大豆畑における帰化アサガオ類の防除対策 平成 28 年 1 月 芳賀農業振興事務所 帰化アサガオ類は熱帯産の帰化雑草で、つる性、発生期間が長いなどにより、大豆畑に侵入すると 防除が難しく甚大な被害をもたらす。また、その種子は生薬として用いられ、誤食によって腹痛や下 痢等を引き起こすことから、製品への種子の混入は避けられなければならない。近年、大豆畑におい て帰化アサガオ類のまん延が問題になりつつあり、生産現場における適切な防除が求められている。 【対策1】大豆畑への侵入防止対策 侵入初期に適期に防除し、種子を作らせない。大豆畑に入り込むと、除草剤が効きにくく、つるが 大豆にまきつくので、防除は大変困難になる。 ★対策1 防除のポイント★ -畦畔からの侵入防止対策- ほ場周辺では、刈り取りや非選択性茎葉処理除草剤で防除する ●花が咲いたら直ちに防除 畦畔や農道脇などで見かけたら、種子を作らせないように開花・結実前に防除 ●結実前に年に3回は必ず防除 1 回目防除:6 月上旬 2 回目防除:8 月中旬 3回目防除:9月下旬 【対策2】大豆畑における防除対策 すでに帰化アサガオが進入し、甚大な被害となっているほ場では、下記の防除ツールを組み合わせ、 体系的に防除する。 (1)土壌処理除草剤(プロメトリン、フルミオキサジン) ※除草剤は使用上の注意をよく読んで、 ・播種後発芽前に土壌に全面処理 登録内容に従って使用する ・密度低下に効果があり、その後の茎葉処理等に有利 (2)茎葉処理剤(ベンタゾンナトリウム塩) ・大豆2葉期に実施(土壌処理剤による初期発生個体の完全抑制が難しいことから必須) ・3葉期を超えると効果が落ちる (3)中耕培土 ・ベンタゾン処理の2週間後に行う。 ・つる化しないタイミングで、株間の個体にもしっかり土がかぶるように培土する ・後発個体もあるので、他の防除ツールと組み合わせる必要がある ・開花期以降の中耕培土は、大豆の根を傷めるので避ける必要がある (4)茎葉処理除草剤(グルホシネート) ・大豆本葉5葉期における株間・畦間処理(専用のノズルもしくは散布機が必要) ・つる化していないタイミングで、アサガオ全体にかかるように株元までしっかり処理する ・その後も発生する場合は、使用基準の範囲内で処理を繰り返す必要がある ★対策2 防除のポイント★ -ほ場内の防除対策- ●防除は2週間ごとに 帰化アサガオ類は発生期間が長く、出芽後2~4週間でつる化する つる化すると除草剤、中耕培土の効果が得られないので、各処理は2週間ごとに実施する ●大豆の草高が条間の幅と同じになるまで防除を続ける (条間60cm なら、大豆草高60cm) 大豆の草高/条間比が1になる時期以降に発生した帰化アサガオ類は枯死する ※最終的に大豆が条間を完全に覆わない場合はアサガオは枯死しないので注意 ●写真及び資料の引用元 中央農研機構 帰化アサガオ類まん延防止技術マニュアル 帰化アサガオ類の地域全体へのまん延を防止するためのほ場周辺管理技術 Ver.2 大豆畑における帰化アサガオ類の防除技術 ver.1
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