Column ご参考資料 「投資のヒント」 2016年1月28日 金利上昇の影響を受けにくいバンクローンの魅力 利上げを開始した米国 FF金利のFRB予測と先物 12月16日、米FOMC(連邦公開市場委員会)において、 およそ9年半ぶりとなる政策金利の引き上げが決定され ました。リーマンショック以降のゼロ金利政策を事実上解 除し、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を現行の 0~0.25%から0.25%~0.50%へと引き上げました。今後 は緩やかなペースで利上げが進んでいくことが示唆され ています。 このような環境下、「バンクローン」への投資魅力がま すます高まっています。過去、米国の政策金利が引き上 げられた局面では、バンクローンは良好なリターンを獲 得してきた実績があり、市場金利の上昇によって価格の 下落圧力を受けやすい国債などの固定利付債券に比べ ると、バンクローンは安定的なリターンが期待できます。 以下、バンクローン投資の3つの魅力をご紹介します。 3.0 (%) 2017年末:2.375% 金利引上げを 織込む米国市場 2.5 FRBのFF金利予測中央値 (2015年12月) 2.0 2016年末: 1.375% 1.5 1.0 2015年末: 0.375% FF金利先物 (2015年12月末現在) 現行FF金利誘導目標:0.25~0.50% 0.5 0.0 15/12 16/6 16/12 17/6 (出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成 17/12 (限月) バンクローン投資の魅力 金利上昇に強い 過去の金利上昇局面(①、②、③)において、バンクローン投資は固定金利である米国国債よりも良好なリターンを実現 しており、金利上昇に対して強い資産であるといえます。 2015年12月16日以降(局面④)は、原油価格の更なる下落と世界的な株式市場の下落によりリスク回避が強まるなか 安全資産である米国国債が選好される一方、リスク資産の中ではバンクローンは比較的下落幅が抑制されています。 金利上昇局面におけるバンクローンおよび米国国債のパフォーマンス比較 (米ドルベース) 10 (1991年12月末~2016年1月*、月次) (%) 局面① 局面② 局面③ 8 (ご参考)局面④ 局面④ (2015年12月16日~2016年1月25日) 3 6 (%) 1.6% 米国 10年国債利回り 4 0 米国 政策金利 -0.5% -2.2% -3 2 -4.9% -6 0 91 93 95 97 99 01 03 05 07 09 11 13 15 (年) 上昇局面① 上昇局面② 上昇局面③ (1994年1月末~1995年2月末) (1999年5月末~2000年5月末) (2004年5月末~2006年6月末) 10.4% 12.6% 3.9% 3.3% 米国国債 バンクローン バンクローン 米国国債 -9 -9.3% -12 バンク ローン 米国 株式 米国 REIT 5.7% ‐0.8% バンクローン バンクローン バンクローン バンクローン 米国国債 -0.9% 米国ハイ 新興国 イールド 国債 債券 米国 国債 *1月は25日時点のデータ ※使用しているインデックスは、4ページをご覧ください。 (出所) Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセッ トマネジメント作成 ※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。 当資料はクレディ・スイスの情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示 書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 1/4 ご参考資料 各資産の利回り比較 相対的に高い利回り バンクローンは、一般的な投資適格債券と比較して 信用リスクが高い分、低金利環境下においても相対 的に高い利回りが魅力です。また、担保付なのでデ フォルト時の元本の回収率も高い傾向にあります。 米国以外の主要先進国は低金利水準が継続する見 込みであり、バンクローンを始めとする相対的に利回 りの高いインカム資産への需要は今後増していくと考 えられます。 (%) 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 7.2% (2016年1月25日現在) 6.7% 4.2% 2.3% 2.0% 0.2% バンク 米国ハイ 新興国 ローン イールド 国債 債券 バンクローンの発行企業の多くが投資適格未満の格付(Baa格相当未 満)のため、リスクに見合った相対的に高い金利と担保が設定されてい ます。ただし、一般的に優先担保付貸付債権のため、社債の債権者 や株主よりも弁済順位が高く、元本の保全率も高いとされています。 米国 米国株式 REIT 米国 国債 日本 国債 ※使用しているインデックス等については、4ページをご覧ください。 米国国債および日本国債は10年国債利回りを使用しています。 (出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成 バンクローンの累積収益率の推移 (米ドルベース) 利子収益の積み上げ効果 高水準の利子収益は、長期で投資するほど総合収 益の下支え効果を発揮します。また、突発的な市場 の下落時にも積み上げた利子収益が価格下落によ る総合収益のマイナスを緩和するクッションの役割を 担ってくれます。 80 バンクローンも市場動向により価格は変動するもの の、相対的に高い利子収益の積み上げが総合収益 に貢献し、結果として堅調な収益を実現しています。 0 変動金利であるバンクローンは、市場金利の変動に よる価格への影響が相対的に小さくなる傾向にある ことから下振れリスクも抑制され、安定した収益の獲 得が期待できます。 9.5% (2005年11月末~2016年1月*、月次) (%) 日々積み上がる利子収益に より総合収益は安定的に推移 60 40 利子収益率 67% 総合収益率 49% 20 ‐20 価格収益率 ▲18% ‐40 2015年1月25日 ‐60 05/11 07/11 09/11 11/11 13/11 15/11(年/月) *1月は25日時点のデータ ※端数処理の関係で合計値が合わない場合があります。 ※使用しているインデックスは、4ページをご覧ください。 (出所) Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成 【ご参考】 米国の景気回復と金利上昇が変動金利の資産と固定金利の資産に与える影響 (イメージ図) バンクローンは一般的に定期的に金利水準を見直す仕組みを有する「変動金利」の資産です。市場金利が上昇すると、バンクロー ンは利子収入の増加が期待できます。また、「固定金利」の資産より、市場金利の変動による値動きが小さくなる傾向があります。 ※上記はイメージ図であり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。 ※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。 当資料はクレディ・スイスの情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示 書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 2/4 ご参考資料 バンクローン市場の今後の見通し 力強い消費や底堅い住宅投資などを背景に、2016年も米国の経済見通しは堅調であると考えています。企業キャッシュ フローは潤沢で全般的な財務状況は健全であること、2013年から2014年にかけて多くの企業が低利での借り換えに成功 し、当面の間は資金繰りや利払い負担に対する懸念が無いことなどからバンクローン市場を取り巻く環境は引き続き堅調 であると予想しています。こうした背景から、米国の利上げによる企業の業績への影響は限定的であると考えられます。 原油を中心とするコモディティ価格の低迷により、一部のエネルギー関連企業については業績や資金繰りに懸念が生じ ていますが、バンクローン市場に占めるコモディティ関連業種の割合(*1)は低く、影響は軽微であると考えています。 一方で、バンクローン市場全体のデフォルト率は、2016年に向けて現状の1%台から2%台まで上昇する可能性がありま すが、過去の長期平均のデフォルト率と比べると依然として低い水準にあります。 バンクローンは、変動金利の資産であるため、固定金利の資産と比較して金利上昇の影響を受けにくい特性を持ち、ま た一般的な投資適格債券と比較して信用リスクが高い分、低金利環境下においても相対的に高い利回りが期待できます。 米国の利上げは好調なファンダメンタルズを背景として行われており、今後利上げを進めて行くなかで「変動金利」、「相対 的に高い利回り」といった特性を持つバンクローンの魅力度は、今後高まっていくものと考えられます。 業種別構成比率 バンクローンのデフォルト率の推移 (2002年12月末~2015年12月末、月次) (2015年12月末時点) 12% 10% 2015年 12月末 1.6% 期間平均 2.5% バンクロー ン指数 7.8% 92.2% (*1) 12月末のエネルギーセクター の組み入れ比率2.87%を含む 8% ハイイール ド債指数 6% 79.8% 20.2% 4% その他業種 コモディティ関連業種 2% 0% 2002年 2005年 2008年 2011年 2014年 ※12ヵ月移動平均のデフォルト率。 (出所)S&Pのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成 ※使用しているインデックス等については、4ページをご覧ください。 ※「コモディティ関連業種」はエネルギー、金属/鉱業、公益に分類される銘柄の 合計値。 ※対現物債券構成比。構成比率は端数処理の関係で合計値が100%とならない場合 があります。 (出所)クレディ・スイスのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成 【ご参考】 バンクローンの利子の決定方法 (イメージ図) バンクローンの利子は①基準金利(一般的にLIBOR(*2)等の短期金利)に②企業の信用力などに応じて決定される上乗せ金 利(スプレッド)をプラスすることで決定されます。また、バンクローンには通常、基準金利に最低金利(フロア)が設定されており 低金利下でも一定の金利収入が確保されます。一方、現在のような金利上昇時には基準金利がフロアを上回らないと直ちに バンクローンの利子に反映しません。 バンクローンの利子構造の例(上乗せ金利=4.0%、最低金利(フロア)=1.0%の場合) ご参考:フロアがない場合 (基準金利=0.5%) 基準金利がフロアを下回る場合 (基準金利=0.5%) 基準金利がフロアを上回る場合 (基準金利=2.0%) 6.0% 5.0% ・企業の信用力などに 応じて決定。 通常は固定。 ②上乗せ金利 (4.0%) ・一般的に基準金利は LIBORが用いられ、 ②上乗せ金利 フロアが設定される。 ②上乗せ金利 フロア (4.0%) ・基準金利がフロアを 1.0% (4.0%) 下回る場合は、フロア が基準金利となる。 ①基準金利(0.5%) ①基準金利(0.5%) ①基準金利(2.0%) ・基準金利がフロアを 上回る場合はLIBOR (*2) LIBORとはロンドン市場での銀行間平均貸出金利のことです。 が基準金利となる。 ※上記は、バンクローンの特徴の一部を記載したものであり、全ての特徴を網羅したものではありません。 4.5% ※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。 当資料はクレディ・スイスの情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示 書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。 3/4 ご参考資料 【当レポートで使用しているインデックスについて】 バンクローン:クレディ・スイス・レバレッジド・ローン・インデックス、米国ハイイールド債券:BofAメリルリンチ・US・ハイイールド債券インデックス、ハイイールド債券:クレディ・スイス・ハイ イールド債券インデックス、米国REIT:FTSE NAREIT All Equity REITsインデックス、米国国債:シティ米国国債インデックス、先進国国債(日本含む):シティ世界国債イン デックス(日本含む)、新興国国債(米ドル建):JPモルガンEMBIグローバル・ディバーシファイド、米国投資適格社債: BofAメリルリンチ・米国事業債インデックス 【 ご留意事項 】 ●当資料はクレディ・スイスの情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが投資判断の参考となる情報提供 を目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。 ●ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断 ください。 ●投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価 額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるものではありません。ファンドの運用による損益 は全て投資者の皆様に帰属します。 ●投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではあり ません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保護基金の保護の対象ではありません。 ●当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するもので はありません。また、今後予告なく変更される場合があります。 ●当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示 唆あるいは保証するものではありません。 ● 当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開 発元もしくは公表元に帰属します。 当資料はクレディ・スイスの情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示 書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 4/4
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