第2 建築物の耐震診断及び耐震改修の実施に関する目標 1 想定される地震の規模及び被害の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 (1)想定条件・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 (2)地震動及び液状化の予測結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 (3)建築物被害の予測結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 (4)地震火災被害予測・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 2 耐震化の現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 (1)住宅の耐震化の現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 (2)特定建築物の耐震化の現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 (3)防災上重要な市有建築物の耐震化の現状…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6 3 耐震化の目標の設定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6 (1)住宅・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6 (2)特定建築物・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6 4 市有建築物の耐震化の情報公開・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6 第3 耐震診断及び耐震改修の促進を図るための施策に関する事項 1 基本的な取組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7 (1)市民(建築物所有者)の役割 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7 (2)市の役割 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7 2 助成制度の設置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7 (1)木造住宅への取組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7 (2)分譲マンションへの取組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8 3 安心して相談できる環境整備 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8 (1)耐震相談窓口の設置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8 (2)木造住宅無料耐震相談会の実施 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8 4 耐震改修促進法第6条第3項第2号により規定される道路の 沿道建築物の耐震化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8 5 地震時の建築物の安全対策に関する事業の概要 (1)エレベーターおよびエスカレーターの安全対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・8 (2)各種落下物対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 (3)天井等の脱落防止・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 (4)給湯設備の転倒防止対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 6 ブロック塀対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 7 密集市街地対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 8 耐震改修計画の認定等による耐震化の促進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 9 法による指導及び勧告・命令等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 (1)耐震改修促進法による指導及び助言の実施 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 (2)耐震改修促進法による指示及び公表等の実施 ・・・・・・・・・・・・・・・・・10 (3)建築基準法による勧告又は命令の実施・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 第4 啓発及び知識の普及に関する事項 1 地震ハザードマップの公表 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 (1)地震による揺れやすさマップ…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 (2)地域の危険度マップ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 2 建築物の液状化対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 3 情報提供の充実 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12 (1)耐震相談窓口 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12 (2)防災査察等の活用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12 (3)耐震相談会の実施 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12 4 パンフレットの配布による普及、啓発 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 5 自治会との連携 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 6 関係団体との連携 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 7 広報紙及びホームページ等の活用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 資 料 編 ○ 資料-1 防災上重要な市有建築物の耐震化の現状 ○ 資料-2 地震発生時に通行を確保すべき道路路線図 ○ 資料-3 地震による揺れやすさマップ ○ 資料-4 地域の危険度マップ 第1 1 計画策定の趣旨 計画の背景と目的 平成7年1月の阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)では、地震により約6,4 00人の尊い命が奪われました。このうち地震による直接的な死者数は約5,50 0人であり、更にこの9割近くの約4,800人が住宅等の建築物の倒壊によるも のでした。 また、平成16年10月の新潟県中越地震、平成17年3月の福岡県西方沖地震、 平成19年3月の能登半島地震など、大地震発生の可能性が低いとされる地域にお いても発生し、建築物の倒壊による被害がありました。 特に、昭和56年に建築基準法が改正された「新耐震基準」以前に建築された建 築物の倒壊の被害が大きかったことから、昭和56年以前に建築された建築物に対 する耐震性の向上が求められています。 国において、内閣府に設置された中央防災会議の「地震防災戦略」(平成17年3 月策定)では、東海地震、東南海・南海地震の被害想定の死者数や経済被害につい て、10年後で半減させるという目標が定められ、建築物の耐震改修は最も重要な 課題として位置付けられました。 耐震改修を効果的かつ効率的に実施するため、「建築物の耐震改修の促進に関する 法律」(平成7年法律第123号、以下「耐震改修促進法」という。)を平成17年 11月に改正し、地方公共団体は計画的な耐震化の推進のために耐震改修促進計画 を策定することとしています。 そのため、県においては、耐震改修促進法第5条により、平成19年3月に「千 葉県耐震改修促進計画」(以下「県促進計画」という。)を策定しました。 本市では、地震による建築物の被害を未然に防ぐとともに、市民の生命と財産を 守るために、「浦安市耐震改修促進計画」(以下「本促進計画」という。)を策定し、 昭和56年5月31日以前に建築された建築物の耐震化を計画的かつ総合的に促進 していくことを目的とします。 - 1 - 2 耐震改修促進法の改正と促進計画の改定について 本市においても、液状化現象により甚大な被害が発生した東日本大震災並みの大地 震は、いつどこで発生してもおかしくない状況にあるとの認識が広まっています。 これらの地震については発生の切迫性が指摘され、特に切迫性の高い地震について は、発生までの時間が限られていることから、効果的かつ効率的に建築物の耐震改修 等を実施することが求められています。 このような背景のもと、平成25年11月の法改正で、市町村耐震改修促進計画の速 やかな改定が求められていることや、本促進計画に新たな耐震化の目標を設定する必 要があることから、改定することとしました。 国、県、市町村及び建築物の所有者等が連携を図り、本市における建築物の耐震診 断及び耐震改修等を計画的かつ総合的に進めることにより、より一層の建築物の耐震 化を促進に努めます。また、都市空間、居住空間における被害の軽減を図り、自助・ 共助・公助が連携したまちづくりを進めます。 3 計画の位置付け 本促進計画は、耐震改修促進法第4条の規定に定められた「建築物の耐震診断及 び耐震改修の促進を図るための基本的な方針」(以下「基本方針」という。)に基づ き、県促進計画を勘案して、同法第6条の規定により策定します。 4 計画の期間 本促進計画の期間は、平成28 年度から平成 32 年度の 5 年間とします。 - 2 - 第2 1 建築物の耐震診断及び耐震改修の実施に関する目標 想定される地震の規模及び被害の状況 本市では、平成25年度に実施した「東京湾北部地震」を対象にした基礎調査の 追加調査として、平成26年度に浦安市直下の地震を想定した防災基礎調査を実施 し、この調査結果により地震被害想定を行いました。 また、液状化の危険性評価については、「浦安市液状化対策技術検討調査委員会」 で検討した地盤調査の結果を活用しました。 (1)想定条件 震源:浦安市直下地震 深さ約5.1km 規模:マグニチュード 7.1 発生時期:①冬季 午前5時 ②夏季 午後0時 ③冬季 午後6時 風速:①3m/s ②8m/s ①想定地震 平成25年12月に公表された国の中央防災会議の資料より、首都直下地震のうち 浦安市に影響を与える最大クラスの地震として、浦安市直下で発生するマグニチュー ド7クラスの地震を想定しました。 ②発生時期 地震による被害は、季節や時刻によって予測結果に差異が生じるため、発生時期を 3ケースに想定しました。 (2)地震動及び液状化の予測結果 直下地震を想定した地震動及び液状化の予測調査は、地形、地盤の状況から、震度 の大きさと液状化危険度を算出しました。 市内全域で、「震度6強~震度7」、また、市内の大部分が「液状化の影響が大き い」という結果になりました。(図-1 及び図-2 参照) - 3 - 図-1 震度分布図 図-2 液状化危険度分布図 凡例 凡例 液状化の影響が大きい(5 < PL) 液状化の影響は小さい(0 < PL ≦ 5) 震度6 震度 7 *図-1「浦安市地域防災計画 震災(平成26年度修正版) 」より *図-2「平成23年度浦安市液状化対策技術検討調査」より (3)建築物被害の予測結果 表-1 建築物被害量 建築物数 棟数 *「浦安市地域防災計画 全壊棟数 18,672 棟 半壊棟数 3,436 棟 4,081 棟 震災編(平成26年度修正版) 」より (4)地震火災被害予測 地震火災被害は、地震の発生季節、時刻別の出火率を用いて出火件数を求め、初期 消火で消えなかった炎上出火件数、延焼火災の原因となる消火不能件数、延焼火災に よる焼失棟数を算出しました。(表-2 参照) 表-2 火災被害量 出火件数 炎上出火件数 消火不能件数 焼失棟数 冬 午前 5 時 6件 4件 2件 306 棟 夏 午後 0 時 10 件 8件 5件 733 棟 42 件 32 件 28 件 3,325 棟 42 件 32 件 29 件 3,800 棟 冬 午後 6 時 (風速3m) 冬 午後 6 時 (風速8m) *「浦安市地域防災計画 震災編(平成26年度修正版) 」より - 4 - 2 耐震化の現状 (1)住宅の耐震化の現状 平成25年度の住宅の総数は18,452棟あり、そのうち、昭和56年の建築基 準法改正以前に建てられた木造住宅が3,996棟、非木造住宅が582棟あります。 住宅全体の耐震化率は、約79%と推計されます。(表-3 参照) 表-3 住宅の耐震化の現状 区 分 木造住宅 総 計 昭和56年以前 耐震化率 14,681 棟 3,996 棟 76.0% 3,771 棟 582 棟 92.7% 18,452 棟 4,578 棟 79.4% 非木造住宅 合 数 *各住宅の棟数は、平成25年度末時点の市課税台帳を基にした推計値です *耐震化率は、国の推計方法により算定した数値です (2)特定建築物の耐震化の現状 平成25年度における特定建築物(※)の棟数は市有建築物が99棟、民間建築物が 518棟であわせて617棟です。 そのうち、昭和56年の建築基準法改正以前に建てられた市有建築物が36棟、民 間建築物が43棟で、特定建築物全体の耐震化率は、約 95%です。 なお、昭和56年以前に建てられた全ての市有建築物については、耐震診断を実施 し、その結果耐震性が不足していたもの全てに耐震改修等を実施しています。(表-4 参照) 表-4 特定建築物の耐震化の現状 区 分 総 数 昭和56年以前 耐震化率 市有建築物 99 棟 36(36)棟 100% 民間建築物 518 棟 43(18)棟 95.2% 合 617 棟 79(54)棟 95.9% 計 *民間建築物の棟数は、平成25年度末時点の市課税台帳を基にした推計値です *( )内は耐震改修済み及び耐震診断の結果、耐震性を有するものの棟数です ※「特定建築物」とは、耐震改修促進法第14条に規定にされる「特定既存耐震不適 格建築物」であり、以下に示すものです。 ① 耐震改修促進法第14条第1号に規定する「多数の者が利用する建築物」 ② 耐震改修促進法第14条第2号に規定する「危険物の貯蔵場又は処理場の用途 に供する建築物」 ③ 耐震改修促進法第14条第3号に規定する「地震によって道路の通行を妨げ、 多数の者の円滑な避難を困難とするおそれがある建築物」 - 5 - (3)防災上重要な市有建築物の耐震化の現状 市有建築物の中には、防災活動拠点となる施設、避難拠点となる施設及び多数の者 が利用する施設などの防災上重要な建築物があります。 平成26年度における防災上重要な市有建築物は96棟あり、そのうち、昭和56 年の建築基準法改正以前に建てられた41棟全て耐震診断を実施し、その結果耐震性 が不足していたもの全てに耐震改修等を実施したことから、全体の耐震化率は、10 0%です。(資料-1参照) 3 耐震化の目標の設定 平成20年4月に策定した計画では、住宅及び特定建築物の平成27年度における 耐震化率の目標を90%として設定しました。平成 28 年●月の改定にあたっては、 基本方針や県促進計画を踏まえ、平成 32 年度を目標年度とした耐震化率の目標を新 たに設定します。 (1)住宅 住宅の耐震化率の目標は、平成 32 年までに 95 パーセントとします。 (2)特定建築物 特定建築物については、引き続き耐震化の促進に努めます。 4 市有建築物の耐震化の情報公開 本促進計画において、防災上重要な市有建築物の耐震診断及び耐震改修の実施状況 等の情報(所在地、施設名称、耐震診断・改修の結果等)を公表します。 - 6 - 第3 1 耐震診断及び耐震改修の促進を図るための施策に関する事項 基本的な取組み (1)市民(建築物所有者)の役割 建築物の所有者は、地震に対する安全性を確保するとともに、その向上を図ること が必要です。 特に、特定建築物の所有者は、多数の利用者の人命を預かる立場を自覚し、責任を 持って建築物の耐震診断及び耐震改修を行うよう努めなければなりません。 また、エレベーターの閉じ込め防止対策、エスカレーターの脱落防止対策、各種落 下物対策、給湯設備の転倒防止対策、天井等の脱落防止対策などの安全対策を講じる ことが必要です。 (2)市の役割 耐震性が不十分な市有建築物の耐震改修を計画的に実施するとともに、住宅及び特 定建築物の所有者等に対する啓発、知識の普及、情報提供及び耐震化の支援策の措置 を講じます。 また、エレベーターの閉じ込め防止対策、エスカレーターの脱落防止対策、各種落 下物対策、給湯設備の転倒防止対策、天井等の脱落防止対策などの安全対策を講じる よう努めます。 2 助成制度の設置 耐震診断及び耐震改修を行うことは建築物所有者の義務であり、所有者自らが耐震 化を行う必要がありますが、耐震診断及び耐震改修には相当な費用負担を要するため、 この軽減を図ることが課題となっています。 こうした課題を解消するため、助成制度の設置に取組みます。 (1)木造住宅への取組み 本市では、平成9年度より木造住宅耐震診断助成制度として、また平成20年度よ り木造住宅耐震改修助成制度として、昭和56年以前に建築された木造住宅の所有者 に対し、耐震診断及び耐震改修に要した費用の一部を助成しています。 今後は、これらの助成制度において、より一層の拡充を図り、木造住宅の耐震化を 更に促進します。 - 7 - (2)分譲マンション等への取組み 本市では、平成19年度より分譲マンション等の耐震診断助成制度として、また平 21年度より分譲マンション等の耐震改修助成制度として、昭和56年以前に建築さ れた分譲マンションの管理組合や医療施設の所有者に対し、耐震診断及び耐震改修に 要した費用の一部を助成しています。 3 安心して相談できる環境整備 (1)耐震相談窓口の設置 本市では、耐震診断及び耐震改修に関する相談や助成制度に関する相談等、建築物 の耐震化に関する相談窓口を建築指導課に設置してあり、更に、耐震化に必要な情報 提供の充実を図ります。 (2)木造住宅無料耐震相談会の実施 本市では、平成12年度より木造住宅の所有者等を対象に、耐震性の向上に関する 認識を高めるため、建築関連団体の協力を得て、無料耐震相談会を定期的に実施し、 耐震化に向けた助言を行っています。 4 耐震改修促進法第6条第3項第2号により規定される道路の沿道建築の 耐震化 耐震改修促進法第6条第3項第2号により規定される道路は、建築物が地震によっ て倒壊した場合にその敷地に接する道路の通行を妨げ、本市の区域における多数の者 の円滑な避難を困難とすることを防止するために、沿道に建つ建築物の耐震化を促進 する道路です。 本市では、耐震改修促進法第6条第3項第2号で規定する道路として、「浦安市地 域防災計画(震災編)」に基づく緊急輸送路等とし、また、その沿道の建築物のうち、 道路を閉塞させるおそれのある建築物を「重点的に耐震化すべき建築物」として耐震 化を促進します。 (資料-2参照) 5 地震時の建築物の安全対策に関する事業の概要 (1)エレベーター及びエスカレーターの安全対策 建築物の高層化が進む中、震災時においてエレベーターが緊急停止し、内部に長時 間閉込められたり、エスカレーターが脱落するなどの事態が問題となっています。エ レベーターやエスカレーターには、建築基準法による報告が義務付けられており、特 定行政庁においては、エレベーターやエスカレーターの設備に関する報告等の機会を 捉えて、建築物の所有者等に対し、安全性を確保するよう指導・啓発を図ります。 - 8 - (2)各種落下物対策 地震発生時において、建築物全体の倒壊だけでなく、付属する看板や外壁、ガラス 等が落下し、通行人等に被害をあたえることがあります。このような被害を防止する ために、特定行政庁においては、建築基準法による定期報告等の機会を捉えて、建築 物において落下の危険がある部分について、落下防止対策をするよう促します。また、 特に通行人が多い場所の建築物の落下の恐れがある部分がある場合は、建築物防災週 間等の際に建築物の所有者等に点検、改善を促すものとします。 (3)天井等の脱落対策 東日本大震災では、体育館、劇場、商業施設、工場等の大規模空間を有する建築物 の天井について、比較的新しい建築物も含めて脱落する被害が生じました。こうした 状況を踏まえて、建築基準法施行令第 39 条第3項において特定天井の構造が規定さ れ、平成 25 年国道交通省告示 771 号において新たに天井脱落対策の基準が定めら れました。特定行政庁においては、このような被害を防止するために、建築基準法に よる定期報告等の機会を捉えて、建築物の特定天井の脱落や配管等の設備の落下の危 険がある部分について、その防止対策を講ずるよう促すものとします。 (4)給湯設備の転倒防止対策 東日本大震災では、住宅に設置されていた電気給湯器の転倒被害が多数発生しまし た。こうした状況を踏まえて、建築基準法施行令第129条の2の4に基づく平成24 年国土交通省告示第1447号において、新たに電気給湯器転倒防止対策の基準が定め られました。特定行政庁においては、建築設備に関する報告等の機会を捉えて、電気 給湯器の転倒防止対策を講ずるよう促すものとします。 6 ブロック塀対策 地震時において、コンクリートブロック塀等は、倒壊しやすく、通行人に危害を与 えることや道路を塞ぐことがあります。 パンフレットの配布等を通じて知識の普及に努めるとともに、定期的に調査を行い、 危険と判断されたブロック塀の撤去及び改善の指導を行います。 7 密集市街地対策 市内の密集市街地においては、旧耐震の木造建築物が密集しており、地震の揺れに よる集中被害等、防災上種々の問題を抱えていることから、住環境の改善もあわせて 市街地の防災性向上の取組みについて検討を進めることとします。 - 9 - 8 耐震改修計画の認定等による耐震化の促進 法では、耐震改修計画の認定、建築物の地震に対する安全性に係る認定及び区分所 有建築物の耐震改修の必要性に係る認定が制度化され、建築物の所有者やマンション の管理者等に対して特例措置等を講じることにより建築物の耐震化が円滑に促進され ることが期待されています。 本市では、認定制度の情報提供を行うとともに、種々の機会を通じて建築物の所有 者等に対して認定制度の内容や手続きを紹介し、耐震化の促進に努めます。 9 法による指導及び勧告・命令等 (1)耐震改修促進法による指導及び助言の実施 大規模で不特定多数の者が利用する特定建築物は、特に耐震化の必要性が高く、ま た、震災時に応急活動の拠点となる庁舎、病院及び学校等の建築物は、災害時の機能 確保の面からも耐震化が必要とされるため、所有者等に対して優先的に指導及び助言 を行います。 (2)耐震改修促進法による指示及び公表等の実施 指導等を受けた建築物について耐震化が行われない場合、所有者等に対して指示を 行い、また、正当な理由がなくその指示に従わなかった場合はその旨を公表します。 (3)建築基準法による勧告又は命令の実施 指導、助言及び指示等を行ったにもかかわらず、必要な対策を取らなかった場合、 損傷、腐食その他の劣化が進み、そのまま放置すれば著しく保安上危険であると認め られる建築物については、所有者等に対して、建築基準法による勧告又は命令を行いま す。 - 10 - 第4 1 啓発及び知識の普及に関する事項 地震ハザードマップの公表 地震ハザードマップとは「地震による揺れやすさマップ」や「地域の危険度マッ プ」に避難場所や避難道路等の地域の防災情報を記載した地図の総称です。 既に公表されている地震ハザードマップを基に、建築物の所有者等の地震に対する 意識の啓発を図ります。 (1)地震による揺れやすさマップ 地盤の規模、震源の距離及び表層地盤の状況により、地域の揺れやすさ「震度」で 評価し、個々の建築物の所在地が認識可能な縮尺で詳細に表現したマップです。 (資料-3参照) (2)地域の危険度マップ 地盤の液状化及び避難の困難さ等、地震により引き起こされる被害をより具体的に わかりやすく表現したマップです。(資料-4参照) 2 建築物の液状化対策 東日本大震災では、本市においても、液状化現象により甚大な被害が発生しました。 この経験を踏まえ、住宅の建て替えの際に宅地の液状化対策として活用できるよう、 液状化による被害の調査、震度分布図及び液状化危険度マップを公表しています。 また、今後も液状化対策工法の分類・評価などの情報提供を行い、宅地における 液状化対策を促進するよう努めます。 - 11 - 3 情報提供の充実 (1)耐震相談窓口 建築物の所有者等に対して、耐震診断及び耐震改修の実施に関して必要な情報の提 供を行います。 表-5 耐震相談窓口 設置場所 ・浦安市都市整備部建築指導課 ・千葉県県土整備部都市整備局 建築指導課 ・千葉県住まい情報プラザ 相談内容 ・耐震診断及び耐震改修の仕組み ・耐震改修促進法に関する説明 ・耐震診断及び耐震改修に係る助成制度 の説明 ・耐震診断及び耐震改修の相談先の案内 ・耐震診断及び耐震改修に係る助成制度の 案内 ・(公社)千葉県建築士事務所協会 ・耐震診断及び耐震改修の技術的内容に 市川・浦安支部 関する相談 ・(一社)千葉県建築士会 ・具体的事例に基づく耐震診断及び耐震 市川・浦安支部 改修の ・(一社)日本建築構造技術者協会関東 費用に関する説明 甲信越支部 JSCA 千葉 ・耐震診断及び耐震改修を行う技術者の紹介 (2)防災査察等の活用 防災査察等の機会を活用して、特定建築物の所有者等に対して、耐震診断及び耐震 改修に関する必要な情報の提供を行うとともに、耐震化に関する意識の啓発を図りま す。 (3)耐震相談会の実施 木造住宅の耐震性に不安を持っている方の様々な相談を受けるため、建築士による 無料の耐震相談会を実施し、耐震化の必要性の周知を図ります。 - 12 - 4 パンフレットの配布による普及、啓発 建築物の所有者に対して、耐震診断及び耐震改修の重要性を周知するパンフレット、 また自己診断方法、助成制度及び手続き等を内容とするパンフレットを耐震相談窓口 で配布し、耐震化に関する普及、啓発に努めます。 【啓発用パンフレット】 ○木造住宅 ・誰でもできるわが家の耐震診断 ・地震に備え、わが家の耐震 ・大地震 あなたの建物は安全ですか ○その他 ・あなたの建物は安全ですか -地震に強い建築物となるよう耐震改修を進めましょう- ・建物もあなたと同じ健康診断 ・災害に強い街づくりのために-ブロック塀・石塀の正しい施工方法など- 5 自治会との連携 災害時の避難や消火活動は、地域に組織された自主防災組織により自助及び共助の 観点から行われることが最も有効であることから、自治会と連携し、建築物の所有者 等に対して、耐震性向上に関する知識の普及、啓発を図るため、出前講座の開催やパ ンフレットの配布等により、建築物の耐震化を促進します。 - 13 - 6 関係団体との連携 県及び建築関連団体等との情報交換を密に行い、連携して耐震診断及び耐震改修を 促進するための普及活動を行います。 【建築関連団体】 ○千葉県建築防災連絡協議会 ○千葉県特定行政庁連絡協議会 ○千葉県建築設計関連六団体連絡会議 ・ (一社)千葉県建築士会 ・ (公社)千葉県建築士事務所協会 ・ (公社)日本建築家協会関東甲信越支部千葉地域会 ・ (一社)日本建築構造技術者協会関東甲信越支部 JSCA 千葉 ・ (一社)千葉県設備設計事務所協会 ・ (一社)日本建築学会関東支部千葉支所 ○千葉県耐震判定協議会 7 広報紙及びホームページ等の活用 耐震相談会や耐震診断及び耐震改修に関する情報を広報紙やホームページ等に掲 載します。 また、関係団体等のホームページに掲載された耐震化に役立つ情報や事例につい ても紹介し、より多くの情報を市民に提供します。 - 14 -
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