省エネルギー、コンパクト、 高安全性水電解装置 宇宙航空研究開発機構 研究開発部門 第二研究ユニット 桜井 誠人 1 人間の一日当たりの代謝 排泄物 2 ISSにおける生命維持環境 制御関連装置の配置 ロシア サービス モジュール 分析装置 JEMの生命維持技術は 米露に大きく依存している! 「きぼう」 日本実験モジュール 米国 ノード3 廃棄物と 衛生施設 吸気口 温度湿度 調節器 酸素発生装置 尿処理器 調理器 酸素発生装置 ファン、バルブ、 フィルターなど 水タンク 調理器 尿処理器 O2タンク CO2除去 N2タンク 圧力調整器 微量有害ガス除去 米国U.S. Laboratory Module ESA Columbus 3 空気再生装置概要 気液分離機 地球上では植物がになって いる酸素循環を物理化学的 手法を用いて達成する Air in Air in CO2+水蒸気 乾燥 メンブレンド ライヤー O2 O2 + H2O ー H2+H2O CO2除去済 空気 + 水蒸気 中空糸 メンブレン ドライヤー 水 電 解 水電解 H2 CO2 除去 CO2 CO2バッ ファ タンク 触媒 ギアポンプ CO2 除去装置 加熱 CH4 船外排気 サバチエ反応器 冷却 マスフロー コントローラ ② CO2脱着 ① CO2 +4H2 CO2還元 混合器 CO2吸着 CO2除去 CH4+2H2O 水蒸気 CO2+4H2→CH4+2H2O 凝縮水 タンク CO2 還元 ゼオライト 触媒 4 固体高分子電解質電解の方式 (SPE:Solid Polymer Electrolyte) 改良型膜式気液分離器 改良型電解セル 5 従来技術とその問題点 高分子電解質による燃料電池は乗用車などに 実用化が始まっている。本技術は燃料電池の 逆反応である水電解を用いて酸素を発生する。 電解電圧に低減が期待されている。 酸素中水素濃度が高めである。 電解電流密度に限界がある。 等の問題があり、広く利用されるまでには至っ ていない。 6 新技術の特徴・従来技術との比較 • 従来技術よりも、電解電圧を低減することに 成功した。 • 従来は酸素中水素濃度が高かったが、酸素 中水素濃度を低減することが可能となった。 • 電解電流密度を大きくすることができるのでコ ンパクト化が可能となった。 7 各温度での電解電圧の比較 改良型電解セル 電解セル 入口循環水温度 □:30℃ △:40℃ +:50℃ ○:80℃ *:Nafion 117,30℃ 8 旧型電解セルと改良型の酸素中水素濃度の比較 旧型電解セル 改良型電解セル 電解セル入口循環水温度 □:30℃ △:40℃ +:50℃ 9 循環水流量と電解電圧、酸素中水素濃度の関係 ○:電解電圧(左軸) ×:酸素中水素濃度(右軸) 電解電流密度:0.4A/cm2 循環水入口温度:35℃ 10 循環水流量と循環水温度変化の関係 ΔT:出口水温-入口水温 電解電流密度 ○:0.047 △:0.50 □:0.70 ×:1.00 11 想定される用途 • 本技術の特徴を生かすためには、病院などの 比較的乾燥した酸素を製造する事に適用する ことが可能であると考えられる。 • 上記以外に、水素製造に応用することも可能 である。 • また、達成された酸素水・水素水に着目すると、 健康・医療といった分野や用途に展開するこ とも可能と思われる。 12 実用化に向けた課題 • 現在、水電解セルについて発熱量を30%削 減する事が可能なところまで開発済み。しかし、 コストの点が未解決である。 • 今後、信頼性について実験データを取得し、 民生品に適用していく場合の条件設定を行っ ていく。 • 実用化に向けて、長期連続運転により信頼性 を実証する必要あり。 13 企業への期待 • 未解決のコスト削減については、将来的には ユニット化の技術により克服できると考えてい る。 • 空気清浄機などの技術を持つ、企業との共同 研究を希望。 • また、健康・医療機器を開発中の企業、エネ ルギー分野への展開を考えている企業には、 本技術の導入が有効と思われる。 14 本技術に関する知的財産権 • 発明の名称 :水電解装置 • 出願番号 • 出願人 • 発明者 :特開2015-187287 :宇宙航空研究開発機構 :曽根理嗣、桜井誠人、 佐藤直樹、梅本博久 15 お問い合わせ先 宇宙航空研究開発機構 新事業促進部 新事業課 e-mail [email protected] 桜井 誠人 JAXA 研究開発部門 第二研究ユニット 〒182-8522 東京都調布市深大寺東町 7-44-1 Tel; 050-3362-2909, Fax; 0422-40-3143 E-mail; [email protected] 16
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