あ と が き 本校のいくつかの使命の中でもっとも大きなものが,教育研究開発である 。 過去にも教育課程の 基 準 改 善 や 選 択 履 修 総 合 的 な 学 習 の 時 間 Jの運用など,主にカリキ ュラム の試行や改善を中心と した研究を進め,特に, BIWAKOTIMEを中心とした総合学習の研究では 全国の先駆者となって 3 取り組んできたと考えている。平成 14年度より現行の教育課程が施行され,その中の「総合的な 学習の時間 J の内容や方法に,本校が長年にわたって提案してきたものがスタンダードとして取り 入れられているのを見聞きするたびに 3 大変ありがたく感じるとともに,先輩諸兄とともに,長時 間かけて議論していた日々を懐かしく思い出す。 平成 12年度から 3カ年にわたり「創造的で心豊かな生徒を育成する教育課程の開発 j をテーマ に附属 4校園の共同研究を展開してきた。ここでは 課程の開発に取り組み 昨年度 4校園の接続と共生を重視した一体的な教育 全国に発信してきた次第である 。 4校園の研究もひとまず終わり,本校の独自の研究を再度取り組み始めた。教育改革の 大きなうねりが押し寄せるなかで,子どもが身につけるべき真の学力を模索するとともに,今後の 中学校教育の在り方を追究することに主眼をおいて豊かな学力をはぐくむ必修・選択・総合の一 体的カリキュラムの開発一一環境・情報・人間のつながりを求めて」をテーマに,豊かな学力の実 体を捉え直すことに取り組んできた。また,大学や公立の中学校との連携を深めることにも力を注 いできた。 今年度,国立教育政策研究所から「選択教科の開設・運用に関する研究 J の研究指定を受けたた め,研究テ ーマに 少し手を 加えるとと もに ,法人化を契機として ,二学期 5期制という斬新な教育 課程を構築して研究を推進している。特に,本校では必修や選択,総合など複雑な教育課程を行っ ており,その整理と重点化を目指して 5期制を取り入れた。また,生徒が過ごす中学生活 3カ年を 一つのスパンと捉え,それを見通した選択履修の再編と新しい選択学習の在り方についても積極的 に取り組んでいる。 本誌は,今年度の研究発表協議会に合わせたため年度途中での発刊となったため, じゅうぶんな 実践やまとめができないままになっているところが散見されるが,各教科や領域で取り組んできた 内容の中間的なものとして発表させていただいた。 読者諸賢の忌樺ないご意見やご指導を賜ることを期待する。 最後に,本校の研究に対して,大変多忙ななかを本校に足を運んで懇切丁寧にご、指導を賜った関 西大学特別顧問の水越敏行教授や早稲田大学の安彦忠彦教授をはじめとして,国立教育政策研究所 や文部科学省の諸先生方に衷心よりお礼を申しあげてこの項を閉じる 。 滋賀大学教育学部附属中学校副校長 - 248- 藤池 聡
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