Title Author Publisher Jtitle Abstract Genre URL Powered by TCPDF (www.tcpdf.org) 秋乃夜長物語 : 伝本解題並びに飜印四種 平沢, 五郎(Hirasawa, Goro) 慶應義塾大学附属研究所斯道文庫 斯道文庫論集 (Bulletin of the Shidô Bunko Institute). No.1 (1962. ) ,p.261- 370 Departmental Bulletin Paper http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00106199-00000001 -0261 語 物 長 夜 乃 秋 伝本解題 ― 五 伝本解題並びに飜印四種― 郎 沢 古く北朝、永和丁已仲春七日、書写日付の古写本の伝存する 平 和 三 年 古 写 本 以 下 、 そ の 数 は 多 い 。 左 に 掲 げ た も の は 、 本調査 の対象となつた諸本である。 ㈠写本 幸節静彦氏蔵〔 室 町 中 期 頃 〕 絵巻 高乗勲氏蔵永和三年写本 大東急記念文庫文禄五年写本 秋の夜長物語は、恐らく此の期をほど遠からずして成立せるも の、 文 字 通 り 、 そ の 先 蹤 を な す も の で あ つ た 。 遠 く 山 門 三 井 寺 のと識られ、暗 い 中 世 社 寺 の 片 隅に育成した異形の児物語部類 天理図書館蔵〔 室 町 末 頃 〕 写本 東京大学附属図書館蔵明治十五年小田清雄氏摹写本 慶応義塾図書館蔵天文九年写本 武田祐吉博士旧蔵奈良絵本 ㈡古 活 字 版 並びに整版本 横山重氏蔵片扳名古活字十二行本 ニ六一 の確執を背景にして、高 僧 瞻 西 の 事 実 譚 に 仮 託 し 、若き日の学 僧桂海と三井寺の美童梅若との、 いは 童 M 子花髪の戯れを愛憐 の思をこ め て 綴 っ た 異 色 な 悲 恋 で あ る 。作 者 は 誰 と 識 れ な い 。 ー説には正徳六年版応々翁方山書の跋に玄慧法印述作とな るにすぎなぃ。 現存 伝 本 は 、 ょ く 世 の賞飯を博したものか、永 し、 以 後 、 大 田 南 畝 、 山 東 京 伝 、 田 ロ 明 良 氏 等 、 之 を 襲 っ て ゐ た ^' 時代初期の永享年間には、絵巻ニ巻が殿上に賞翫されてゐたの ( 註ニ しない が 、看 聞 御 記 に 見 え る 記 載 な ど か ら す れ ば 、 すでに室町 ニ六ニ 竜 門 文 庫 蔵 平 仮 名 古 活 字 十 二 行 本 (未 見 ) 慶応義塾大学国文学研究室蔵平仮名古活字十一行本 を 思 ふ と 、か な り 古 く 、且 つ 本 物 語 の 読 者 層 も 、 か な り 広 範 に 亘 省 略 し た 。 又、 平 仮 名 古 活 字 十 二 行 本 は 、現 在 、竜門文庫にの 伽 草 子 編 に 、 詳 解 な 飜 刻 、 頭 註 、解 題 が あ る の で 、 其 の 解 題 は 題 に 於 て 詳 記 し た 。 猶 、永 和 三 年 本 は 、 日本 古 典 文 学 大 系 、御 以上は諸伝本の概略である。 が各本に就ては以下それぞれ解 で あ る と 云 は れ る 。 (典 籍 奏 鏡 .好 色 本 目 録 ) 又、正徳六年版は、之等諸刊本と大異する平仮名絵入ニ冊本 し、 別 系 を な し て ゐ る 。 片 仮 名 古 活 字 版 は 、此 の 平 仮 名 古 活 字 本 と は 異 る 詞 章 を 有 る。 み て 差 支 え な い 。 小 川 多 左 衛 門 版 は 、寛 永 十 九 版 の 覆 刻 本 で あ 入 整 版 本 等 は 僅 か に 語 句 の 相 違 は 認 め ら れ る が 、全 く 同 系 本 と 古活字版がその源流である。寛永十九年版、 〔 万治寛文頃〕絵 そ の 系 統 を 迪 る 事 が 出 来 る 。 即 ち 、所 謂 流 布 本 系 は 、平仮名両 ㈡ 、 古 活 字 版 並 び に 整 版 本 の 本 文 は 前 記 写 本 と 異 り 、 明確に 語に対する時代の一般の事情を汲みしが故とも思はれる。 章 に 、秋 の 夜 長 物 語 の 冒 頭 を 踏 襲 し て ゐ る な ど 、 や は り 、本物 ( 註三) と 、御 伽 草 子 中 で は 異 例 の 感 が あ る 。 夏 吉 物 語 、謡曲敦盛の詞 考へられるが、 こ れ ら 前 記 の 諸 写 本 の 古 さ な ど を 思 ひ あ は す るものであつたことが識られる。実隆公記のそれも同様な事が ( 註ニ) 慶応義塾図書館蔵寛永十九年安田十兵衛版 神宮文庫蔵同右無刊記後印本 横 山 重 氏 蔵 〔万 治 寛 文 頃 〕 絵 入 整 版 本 日比谷図書館蔵京都小川多左衛門版 吉田幸一氏旧蔵正徳六年版( 未見)以上である。 ㈠伝 存 写 本 の 本 文 上 か ら 之 を 概 観 す る と 、永 和 三 年 写 本 、高 節 氏 絵 巻 、文 禄 五 年 写 本 、小 田 清 雄 氏 摹 写 本 の 四 本 は 、比較的 近 似 す る 関 係 が 見 出 さ れ る 。 特 に 後 者 の ニ 本 は 、奥書に 云 ふ 嘉 吉本を祖として分かれたものであるからして当然の事である が、 永 和 三 年 本 と 高 節 氏 絵 巻 は 、 一方が絵巻であり平仮名交り 文 で あ る と い ふ 特 徴 を 示 し な が ら 、 之 等 の 点 を 除 く と 、 本文上 は甚だ類 似 し 、 そ の 差 異 は 、 か \る御伽草子類の写本の性質か ら み て 、僅 少 な も の と 云 へ る 。 次 の 天 理 図 書 館 本 、 天 文 九 年 本 は 、 各 々 そ れ - ^ の特質を示 し 、決 し て 同 系 本 と 見 る こ と は 出 来 な い が 、前 記 四 本 に 較 べ て 、 は ^永 和 系 古 鈔 本 と 、 大 き く 類 別 さ れ て よ い と 思 は れ る 。 詞 章は、同様なる箇所に於て、簡略化せる諸点が認められ、 い 武 田 博 士 旧 蔵 本 は 、之 等 に 比 し 、近 世 化 せ る 様 相 が 示 さ れ 、 流布本系の流動した一異本であらう。 本 物 語 が 、何 時 の 頃 か ら か 絵 巻 物 と し て 行 は れ た か は 判 然 と み蔵するが、先方の御都合にょり拝見出来なかつた。竜門文庫 僅か照応するに、語句には、多 少 の 差 異 が 見 出 さ れ る 。 調 査 善 本 書 目 に 載 る 本 物 語 冒 頭 第 一 葉 の 写 真 と 、前記十一行本にて 後 、次号にて之を補ふつもりである。 猶 本 物 語 の 書 名 は 「秋 の 夜 の 長 物 語 」 「秋 の 夜 長 物 語 」 とニ 通 り あ る 。 孰 れ が そ の 正 確 な る 呼 称 か 忽 か に 定 め 難 い 。 以下 各解題はその内題を以つて統一した。 註 一 看 聞 御 記 、永 享 十 年 十 一 月 十 一 日 。 晴 。 秋 夜 長 物 語 絵 ニ I 晴 、今夜自中院番 I I仍 入 夜 著 束 帯 参 内 、 於 竹 園 秋 夜 永 物 語 読 申 之 、 今 註 ニ 実 隆 公 記 、文 明 七 年 十 一 月 十 日 巻 。 自 内 裏 被 下 。 一覧。 ( 続群書類従補遺四) 代相博、 夜候宸殿 提 の 機 を す X め。 秋 の 月 の 水 底 に し つ む は 。 下 化 衆 生 の 相 を 註 三 嘉 吉 物 語 、 冒 頭 。 「夫 春 の 花 の 樹 頭 に の ほ る は 。 上 求 菩 顕。 人 間 有 為 無 常 の あ り さ ま 。 因 果 の 道 理 の か れ か た き 物 也 」 (続 群 書 類 従 第 五 百 七 十 七 ) 謡 曲 敦 盛 。 「4 れ 春 の 花 の 樹 頭 に 上 る は 、 上 求 菩 提 の 機 を す \ め、 秋 の 月 の 水 底 に 沈 む は 下 化 紫 生 の 相 を 見 す 。 し か る に 一 門 門 を 並 べ 、 累 葉 枝 を 連 ら ね し よ そ ほ い 、 ま こ と に 椹 花 一 日 の 木t に 同 じ く 云 々 」 (日 本 古 典 文 学 大 系 謡 曲 集 上 ) 幸 節 蔵氏彦静 室 町 中 期 頃 絵 巻 「秋夜長物語」 、 三軸。 装 幀 、 料 紙 鳥 の 子 紙 。 紙 幅 三 十 ニ .五 犍 。 金 銀 の 切 箔 を 置 い た 着 雁皮紙で総打裏がしてある。 地。 見 返 し は 布 目 金 紙 に 金 銀 雲 形 模 様 。 表 紙 、薄 茶 色 地 に 方 円 つ な ぎ 、 蓮 、 牡 丹 、 宝 づ く し 模 様 の 緞 子 本文、竪ニ十九醒。 内 題 、 「秋 夜 長 物 語 」 。 題 簽 、 なし。 奥 題 、 なし。 字 数 、 一行約十五字〜廿三字。 本絵巻はつとに梅津次郎氏にょり国華第六七八号の誌上に紹 画図、上巻六図、中巻七図、下巻七図。 介された。 それにょ ると、 その画風は大和絵の正統派なる土佐 あ り 、 その 点 、時 代 の 的 確 な 判 定 は 下 し 難 い が 、先づ室町中期 家のそれとは径庭があつて、云は父町絵風とも呼ぶべきもので 以 降 を 以 つ て 擬 す べ き も の と 述 べ ら れ て ゐ る 。素人目の私には 如 何 と も 云 ひ 難 い が 、絵 は す で に 古 色 に く す ん だ 原 紙 に 、 や \ 淡 く 褪 色 の あ と を し め す 。 が 元 来 が 淡 雅 な 彩 色 で あ つ て 、詳 密 ニ六三 な構想のもとに、 ょ く 古 勁 な画趣をと^めてゐて、御伽草子絵 卷中では逸品のひとっであると思はれる。 備考一、本文は平仮名交りの文体であるが、なほ所々漢文体 の表現の跡を残し、 返り点、送 り 仮 名 等 を 小 字 に 附 し て ゐ る 処 が あ る 。特 に 巻 頭 巻 末 は 著 し い 。句 点 、 濁 点 は 無 い 。振仮名 は 元 々 は 施 さ れ て ゐ た も の と 思 は れ る 。 そ の 後 、 細字の振仮名娜 あ と は 、削 り と ら れ た ら し く 、現在' では薄い墨跡が残ってゐて ニ 、 三 の 振 仮 名 を 、 も と の ま X に、 と ど め る も の も あ る 。 漢 字 原 初 の 様 子 が 窮 は れ る 。 な ほ 、 「水 干 」 「那 辺 這 辺 」 の 如 く 、 本文書写の後、書落し、 誤写の部分を改めたあとがあり、同 の 異 体 字 は 余 り 多 く は な い が 、所 々 に 散 見 す る 。 じく行間に補訂せる処などある。 そのニ、 三を例示すれば、 筆細字にて行間に書入れしたあと、或ひは朱筆にて塗抹し、同 「壮 年 の 比 、 花 の 落 o 葉 散 を 見 て … … 」 西に向て念仏十へんはかりとな袅て身をなけさせ給つるか 「門 主 も い た く 酔 せ 給 て 候 へ は 、 ふ け す く る 〇 帰 ら て … … 」 「紅 梅 の 小 袖 に 水 干 の し も は か り め さ れ て 候 つ る か 、 〇 あ ま 児侍 り に か な し く 見 ま い ら せ て 候 つ る 程 に … …」 等 々 の 如 き 訂 正 の墨痕。 或は 「こ れ や も し 昨 日 の 児 の 童 な る ら ん と 思 て … 」 ( 朱筆ミセケチ) 1 I 一六四 : l なるさまに ( 朱筆ミセケチ) こゆるきのいそきありて 「其 坊 主 ね ん こ ろ に も て な し て 〇 常 に は 児 と も あ ま た 出 し つ v . . わりなき白ハはかはらねとも ( 朱筆ミセケチ) りし緑のかみ〇ありし眼ふさかり一度咲は百 か -' ( 朱筆ミセケチ) 「む な し き 御 旨 な り と も . 「こ ほ れ て の媚o 色 変 し ぬ れ は …」 等の書込みがある。 又 「円 転 」 を 「閃 電 」 、 「畏 怖 」 を 「畏 懼 」 と ィ 本 を 校 す る 本 絵 本 の 巻 分 け 次 第 は 、 上巻は 処などがある。 御酒宴にて候つれ門主もいたく酔せ給て候へはふけすくる 「若 公 は 三 井 寺 の 加 様 に 成 ぬ る を も し ら せ 給 す 、 石 の 楼 の 中 下巻は に お し 籠 ら れ て 、 明 暮 な き し つ み て お は し け る 処 に … 」 より 起筆されている。 此絵巻は甚だ保存よく、紙魚のあともみられず、僅か数語、 備考ニ る。 本 文 は 他 写 本 と 比 較 す る に 、 本 物 語 最 古 の 写 本 、 永 和 三 年 墨跡の薄れによる不明な箇所を除いて、古 雅 に し て 美 麗 で あ 本 に 、も つ と も 近 い 関 係 を も つ も の で あ る こ と が識 ら れ る 。 片 仮 名 交 り 文 と 平 仮 名 交 り 文 の 相 違 、 又 仮 名 遣 、 送 り 仮 名 、漢字 と仮名、清 濁 、 同 義 の 異 字 等 の 異 同 を 省 略 す る と 、 おほよそ次 掲 の 別 表 の 如 く 、 写 本 特 有 の 甚 し い 差 異 は 認 め ら れ な い 。 此の を 識 別 す る 本 文 上 の 特 徴 は 、文 禄 本 、 天理写本解題中に簡略な 又同類中の別本とも云へる。此の三つの古写本と他の諸写本と 永和三年写本についで、大東急記念文庫蔵、文禄五年写本は、 が ら 記 し た の で 、 こ \で は 省 略 し て 、 同 類 本 、 永 和 三 年 本 と の 異同を次に掲げることにする。 き よ し 仰 ら れ 候 つ る 、 門 さ X て 御 待 候 へ と い そ か し け に い \す 「律 師 は 是 を き く よ り も 魂 乱 て 、 い つ く に あ る 我 身 と も 覚 中巻は す、 ふけゆくかねのつく' —^と 、 月 の 南 に め く る ま て 待 か ね た る 処 に …」 よ り 始 り 、 「三 千 七 百 余 宇 一 時 に 灰 燼 と 成 は て X、 新 羅 大 明 神 の 社 壇 よ り 外 に 残 坊 ー も な か り け り 」 、 にて終る。 一六五 て Xこそ帰りけれ」 にて終る。 まて帰らて祇候せよ、 めしくせられてこれへ忍やかに御入候へ —1 ^ ー = ロ 幸節氏所蔵絵巻 /相 違 ハ 之 ヲ 省略 ス ) 〇 人毎一一旧縁ノツナグ処.ハ . . . . 離タガ キ 習ナレふ 余波惜ケレハ 外こ チニ動キテ ⑶ 月 日 ヲ .送 ケ ル 処 ノ •心ウ ( 上 段 ハ 日 本 古 典 文 学 大 系 /頁 数 並 ピ 二 行 数 。 漢 字 ト 仮 名 、 清 濁 、 仮 名 遣 、 送 リ 仮 名 等 年 三 年 本 天 語 ナ ク シ テ ッ無シ ぬる に s き 書伝に載する所は 一七日ガ間 ロ ミ タル S菩 提 ヲ 禱 ケ ル g七 日 .満 ケ ル g枕 ニ •テ チトマド 仏殿ノ錦ノ帳 § 容色華麗ナル児ノ 一 ⑴ 縫 シ タ ル 行 H トモ • 是ヲ • • ⑴ 遠 山 桜 -一 花 二 度 袖 -一 フ リ カ 、リ ⑵イヅ方 ニ六六 • . . 旧 縁 の つ な く をは 人ことにはなれかたくおも 1 ふ り か \ り た る を ••袖 に 無 >.1 シ デ無シ 昏 ハ無シ トト無シ 'い無シ 七日にましける とそ 無 iシ 無シ 一 一 ロ にぅこきて 月 日 を そ 送 け る ..其 心 内 -^ (別 表 ) i 人 ア ツ テ 順 逆 ノ 化 導 ヲ タ ル 、日 善 ニ コ シ ラ へ 玉 フ ⑽ 経論ノ諸説 書 伝 ノ 載 ル 処 . 申 ス -一 語Hス タ 一条院の御宇に西山に 一 無シ 世 西 _山 ニ , 一 一申 待 ラ ン 北 嶺 東 塔 .衆 徒 .••、 勧 学院 ハ無シ 北嶺東塔の衆徒に西谷勧学 院 於 木有リ されは有リ め有リ 宰 相 ノ 律 師 ..或 時 ハ 忍 辱 ノ g四 教 三 観 ノ 月 ヲ ス マ シ . ⑵•葉 ノ 散 ヲ ⑵ 夢ヤサメタリケン ⑶ コハソモ何事ゾヤ ?: M - 71C 思心イデキ二ケレハ 462 s a ) ( 2) <• (6) (7) (1 3) (8) r- 461 Ti-o* ^: 460 16) (9) (9) (7) (14) (13) (12) (11) (11) (14) (5) ア 見 へ ズ ナ リス ⑶暮行ケシキニ消へ ⑶ ⑷ il. 一 明ケ果テヌ間ニ 立帰ヌ外ヨリ 時ノ程モ身ヲ ⑶ め魂香 ァ無シ けされて 間無シ 無シ ハ無シ 反無シ ト無シ 武 帝 ノ 御 思 モ 身 -一 知 ラ レ 夢 の 後 .面 影 に 立 木 も し ら 詠レ " 暫無シ 無シ は有リ すと ⑽ 空山ノ花ヲナガメテ 我 離 山 ヲ . 一 -I w 夢 ノ 後 ノ 面 影 •便 モ シ ラ . K ⑴ ⑵ 暫雨宿リセント 下 H リ行処 しけり ^る iレ おほふはかりの袖もかなと 霞 に も か ^る 1 へ き 心 •な む しけるに まわりて 海 松 態 ノ 如 ニ .イ ゥ く て トゆ ら ^^ヽ ; 無シ ルい無シ てアリ ぅ つ Xわ け か ね つ g見 シ 夜 ノ 夢 ハ 打 忘 レ . ⑵ 現 ワ キ カ ネ テ 無シ ト 云 . . バ 何 事 -一 テ チ ト 物 ..申 候 ハ ン ン ト 昨日ノ児ノヲモト人ナルラ 門ノ外一 出 タ リ .是ヤ ⑶ 知リ参ラサセ玉フト るを有リ とひ有リ 給 わ わくかたなく 昏 於 すこさせ 被 一 一召 使 御 心 -一 一 ナラ 方デ 梅 若 公 ト 申 シテ 月日ヲ渡ラセ玉フチリ g りける 壺ノ石文ッテニテモ 無シ ト ゾ 語 ル ..聞 ニツケテ ⑶是社此方 あ り ⑷ 御 房 ノ 側 ニ タ 、ズミタルー 一 ノ 無 シ タ 、ズ ミ は 俳 個と ⑶ 第四 日暮ルレドモ ; § 我ヲ迷ハシツル g顔 バ セ イ フ 計 ナ キ 様 柳 ノ 糸 ー 一 打 縛 レ テ (14) (14) a5 T •.人 に や と ?)- ⑶金堂ノ 方 ⑷ 雲ヲ凝セリ 二 八 計 ノ 児 ト ウ チ ス サ ミ テ 思バカリノ袖モガナ. W霞ニモカスべキ心地ナンシ んぃケ 見 ル 人 ア リ ヤ ト *• ニ六七 r- 463 464 ( 1 0 T - i: (6) (5) ( 6 (6 (10 e) a5 a (7) (6) (5) (1¢ (13) ai (10 (5) (12) 無シ もせて ソナタノ梢ヲダ一見ツ、 ⑶ 第五 ⑵ 石 山 ヱ ハ 参ラテ ニ脚歩テハ立帰シヶレバ 山ニ帰リヶルガ 暇 .請 テ サ: ス ガ ニ ヒ タ 、ヶルヮザナ g レバ +. さ卜の桂寿にかたらひ 無シ に有リ 尋出シテ 前ノ桂寿 ⑻ 軽於 金ノウチ枝ノ橘一一芍入テ 語 H ライ は 夢 ト 現 ト ノ 面 影 .起モセズ 6 かく 山 登 H ラント テ 千弓ノ繩ノ腰 ツ ヶタラン 一 一 \ ⑶旅 ノ 衣 一身ヲヤツシテ ⑶ 騎馬ノ客一騎道一一待逢タリ ニ六八 をも ぅ V つ小 をアリ 二 足 あ よ み て は 立 と \ まり けれは ラい無シ を かかか 一騎無シ、 待 は ゆ き 人ノ $ 律師ガ手ヲ取テ 側 は 傍そ有リ ひきて ぎ k に て 有 リ 「戯 レ 」 ハ た は > れ 」 トァリ ⑶ ィ カ ナ ル 山 ニ *迷トモ タノミケン ィツハリノアル世ヲ知ラデ 你 嘆 事 ..候 バ ヤ ト 戯 レ テ 色殊( ニ) コガシタル 側 ナ ル 社 堂 ニ •立 寄 ヶ リ 律師ヲ見テ -t -: き程有リ 我 ナ ラ ヌニ 、弓留ラレヶレ / 無シ ダ 候無シ -L ⑶ 志 ノ 深 ..ヲ 見テ 第へハ マノ花ノ木陰 H '■ イカニ黒ミツクストモ S 雨ノタ g モ無シ ⑴ 人 知 レ ズ 思 ソメ 候 ケ ル ⑴ 袖ノ色ト く ノナシ て有リ と有リ • ⑶ 某 ノ 僧 都 •ヤラン 板踏ミ鳴ラシ ⑶ 袖ハ中へ ⑷ 摊ヵヘシ たちそふ雲のか乂るおもひ 誠に身もあられぬ鉢なり 誠 -一 • • ア ラ レ ヌ 様 ナ リ ⑶ アダナル雲ノ懸ル迷ヒハ 無シ しはらくはあたりなる坊に ⑶を A- K -* • %• (13) (13) a0 朝 ニ ハ ア タ リ ノ宿ニ 0• 0• 465 466 (1 4) (1 a6) (7) (6) (6) (5) (6) (6) (5) (14) (3) (6) a]) U ナヨビ力ニ ⑴ 若公 や 此 ⑷ 螢 ヲ バ .. . 軒 ノ 簾 台 ノ 端 無シ なるさまに 第 八 ノ 無 シ 丑 ン無シ か に懸て 營をはか窓の軒 3 i簾 gシ バ シ ガ 程 ノ 宿 ニカケ* ニ 云 ト モ コ ト ノ 葉 •ナカ ゥッリ香モ サシモ間遠ナリシ所ノ袖ノ 前 —立テ 庭 ? 還1 ハ 由ヲ 身ヲソバムル様キ計ニアル 律 師 答 フ べヲ キ ねんころにもてなしてこゆ イ ソギ ア リ テ 常 .ハ ギノ ⑴ ネンゴロナルサマニコユル を Hはへ るきのいそきありて常には ⑴ 管絃ノシ ゾ有リ ト無シ 院家の傍に 有 6 リ、 も有リ あ ルペシ M コ ヤ ノ 枕 •川 嶋 ノ ..流モ M寒 ク .. 浅カラヌ 紫蘭ノ夢 s紅 涙 ...留 ガ タ ケ レ バ gホノカナルカホんセ 風 して有リ 浅からす さ夜の枕を川嶋の水の流も 語 に ...詞 も な か る へ し テ• #- Hタル な•先•立• b* 有 す. リ 歌合ナンドシテ. ⑶ 陰家ノ側ニ ⑷ 若君ト 人 目 モ ガ ナト 求 様 ナ レ ド . 今 夜 コ ソ ..御所ヱ 御 酒 宴テ M 候程二 い \す て X こ そ 帰 り け れ 御入候へきょし仰られ候 無シ . 先に立て有リ g思 ハ 色 深 ク 見 g別 テ 後 ノ 面 影 モ ⑴ 第 十 470 W 御 入 候 べ シ ト 仰 ..候 云 捨 還 ケ ル ; § 第 九 狨音ーケレバ g椹 障 子 ヨ リ 遙 ニ 見 出 シ タ ル ニ 例 ノ 童 ...•魚 脳 ノ 燈 炉 ニ 光幽 ⑴ 其 形 青 営 ト シ テ 朦 朧 タ ル ニに し て 朦 臟 な る に (7) (7) (6) (la ae no (l^ a0 '/• 螢ヲトモシテ *• A T- バセ無シ のわかれ有リ M - (6) (5) (13) (2 (5 (10 (9) (13) a6) a6) ニ六九 無シ J: 468 469 ⑵ 若 公 ヲ送テ ⑶唐居敷一立カネテ居タル ⑷ 語ハサシモ 律師ゲニ思モワカザリツル 皆 たる 唐居敷の上にたちかね.• (無シ は夢とたに 無シ を有リ ⑶ ゲニモ理リカヤ ト •思 知テ .一 冥 々 タ ^雲 霧 ⑵ 答テ ン ゲ リ 是 ハ イ ツ ク.... ,£3, 渡候ナラン U年ノイトタケタル 松ノ陰一休ミ居タル処 一 片 時ノ際ニ 舁 ( キ)以テ来リケル g泣 ク 音 御 H ⑶ 溟 濛 づ ル 暗 室 -一 道俗男女 ⑶ 松 ノ 嵐 ......涙 ノ 乾 ク 隙 モ ナ シ ....... 押籠ラレテ 一 一 邮湖水ノ月二心ヲイタマシメ カナ ル 天 狗 ユクタビ M 行 ク へ キ 方 モ 知 ラ ス •出ヌ 歡 關御手ヲ引ケル童 レ果テケレバ イ g心 疲 レ 果 テ 、 ±- 比 叙 ノ 山 -^- ⑶条 ⑶ 面 影 •身 一 ソ エ 一 山 H登 タ レ ハ 心 シ ホ レ . . . . テ世ノ 9し ほ れ 魂 ぅ か れ て 世 の 人 事の物. 云 V かはす を有リ 無 シ で ノ無シハ無シ (9) a5) ニ 七 〇 かなる天狗 土里あまりのいたはしさにい ハ無シ 湖以下十二字無シ 々 力無シ ょ り , iつ ち へ 六 字 有 リ ハ無シ ゃ 'fb^- ノ物謂モ云カハス ㈣人 — 対 面 . モセズ 的臥沈テゾ日ヲ送ケル 心 苦 キ又〇 !ニ 思 ク ブ ヲ レ テ 音 信 ノ ア ル ト 暫 ハ も rゾ 無シ ••••ま か て な は モ姐〖シ、 テ 有 リ いかなる山のおく それ と も ⑵ 風 ノ 心 地 ト ヤ ラ ン 聞 シ へ ⑵ 露. ノ命モイ力、 >ナ リ ヌ ラ ン ⑶ イカナル山ノ奥ナリトモ 碎申置事モナク. ⑷ 此 慎 -一 テ 出 ナ バ ニ _ かH ハ無シ 472 果 . 無 立 •童 • な . テ.シ有有 無 リリ シ か間 «• 湛以下四字無シ す道俗男女 にところせレわれのみなら 松の嵐のひわもなく涙は袖 ラレ無シ ^■ t- 471 ⑷門主ノ御意一モサコソト思 ワレテ 云捨シ言ノ葉ヲ実 シテ 11 T- (7) (6) (6) (5) '/• £* !: s A - イ カ ナル山ノ ^- (9) ao (10 (14) (14) (6) (5) ニ s若 公 ハ W只事ナラズト W 御嘆アツテ s知 人 更 ニ ナ カ リ ケ ル 処 ニ 無シ ハ無シ にあらすと ぎ か ? 务祭 無 シ せ む 有 リ 、 事無シ を と モ 無 シ 何 上有リ 此間連々忍て 候 し か りさるに 夕 亥 剋 計 ニ 行遇セ玉ヒテ候シカ 寄 h .•スル事ハ 御 唐 崎 ノ 浜 ニ テ 此 際 •.忍テ 何 様 カ ド ヒ 取 テ 謂 力 . ハス 山門 宅無シ るに 心る 無シ 猶 .憤 を 散 せ す し て 第 十 M 立 .•ケル 蜂起セザラン 公 家 奏 >一ス 武 家 ニ .訴 . マ デ 申ノ日ニテ 勝タル同宿 ⑷ ー合戦シ. 3 か 寄 ル 474 ガ為一一傾テ 如意越ヨリ. 湖水モ ⑶ 死ヌルダモ顧ミズ 本 か S C林 I坊 蜂合ノ儀 ギ 戦 フ 大 衆 -一 ハ M 是 •ヲ 先 途 ト ... 鬼 駿 % 唐院ノ七天狗 ノ無シ : 3義 ヲ 金 石 的南ノ院ノ八金剛 如 意 越 ノ 道 や が て 有 リ 、 三無 シ 祕 11シ 城 壩 二 構 テ ...三 摩 耶 戒 ゐ て ^- たり有リ るへき 無シ ノ 無 シ 、 ニテハなり 触訴る て有 ■ り そ有リ 是 ガ 為 一無 1シ 死をもいたます -y 3:- ft- 1父 ノ か 府 モ ⑵ 左 府 ノ 第 宅 ⑵打 寄 タ リ . ⑷ 坏嚙嘀払フ i ー. ー 同 に ( 1 0 s鏃 甲 胄 ヲ 通 ジ g落 べ シ ト へ 壇 ニ七一 も i 義は儀祕は比 ノニ字無シ ハ無シ く ••大 衆 に は 是 等 を 先 .と し て 押 寄 す 禦 ノ無シ 無シ U4- Ga) (14) (14) (13) &0 (7) (6) (5) ®- (10 al) a0 (10 -«- X- .舊 当 . 不 散 シ テ ⑶ 地 ノ 利 .次テ 亡 ス . ^• •M- m*+* -«* 0- ao m±* 473 ¢5) (14) (14) (13) (13) (13) a6 (6) (6 (5) al) (10 (8) ㈣ 云甲斐ナキ いけ は有リ I有 リ ⑵ 落 サ デ .ア ル べ キ ⑴ 堀 一 .死 人 」 テ 一 ッ無シ ヤ無シ ⑷屛ノ柱 袈 裟 切 ハ無シ 得無シ ざ 足ヲモタメ ⑶ 兵ノ三百人 ハ無シ 類 モ 無 キ ニ七ニ モ無シ かしこくそ ノ、 ニ、 無 シ たり に有リ ヶル 何 ノ 故 ニ 力 中無シ 取 ⑷ ネシクモ此梅若公 軍 ノ 最 中 • はかり有リ 淡 路 国 ょ り の .物 と て 無シ 聞有リ や無シ 免 戒 •つ く り て ル 寺 中 ノ ⑵ ト問エん ⑶ 戒ヲツ ク リ テ • 聞玉テ .べ キ 穴アサマシヤ 尋 g阿 波 路 ノ 国 ヨ リ .進 物 ト テ 的第十 八 十 有 余 . . • ナル ひてりの有リ , ..••雨 雲 ノ ハ ヅ レ s此3 翁 リ やすく t けれ有リ そ申ける 1候へ人におとり候はしと と 覚 え 候 水 な ん と く まさせ ハ無シ からめての勢共七字有。 分丨ゾ申ケルニ 昀翔候ハン事ハ . 丨 ト • •• 以下二十三字 置有リ 無シ は有リ と 电 # ⑴ ト 問 . . . 、ハ ⑷輒 ( ク)都へ か無シ に有リ U カリソメナガラ立別テ リ @ト ラ ヱ テ .候 左方右方 ⑶ 如意あ に有 リ 得 ズ ⑷ 塗ハグシタル ⑷算ヲ跳テ ⑵ 見 mヤト ⑶ カツ パ ト 飛 下 リ 続 . • 切 テ 廻 ル . . $- ..責 入 け る 中 に ⑶ を往左往 斗 テ 落 テ ユ ク • 八 方 責 入 レヶ バ ハ S蘊 奥 ヶレバ s 風 -t:- 小いさかい :r . s若 公 . 呦 物 語 . •シケル ⑴ ⑵是 等 こ そ J (3 (5) (5) (5) (5) (11) ao ao M- 477 m . t: (13) (7) (7) (5) (9) (9) 3± - G) a 4 7 5 4 7 6 ⑷ 付 参 ラセ 候 ク) 掌 -一 入 .( 暫 ユルガシ居タルニ 電 11応ニ 大 水 ..-一 成 ニ ヶ リ 丰 テアリ暫( ク)無シ る の. 有 リ 忽に大竜と 翁無シキはく i ⑷草ノ露ノシタぐリ い 我 棲 ..シ 色 • り 草 .露 に 於 すて^ リ kk りし 無シ なか有リ 御 拝 殿 明 シ ッ ) 第 十 九 ㈦ 門 主 。 ㈣ 行玉タレドモ 我 山 門 H登 .候テ 律 師 。 御 房 。 ト .申ヶレハ § 心アリケレハ g 人 モナクハ ⑴ 哀ー|テ遙ニ見送ト立玉フ 無 シ 齓無シ サ 世ノ ..哀レ 余 波 惜 ク ⑶ 棲 馴 シ処ナレバ サコソ神慮 ⑵ 違ヒ 我 故ナ ル • 事 tt- ⑵打見テヨリ a» y- ⑶倐 然 電翁光天一ヒラメキ 於 勢 恐 ヮ ナ 、キテ い無シ うははれさせ給て候也 しろしめされぬ X- •h 童 児 • 諸 ヤ ル オ ノガ 様 々 ニ 古 郷 •..花 園 行玉タレハ 甍 ヲ 並 べ テ S亭 m人 モ 無 シ 奪ワレサセ玉ヒテ候ヲ 御里ニ知ラセ玉ハヌ事ハ § ⑴内府ノ御行末 を と X の御行へ 申有リ ⑵ 尋申候ハン程モ に かれ有リ 尋問程I • • テ 479 無 シ とそ申ける を有リ の有リ へ罷出 は有リ ま 無シ -7* ニ七三 打 、 テ無シ かし給ふ あ は れ に て そ \ろ に 涙 を な %• 有 ⑶ 童御手ヲ 弓 (7) (7) (7) (6) (5) (10 (9) (9) (1¢ C14) (14) (14) G) a M * S S.ケル 478 ^• し•宅•テ•へ•を•へ•無 無 は •尋 • シ シ て• (8) (7) (7) (10 ao (9) (9) A6) (14) (13) (13 a6) ( 3 ⑶ 此際 ⑷ 押 シ 披 タ ル -一 i心 ア ヤ シ キノ 、歌 か .... ア リ ニ立 テ 〕 s . i行 g歎 キ 給 ハ ン ズ ラ ン 阳投ゲサセ給テ候ツル g見 参 ラ セ . . ツ ル • ニ • ⑴ カ ナ ク 罷 過 候 ナ リ ン ス レ ド モ Hテ 纏 フ シ ヌ べ S. ⑶ 疑 処 .ナケレバ ⑷足手ナ 地 ⑷輿ヲ早メテ 小 あ や し き •.歌 の こ と は 在 前 ハ 先 、 テ無 シ 無シ て テ候無シ 見まいらせて候つる程に 罷無シ 無シ も有リ 手足もなへたるこ乂ちして たはれ臥ぬべき思なれとも ふ 御無シ ハ無シ マモリ 御 身 ヲ ハ ナ タ デ テ H おなしぅ 小念珠ヲ添 寄リテ無シ 底 ヲ 1 同宿中ノ物共 一 給 H ネ ハ -一 フ シ テ 残 ル 処 ナ ク 岸ノ影ヲ S 見 M 地 時 移 リ . ㈦紅葉ハ紅深キ S見 .テ 岩ノ影 s物 .アルヲ カホバセ 居タルヲ 童 ハ脚 ヲ 懐 ノ 中 二 抱 キ テ ニ 七 四 ハ無シ のそみ見給 さす まて 1 ぬ程に かツて テ無シ て有リ もみち葉の ハ無シ え有リ の有 リ り ぐ 無 シ 童 .御 足 を ふ と こ ろ . . に 御有リ いたきて •在 様 ヤ 一成ト思食テ gイ カ - 御有リ 泣有リ あたりの有リ も有リ 下に有リ 思食無シ .事 シホノ^^ト シ タ ル • • 、 ,胸 ノ ア タ リ . ヒ ヱ 果 テ ヌ .. ⑷か •.苔 -I臥 .声 更 ニ 7* アマタ寄リテ (9) ( 1 0 (9) ?- :. 同 流 -一 身 ヲ か か シ ャ 其 空 キ 御有リ ;: (10 (10 (11) ( 1 0 4) (1 (1 5) (1 3) (1 5) G a ) (3 ⑷橋ハ爪 £ •顔 @ ト モ カ ク モ ナ ラ メ ト • • テ 思ひ有リ 48 S: ^-- 3- (3) (6) (6) 480 ikM- (5) (8) fl- (7) (6) (6) (5) (5) (8) 翌の务 肌 •胸 を ハ無シ 後皆帰とも シ 輿 車 ヨ リ 下 リ テ W 玉ノ冠ヲ正シクシ 入玉ハ (10 (10 降 ( 落) , ハ 献酌の例 ハ無シ ノ ^^ シ 、 クはふ : 3金 張 ノ 内 s 還餘 S S •.寺 門 ノ 外 マ デ 第 廿 三 玉ハ ’ ⑴ 建 立 ノ事 . ⑴任 ⑵ 興隆ヲ知テ 無シ は有リ 玉 .橋 を テ無 シ 存して テ 候 無 、ゾ 遊戯レサセ玉フ 山門擁護ノ. 3ソ 遊 戯 .さ せ 給 候 神有リ そ ⑶ 背テ テ無 シ ⑷ 御 心 ヲ 悩 マ サ レ 候 ラ ン メ ト 御 心 を 悩 さ せ 給 候 らめ と こ ⑵ 興行仕テ候シ 明神有リ S献 H 威 儀 ヲ カ イ ツ ク ロ ツ テ ^ , 膚 二 胸 ヲ £ かノ日 ⑶ 同宿 中 ノ ⑶ 次 を -一 帰 レ ド モ ⑶ 御 歌 -一 か い ト i無シ ヵシ無シ ハ無シ 1は < ? 、モ 4^レ テ無シ 483 S弔 身ヲ力へテ 為二テコソアレト S 叻西 山 ハ 彼後世菩提 老シ かり有リ 夜いたくふけて後 ^. 誰 な る ら ん . かれす是を テ無シ かこみ へい かたふ小 無 シ T'y x7-- 皆テ S第 廿 ニ ⑴ 住 寺 ス べ キ モ 様 ナ .•ヶ レバ ⑵ 奉リ ⑶ 夜 .•.深 テ ノ 誰 ナ .ラ ン ト 目 モ ア エ ズ ..見 レ バ 乗 1ハ カンザシヲ懸タル夫人 g i ⑶ 相をハ 日 吉 ノ ⑶ 一隅 ヲ与フルモ ⑶ 垂 ル 、日 福 S ル無シ ル 、無シ M- ニ七五 7* 482 (11) 46)(15) (6) (5) ;: a - <■ M - /• (7) (1¢ a0 (14) (13) (6) (5) (5) (7) (9) ⑶ 是ヲ非トシテ g我 悦 処 ヲ バ ©経 論 聖 教 ノ 焼 ヶ タ ル 的 此 悲 一 一 依 テ .桂 海 ガ 賀 シ メ 給 ハ ン ト無シ 我喜ことを. も 此乱によて今桂海か し シ :メ 無 シ . 有 リ 無 シ け ⑬ 雲居寺 ノ義式ヲ s廿 五 ノ 往生( ノ)人ヲ向 § Sト 云 事 ナ カ リ シ 力 ハ 昀玆ニ来集シ 娀聞人共一感嘆シテ 追 記 給 Hフ 幸節家絵巻の画図の箇所は、 ほ ニ 七 六 雲居寺といふ御堂を建立し の儀式を て 年 々 の 春 こ レ に 一 :ー 尊 来 迎 ハ無シ 於 無 シ M永 和 古 写 本 の 段 落 と 一 致 す 第 五 図 は 「い つ わ り の あ る 世 を し ら て た の み け る 我 こ X ろさ る。 も ひ は 」 の次、永 和 本 、第 五 段 を ひ と つ 飛 ん で 、 第 六 段 末 に 当 第 四 図 は 「頼 ま す よ 人 の 心 の 花 の 色 に た ち そ ふ 雲 の か X るお る」 の 次 、 永 和 本 、 第 四 段 の 終 り に 当 る 。 第 三 図 「石 山 へ は ま い り も せ て 、 こ れ ょ り 又 我 山 へ そ 帰 け ふ心な る ら む 」 の次で、永 和 本 、第 三 段 の 終 り に 当 る 。 第 二 図 は 「こ れ や 夢 あ り し や ぅ つ \ わ き か ね っ い っ れ に ま ょ け る 」 の次にあり、 永 和 本 、第 二 段 の 終 っ た 処 で あ る 。 ひけれは、石山の観音をこそかこち申めと思て、又石山へそ詣 即 ち 第 一 図 は 本 文 「暮 待 程 の 露 の 身 も あ ら し 、 い ま は と 思 わ る0 M- '>■• 至 サ ン ん ル 明 神 .張 ⑵ 第 廿 四 な 皆 有 リ 辺. フト ⑷ 同 ク .発 心 庵 室 *,1. 半 ヲ 雲 -一 分 ヶ テ 渓川の声 .人 ヲ 問 フ 度 毎 ニ 旮ハ 聲 S書 キ ッ ケ ラ ル 、ヲ - 厭 フトスレドモ '77-* W 同様ナル W s y- 門ノ客 3桑: ⑫彼方此方 リシ シ シ 這 • 484 ⑬ 東山ノ ノ.那•人.さ•モ.在.け.石.無.川.内.へ. 無辺* ま•無て•る•壁•有無に. &5) (14) (1$ (3) *3E(7) (7) (6) (5) ■ (10 へ ぅ ら め し の 身 や 」 の次、 永 和 本 、 第 七 段 の 終 り 。 第 六 図 は 「門 さ 乂 て 御 待 候 へ と い そ か し け に い \す て \ こそ 第 七 図 は 「ま た あ ふ ま て を 待 程 の 命 あ る へ し と も 覚 す 」 の次 帰 り け れ 」 の次、 永 和 本 、 第 八 段 の 終 り 。 永和本、第九段の終り。 第 八 図 は 「共 に 見 し 月 を 名 残 の 袖 の つ ゆ は ら は て い く 夜 歎 あ か さ む 」 の次、 永 和 本 、 第 十 段 の 終 り 。 第 九 図 は 「若 公 と 桂 寿 と た \ 二 人 、 行 へ き 方 も 知 す 立 出 ぬ 」 の次、 永 和 本 、第 十 一 段 の 終 り 。 1g い。 第 二 十 段 文 中 に 数 行 入 る 。 但 し 、 之 は 、 文 禄 古 写 本 の 第 十 山へ 馳 て 行 」 の次にあつて、永 和 本 、第 十 九 段 末 と 一 致 し な 九段の終りに当り、任意的な構想とは思へぬ。 第 十 七 図 は 「み え さ せ 給 候 は ぬ 程 に ち か ら な く 過 候 也 と て、 涙 を は ら - ^ と そ こ ほ し け る 」 の 次 、 永 和 本 、 第 廿 段 の 終 りに当る。 第 十 八 図 は 「童 も や か て 髪 お ろ し 、 高 野 山 に と ち 籠 り 、 つゐ 第 十 九 図 は 「通 夜 の 大 衆 三 十 人 一 時 に 皆 夢 さ め て 、 同 さ ま に に 山 中 を は 出 さ り け り 」 の次、 永 和 本 、 第 廿 一 段 の 終 り 。 そ 語 け る 」 の 次 、 永 和 本 の 第 廿 ニ 段 を .つ 越 え て 、 第 廿 三 段 の 終りに当る。 第 十 図 は 「道 俗 男 女 多 く と ら れ て け り と 覚 て 、 暗 室 に た \泣 声 の み そ 聞 け る 」 の次、 永 和 本 、 第 十 二 段 の 終 り 。 本物語の終末にある。 つた単なる偶然の一致とは思はれない。 絵 巻 等 の 段 落 に よ っ た も の で あ つ て 、任意的な 構 想 に よ つ て な か く 、 こ の 詞 章 .絵 図 の 構 成 は 、 準 抛 せ る 古 写 本 、 或 は 古 写 ど 一 致 す る 。 大 東 急 記 念 文 庫 の 文 禄 本 も 同 様 で あ る 。 (別 項 ) つてはいるが、 そ の 絵 図 の 描 か れ た 処 は 、 古 写 本 の段落と程ん 以 上 の 如 く 、永 和 本 、 廿 四 段 の 段 落 は 、本 絵 巻 で は 廿 図 と な 第 廿 図 は 「聞 人 共 に 感 歎 て 、 袖 を ぬ ら さ ぬ は な か り け り 」 と I十 S 一 図 は 「い ら か を な ら へ し 玉 欄 干 、 一 宇 も 残 ら す 焼 払 は る。 」 の 次 、 永 和 本 、 第 十 三 段 の 終 り 。 第 十 二 図 は 「寺 中 を 城 槨 に 構 て 、 や か て 、 摩 耶 戒 壇 を そ 建 た り け る 」 の次、 永 和 本 、第 十 四 段 の 終 り 。 第 十 三 図 は 「す へ て 三 千 七 百 余 宇 、 一 時 に 灰 燼 と 成 は て 新 羅 大 明 神 の 社 壇 ょ り 外 に 残 坊 ー も な か り け り 」 の次、 永 和 本 第十五段の終り。 第 十 四 図 は 「大 内 の 旧 跡 、神 泉 宛f の 辺 に そ を き た り け る 」 の 次 、 永 和 本 は 、 第 十 六 段 を 一 つ お い て 、第 十 七 段 の 終 り 。 第 十 五 図 は 「新 羅 大 明 神 の 拝 殿 に 、 湖 水 の 月 を な か め て 泣 明 第 十 六 図 は 「坂 本 よ り 童 を 先 に 立 て 、 取 物 も と り あ へ す 、 石 し つ 」 の次、 永 和 本 、 第 十 八 段 の 終 り 。 ニ七七 大東急記念文庫蔵 文祿五年写本「 秋夜長物語」 ザ 本 、 一冊。 袋 帧 、 半 紙 形 竪 長 本 。 杉 原 紙 袋 綴 。 堅 r 十 四 .八 ® 、 横 十 六 • 六極。 表 紙 、紫 色 、 小 豆 色 に て 雲 形 模 様 を 描 い た 鳥 の 子 紙 。 字 面 、高サ約ニ十ーニー犍。 外 題 、 表 紙 の 左 肩 に 「秋 夜 長 物 語 」 と 墨 書 、 本 文 同 筆 か と 思 は れ る 書 鉢 。 猶 表 紙 右 下 に 「明 王 寺 0 0 」 と 所 有 者 名 が 記 し て ぁ る。 こ の 所 有 者 名 は 、 表 紙 裏 左 下 に も 、 稍 大 字 で 「針 村 明 王 内 題 、 「秋 夜 長 物 語 」 。 寺」 と墨書してゐる。 尾 題 、 第 四 十 ニ 丁 裏 、 第 二 行 に 数 字 下 げ て 「秋 の 夜 の 長 物 語 畢」 とある。 奥 書 、 尾 題 次 行 に 、 細 字 に て 「古 本 云 」 と 肩 書 し て 嘉 r 吉第二 暦 二 月 十 五 日 於 台 嶺 本 院 東 渓 或 坊 之 学 窓 遂 写 功 訖 」 云々と五行 に亘 つ て 、 古 本 の 奥 書 を 記 し て ゐ る。 次に第四十三丁表の第一 行 に 「文 禄 五 年 林 鐘 中 旬 遂 写 功 訖 」 と あ る の は 、 即 ち 本 書 の 筆 篆m ”s f ’L f ⑴ 「鏃 甲 胄 綴 し 」 (第 二 十 五 丁 表 ) 一七八 i # : ッ r ラ」 。 又本書には、 四声を示すと思はれる中白の点が、 次の如く、 ある。 飜刻の際は、そのま乂に残した。 ⑶「 暫円転するに」 ( 第二十九丁表) の 「 シハ ⑵ 「 責入けれは」 ( 第二十六丁裏) の 「 セメ」。 丁数、四十ニ丁半。 外に巻頭と巻末に白紙各一枚。 ラ ク 」 。等 で 薄墨の振仮名が以下に掲げる数ヶ所に見出される。 振 仮 名 は 間 々 施 さ れ て ゐ る が 、本文書写と同時とは思はれない り 文 で あ る が 、 な ほ 巻 頭 、 序 文 の 如 き は 真 名 本 の 態 を と Mめ 、 返 り 点 、 送 り 仮 名 等 を 細 字 に 附 し て ゐ る 。句 点 、 濁 点 は な い 。 備 考 一 、本 書 は 古 梓 堂 文 庫 旧 蔵 本 で あ る 。 本 文 は 、平仮名交 挿 絵 、なし。 墨書してある。 の 漢 字 ‘及 び 仮 名 を 数 へ た も の で あ る ) 。 丁 附 が 綴 ぢ 目 の 下 方 に (文禄五年写本秋夜長物語, 餐 ^ ^l f J * '^ ^ ^ ; 领 1 ' 忽 急澈 之 1 f ' 行 数 、 七 行 。 字 数 約 十 七 字 — 廿 二 字 。 (但 し 上 記 の 字 数 は 大 字 写年代を記せる も の と思はれる。 ^, -%. 玆I (第 一 丁 表 ) 漢 字 又 は 仮 名 に 施 さ れ て ゐ る 。 即ち ⑴ ( 第二十四丁表) 摧歟。 ⑵ 催伏。 (第二丁表) ⑶ 。 大ば。 ⑷ 賓 主 S (第 三 十 八 丁 表 ) (第 三 十 九 丁 裏 ) ー隅 ハ豸四十ー丁表) 等 で あ る 。 00 散見する。 一丁裏) 、 の 如 き は、 云 ふ ま で も な く 、 そ の 奥 書 に よ る も の で あ る 。 本 書 の 他 清水泰氏により委しく紹介された。 本 書 を 嘉 吉 本 と 称 す る の 備 考 ニ 、 本 書 は つ と に 大 谷 学 報 (第 十 五 卷 第 三 号 ) 誌 上 に 、 当字などがたま < 丁表)沙 窓 (第十五丁裏)、所 院 (第四十 猶 、文 文 中 の 漢 字 に は 、水 魚 砂 ( 第 七 丁 裏 ) 、 金 砂 (第 十 五 セリ」 三 字 の み で あ る 。 中 、 左 側 に 片 肢 名 「力」 と せ る は 、 私 に せ る も の で 、 原 本 の そ 宽 セリ れではない。 朱 字 は 一 ヶ 所 、第 五 丁 裏 四 行 「雲 を 茂 り 」 の 「蔵 に は 所 々 、 右 傍 に 「… 歟 」 と 補 訂 す る 所 が あ る ◦ 所 掲 の 飜 刻 い。 ィ 本 は 伝 本 中 の い づ れ で あ る か は 不 明 で あ る 。 猶 、 本 文 中 その外、本書には、ィ本を以つて校合せる処が、 か な り 多 る。 之 等 は 多 く 近 鉢 に 改 め た 。 又、古鉢の片仮名も数字見え、漢字の異鉢字もかなり散見す §茅 屋 な か は 00 に、 東 京 大 学 附 属 図 書 館 蔵 写 本 は 、 同 様 に 、 此 の 嘉 吉 ニ 年 の 奥 書を有する同一系統本である。 此の嘉吉本系統の写本は、 古活字本、 整 版本等に較べ、 或 は 天 理 図 書 館 蔵 写 本 、慶 応 義 塾 図 書 館 蔵 天 文 九 年 本 等 に 比 し ても、 か な り 詳 細 な 叙 述 部 分 を 持 ち 、 且 っ 甚 だ 古 格 を 保 っ て ゐ る。 今 、 如 上 の 諸 本 に 無 き 、 比 較 的 長 文 の 差 異 を 数 ヶ 所 掲 げ る とゝ けるあ 祇 候 の 人 、 五十余 第 十 三 段 第 二 十 二 丁 表 「御 門 徒 の 大 衆 五 百 余 人 、 白 中 に 、 左 苻の帝宅、 三条京極へ押寄たるに、近 所 ニ七九 は 、 諸 刊 本 、 天 理 図 書 館 写 本 、 天 文 九 年 本 、 武 田 博 士 旧 蔵 衣 .小 誰 に も 、 を と り 候 は し と そ 、 申 け る 」 等 で あ る 。 占〗 線の部分 参 せ 候 、何 共 名 を 付 て 、 召 仕 候 へ 、 虚 空 を か け り 候 は ん 事 、 雲 の は つ れ ょ り 、踏 は つ し て 、 土 に 落て候つるを、 とレへて 老 翁 を 一 人 縛 り て 楼 の 内 へ 入 て 、 申 け る は 、 此 翁 、 日 照 ©-雨 (第 十 七 段 ) 第 二 十 八 丁 表 「淡 路 国 ょ り 進 物 と て 、 八 十 余 成 す ..」 死 半 生 に 成 け れ は 、此 城 、 尽未 来 際 を 経 共 、 可落とも更みえ 煙 塵 を ま ひ て 、 三 時 計 戦たるに、 ょせて七千余 人 手 負 て 、半 命 を 塵 芥 に 軽 し て 、 打 出 / い、 防 き 戦 、 鏃 甲 冑 綴 し 、 鉢 さ き 第 十 五 段 、 二 十 五 丁 表 「… …提 切 好 の 覚 増 、 義 を 金 石 に 比 、 かん、 ー宇ものこさす焼払シ」 ひ b、 渡 殿 、 釣 殿 、 泉 殿 、薨 を な ら へ て 作 り け る 、 玉 の ら ん 人 、身 命 を 軽 レ て 、 防 き 戦 、 大 衆 、 事 と も せ す 、責 A - 0- (5) 良絵本等のいづれの諸本にも欠けてゐる。語句に多少の相違は あ れ 、 此 等 の 欠 部 を 有 す る 写 本 は 、 永 和 三 年 本 、高 節 静 彦 氏 蔵 且 つ 、本 書 は 、永 和 本 に 見 ら れ る 段 落 が 、 殆んど同様の処に 絵巻、並びに本書である。 設 け ら れ て ゐ る 。 即 ち 本 物 語 を 廿 四 段 に 分 ち 、各 段 落 は 行 を 変 へ、 本 文 ょ り 小 文 字 で 、 「第 一 」 「第 二 」 の 如 く 、 肩 書 し て ゐ る。 但 し 、 本 文 書 写 と 同 時 の 書 入 か 否 か は 確 か で は な い 。 又所 々、 そ れ を 欠 く 処 も あ る が 、 段 落 の 順 序 に は 関 係 が な い 点 な ど 二八〇 セ (マ、) 石 山 へ そ 、 わ し り ゆ き け る 」 で 終 る 。 永 和 三 年 本 は 、 この 章 の す こ し 前 、 「我 身 サ テ 沈 ミ モ 果 テ バ 深 キ 瀬 ノ 底 マデ照( ラ) 如 上 の 類 似 点 の み な ら す 、本 文 中 の 各 章 句 に 於 て も 、 甚しい 山 (ノ) 端 ノ 月 」 の 梅 公 君 の 歌 で 終 つ て ゐ る 。 差 異 は 認 め ら れ ず 、 永 和 三 年 本 、高 節 家 絵 巻 、本 書 は 共 通 点 が 語 H ラ ィ 寄 リ テ 茶 ヲ 呑 (ミ)、 M次 に 述 べ る ニ 点 は 、 両 本 に 比 し 、 本 書 特 有 の 性 格 を 示 し 著るしい。 た てゐる。 永 和 本 の 第 五 段 「其 後 、前 ノ 桂 寿 ...(日 本 古 典 文 学 大 系 五 行 酒ヲタ、 を 思 ふ と 、本 来 、 この段落は設けられてゐたものと考へてょい で あ ら ぅ 。 更 に 高 節 氏 蔵 絵 巻 の 絵 図 は 、 ほ V此 の 段 落 に 従 っ て ィ カ ニ 黒 ミツクス ト モ 、 ツキ シ ガ タケ レ バ 、 中 ' ^ 歌 計 ニ テ 」 分 ) ... テ ビ)ケル次ニ H 遊( 描 か れ て ゐ る 点 な ど か ら も 、永 和 三 年 本 を 初 め と す る 古 写 本 系 こ の 段 落 の 示 す 意 味 に 就 い て 、清 水 泰 氏 は 、看聞御記永享十 には、 か く あ つ た も の と 思 は れ る 。 被 下 。 一覧。 」 と あ る 絵 巻 物 の 如 き 、 絵 と 詞 書 と の 間 を 想 像 さ か に 書 と も 、 っ く し か た け れ は 、中 々 哥 計 」 に 終 る 一 章 で あ 梅 若 公 に 付 奉 k 随 、 桂 寿 と て 、 万 情 の 色 深 く し て … 」 以 下 「い 丁 裏 一 行 に 亘 り 、 「先 の 童 を た っ ね た る に 、 さ る 事 あ り 、 彼 の箇所は、本 書 で は 全 く 相 違 し て ゐ る 。 本 書ほ乂九丁表から十 れ て お ら れ る が 、 永 享 を 遡 る 永 和 の 写 本 の 中 に 、 す で に 、 この の 章 の 始 め に 「此 以 下 ィ 本 」 と あ る の は 、 「中 ' ' —^歌 計 」 まで る。 こ の 甚 だ 長 文 の 異 同 は 、 他 の 諸 本 に 類 を 見 な い 。 た 2 、 こ 年 十 一 月 十 一 日 の 条 「十 一 日 。 晴 。 秋 夜 長 物 語 絵 ニ 巻 。 自 内 裏 段 落 が 示 さ れ て ゐ る の で あ れ ば 、 一概 に 、 現 資 料 か ら は か く と が 、 ィ 本 を 以 っ て 補 っ た 部 分 か と 想 像 さ れ る 。 とい ふ の は 、次 断 定 し 得 な い 。 而 し な が ら 絵 巻 物 の 絵 と 詞 の 構 成 と 、写本の段 落との相関々係は、高節家絵巻と之等古写本との関係からも相 の第六段に於ては、更に、 ィ 本 を 以 っ て 校 異 せ る 痕 を と 禄 本 の 第 十 九 段 は 「何 事 も 、 道 す か ら 、 御 物 語 候 へ 、 先 々 い そ 本 書 の 段 落 は 、 た 2 ーケ所、 永 和 本 と 異 る と こ ろ が ぁ る 。 文 本 は そ れ を そ の ま X書 写 し た も の と 思 は れ る 。 い づ れ に せ ょ 、 此 脱 文 が 他 本 を 以 っ て 補 入されてゐたのではあるまいか。 文禄 てゐるからである。 恐らく文禄本の拠った写本にも、すでに、 Mめ 互の交渉は意識的なものが窺はれる。 き参候はんとて、坂本より、童を前に立、取ものも取あへす、 文 禄 本 の 祖 本 た る 原 型 に 於 て は 、 この ィ 本 の 部 分 に 、 別の章句 を有してゐたものと考へられる。 他 の 一 箇 所 は 、本 書 廿 四 段 、 第 四 十 一丁裏にある瞻西上人の 小田清雄氏 摹 写本秋夜長物語 写 本 、 一冊。 東京大学附属図書館蔵 装 幀 、 大 形 本 。 美 濃 紙 袋 綴 。 竪 ニ 十 六 .七 糲 、 横 十 八 .九 榧 。 「寂 莫 の 、 苔 の 岩 戸 の 、 露 け さ に 、 な み だ の 雨 の 、 ふ ら ぬ 日 そ な き 」 の歌 で あ る 。 こ の 歌 は 、 永 和 三 年 本 、高 節 氏 蔵 絵 巻 に は 表 紙 、欝 金 色 地 に 菱 形 の 空 押 模 様 。 無 く 、又 、天理図書 館 蔵 写 本 、或 は 天 文 九 年 写 本 等 、比較的古 本書のみ如上の歌をみ 字 面 、 高 サ 約 ニ 十 .八 粳 。 い 写 本 系 に は 、同 様 に 見 出 さ れ な い 。た を み る 。 但 し 、 こ の 和 歌 は 、 瞻 西 上 人 の 詠 で は な く 、梅若公の る。 古 活 字 以 下 諸 刊 本 中 に は 、 語 句 の 小 異 は あ る が 、 再 び 此 歌 り、左 肩 に 貼 っ て あ る 。 ■ 樹 之 菓 (ト也 旦飯ニ童男変化之華;暮結 二八一 菩提覚 II 誹謗( 併 染 紫 毫 於 愛 憐 之 思 一 畢 、 雖 ,然 哀 哉 昵童 子 花 髪 之 悲 戯 , 1 i 哉拋 教 H 学 観 道之嗜(親招 当 U 時 嘲 弄 ; 忽 忘 =陵 混 之 東溪或坊之学窓; 遂 写 訖 11功 ; 右雙紙主岩若丸 嘉吉第二暦二月十五日於こ台嶺本院 写 本 ( 小字ニ記ス) 奥 書 、次 の 如 く で あ る 。 田印が押してある。 扉 題 、 「秋 夜 の 長 語 校 異 本 」 と 左 肩 に 墨 書 、 下 方 に や は り 小 内 題 、 「秋 夜 長 物 語 」 。 題 簽 、 短 冊 形 の 紙 に 「秋 夜 の 長 語 」 と 墨 書 、 下 方 に 小 田 朱 印 あ く感謝の意を表す次第である。 し 下 された。 そ れ に よ り 、多 く の 疑 点 を 訂 す こ と が 出 来 た 。 深 本 写 本 の 飜 刻 に 際 し て は 、横山重氏より 本 書 の 御 原 稿 を お 借 写本と本書は、 かなり近い関係にある。 以 上 、 このニ点を除くと、永 和 三 年 本 、高節家蔵絵巻等の古 が始めである。 至 っ たかは、 不 明 瞭 で あ る が 、古写本系で 見 出 さ れ る の は 本 書 此の和歌が如何なる経路にょり流布本に現在の位置を占めるに 岩戸のしづけ き に 涙 の 雨 の ふ ら ぬ 日 ぞ な き 」 の歌に典拠する。 ろ の 日 蔵 上 人 が 御 獄 の 笙 の 岩 屋 に 籠 っ て 詠 じ た 「寂 漠 の こ け の 処を変へてゐる。 がこの歌は、元来新古今釈教の部にあるとこ 歌 と な り 、 而 も 、梅 若 公 が 釈 迦 ヶ 獄 の 石 籠 中 の 悲 歌 と な り 、且っ ^' 明応八年 乗泉坊 六月廿五日於本院東谷 1六 月 五 日 一 閑 写 之 ?| 明治十五年六月 行 数 、九行。 I千 載 雑 下 ー釈ー 新 古 今 冬 ー 釈 ー 新 勅 撰 釈 ー 続千載釈ー続後拾遺秋 上一 \聖 人 去 廿 日 戌 時 入 滅 畢 4^件 聖 人 延 暦 寺 人 学 s» 1I 弥 勒 仏 一 又 東 山 野 面 成 ,百I丈 法水長滅歟吁嗟哀哉 二八ニ \弥 勒 像 一 又 成 ,極 一楽 浄 土 百 一日 行 道 接 講 説 天 下 道 俗 男 女 上 下 衆 /人 皆 以 帰 依 今 已 入 滅 仏 日 已 隠 タ H レバ此物語ニ後堀川院御宇トアル後ノ字ハ誤 リニテ堀川院御宇ト/ シテフサハシカラム元来作リ物語ナレ 斯ノ如ク見 バ事実ノ違フ事ドモハ多力リキ物語ノ\文 五 一 一山 ノ 僧 乃 問 答 たてとあるハ禅宗五山ノ事ナルべ キ ニ\瞻西上人ノ時代禅宗 \五 山 ア ル べ カ ラ ズ 又 児 童 の み な ら す あ ら ゆ る 所 の 道 俗 男 女 \旧 跡 神 泉 苑 の ほ と り に て お ろ し た り け り 是 モ 此 ノ 時 代 ニ云 べ キ 言 葉 ナ ラ ズ / 又 三 井 寺 六 ヶ 度 焼 失 シ タ タ 一書タル物歟/ 猶 考 H ルハ文保年間寺門回禄ノ後- 雲にのせて内裏の フべシ ルヨシ見 又 奥 書 の 次 葉 、表 と 裏 に 、小 田 清 雄 氏 ょ り 、黒 川 真 頼 氏 宛 、 と誌してある。 六 月 十 四 日 の 日 附 の 書 翰 、 並 び に 、 黒 川 真 頼 氏 ょ り の 、 六月廿 日 の 日 附 返 書 が 、 再 録 さ れ て ゐ る 。 本 書 書 写 の 際 、 あはせて 掲 せ る も の と 思 は れ る 。 そ の 内 容 は 、小 林 久 三 郎家に伝はる古 鈔に此物語が応永比の作ならんと述べられたことは動かすベか 生 説 法 得 -一 其 道 -年 \道 来心 発一-成 --種 々 仏 事 - 彼八 -I寺丈中 作 ら ぬ を 知 り 、今 は な き 先 生 の 卓 見 を 今 さ ら の や ぅ に 驚 き 申 上 げ 、 人告云瞻西 鈔 本 を 借 得 て 群 書 類 従 本 と 、合看るに詞章の異なれるところが 新拾遺釈ー新後拾遺秋上 | 以上十一首ヲ収タリ 多い。群書類従本は誤脱難解の諸点があるがこの古鈔本にて明 中 古 記 I5K 臣 云 大 治 一 一 年 六 月 廿 日 瞻 西 上 人 入 滅 廿 ー ー 百 下 瞭 な る も 有 な ど善 本 と 思 は れ る 。 又 其 奥 書 を 視 て、古 物 語 類 字 瞻 西 上 人 、作 者 部 類 云 、金 葉 雑 下一 詞 花 冬 筆かと思はれるが、 備 考 .、 本 書 は 表 紙 の 次 に 後 補 の 貼 紙 一 葉 あ り 、 小 田 清 雄 氏 挿 絵 、なし。 で漢字右下に小字に記せる仮名は省いたものである。 字 数 、約十七字— 廿四字。 但し、本書は大字のみを数へたもの 小田清雄しるす 小 林 久 三 郎 益 の っ た へ も て る摹本写.を し て 群 書 類 従 淡収本 \を 以 て 一 校 し つ ( 以下小字-テ朱書ス) 寛文十四暦 是ヲ□ 遣也大祕蔵也序千代丸主针六ノ *5. || 丁数、本 文 三 十 丁 。 fc- 今 此 本 の 首 尾 を 写 し て お 送 り 申 上 げ る 由 を 述 べ た も の と 、 それ こ の 書 翰 に 続 い て 、 黒 川 春 村 の 古 物 語 類 字 鈔 の 「秋 夜 長 物 に対する真頼氏の返事である。 語 」 の項を掲出し、 すが雄 又本書は、文禄本と同様に物語を廿四段に分ち、それ-^文 …千 代 丸 主 t l 」 の記が、 文 禄 本 書 写 に 至 る 過 程 で 削 り と ら れ たものと思はれる。 両 本 共 、此の記入を欠 く と こ ろ が あ 頭 右 上 に 細 字 で 第 一 、第 二 、第 三 と 記 し て ゐ る 。 その段落は文 禄本と全くー致する。 た る の で 、 そ れ を 掲 げ る と 、 文 禄 本 は 第 一 — 第 四 (欠 ) 、 第 七 明治十五年大抜日抄 遡る 明 応 八 年 の 奥 書 を 誌 る し て ゐ る の を 見 る と 、夏吉本系では じく所謂夏吉本系と称せられるものである。 但し本書は文禄を 前 記 文 禄 五 年 写 本 と 同 じ く 夏 吉 ニ 年 の 奥 書 を 有 し 、前者と同 は、 他 の 諸 本 と 著 し く 相 違 す る と こ ろ で あ る が 、 本 書 に 於 て と も 、 つくしかたけれは、中 々 哥 計 」 に至る、 か な り の 長 文 の 色 深 く し て … … 」 に 始 り 、 「思 ふ 心 を 尽 程 の 事 は 、 い か に 書 つねたるに、 さ る 事 あ り 、 彼 梅 若 公 に 付 奉 随 x 桂 寿 と て 、 万情 文 禄 本 、 第 五 段 数 行 目 に 「此 以 下 ィ 本 」 と あ り 、 先 の 童 を た (欠 ) 、 第 十 一 (欠 ) 、 第 十 四 (欠 ) 、 第 十 八 (欠 ) 、 小 林 本 と記して ゐ る 。 は 、 第 一 (欠 ) 、 第 十 三 (欠 ) 、 等 で あ る 。 明応八年系の本が文禄本に先行してゐたことが考へられる。 本 に、 奥 書 に 云 ふ 夏 吉 本 を 祖 と す る 同 一 系 統 本 で あ る こ と が 判 両 本 は 又 、本 文 の 異 同 ょ り み る も 、 末 尾 に 掲 げ た 別 表 の 如 く 「此 以 下 ィ 本 」 と あ る 肩 書 を 欠 し て ゐ る に す ぎ な レ 。 も 、多 少 の 字 句 の 違 ひ は あ れ 、 殆 ん ど ー 致 す る 。 た乂文禄本の 又 本 書 の 夏 吉 ニ 年 の 奥 書 に あ る 「哀 哉 ....... 暮結ニ る0 二八三 振 仮 名 は 不 規 則 に 施 さ れ て ゐ る 。た V 一ヶ所、 「媒 介 」 ( 十五ゥ) て ゐ る 。送 り 仮 名 に は 間 々 省 け る も の も あ る 。 句 点 、濁 点 は な い 。 文 禄 本 と 同 じく真名本の感じをと乂め、返点、送り仮名を附し 備 考 三 、 本 書 の 本 文 は 概 ね 平 仮 名 交 り の 文 体 で あ る が 、 巻頭は 菩提覚樹之菓 ト I 也 」の 一 文 は 本 書 の 奥 書 ょ り す れ ば 、明 応 八 年 す れ ば 千 代 丸 に よ っ て 記 さ れ た 此 奧 書 の 中 で 「明 応 八 年 ... あ る の だ ら ぅ か 。 に は か に 推 定出来難いが、明応本の奥書から ... 千 代 丸 主 」 1 の 記 を 欠 く の み で 此 処 に 書 か れ 、 次いで 「文 禄 五 年 林 鐘 中 旬 遂 写 功 訖 」 と あ る の は 、 ど の や ぅ な 事 情 が こ ろ が 文 禄 本 に 於 て は 、殆 ん ど 同 文 の 奥 書 が 、た ^ 「明 応 八 年 … に、 於 本 院 東 谷 乗 泉 坊 、千 代 丸 主 が 書 い た 如 く に 判 ぜ ら れ る 。と 写本の摹写本で、その意味では文禄本と異るわけである。 書はその明応本系を寛文十四年に一閑なる者にょり書写された を以つて、詳密に 校 異 を 朱 書 し た 写 本 で あ る 。 備 考 ニ 、本 書はその 奥 ! ®に 云 へ る 如 く 小 林 久 三 郎 氏 蔵 本 を 明 治十五年に小田清雄氏ガ羣写し、 その本文の行間に群書類従本 ^:' であるが、漢字右下に施せる小字の送り仮名は云ふまでもなく と左 右 に 施 せ る 振 仮 名 が あ る 。 振 仮 名 は 上 例 を 除 い て 、 平仮名 僅少の 片 仮 名 で あ る 。 従 っ て 仮 名 は 両 用 さ れ て ゐ る わ け で あ る 。 又書. 写年代が新しい故か異体字は殆んど見あたらない。 た 本 書 に は 上 欄 の 空 白 に 、小 田 清 雄 氏 筆 の 朱 の 註 記 が あ る 。 即 当字が散見する。 ち きにかきて古 上 ふし^ ^ の言を校してさてあるべきをわづら 〇ノ 件 こ と な る は し き を ね ん じ て か く ろ ぅが は し き ま で も の せ し は 類 従 本 の 体 裁を後にみん人にしらせんとてになん同本ーっ 鈔 本 の や ぅ に 段 を わ か た ず (ニ ォ ) 。新 羅 大 明 神 の 新 羅 を 森 羅 と も 借 音 し て か け り と み ゆ 類 従 本 み ク チ ト モ ヒ ト ク チ ト モ ヨ マ ル へ ケ レ ハ (廿 ー ゥ ) ^ 悪 ョ一ュ ! I誘へ給ふ 卜丁秋の夜の永物語 丁 i 摂受の慈悲 卜丁しはしはかりの1家を も 1 丁 悪 ョ リ 善 -ー ー~給フ .家 "" 丁 i 秋夜の長物語 丁 i 接受ノ慈悲 e丁 暫 "計ノ はこれも花かとうたかはれ 一t丁 花 の 木 陰 に 立 や す ら ひ た れ 丁 一 ! !道 心 堅 固 無 常 ほ だ い G丁 花 の 木 陰 に 立 や す ら ひ ける青葉かちに縫たる水干 ^Tlilk に る^ ものにて 四丁童ぅ ち 佗 て 此 か た に 召 仕 は 四 丁人 あ り共 し ら さ り け る に や 丁梢垣にあまりて雲をしけり の たれは青葉かちにぬひ 丁 i 道心堅固即證苷 3« '>* -7* た ,る 水 干 の り ((朱 )蔵 セ リ ) 丁 1J 梢 垣 に あ ま り て 雲 を 茂 六 丁人 有 共 し ら す も や あ り けん 被仕者にて M丁 童 は 打 笑 て 此 御 方 に 召 八丁なほさりに 九丁万情の色深く して 叶丁上下に賞翫せらる^ , 事 -H 3»:' 。志 は り て の . り類従本るに作レハィフマデモナキヒガ事ナガラ と こ ろ な か ら し ん ら と 仮 名 字 か き せ り (九 ゥ ) ト ノ 校 シ オ ク 上 下 ニ 力 :ル 、タ グ ヒアリ( 廿オ) 人 ヒ 〇口 . れ )で あ る 。 〇 い .は 札 力 . ( 廿 七 オ 等 I 文第一葉には南葵文庫印がある。 小田摹写本 丁 i 生死即涅槃トナル 六 丁 上 下 に 賞 飯 せ ら る X事 た く 六丁よろづなさけ色深くして ^- ^' (以 下 は 両 本 の 本 文 中 異 同 著 し き を 掲 げ た も の で あ る ) 文禄五年写本 T 生 死 即 l i 成ル rT とし S に 找さすかにいまだいとけ なきあたし心にて 4嶽 1计三或は吵々たる志賀唐 计ーー敵をほろほす媒骱 剋計に 相てさ様の小人は夕戌 忖一 大 律 へ 通 る 旅 人 の 行 於迦 计片時のあ卜たに大峯の ほるものにて候へ け御たつね候房の憐への 什唐崎の松 はれ何成天狗化者 叶くたびれはてけれはあ あしたゆく心つかれて れi はするわさもなき習な 又 な き 思 ひ 付 給 ひ .る A * ひなしといふ 丁 J 冥顕仏陀 杜 T 中 / \ か く ^-かり 代丁いっそや雨の夕に 七丁めもあやに悦て 八丁山まてもたつねまいらんと 思ひつるに M丁 其 坊 の 主 念 比 な る け丁若公も早心得たるさまにて 有けれ共かなはて出かねた T+ Tr. 無 疑 X と語れは 了 1: 興 顕 仏 陀 什 丁 中 ^^哥計 计丁日外雨の夕. I 目もあやに祝 に 山まても 尋 参 ら ん つ p 其坊の主懇なる 様 る心尽し 打 丁 人 の 情 を こそ 命 に 責 てと 思 へは 卜 ほのかなるかほはせいろふ かく に ..人 の も の 云 も い ひ か は しもおほえぬなみた す 事 も せ ら れ す た ^な I くと 部戌剋に 敵 を ほ ろ ぼ5 す 二八五 対 汁技眇々たる湖水に志賀唐崎の ^ 什打大津へとほる旅人行合て夕 计 g片 時 の 程 に 大 峯 の 尺 迦 の 嶽 登るものにて候. l 御たつね候ほぅのとなりへ け |辛 松 の 松 狗はけもの G 草臥はてけれはいかなる天 ぁしたゆみっかれて 習なれは 三さすかにいまたいとけなき T+ 1£ T+ r+ I 若公も早心得たる気色 にて人目も哉と求 なれ共叶はで出かねた る心尽し _ 人の情をこそ命にせめ と思へは J ほのかなるかほの思へ る色ふかく M 世 の 人 こ と の 物 い ひか はす返事もせられぬ只 | 1 ^- T- T- T- T- T - ^- 泣としもおほえぬ涙 |: T+ T -+- T+ T+ I J T+ T+ T+ T+ 崎の浜路を た付四をぅてからめて城の 内すへて十万千余人 浜を そうして十万千余人 ハおうてからめてのょせしゆ 丁ゥ A か 入ける (七 字 ナ ツ ) つ -^い て せ め 左方へ落ちてゆく i かなはしとや思ひけむ右方 外 ゃけん堀 Xかひたるに 地-を う こ か し 三 時 は か り た Mは ら す 煙 塵 を ま ひ て 天 代鏃甲胄をとをし鉢崎具足に ースー ー 塔 の し せ っ 奸 老 忖 四 一 一 一 塔 蜂 合 義 言 -一 ' 什五鏃甲胄綴し鋅さき煙 塵をまひて三時計戦た るに 叶五やけん湄 兵 六 かなしと 思 ひ け む 右 手左手へ落ちてゆく A ぅかりける恥三井寺 1 うかりける 恥 三 井 寺 の 有 様 0 七 狂 有 見 物 も 出 来 て十 A 興 あ る 見 物 も 出 来 て 責入けれは 忖六からめての勢共続て S や C十 一 是 そ 我 住 馴 し 跡 な る 覧 と の 分 ®-や 忖 是 を 我 住 捨 し 、 むかし 思ひ立寄見たまふに石すへ の石まても焼くたけて 叶一森羅大明神に T- J一一一念仏十返計唱て身を 候かくならせ給はんための させ給ひ候を見まいらせて S 一一一 念仏 十返計唱て身をなけ 二八六 投させ給ひて候つるを 候 つ る 程 に 、我等やか せ て 候 は \御 恨 の ほ と は 何 せんと仕皆っれ共、 っ り と ^'め 申 候 は ん つ る 物 を 去なから我ら水に入て御し 共御いり候へ先御身にすか ぬ程に力なく罷過候也 及はす候 珠数をそへてもし我をたつ 金蘭の細緒の護壁瑠璃の小 十三橋つめまてゆきてみれは しける そ語りけれは互に涙をこほ 御いたはしやかなしやとこ まひしぅへちか て候やらん見えずならせた かまく水にさそはれたまひ ず X程 の は や に て 候 へ は さ とも湖水の岩を卜り山をく 底にわけ入てたつね申候へ といたはり申さんとて波の かいをとり上心の及はんほ 若公のいつも身をはな 三十三橋爪にゆきてみるに と こ ほしける とそ. て涙をはら< ゐにみぇさ士給ひ候は て水に入て取上まひら 御十念ならはとしりまいら 余に悲しくみまひらせ T H 丁ウ たてかけ給ひし金蘭の ^- ■± ■^ T+ T+ T+ T -+- T -+- の跡よとてみれは石す への石も焼くたけて 叶一新羅大明神の拝殿に T- T- T - T T- +=. T S T S ほそをの護壁瑠璃の小 ともなれ力しの御心にやは しの柱にかけをかれたり ぬる人あらはなき跡の形見 くもなら めと思 ひ と り て 折 せむなしき御 をも今ー目 見まいらせて後 こそと もか 御死骸をたつね出しまいら れはさあらはいかにもして 一1什四同宿共あまたとりとめけ 念珠を添て橋の柱にか けられたり 四同宿共あまた取止け れはょレや其むなレき 御質を成共一目見て後 こそ兎も角もならめと 思ひて桂海はつなき捨 たる海士小舟に乗て淵 の底を望みみれは同宿 節かた田あまの釣人舟に竿 さ し湖水を栖 と す る か多か りけれは律師立寄しか< のゆへを語り彼行衛をもた つね候はん露の間のわさを やめて此舟をかし候~かし と申されけれはしつ心^ -き あま人も岩木ならねはあら '三 十四 有 も む な し き 力) に て 白((スタ 计五ぅたてしの御分野や 什五むなしからぬ御貞を 计五残月西に傾ひて又, をに 忖五わりなき形はかはら ねくたるほとに遙のすそ田 上の里近く供御の瀬と云所 迄 忖四有 も む な し き か た ち に て に十四ぅたてしの御有様や 丁ム 叶四むなしからぬ御質を S 五残月西に傾ひて又天に 计 一 i五わりなき白(はかはらねと 针 五今はのき心の送りたまひ も 二十五一惟( スイ)の灰 ね共 六一惟(ッ ィ )の灰 乂敷大人高客 d ハ今は軒端に送り給し 六岩蔵 忖七をびた の来るいきをひあり 针 <宴(ショウ) 興に和して 仁计六岩 村七まことに興に和して 乂めきたる威あり 忖六をびた^ ! しき大人高客の #* T- T r . 中間共は皆裸に成て-皆 のはざま岸の陰まて残 らずさかしけれ共曾而 みえ給はねは、天に仰 き地に伏て泣叫ふ事不 斜遙に時移りて供御の 瀬といふ所まて T- TTH 叶九真実の本意にはあら S 九谷の小河音うき世の夢の 仁忖< 真言の本意-一非す 二八七 什一谷の音憂世の夢のさ T- < 御いたはしや我船にて 御尋候へと声々申律師うれ TH TH T S JI TH TE3 TS TS «- しく 頓て船に恥乗て同彼 船人をあまたかたらひ爰の 淵かレ この岩の1 さ ま を 尋 1:* Ts 7-+ t め^ とな.き人をとふ たびことにそてなる月 か叶三古和云 頂叶三飯ニ童男変化之花て リ 結 一一菩 提 覚 樹 之 菓 一 トナ か •つ .き .の く .い 跡 .御 叶 'ニ 童 男 変 化 之 募一 華-一 ハ 結 ニ Tオ ら.ひ•を.ひ•と ね •瞻 •お •出 .\ け •西 •さ •し •若 れ •は • へ • な • 公 菩提覚樹之菓一ト也 内 題 、 「秋 夜 長 物 語 」 。 尾 題 、無し。 丁数、全 三 十 四 丁 。 奥 書 、無 し 。 行 数 、毎 半 葉 八 行 。 1 ニ i # ノ鉍ノ W 时バ穷$レ , 會 v4 二八八 厂 1£,心1 . ^ 今4 る | : | す 1ヶ父義 n;, 按 e ^f yi ^ .: ぐ: . y, 气 .: 一. i 辜 、可> ^ !v ^ 紙 VCAX: 1 ' 1 vil 7 }, ^-- , ' 嗲 , >f T r f c >J ^ ダ : v ..♦只 づ ^ :長 ^ 字 数 、 一行約十四字〜二十五字。但 し 本 書 は 漢 字 を 大 字 に 記 一 . f パ S ^ 虞 綠 i':ur . 孤 I 喪 B >令 ' ? て £ /'' fh: . 奪 :, 今 T ft 4 ,^f B t ^ ' n —t し v-, w i itv' < 1 i 著 せf r #ky 馨 1 ?|; つ •か .泪 .も .い 天理図書館蔵 室 町 末 頃 写 本 「秋 夜 長 物 語 」 写 本 、 一冊。 装 幀 、和袋綴。 當 ' v も •に •と •み • \ ひ .む •に •お •と 表紙、茶褐色墨流し模様。 改 装 。竪 ニ 十 六 .五 犍 、 横 十 七 .七 極 。 字 面 、 高 サ 約 ニ 十 ニ .五 糙 。 ; お .月 .こ .の ./ 「大 正 十 三 甲 子 九 日 」 と あ る か ら 推 し て 、 表 紙 改 装 時 に 、 外 題 fe ; 4 >: :;!; fi «' l: 写 . こ . 更 . 吊 . 事 ,さ 本 .そ •行 •ふ •を •め ft 外題、表 紙 中 央 に 「 秋 夜 長 物 語 」 と 墨 書 し 、右 肩 に 同 筆 に て 、 共に誌したのであらう。 V- t- ^. -f 丁三 ォ十 rH し、仮名は大字で漢字の直下に記せるもの、小字の振仮名、同 じく右下に片寄せて記せるもの等ある。右は大字のみを数へた ものである0 備考一、本文は片仮名交りの文体であるが、所々、漢文体の 跡をと め M 、返り点、送り仮名等を細字に附して、真名本に近 い感じを与へる箇所もある。和歌は別行に本文ょり一字下げ一 行に写されてゐる。 仮名には清濁の区別がほ な M され、漢字の大部分は、その右 側に振仮名が施されてゐるが、処にょつてはその左側にも施し た場合がある。又漢字、仮名の異体字、略体字等の使用も少く な い 。 料紙はかなり古び、虫蝕のあとが著しく、なかには判読困難 な所もある。 処 二 某 僧 都 ト ヤ ラ ン 云 人 ……イ 本文中には、間々淡い墨書で一本を以つて校合し、その後に ィ と誌してゐる。 ナタ .モ余ニ長居セン事モ斗 目ケンモサス力 「フ ミ ノ ヒ ホ ヲ ト カントシ 給折節、有ル人 ミ ス ヲ ヒ ラ ヰテ 〇 内へ入ルこ (八ゥ) 。 「 ーづノ方ノソラヲモ見ハヤト思へ 力 、ト 思ヒ」 ( 九オ) ト モ .. イ 〇常r- ハ児タチ」(十ウ) 人 目 モ • 「 児モ ハ ヤ コ 、ロェ 給へ ル気色 ニテ スキマモガナトヲホシ 〇 メシ」(十一オ) 。「 春尽キテ、連理ノ花ノ別レ留メカタケレハ、小篠ノ。 一夜-一 」(十三ォ) ツ ル ヲ ア マ リ ニ 悲 ク ..ィ 「 心ヲコメテ待給へトモ」(十四オ) 〇 。「 西蓮坊…」(十九ォ) or 身 ヲ ナ ケ サセ給テ ソ ロ ヲ 見 マ ィ ラ セ ソ ロ へ ハ 」 (二十七オ) その他に淡墨の改訂箇所が七っほどある。 本物語の詩中、 の八箇所である。 一本はいづれの本に該当するかは、僅かの 例から推定し難い。 「 肝 心 然 ト シ テ 」とあるをその右側に 悠r」と正し、 「 禅檢」 の「 檢」を 「 榻」と同じく訂正じてゐる。更に三丁ォ「 水旱」 とあるを「 干」、九丁オ「 ソノ方」を 「 ソナタ」と改め、三丁 ゥ「 誠ノゥッッナラネバ」の「 誠」の右側に「 添」と薄書したも のなどがある。 又恐らく書写の時、写し落した本文と思はれのであるが、其 金ノ折枝ノ橘一薰 物入テ色々ノ軽 十重 n タ f テサル様也 、へテ遊 ケ ル次ニ。サテ、梅若公二思ヒ迷ヒ ヲ タ の処に 印 0 を誌し、その脱文を行間に同筆にて補ってゐる。 此君ノ御名ヲハ梅若公ト申御里ハ花園ノ左大臣殿一テマシ< 候 。「 童答。御里ハ花園左大臣殿ノ御子息梅若公ト申候」 (六 ゥ ) 「 酒 〇 ネ送タリケレハ童モハヤ志ノ深色ヲ見テ万ッ心 二八九 タル 「 童モ。 日ノ暮ルマテ祇候シタルニ」(八ウ) 〇 世 ノ 事 人 /物 云 モ カ ワ ス 返 事 モ セ ス 只 泣 ト シ モ 覚 「 心シホレウカレ,.テ。涙人目ニ余リテ、ヲサエル袖モ…」 〇 心ノ闇…」(七ウ) Is ハヤトハ思へトモ申置事モナク出ナハ門主ノ御意サコソト思ハ 叉人二思ヲ付ヌルハスル態モナキ習 。 「タ ッ ネ 行 。 今 一 度 ァ 斗 ミ ハ ャ ト 思 也 レテソレモ叶ハス行術モシラヌアタ人ノ Q ,ヶ ニ モ 丰 。「 未 タ + ト ヶ ナ キ ア ダ 心 ニ テ 0 被 ぃ 仰 セ 出 ; ヶレハヶニモ 御コトヮリヵナト童思テ」 ( 十五オ) 等 そ れ で あ る 。補 写 の 部 分 を 本 文 中 に 加 へ て も 、 おほょそ前 後に文脈は通ずる。 猶 僅 か で は あ る が 、当 字 、誤 字 、振 仮 名 の 誤 り が 散 点 す る 。 備 考 ニ a 諸本との関係に就いて記すと、本物語の諸写本は 詞章の異同が著しく、当写本もいづれの系統に属するとは一言 に云難い。 以 下 概 略 諸 本 と の 顕 著 な 相 違 を あ げ て 、本書の諸写 本上の位置を示すことにする。 既 述 の 如 く 、永 和 三 年 写 本 、高 節 氏 蔵 絵 巻 、並びに文禄五年 る の で 、 いま、 そ の 一 本 、 永 和 三 年 本 に 依 っ て 、 本書と の 著 し 写 本 、小田清雄氏摹写本の四本は、 かなり近似関係が見出され き差異を摘出すると、 。永 和 本 第 十 七 ( 同四七六頁) ニ九〇 釣 殿 、 泉 殿 、甍 ヲ 並 (ベ ) シ 玉 ノ 欄 干 、一 宇 モ 不 残 焼 (キン払フ 八 十 有 余 ナ ル 老 翁 ヲ 一 人 縛 (リ ) テ 楼 ノ 中 ヱ 入 (レ) テ 申 (シ) ケルヽノ、 S 翁 雨 雲 ノ ハ ブ レ ヨ リ 踏 ミ ハ ブ シ テ 落 (チ ) テ 候 (ヒ) ツ ル ヲ ト ラ ヱ テ 候 。 何 ト モ 名 ヲ 付 (ケ) テ 召 使 ヒ (シ) ケル 候 (へ) 。 虚 空 ヲ 翔 候 ハ ン 事 ハ 、 誰 一モ劣リ候ハジ」 トゾ申 。永 和 本 第 廿 ー ( 同四八◦頁) 。童 ハ 脚 ヲ 懷 ノ 中 二 抱 キ テ 「ウ タ テ シ ノ 左 様 ヤ 。 我 等 ヲ バ ィ ア今ー目空シヵラヌ御ヵ 力 ニ 成 (レ) ト 思 食 テ 、 力 、ル 事 ハ ア リ ” ル ゾ ヤ 。 梵 天 .帝 シ、 命 ヲ 塵 芥 一 一 軽 ク シ テ 、 打 出 < 塞 ( ) 戦 フ 。 鏃甲冑ヲ 三 町 ツ ブ テ ノ 円 月 房 、 提 功 好 (ミ) ノ 覚 増 、 義ハ金石一一祕 ゐ る の は 、 永 和 本 、 第 十 五 、 (同 四 七 四 頁 ) ニ、 又 四 本 共 に 有 す る 箇 所 で 、本書が相当に異る本文を示して ひ はあるが、之 等 古 写 本 系 に は 、以 上 の 詞 章 を 共 に 有 す る 。 ……等 である。 高節氏蔵絵巻並びに文 禄 本 系 も 多 少 の 語 句 の 違 タ チ ヲ 見 セ 玉 へ 」 。 声 モ 惜 シ マ ズ 啼 (キ ) 悲 シ メ ド 釈 、天神、地祇、ル我等ヵ寿ヲ被 ?- 半 生 ニ 成 (リ ) ケ レ バ 、 此 城 尽 未 来 ヲ 経 と あ る 合 戦 の 場 面 で あ る 。 こ \を 本 写 本 で は (ル) ト モ 、 落 (ツ) ベ シ ト ハ 更 一見ヱザリケリ。 騎 手 負 (ヒ) テ 半 通 シ 、 鋒 煙 塵 ヲ 卷 (ィ ) テ 、 三 時 計 戦 ヒ タ か ニ 、 寄 手 七 千 余 ¥• 一、 永 和 三 年 本 に あ っ て 本 書 に そ の 本 文 を 全 く 欠 く と こ ろ ー 点 線の部分— は 打 H 寄 ^- 。永 和 本 第 十 三 段 (日 本 古 典 大 系 .御 伽 草 子 •四 七 三 頁 ) 御 門 徒 ノ 大 衆 五 百 余 人 、 白昼一一左府ノ第宅、 三 条 京 極 ) , ト モ セ ズ 責 (メ) 入 (リ ) 卜 ル 間 、 渡 殿 、 (セ)タ リ 。 近 所 ノ 祇 皆 (ノ) 人 五 十 余 ん 身 命 ヲ 軽 ジ テ 塞 戦ヱドモ、大f ?- 三町ツフテノ経 一、 サ ゲキリコノミノ 増 長 、 互 に 命ヲモヲ シマ ス、 身 ヲタバワズ 、 入カエ- ^- セメタ、カウ、大勢 ナレ 手ヲ斗ヲモカエリミス、フセキテ ハ、ウタル、ヲモ 不レ用、 ハ又 案 内 者 ナ レ ハ 、コ、力シコニテョセア ワセ、 ヲツタテ^セ m テニ ハ、ウタ レ、テヲイノモノ 攻 戦 フ 、 三 時 ハカリ 也 、 こ X で 、 本 写 本 と 片 仮 名 古 活 字 本 と の 異 同 の 大 概 を 、— 本 文 中 ゐ る 点 で は 、 片 仮 名 古 活 字 版 に 類 似 す る の で は な い か 。従って の小異は之を略しー別表に次掲した。 五 、但 し 本 写 本 に は 一 ヶ 所 、文 脈 が 他 本 に 較 べ て 、甚だ移動し 「 童子打咲テ吾コソ其御方ニ召仕ハレ候者 テ 候、御名ヲハ 一 一 片 仮 名 古 活 字 版 (四 丁 ゥ ) て ゐるところが あ る 。 単 に 本 文 の 乱 れ と も み え ぬ 。 梅 若 公 ト 申 候 、 御 里 ハ 花 菌 ノ 左 大 臣 殿 一 一 テ 御 座 侍 リ 『御 心 ワ 三千余人也、 城 中 サ キヲマワ 年テ、ウチネリ、カクテ ハコノ城経- クカタナク基ナキ御心アテニテ候へハー寺の老僧若輩春二ヲ ノ モノ ト モ 、斗ョカツニノツテ、テ 尽未来際 】 不レ可レ落- トソ見タリケル 木 ノ花ヲ 見テ外 一一散心 ルモナク 中 秋ノ月ノクマナ と あ る が 、 此 の 写 本 で は (六 丁 ゥ ) キー 皆 一吾 家 ノ 光 ヲ 諍 フ 風 情 ニ テ 御 座 候 ヲ 』 此 御 所 ノ 御 在 様 余 ニ 許 ス 方 ナ ク … … s々」 クレタルー となって、漢 文 口 調 の 文 体 は 、平易な仮名の文体にと移って ゐる。 此 の 数 ヶ 所 は 、永 和 本 系 並 び に 文 禄 本 系 と 、本 写 本 と の 相 違 を 示 し 、各 特 微 を 提 示 す る 諸 点 で あ る が 、天 文 九 年 写 本 、片仮名 及び平仮名両 古 活 字 本 以 下 、寛永十九年版以後の諸版本に於て 「 土里ハ打咲 テ 我 コ ソ 、 其 ノ御方ニ 召使 レ ソ ロ 者 ニ テ ソ ロ へ ト 答 此ノ君御洛ヲハ梅 サテハ此君ノ御名ヲハ何ト申ソト問へハ童答。御里ハ花菌左 も 、同じく 簡 略 で あ り 、 以上四本の古写本系との顕著な相違と なつてゐる。 許 M ス 方 ナ ク …… 若公ト申御里ハ花園ノ大臣殿ニテマシ< 候 大臣殿ノ御子息梅若公ト申候、此御所ノ御有様、 ア マ リ と文 脈 は 続 い て 、古 活 字 版 の 『 』 に当る部分は、次の如く七 云々」 る。 本 書 に 於 て は 、 と の 段 落 は 第 三 段 の 章 ま で が 、 前 両 本 と 全 三 、 又 永和本、文 禄 本 系 は 、全文を廿四段の章に分けられてゐ く同様に段落が設けられてゐるが、以後、此の章毎の区別は書 ヨシヲ語リケレハ 童打咲テ申ケルハ 『此 君ノ御心ワク方ナク 偽アル世トタニ思召サレヌホトノアタナキ御心アテニテ御座 シソPへハー寺ノ老僧若キ輩ラハルニヲクレタルー木ノ花ヲ 「サテ梅若公- 思ヒ迷タル心ノ闇斗ッハルヘシトモ不レ覚 丁ゥの処に揷入されてゐる。 四 、 そ の 他 、 か な り 多 く の 語 句 、 助 辞 等 の 異 同 、 或 は 、各々に き誌されなくなつてゐる。 文 章 上 の 諸 特 徴 を 見 出 す 。之 等 の 諸 点 か ら 思 ふ と 、本 書 は 、天 の文 体 が 、 永 和 本 系 の 古 鈔 本 に 較 べ て 、比 較 的 多 く な つ て 来 て 文 九 年 写 本 、片 仮 名 活 字 版 に 近 い 関 係 が 認 め ら れ る 。 特 に 仮 名 ニ九一 見テ外一散ル心モナク中秋ノ月ノクマナ 皆 キ一 一我家ノ光ヲ諍 k フナル風情ニテ御座候』先ッ文ヲ被 遊ソロへ::: 云々」 シ、 後 ホリカハノ院ノ 御 ニ九ニ 1丁古縁ノ繁ク所ハ .後 堀 川 院 ノ 御 宇 ニ ニ丁錦ノ戸帳ノ 宇 ニ丁 キゥエンノツナク所ハ ニ丁云計ナク勝ヤカナルカ と な り 、本 文 に 小 異 は あ れ 、 この一章句は、他 の 諸 写 本 、諸 三丁 錦ノ •帳ノ 才 「 寂漠ノ苔ノニ袖ヌ テ 、 涙ノ雨ノ力ワク間ソナキ」 ( 片 五 、 な ほ 注 意 さ れ る の は 、梅 若 公 が 釈 迦 嶽 の 石 籠 中 で 詠 じ た 歌 刊 本 と 異 る 箇 所 に 錯 綜 し て ゐ る? 三丁 イウハカリナク、 アテヤ 才 カ ナ ルガ —— ヲサカサマニノ 丁暮行気色 才 三丁マタ東雲ノ 才 丁反魂香ノ煙一一, テ 消 一 一..テ 仮 名 古 活 字 版 )— が 本 書 に は 無 い 。 この和歌は、 両古活字以下 サレテ 三 丁 マ ダ シ ノ 、ベ 四丁 三尺ノ 才 • ヒ aケレ 議 院 ノ 御 房 □唐 門 ノ 内 1 アラシ、今ハト田 四丁暮待ツホトノツュノミモ ムカコトク M 四丁 ムナシキ山ノ花ヲェィハ 才 テ見シカタチニ 四丁 反魂香ノケフリニウカミ 才 シキニ消( キヤ) 三丁 寄 \ 贈者柳 ク レ ュ ク ケ 諸刊本並びに武田博士旧蔵奈良絵本等には掲載され、永和三年 写 本 、高 節 氏 蔵 絵 巻 、 天文九年 写 本 等 の 古 写 本 系 統 に 欠 い て ゐ て、 前 者 と は 区 別 さ れ る 。 た 2 し 文 禄 本 系 に は 、 物 語 末 に 、 例 の 「む か し み し 、 月 の 光 を 、 し る へ に て 云 々 」 の 和 歌 の 次 に 処 を 変 へ て 並 記 さ れ 、 歌詞 十二字無シ 片仮名古活字 t -H 7 1 -= オ 三丁三尺ノ 如シト 謹院ノ御房ノ庭一 今ハト思佗テ 三丁暮待程ノ露ノ身モアラシ 顿 ^ヲ 呑 • 丁 空 山ノ花綻ヒテ i -s も — 寂 莫 の 、 苔 の 岩 戸 の 、 露 け さ に 、 な み た の 雨 の 、 ふらぬ日 つてゐる。 ヒ丁 T- ぞなきI -詞 VI 章 も 相 違 し 、 且 つ 、 こ の 和 歌 は 瞻 西 上 人 の 詠 と な 尚 、 本 書 の 改 装 表 紙 、 右 下 に は 「南 都 ニ 条 家 文 書 生彦蔵」 の寄贈者朱印が捺してある。 (本 書 は 天 理 図 書 館 「ビ ブ リ ャ 」誌 上 に 近 く 翻 刻 の 予 定 で あ る ) < ( 点線ハ両本ノ相違箇所、漢字、助辞等ノ違ヒ、叉本文中ノ少異ハ省ク) 天理写本 一丁今ハムカシトモ申ヌ "? 五 丁 フ ル 雨 ニ ヌ ル .ト モ ヲラ コソ I ン山桜雲ノ力へシノ風モ (マ ト ) ハ レ テ 、 サソ 五丁タチヌレタル鉢是モ花力 ト迷 四丁降雨ニヌルトモ手ヲラン ソァい 山 桜 雲ノ力へシノ風モコ 四丁立ヌレタル姿是モ花カト 疑ヮレテ花ノ露ハ誘フ風 モヤアラント 四丁雲ニモ霞ニモカスヘキ ゥ風モヤアント 五丁雲一モ霞ニモヲシムヘキ 州 丁 遙 ニ 歩 ミ 、ルフサノ如 ニテユラユラト懸タル 五 丁 遙 ニ 歩 ヲ 見 ハ 、 タケナル ノ糸ニ 力 ミ ノ ユ ウ ^ ^ タルガ棚 丁 1 御年ノ程十六七計一一見サ 糸 -一 技丁御年ノホト十六七二見へ セ給フ御児ノ御事ャ知セ 柳 ノ サセ給ソロツル少人ノ御 Q レ 候 者 -テ 候 御 名 ヲ ハ 梅 nソ、 其御方一一召仕ハ 給テ候 給テソ ト答 ニ召 仕 ニテ ソ ロ へ 六 丁 我 コ ソ 、其 ノ 御 方 者 若公ト申候御里ハ花菌ノ ソロ フサテ此君ノ御名ヲハ何 左大臣殿一テ御座待リ 殿ニテマシ < 候御里ハ 申 御 里 ハ 花 園 ノ 、左大臣 此君ノ御名ヲハ梅若公ト ト申ソト問へハ、童 答 。 レ 丁 1 吾 コトヤ知リマイラセサセ 0- #- 花菌ノ左大臣殿ノ御子息 梅若公ト申候 托了务閑1 五丁壷ノ石文ノツテ一テモ 丁 一 J .閑 杜丁坪ノ石踏マテト行テ 1丁 夢 ト 現 ト ノ 面 影 一 ケ ル 故 ニ 童 子 モ 3 ロス心 五 丁 茶 .ヲ 飲 酒 ヲ 勧 ハ テ ソ 遊 ヒ ニ 七 丁 夢 ト ゥ ツ 、トノハヵナキ 外 丁 茶 ヲ 飲 、 酒 ヲ タ 、 へテ遊 ヲへタテヌ様ナリ 程言ノ葉 一• 一薫物入テ色々ノ軽媛十 五丁思フ心ヲツクス ヶル次一一、 金 ノ 折 枝 ノ 橘 ハヤ志ノ深色ヲ見テ万ッ 重 ネ 送 タ リ ヶ レ ハ 、 童モ 心0 へタテサル様也 A丁 思 フ 心 ヲ 尽 スホトノ言ノ ハ、 ク ! ミ 一 過 ルトモ 尽シ 力 タケレハ中々歌計ニテ 岐丁知セハヤホノミシ花ノ面 葉 ハ 、争テか筆モ可書ナ •. マ マ レハ、 中 々 歌 計 也 。 柯 丁 文 ノ 紐 ヲホトカントシ 給 丁 g 梅若君貌打アカメテ ヲ mv 八丁シラセハヤホノ見シ花ノ カントシ 影 ニ 立 ソ フ 雲 ノ 力 、ルマ ヒホ ヲト 面影一タチソフ雲ノ迷フ 心ヲ フ ミ ノ M丁 若 公 打 咲 テ 八丁 ニ九三 給 折 節 、有 ル 人 ミスヲヒ トャラン云人簾ヲ挙テ フ処一一出世ナル某ノ僧都 六丁タノマスヨ人ノ心ノ花ノ 子トルトモ軽ク嬉ク思テ が丁御返事指出シ給タレハ童 中へ 五丁此ノ文ヲ見セシトテ袖ノ ラヰテ 八 丁 此 フ ミ ヲ 見 セ ジ ト 、御顔 打 赤メ袖ノ 内 ニ 八丁御返事ヲ書テヽタヒニケ リ、童是ヲ取テウレシク 思テ 候ハメトテ童子一暇乞シ テ 拉丁山へ登ラントテ庭マチ出 タレトモ 行相タリ 丸丁誰ナルラント見ヤリヶレ ハ、 梅 若 公 ノ 媒 セ シ 童 桂 寿 丸 ニ テ ソ侍リ ヶル 丁 一辻堂ノ有ヶルニ立寄 f 傍 ケリ 十 丁 色 殊 ニコ ガ レ タ ル 色 々 重 ノ薄様ノ 什丁サコソハツユノト戯レ打 讨 丁 別 ヲ 歎 ク 身 ニ テ ト 、 戯レ 力 へ シ テ 、 フ ミ ヲ見ハ 十 丁 偽ノアル世ヲ シ ラ テ 契 ミ ヶル 十 丁 自 然 ノヒマ ヲモ 十丁ネンコロナル様て朝ニ一暮 ニ九四 六丁誰レナルラント見ヤリタ レハ桂寿一テソ有ケル 以丁傍ナル辻堂ニソ立寄ケル 技丁色殊ニコカレタル紅葉重 ケレハ ノ W iノ ソ 一ヌレ候ハン n ハ露- け丁サ 上 丁 f 別ヲ歎ク身ナラテト打咲 テ 、 文ヲ見レハ 七 丁 偽 リノ ア ル 世 ヲ シ ラテタ ノミコシ 丁 J 玉簾ノ隙ヲモ I スキマモガナトヲホシメ ル心尽シ見モ中々心苦シ レトモカナハテ出力ネタ 代丁人目モ哉ト求メタル様ナ 代丁懇切ニモテナシ常ニ. シ出カネサセ給タル、見 ケレハ モ中々心クルシケレハ 四ノ営アテ常ニハ 23:- 丁 < タノマ ス ヨ 人 ノ 心 ノ 花 ノ ソ.暮.ソ レ •サ • ナ モ• ハ タ ヒ•ヤ ノ 色ニアタナル. 雲 ノ 力 、ル . いハ モ見• ナ 余ッ• 力 色 ア タ ナ ル 雲 ノ 力 、ル迷 \ へタ * 3 ト ニ • ソ タ 、ケタレハ又コソ参リ ト梢• 尚 ヽ 九丁ソノ方ノソラヲモ見ハヤ 、• フ ニ ト 思 へ ト モ 、 余ニ長居セ ン 事 モ 斗 力 、ト 思 ヒ 、 マ タコソ参リ. 候 ハ メ 、 ウレ シクモ通心ノシルへト成 思ヲ• モ 六 丁 傘 サ シ タ ル 騎 馬 ノ 若 党 -• T-+- ラ セ 給 ツ ル 物 カ ナ ト 、童 ニ 暇乞テ 九 丁山 へ 登ラ ン トテ、湊 ノ 方 01 g出 タ レ m1l モ 道ニ行キ合タリ 九丁唐笠サシタル騎馬ノ客、 オ六 十一 丁オ 、 マテアルへキコトナラ 七丁何迄ト人ハィへトモ 七丁召具セラレテ是へ忍ヒヤ 力 -御 出 候 ヘ シ ト 仰 ラ レ 七丁魂乱レテ何一一アル我身ト 七丁唐垣ノ戸 モヲホヘス ノ戸 七丁書. クニ ツシカ ラント仰候ツル也 十一 メ シ 具 シ テ 是 ヘ シ ノ ヒ テ 御入 十一魂ヒミタレテ、 年 ホレ^ ^ ト成リ、 何 エン 有ル身トモ不レ覚 十ニシ 丁ォ A丁 其 光 幽 朧 ナ ル ニ を 公 金 紗 水干ナヨヤカニゥチキテ ヲ ボ pナル二此児金沙ノ ル ハ 乱 レ テ 力 、ル青柳ノ ト懸ノ本ニ立ヤスラィタ タル体ニテ ノ水干ナヨヤニ -唐 門 十 二 其 ノ 光 リ ホノ カ ニ ス キ テ タ ヲ ヤ カ ナ ル 風 情 、 乱テ シホレ 力 、ル青柳ノ ブS ハ 斗リヨリソ斗テ、打カタ ノウツリ香モヽ身ニソウ 十二サシモマトヲナラス其袖 丁ゥ w- ル人モ有ヤ 八丁指モ間 d 遇ナラス寄添テ袖 打カタ. フケタレハ モ ヵ ト ハラ*''^* ノ 流 モ未タヘス 八丁ネミタレ髪ノハラ "''^^卜 ホケヤカニ 懸リタル迦ヨリ眉ノ句匕 十三乱レテ力ミノ 丁オ 顔 ニ 力 、リ ヽ 眉 ノ 匂 ヒ ボ ( 以下九字ナシ) 余二日数へニケレハ 八丁涙一一ワケシ在明ノ月 ケヤカニ 十三涙ニ明ル有明ノ月 丁ゥ、 I 余リニ日数ヲ送ヶレハ 九 丁 若 基 ナ ク 成 ナ 〈空 シ キ 跡 無レ心元一事一思召 テ 十四若シモハカナハ成テハ、 ニ 九五 ヌル事 忖丁其夜ョリ若君ノ失セ給ヒ テ来リケル 叶丁釈迦力嶽ト云所一ソ舁モ ル雲霧ノ中ヲ ト丁漫々タル湖水ノ上忙々タ す 十丁御手ヲ引童サへ歩ミカネ 何 ナル 虎 臥 野 辺 九丁今ノ程ニ我ヲシルヘシテ シ ヲ 問 テ モ 其 甲斐ナカルへ ハ其夜ヨリ三井寺ニハ若公 タリケル ハ 尺 迦 ノ 嶽 ト 云 所 ニ ソ ヲキ 々 タ ル雲霧ノ中ヲ 汁け茫々タル湖水ノ上へ、濠 リ、 歩 ミ カ ネ 給 ヘ リ 五 此 ニ ヤ ス ミ 、 力シコニ® 虎臥ス野辺 早ク汝チシルへゾ何ナル ヘシ 問テモソノ甲斐モナカル T+ 151 J:: *?; ノ 失 サ セ給 ヌ ル 事 ';- 1- T+ -.2.I M丁小夜ノ枕ヲカワシマノ水 ■>/\ ■ ■ + I: t 1± ^3- t 少夜ノ枕ヲ川嶋ノ水ノ流 T± K 衆徒ノ欝陶 左苻ノ旧宅 代 敵ニ殄スル謀事ナルヘシ 時ヲ与へタ( ( 六字ナシ) ••••••押寄テ 天コ 丁ゥ 叶丁一 寺 ノ欝墳 忖丁左苻ノ住宅 汁 |敵 ヲ 亡 ス 謀 計 ナ ル ヘ シ 丁オ 十 一 天 コトニ 時 ヲ 与 へ タリ 1」 一時ヲゥツサス押寄テ 了オ 十一或ハ漫々タル志賀唐崎, 浜路. 卜 或 ハ 眇 々タ ル 煙 波 大 一 一手 溺 手 如 意 越 ヨ リ ソ寄タリケ^ 名ヲ後記一一 でゥ サル程 - 忽金輪際汁 一 カクテ大勢乱レ入ルサテ Tウ -ァ義ヲ 叶 金拳ノ大夫坊 キ リ コ ノ ミ ノ カナニキク サゲ メ タ 、 カウ 増長、 ヲ ■ 4ノ モ ノ 三 千 余 人 也 城 セメヤフラサラント吐 中ノモ ノ ト モ 広言 一 へタテノサンヲ へ年ハシラ ミ ノ マ ク リ キ リ 、 シヤウ ラ ン モ ン 、 ヒシヌヰ ギダヲシノハライキリ ハ サ 一I ヨ セ テ ニ ハ、 ウ タ レ、 テ セ ヲ タ バ ワ ズ 、 入レカエ 互 ニ命 ヲ モ ヲ シ マス、 身 了 オf 丁ウ 十九 t 二十 丁オ 丁ウ 丁ウ 二十 ヲ モ ネ / \ ニゾヲチュキ 二十 i 丁ウ 二十 ク ル マ キ リ 、 年 ソ ウツナ 丁ウ ゲギリ、 二十 桂海力コノ ム 手 ニ 二十 丁ォ T - 十七 了オ 浜路ュ 叶以或ハ眇々タル志賀唐崎ノ 丁ォ 名ヲコウ代ニ 寄ケル、 十八或ハマンくタルエンバ 十八 从 如意越ョリソ サ ル ホ ト ニ 、 明ケヌレハ テ 十四日ハ辰ノ剋一一大手力 ラ メ 从 忽 一輪際ニ 九 死 ヲ モ 力 ヘ リ ミ ス 、 攻ィ mセ テ -ハ - 乗実善明坊 ルョセテニハ 乗 賢 、勝明坊 - 般若院三塔蜂起 合 ス 禦 ク 大 衆 -ハ 般 若 院 、 三塔、 防三井寺 ノ大衆ニハ E ニ九六 金マタノ悪大夫 ".. ) . . . .). に 濫ノ算ヲ 吐テ ニ責破ラサラント飽迄荒言 者トモ 半生一ナリヶレハ城中ノ ll 寄テ三千余人手負テ半死 責戦フ 身 命 ヲ 、シ マ ス 入 替 々 々 C 提切好ノ増長其外ノ人数 T+ 提切 十ニシトロモトロニ落テユク に 武者 リ切乱紋菱縫 棊倒ノ払切礒打波ノマク シサリテ蒼ム追懸切、将 十二車切ソムヶテモテか一刀 - ?? #• T-h T-h T+ T+ T+ li 1± T+ 1: T+ T+ T + IJ JJ ケル 一一時ニ ク ワ ヒ シ ン ト 成 - 一三門跡の御坊 二十 丁オ ノ天 狗 残ルー宇モナカリケリ 一時 ニ炭 灰 トナリハテ に両門跡 ノ 御 坊 S S JI 無量 白河小童空印地 G 軍 ノ 最 中 ニ寺ノ門 主 達 零 間ソナヰ ニ 袖 ヌレテ 涙ノ雨ノ力 益 若 君 カ ク 計 、寂 漠 ノ 苔 ノ ワク 三八十計ナル老翁ヲ縛リテ 石籠ノ 内 へ ソ 二 十 三 皆 タ ウ ^ ^ タル 大 水 ” 一一 i勢 ノ 天 狗 h四 大 臣 殿 行 へ 尋 へ キ ホ . モ、 立 寄 ル ヘ キ 宿 モ ナ ヶ レ ハ 、 サテハ 了ォ 義ノ天狗 叶刚漫々タル大水ニ S 州大臣殿ノ御行末委ク尋ヌ へキ便リモナケレハ、 サ 益 礎 ~ノ 石 モ 焼 研 テ 了才 ぼ 嬉 ク 思 召 テ 、消息遊シテ モサコソ浅猿 S 四礎石モ焼砕テ 消 息 ヲ書テ 神慮モ— U 猿ク 二 十 五 ウレシク 覚 ク 童 様 々 -教 1 訓申ヶレ ツルヲ 見 マ イ ラ セ ソ ロ へ ニ十七身ヲナケサセ給テソロ キヨノ 什六我身サテ沈モハテバ ハ、 ナ ハ 也トノ給へ ヒ、 人 口 ニ モ 落 ラ ン +浅 二 十 五 サコソハ 神 リ ヨ ニ モ 違 *- テ ニ十一 ノコルトコロナシ 丁オ •天 狗 一コイサ力ヰ - 一 : 二十 了ゥ 二十一白河ホコノソラインデ (コノ歌無シ) - - 聖護院以下門主タチ 丁ゥ iク、 ツカレ じけ二八十有余ナル老翁 ノビンバツ 十三一宵アリテ 丁ウ .ニ 七 f 律 師 モ 童 モ 心 乱 テ 、手 足 ナ ~、 フ シ マロ フへキ g 我 身 サ テ 沈 ミ モ ハ テ ハフ 五 身 ヲ 投 サ セ 給 ヒテ 候 ツル 1.1 ヲ余ニ御痛シク見参セテ 程 ニ九七 キレハテ瘓蹵軀テ伏沈ム れ 律 師 モ 童 子 モ イ ト 、心ァ M 'y* シ メ テ 此 石 楼 ノ 中へ ニ十二一両日アテ T+ r-f - T -h T -h 1± タ ル ヲ 、 高 手 小 手 ニ4 マ ニ十一ニナミタノ露ヲシタ、ツ 汁 |涙 ノ 露 ヲ 左 ノ 手 ニ 入 テ テ有ケルヲ此翁左ノ手ニ 入テ 7/ TT- T- T+ T -f - T+ J i T+ 丁ゥ 4 地シケレ■ トモ 二十七年ツモ身ヲハナタス け七金鑭 十七同宿共 什A 紅 葉 紅 フ カ キ イ P カト 見へテ岩陰ニナカレ力、 リタ ル気色ノ有ヲ ノ カ ミ、 ワリナ 付A タケナル力ミハ瀬一一乱 二十八ミドリ 丁ゥ キカヲハセハカワラネト モ 二十八見ルニ付モツキセヌモ 丁ウ ノハナミダナリ g 九又中空ニ帰ル 有へキ 二 十 九 サ テ、 斗 ツマテカクテ 丁オ 二十九一ックヮヰノ灰 丁オ 丁ウ ニ十九童モャカテ出家シテ ヘキ心 地 ス レ ト モ ね朝暮身ヲ放サテ 后 九 ナク ?| S O 一鬆 I 內 へ ナミタヲナカシテ申ケ ル ハ、 我 等 寺 門 ノ 興 隆 テ一同一皆夢覚テ 今□ ヤ 君 カ ヒ ト リ ュ 三十ニ済度ノ方 K 丁ウ ラン 三十三 丁オ ク ー ー ー ” ー大慈大悲哉ト被レ仰思 叶ニ経論聖教ノ粉失シタル 慈悲ノ至如 肛叶ニ是モ非トシテ行レ罰 才 ラセ 給 ケル 時 ニ 叶 一 玉 ノ 階 ヲ 歩 ン テ、 立 帰 ノ 左右ニ相随ヘリ オ 一二十 丁ゥ 金襴 若党下法師トモハ 紅葉々ノ深キ色ヵト見へ テ、 岩 陰 二 流 レ セ カ レ テ 有ヲ ハ長ナル髪流レ藻二乱レカ ヽリテ トモ ハ 縁 ノ 髪 ワク ル形ハ替ラネ 了才 叶化童子モ髪撕テ ノ灰 六 ••何 迄 サ テ 有 へ ヰ - 又半天二帰ル 十六目モアテラレス 丁ウ K J? 'T rH t+ TH 7' 3 一九八 無端 汁代左右一随従セリ ト見へケレハ通夜ノ大衆 神錦ノ悵ノ内へ入心給ヌ 三 十 人 一 同 —皆 夢 覚 テ 务度ノ 叶呔今宵ヤ君ヵ西へ往ラン ^ 汁 大慈大悲哉ト仰ラレテ明 経論聖教ノ失タルハ 慈悲ノ至リー ア 一ラス 什パ是ヲ非トシテ罰ヲ行フモ 興隆 摩耶戒壇建立ノ事吾寺ノ i 涙ヲ流シ申ケルハ今度三 ニ入ト給ハントセシ時. 玉 ノ 御 階 シ ヲ 歩 ミ 、 宝殿 i 叶幕ノ中へ i 益 興 T -h T - t- 1± TH r+ T -h '> A >/\ Ji li 1± T± Ti- Ti i: TTr. T - TZ1 士ーー 書 院 ノ 石 壁 建 立 シ テ 、 春ノ暮月ニ 三十ヨ東山雲居寺ト云御堂ヲ 丁ウ 見 一無レ 一 一ル 人 誠 - 三十四加様ノコトヲゾ丰べ キ、 故 擎 、 聞 人 S れ 書院ノ墙壁 東山一雲居寺ト云フ所ヲ 草 創 シ テ 、 例年ノ春毎ニ W 加様ノ事ヲソ申へキト語 リヶレハ聞人感シテ袖ヲ ヌラサヌハナカリケリ 慶応義塾図書館蔵 る。 如く誌されてゐる。 奥 書 、 第 四 十 三 丁 表 は 本 文 な く 、 奥 書 の み 本 文 同 筆 に て 、 次の 主松寿丸常住 天文九年%神無月中旬 右筆拾三才 丁数、 四十三丁。 他に巻末に白紙一枚。 但し、本 書 は 漢 字 を 大 字 に 記 し 、仮名には大字 で 漢 字 の 直 下 行 数 、 六 行 。 字 数 、 一行約十一字— 十 五 字 。 に記せるもの、小 字 の 振 仮 名 、 漢 文 体 の 送 り 仮 名 の 如 き も の 、 同じく大字の仮名の右下に故意に片寄せて記せるもの等ある。 右の字数は、大字のみの数である。 備 考 、本書の 書 写 年 代 は 、 紙 質 や 墨 色 か ら 見 て 、奥書に記す時 挿 絵 、 なし。 色 や \異 る 「右 筆 拾 三 才 」 と あ る は 、 本 書 の 筆 者 松 寿 丸 の 歳 を 代とみて間違いないものと思はれる。 但し奥書、第三行に、墨 指 示 す も の で あ ら ぅ が 、 本 文 の 筆 蹟 を 見 る に 、 や X老 成 の 感 が 本 文 は 和 歌 の み 平 仮 名 書 き で あ る が 他 は 既 述 の 如 く 、 漢字 あつて、拾三才の者の筆の跡とは思はれがたい。 て、 真 名 本 に 近 ぃ 感 じ を と 2 め た 仮 名 交 り の 文 体 で ぁ る 。 句 読 を大字に記し、 送 仮 名 は右下に小字に附し、 間々返点などあつ ニ九九 点は無く濁点は不規則に施されてゐる。振仮名は本文と墨色の 外 題 、 表 紙 の 左 上 に 「秋 夜 長 物 語 」 と あ り 、 右 下 に 「松 寿 丸 」 内 題 、 本 文 冒 頭 に 空 押 界 線 上 方 よ り 「秋 夜 長 物 語 」 と 記 し て あ とS 書 、本 文 奥 書 等 と 同 時 、 同 筆 で あ る 。 字 ® 、 高 サ 約 二 十 三 •ニ 樞 。 天 地 に 空 押 の 昇 が 施 し て あ る 。 表紙、本文共紙。 装 幀 、楮 紙袋綴。 竪ニ 十 七 糙 、横 十 九 ニ ー 惺 。 写 本 、 一冊。 天 文 九 年 写 本 「秋 夜 長 物 語 」 チ カ リケリ ニ 別 ノ袖ヲヌラサヌ者ハ ナ ミ タ ヲ 流 シ テ 、夜 ト 共 3 :61 TiT+ TS 異なるものが僅か散見するが、 その殆んどは本文と同時のもの と み て よ い と 思 は れ る 。 た ^ 「寝 覚 」 (ニ オ ) 「終 夜 」 (七 ゥ ) 「危 徒 」 (三 十 七 ォ ) 「勅 宣 」 (三 十 八 ォ ) 「茅 屋 」 (四 十 ー ォ )の 如く左右に振仮名が施されてゐるものもある。 又文中、 四声の点と思はれる中黒の点、中白の点が附されて ゐ る も の が 数 語 あ る 。 即ち 「常 行 三 昧 〃 阿 弥 陀 堂 」 (二 十 七 オ ) 」 (三 十 三 ウ 、 三 十 四 ウ ) 等 で あ る 。 「供 御 瀬 '' 従った。 三〇〇 字 鉢 は 、漢 字 、仮 名 に 異 鉢 の も の が あ り 、特 に漢字には屢々見出されて古色のほどが伺は れる。 な ほ 漢 字 に は 遍 i (辺 )(六 オ ) 「貼 言 」 (十 七 オ ) 音 ュ (二 十 ー ゥ 〕な ど の 如 き 当 字 が 間 々 使 用 されてゐる。 ヒ 本 文 に は 又 、 ミ セ ケ チ の 筒 所 が 数 ケ 所 丨 「存 ク ワ ン 」 を 消 し 「ハン」 と 訂 せ る な ど あ る 。 —知 タ ル 」 (八 オ )、 「 板 生 坊 」 (二 十 五 オ ) の が煩をさけて訂正せるものに依って掲げた。 そ の 他 、 振 仮 名 に 「人 ト 毎 ト 一難キ離習ィナレ ハ」 (三 オ )、 宛 転 (二 十 九 ゥ )、 「退 江 」 (三 十 七 オ ) の如く、 仮 名 の み に 明 ら か に 誤 れ る も の が 僅 か に 数 へ ら れ る が 、 そ れ ら は 原 本 の ま ^!に 本 書 の 本 文 は 、前 述 の 幸 節 氏 蔵 絵 巻 、 文 禄 五 年 写 本 、或は永 の多きが認められる。 上記諸本に較べると、詞章の删節せる処 和 三 年 の 古 鈔 本 に 比 し 、 詞 章 は か な り 簡 略 撲 素 、 且っ異同出入 レテ」 の 歌 を 共 に 有 し て い な い 点 、 或 は 別 項 に 於 て 既 述 せ る 諸 は、 天 理 図 書 館 蔵 写 本 と ょ く 類 似 す る 。 「寂 漠 ノ 苔 ノ 滴 _袖フ 「秋 夜 長 物 語 」 の 諸 写 本 を 、 こ X で 飜 っ て 思 ふ に 、 永 和 本 系 点など、 天理本との近似関係が考へられる。 の諸写本と、 天 理 本 並 び に天文九年本系のニ系統を大別し得る r のではないか。た乂し永和本系の古鈔本の、単に簡素化せるも じ空押をした銀紙。 の長物語上」 ( 中下) と書いて、表紙中央上に貼られてゐる。 題 簽 、 朱 地 に 金 泥 で 、 雲 と 霞 を 描 い た 短 冊 形 の 紙 に 、 「秋 の 夜 内 題 、 なし。 の と し て の み 、此 の 両 本 を 想 定 す る こ と は 出 来 難 い 。永 和 三 年 本 に 比 す れ は 、本 書 並 び に 天 理 本 は 、書 写 年 代 遙 か に 及 ば な い が 、 り0 備 考 一 、 各 巻 頭 に 白 紙 一 丁 分 と 、 上 巻 末 の み に 白 紙 一丁分あ 十 一 ォ 、 二 十 六 ォ (欠 ) 下 巻 、 四 ォ (欠 )、十 ォ 、 十 三 ォ 、 十 五 ゥ 、 二 十 ゥ (欠 ) — ニ — 二 十 一 才 (欠 )、二 十 八 ォ 。 中 巻 、 四 ゥ 、 八 ゥ 、 十 一 ゥ (欠 )、十 五 ォ (欠 )、二 十 ゥ (欠 ) 十 四 ゥ (欠 ) 二 十 六 ゥ 。 上 巻 、 六 ォ 、 十 ゥ 、 十 四 ゥ (欠 )、 十 八 ゥ 、 二 十 ニ ォ (欠 }、 ニ 数 、 一行約八字— H 一字。 挿 絵 、現 存 十 一 頁 分 。 欠 け て ゐ る 分 、 十頁 分 。 行数、大体十二行、下巻終りの方には、十三行の所もある。字 十 六 丁 半 (二 十 七 丁 裏 白 )。 丁 数 、 上 巻 二 十 六 丁 、 中 巻 二 十 七 丁 半 (二 十 八 丁 裏 白 )、下 巻 ニ 猶 よく 古 樸 の 感 を 失 な は ず 、 旧 姿 を と ^ む る を 思 ふ と 、 此 の ニ つの系統の存せるは、 かなり時代を遡るものと推定される。 いづれにせよ、此 の 両 写 本 系 が 、 片仮名古活字本にと流動せ る源たるは想像に難くない。 奈 良 絵 本 「秋 の 夜 の 長 物 語 」 武田祐吉博士旧蔵 I 本書は今 度 の 戦 災 に 遭 い 、焼失せ る 由 で あ る 。 以下所掲の解 題 並 び に 本 文 の 引 用 は 横 山 重 氏 ょ り 拝 借 せ る 本 書 の 副 本 、 解題 等にょつたものである— 奈良絵本、 上中下三冊。 装 幀 、横 本 、鳥の子紙 袋 綴 。 竪五寸一分、横 八 寸 二 分 。 る。 絵 の 欠 け た 所 は 、綴 じ 目 に 、切 り 取 っ た 跡 が 残 っ て ゐ る の で 分 は波と雲、下巻 は 、 上方に雲、霞 、遠 山 を 現 は し 、下方に松そ かへりける」 で終り、 い ら せ 給 は ん と 、 お ほ せ ら る \ょし 申 て 、 い そ か は し け に そ 、 上 巻 は 「ふ け す き て 、 人 め っ 乂 み て 、こ れ へ 、し の ひ や か に 、 巻分次第は の他の山の木を描き、中 間 に 波 も 見 え る 。 上巻の裏表紙は、別 表 紙 、 紺 地 に 金 泥 で 、 上 巻 は 水 辺 模 様 (水 、 芦 、 松 )な ど 、中 巻 本 文 、 竪約四寸三分、横 、 約七寸。 のものが附いてゐる。 見 返 し は 、小田文庫目録表紙の模様と同 三〇 一 中 巻 は 「さ る ほ と に 、 り つ し 、 た \ ま そ 、 なか 「し や く ま く の 、 い ま の つかひを、 き く ょ りも、 心 ぅ か れ 、 玉しゐみ た れ て 」 に始り、 こけのしつくに、袖ぬれて、 なみたの雨の、 かはく りける」 で終る。 ょ I 下 巻 は 、 「か 乂 り け る 所 に 、 あ は ち の 国 の 、 も の な り と て 、 八十はかりなるおきな、 ひんはつしろく、 や せ た り け る を る七日まんしける夜 三〇 ニ るまことにしゆせぅなる御事 る と て 、 人々 お も ふなりすてに匕 にてこそ侍りけ Pしきに 日にまんしける夜 抒 あ ま り に ひ た \け た ら ん ひすて乂又こトまいりあふへ もさすかなれはなにとなくい 以 丁 あ ま り に ひ た Xけ た ら ん つ 、又 わ 力 山 へ そ か へ り け る もさすかなれは石山へまいり 一 に ま い り つ \た ぅ し ん の し けれとてたちわかれまたいし る かきいろをみてよろつ心をへ てぬ有さ かき色をみてょろつ心をへた 6け て さ て も い ふ んなけれともむ につけても はり候へと、 いか もして申 比まつ御文をあそはして給 めわか君に はらにょひ ま な り を の ^ ^ しゆ たてぬさまなりけりさてむめ えんすきけれはわらはをかた たまはり候へゃかル申て見候 七丁まつ御ふみをあそはして わかきみに ;H 丁ゥ ハわらはもはや心さしのふ ゆしト又わか山へそかへりけ ちこにめくりあはんのねんし ょ く わ ん を ひ る か へ し 、 かの か 見 出 す 程 度 で あ つ て 、文 章 は 平 易 化 さ れ て ゐ る 。 振 仮 名 、句 本文は、次掲の別表— 平仮名古活字十一行本との比較丨の如 く 、 流 布 本 系 に 比 し 、 著 し く 委 細 な 一 面 を も つ て ゐ る ? がこの 増 補 の 部 分 を み る に 、古 写 本 系 の そ れ と も 異 つ て お り 、 又 、他 に か 乂 る 類 例 を 見 出 し 得 ず 、本 書 特 有 な も の で あ る が 、 それな りに後人のさかしらになるところの本物語の近世化、或通俗化 の跡を示すが如くにも思はれる。 そしてこれら顕著な相違箇所 以 外 は 、 と り た Xて そ の 差 異 を 掲 る ほ ど も な く 、 かなり平仮名 古活字本に似通ってゐる。従って別表はそれを省略した。 ( 点線ハソノ相違ヲ示スタメ私二施シタ。 丁数ハ各文頭ヲ示ス) 武田祐吉博士蔵奈良絵本 五丁たぅしんけんこそくせぅ 才 むしやうほたいとそいのりけ 1>- ^- 平仮名古活字十一行本 三 丁 た ぅ し ん け nこ P そくせぅ オ 無しやうほだいとそいのりけ 七丁わらはもはや心さしのふ 読点、 濁点は無い。 〔 追記〕、本書はひら仮名を主体とした文体で漢字は所々に僅 り起つてゐる。 T -t T+ はんとそ申けるおもふこころ をつくすほとのことの葉は 七丁わらはふみをふところよ て見候はんと申けれはぅれし くおもひすすりとりいたし思 ひの心をつくす程のことのは てかへりむめわか君の御まへ にまいり 汁仏みせしとて袖のわきにを 冲七わらは文をふところに入 M丁見せしとて袖の内にをし りとりいたして かくせは童ひんきあしとひま ほしけるちこもわらはもひん しかくしてまきらはしてそお をまちて 日 くるXまてし こ ぅ したるにしよゐんのまとより きあし と M てたちにけるかわ らはは心もとなく思ひ日くる Xまてしこぅしてゐたる所に しょえんのまとょり 十九いそきもちてゆき、御返 J りっしは山へかへりける しなりとて出しけれはりつし めもあやによろこふて か一あしふみてはたちと\ま りける程に .十丁わかこ kろさへうらめし のみや、御所のかたはらにし りたるしゆとのはうの候へは 十丁ほうへんのうたあはせな ニ计三我心さへうらめしの身 や、とあるをみていか\せん ともたへけれはわらは をひ かへ御所のかたはらにしりた るしゆとのはうの候へは 上巻 什四ほうへんのうたあはせ \むめわか君のおなレさしき にもおはして こそと 心 もさら にうかさりけれりつしかくて のかたはらにたちまきれ 上巻 叶五ょしやた乂我身にそな 前に七日さんろうするな と \ てょるになれは もしやのけん さんも有やせんとゐんけ ら大みやうしんに七日さんろ うするよしをいひてよるにな よ m そなから、 のちにせめとぉもへはぁしか ゆく行てはかへり 見るはかりをわか身にあるち きりにて人のなさけをこそい 十丁よしやた もたへかたけれはしゆくくわ んの事有てしんら大明神の御 なとして日を く M りけるかた «- れはゐんけのかたはらに立ま きれて として日を乂 くりけるりつし はしよくはんの事ありてしん T- 三 ◦ 三 はらぬちきりなれはいのちこ そうらみにゆきてはかへり T- ス丁いそきもちて行たるにり つしめもあやによろこひて 八丁りつしやまへかへりける か一あしあゆみてはみかへり ニぁしぁゅみて1たちと\ま りしけるほとに r- 十丁いつまてもと人はいへと もなかゐせん事もさすかなル は明日はわかやまへ 上巻 仁 忖 五 ぃ ま 1たのみかしぁす は山へ 上巻 ふトせ給ふふけすきて人めっ 什 ナ も ん し ゆ も -^た く ^ ひ 候へはふけすくるまてかへら \み て こ れ へ し の ひ や か に い 卜もんしゆもぃたく御^ひ れてし. こうせられょこれへし し申ていそか. はしけにそかへ 十 五 た Xな く こ 袅 の み そ き こ 丁オ えにけるその夜よりわかきみ 五 さ て は 此 ぁ ひ た れ ん ^/- 三〇 四 にて候やととひ給へは山ふし へとて一とにうちわらひけり と も し は ら く こ \ にやすみ給 こ ^一 に は ん し や く を ね た 乂 な く こえのみそ聞え 中巻 けるふしきなりし事ともなり さ る ほ と に三井寺にはわか君 托さてはこのあいたれんれ 中巻 んしのひていひかよはしけ らせ給はんとおほせら る X よ り け る さ るほ と に り つ し た X る り つ し の 有 と ^-し か い が のひやかに御いり候へしとお ならす御まち候へしといそか しのひていひかよはすりつし さまかとは し と り てける と お ふさたにをくな のありときこえしかいかさま しゆとぅつたつなのめならす 山もんへよせんする事はかな ふ へ か ら す ち \ の お と ^も 1し 力しなからさんもんへよせん らは三井寺のちしよくな りし 4な ひ か た し ま つ ち X の大しん殿のしらせ 事もにはかには んとの大しゆ五百よ人ははく も ん と の し ゆ と五百よ人はく てこのうらみを申さん と て御 ち う に さ ふ の て い 三 て う きや ちうに京へのほり三条きやう 給はぬ事あらしいさをしよせ うこくへをしよせて一ものこ つ は な そ 6\さ ぅ の て い へ を ふ所へそかきもて行けりわか こ く へをしよせせひのあんな 君もわらはもひえの山はこ乂 しよせてうらみ申せとて御も りたまはぬ事はよもあらしま ほえたり此 か と へ と り て け る とて ゐ ん け ひ か た し た か ひ に う つ ^'と も ち は 申 に お ,よはすー,寺の いまのつかひをきくよりも心 おほえすなみたとともに 中巻 の うかれ へしなみたとともに かたくかたるにことはなかる 五丁そへつる袖のうつりかを 3系 に か く と も 筆に も を よ 十三そへつる袖のうつり香を はあたなる物からかたみにて 中巻 , *• り こ\ に は ん し や く を 计丁大みねしやか乂たけとい 5- いふ所へそかきもてゆきにけ J 大みねのしやかのたけと . わかものからかたみにて e 表にかくとも筆もおょひ し け に い ひ す て Vかへりけり ほ せ ら れ 候 つ る そ 門 さ ^!てか T+ T+ T1 1 りつしこれを聞て心うかれ T-h T+ T+ T+ さ す や き は ら ふ お ん じ やぅ じ いもなくたちかたなのさやを はつしきり入けりうちにまな に 事 と も し ら こ X かしこにに マ、 きのこもんに にとかのあれはふせきける人 け か く れ け れ は さ れ は こ ^-身 もなきそとて 火をかけけれはおりふしまふ こかはなにのいしかに ハまつじまつしや三千七百 てかやうにやきはらふらんと しつにあ と ひ 給 へ 1 し か - ^ のうらみ 三〇 五 く わ く をかま 七まつしまつしや三千七百 中巻 < たうじにしやう りしよせん此ついてをもって をもつてあさむくとおほえた んもんよりいひとかめぬ事な たうをはたらくといへともさ 事あらしかのちこゆへにわう んのちしよくこれにすきたる をの^ ^ せんきしけるは南も 三井寺へこそかへりけれ 事かさねて申いれんとてみな んほくをうしなひいかさま此 給ふ事かきりなレしゆともめ なひけるよとてなきかなしみ ひし事はさてをきちこをうし なりと申かれはぜ 5- の し ゆ と こ れ に て な を い きと を り を さ ん せ す 一 山 一 司 せ ,V きしけるはじもんのちレよく これにすくへからすしよせん 此ついてをもつてたうじにし やうくわくをかまへ うふききたつて御てんに火か 乂 つ て お ほ く の や か た ^-一つ りことをたつぬるにさふの御 ものこさすやきはらふ比はか 1 をやきはらふならはさため て山もんょりきをいたして三 井寺へをしょすへし其時うら み の か つ せ ) にさんもんをほ ろほさんとのあくきやくしゆ との心のふてきさはほういち むさんとそ申ける ふ せ き た Xかはんもかなふへ さ れ と もさ ふ は せ ん か た な く も< き事ならかは事すきてのかそ T+ ^- r± 三か所へふれをくるまつきん 三 か 所 へ ふ れ を く 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大 明 神 の 御 し や た S 五一時のけふりとなりは んよりほかはのころ所もなか 一時のけふりとなりはて ょりほかはのこる所一もなか り け り ふ せ く 大 し ゆ も ^ ふり Xしんら大明神の御しやたん りけりさるほとこ にうちしにするも ひ ''^" にむせひゆきかたをうしなひ おも ありあはれなりし事ともなり よせてもいまはこれまてなり とて手をひし人をひきつれて 山 上 に こ そ か へ り け れ 、 さる 中巻 ほとに ひてなくょりほかの事もなし なし、 ちわひてなくよりほかの事は 十 七 た \わ ら は と と も に う わかきみかくはかり つくに袖ぬれてなみたの雨の 计た乂わらはと共にぅちわ しやくまくのこけのしつくに かはく まそなかりけ る ( 注古活 し や く ま く のこけの し 袖ぬれてなみたの雨のかはく 一 丁 こ れ も い し ろ の ろ う の う 下巻 ヰル) 字本ノ和歌ハ本書テハ地ノ文トイツテ 汁これも石のろうの内へい まそなき T - れたり一両日ありてこのをき おきなすこしもくるしむけし ちへそ入たりけるされとも此 きもなく二三日有てちことわ な^ ことわらはのなきかなし て戾と乂へは ふ むを見てもしその御袖やぬれ てさやうに袖のぬれさせ らは を つ く ^ ^ とみてなにと 下巻おきな申やうさ候は乂そ と \ へは 二十一らぅおぅおほきにょろ いらせん我にとりつかせ給へ れかしふるさとへをくりてま たやすくふるさとへかへし こひてさ候は乂われにとりつ さんとかたりけれはまことし 申 つけ参らせんとて翁此ちこの て此うちを出してたへと仰け からぬ事なルともいかにもし りてみるに れはおきなわか君の袖をしほ 三丁あらゆる所のものとも一 下巻 人ものこさすせなにのせて® にのつてたい大りのきうせき 五丁三井寺よりをしよせてや 下巻 -一 一 三井寺よりをしよせて きはらひて候なりそれよりち 三〇 七 やきはらいて庚なりとそかた のきうせき なんによくもにのせてだいり 十一あらゆる所のたぅそく そてをしほりて見るに かせ給へたやすくふるさとへ ^- JJ T - r- り け る お と X の 御 ゆ く 系 と は •••♦•••••••♦• \ は \も わ か 君 の 事 を な け き 紿ひいつくともしらすたつね 三◦ 八 人はともにつなきすてたる小 たるこふねに りめくりみきはにつなきすて いはのかけになかれか やれはむなしきかほにたけな る力みな力れもにみたれか りいはこすなみにゆられてぅ みきはのなみにふ■ ねさしよせ きぬしつみぬしけれはあらき んもかなはすをよきてゆかん た よ り も な し あ れ ^^-と は か りにてあきれかなしむはかり なりりつしはもとよりおしき つまんとおもひきりさかまく いのちならねはともに身をし お よ き つ き な く '^^-^し か い を なみにとひいりてやぅ^^に のせたれは とりあけてかほをひさにかき M しやとこなたよりはるかに見. Xりたるけしきをあれはあや C 下巻 舟に 忖四いはのかげになかれか Xり た る け し き の あ る を ふ ね さしよせて見けれはある も む なしきかほにてたけなるかみ mり て い はこすなみにゆられいたりな なかれもにみたれか く ' - 'と ^ りあけてかほをひさ にかきのせたれは T + 出させ給ひ御ゆきかたもしら し もかくもならめとて二人はし T r. んほとたちよるへきやともな けれはさらは三弁寺にゆきて す と 申 け れ は わ 4君 あ さ 八丁とる物 下巻 きて た土二とる物もとりあへすた a 〇 そきけるかわらあしたゆみて み ち の 程 お も ふ ま \ にいそか れねはやかてさきむまのせむ ちをあけてそはせゆきける せ給ひ候ちこのしろき小袖を 御とし十六七にみえさ めしこぅはいのはかまをきて 九丁 下巻 の小袖にすいかんの一^ は か り せ給ひ候つるちこのこぅはい 卜一めみてのちにこそと 下巻 めされて候ひしかにしにむか ^士 1 ニ御とし十六七にみえさ きける \二 人 む ち を あ け て は は せ ゆ も と り あへすい んかたなくてまつ三井寺にゆ く お ほ し め し し は し た ち ょら "- にしにむかつて C十 四 一 め 見 て の ち に こ そ と もかくもならめとおもひてニ T+ らてニたひ花さくならひなく 十四 下巻 二十五らつくはえたをしらて らつくわはゆふへをし ニたひ花さくならひなく こ^ も お し ま す な き ふ 十五 丁オ 下巻 二十五こ^もをしますなきか しけりあはれなりし事ともな 下巻 なりてにし山いはくらに 十六 丁ゥ さんりんとそうの身と りさて有へき事ならねは なしむかくて扨しもあるへき 事ならねは ニ^六 さ 心 り ん と さ う し け る 丁か か後にはにし山いはくらに 十八 下卷 と+六 あ る ひ は ほ う む の 大 そ 丁ゥ 大そう正あるひはいくわんた あるひはほうくわんの うしやうにやみえたる力うそ しにのり力つちうをたいせる 乂しくそくたいのかく玉のこ すいひやうをめしくしあるひ う四方こしにのりてしうそふ の大しやうせんこにしにうし 下巻 ^ りたるにのりてきんれいのか たいけんのたまをかさ はょうしやくせんけんたる あ る ひ は い く は ん た \ しきそ くたいのかくかつちうをたい せるすいひやうをめしくし或 は よ う しよく せ ん け ん た る 什 1J 七 た い け ん の た ま を か さ りたるにのりてしちよす人^ てさゆぅにあひしたかへり ぅりをはききんれんのかふり 十七しんら大明神たまのは り しんら大明神玉のはし ふりにてさうにあひしたかへ 下巻 十九 んちやうのうちへいらせ給は をあゆみたちかへらせ給ひき んともしときつやの大しゆ夢 はそも^ ^ さまやかいたんの 心になみたをなかして申ける 事は 二什 下巻 はかりかたくそんし候へ‘ i 、 て心よけに兔みをふくみ給ふ ひよし山わうにたいし きてなみたをなかして申ける こそ存候へ わぅもこれ を か ん し給はんためにらいりんの心 二十ニさん 下巻 給はんためにらいりんあり我 んをんのとぅなんへんきのと bなしつるなりいし山のくわ 十八さん王 んきの心をなしつるなり石山 三〇九 もかんたんにたへすしてくは もこれ を か ん し よにて候やらんはかりかたく せたまひ& はいかなるしんり 兔みをふくみたのしみをなさ し て ま こ と に 御 こ ^!ろ よ け に 二十八 日 よ し さ ん わ ふ に た し は三まやかいたんの事は、 一 人 明 神 の 御 ま へ に ひ "-まつ せ給ひける時つうやの大しう しを御あゆみありてたち帰ら Tr- のくはんおんのとうなんへん の と ^^と くに けたまひしもくはんおんのし な り と ち \お と \ も こ の む さ ひしもくわんをんのしょえん 十 新こきんのしゆつけぅ j一 九 せ一一さてわか君の身なけ給 下巻 ょへんなりしもんのやけたる う. のしたい .一 一 ; ^九 さ て は わ か き み の 身 を もさいとのほうへんなりとし てせんにんとそなり給ひ を と \め ほ つ し ん の 、 ^ まし 三一〇 三けんのさうあんのなかはを 上人と名をかへていはくらに •: たき木としてこのみをひろけ (マ、) くもにはけてまへのおちはを てしのちとしのこりのとしを をくり給ふ かならすとやある事なルはい そありかたけれ うのふにそいれさせ給ひける 下巻 ニ十0 し ん こ き ん の し や つ け P つ た う に い り 御 あ と ^ とふ き \給 ひ な け き んきもにめいじけれは三 してともに仏道をしゆきやう なひけるこそ有かた き か く か や ぅ に と ^!のへて ふのきをおこなふ廿五のほ薩 | ^ 对九ほんそんに三尊らいか ほさつきかくをしらへ くわうのみたをそなへ廿五の 下巻 に叶四ほんそんに三そんらい り と ふ と す れ と も お な し さ まな せんとてかのけいかいせんざ も こ と ^-^く か ま ん を ふ り す ののちくけふけのそんそうに て さ ん り ん に と ち こ も り おこ ね て三井寺もとのことくにたち た な こ \ろ を あ は せ こ れ を き たきひしりけちえんふかき事 きやうらいすまことにありか たなこ乂ろをあはせてこれを れ、 そ のなかはをくもにわけてまつ 下巻 ニ十四をん てみれは三けんのくさゃ の お ち は を た き Xと し て ふ し ー^ | 叶 て こ \にらいかうすなんにょ 御めくみゆへなりとたつとく ん よ り お こ る 事 な れ は まこと やうらいすほとけのたねは表 こ ん くひすをつき ならひいら力をならへしょり てこ^ !に ら い け い す な ん に よ のけいかいりつレはせんさい ^- 有かたくこ^ おほえける、 か おんこんくひすをつき このみをいのちにて残りのと ことにこんとのらんは明神の やうあまたつきけれはこれま ふいはくらのあんしつへたつ らひ給ふとなりつやの大しゆ ^- い上人となをかへてすみたま 十余人のしゆとみなほつしん の部にそ入させ給ひけるとく T_ しををくりたまふ ^- (武田祐吉博士旧蔵奈良絵本秋の夜の長物語) ふ事なくして夜と共にたち出 にたんとくとかたれはきくひ つとくかたりけれはきく人み りおこる事なれはまことにた と も な り 、 ふつしゆはえんょ ょ と Mも に か た り な く ななみたをおとさすといふ事 とみななみたをおとさすとい にけるとなり なくて さみふつしんをうくる此もの る と おほえ 力たりせんさし上人のしきた うをちやうもんす てをの^^くわんきのおもひ をなしにけりのちの世にいた たふる人ことにたと る ま て か ^る 1 ありかたき心さ しを聞 り しやうにてふつくわを 三ニ (二 十 七 丁 オ 終 ) す 心 さ し は ふ 力 \る へ し と そ にいたる事おとこ女にかきら 神の んに心さしある人はつゐに仏 ひ一たんあくしんおこる共せ ° - 慶 長 元 和 頃 片 仮 名 古 活 字 版 「秋 夜 長 物 語 」 内 題 、 「秋 夜 長 物 語 」。 尾 題 、 「秋 夜 長 物 語 終 」。 丁 数 、 十 二 行 。 字 数 二 十 三 〜六 。 刊記、 なし。 版 心 、 「秋 夜 」 下 万 に 丁 附 。 蔵 氏 重 山 横 古 活 字 本 、 一冊 。 - - - ----- ---- -- --- 1 1 1 ノ 玉 棄 ヲ 聞 ず 求 绛 土 聆 ハ 生 死剁 浼 猿 卜 ナ 儿 裘 ~彿 菩 淹 顒 瘦 ノ优 瀑 ヲ % 凡 、 8 省 # タ ハ # ヨc 手 ィ1 し 無 綣 タ — ~~ . I -{V . ? 哀 ニ 5 ツ ト カ■ v <• 々 挽 ザ ^ sレ カ 昶 悟 二 秋 夜 ノ 美 # 銹 ー 申馋 ヲ ン ' ■ J — i .. I — ■ — - —- V . . 又 仮 名 「セ 」 は 、 す べ て 平 仮 名 「せ 」 を 使 用 し て ゐ る 。 異体字、略体字、偽字等を甚だ多用してゐる。 飜 刻 に 際 し て は 、之 等 は 概 ね 通 行 の 字 体 に 改 め 、 「せ 」 は 「セ 」 と訂した。 その他、十数ヶ所にわたり明らかに誤植と識られるもの、或 める こ と な く その儘に残した。 ひは同音に依り通用した当字等も間々見出すが、本文中には改 本書は慶長元和頃の印行と推定されてゐる片仮名の古活本で と こ ろ は な い 。 川 瀬 一 馬 氏 の 「古 活 字 版 之 研 究 」 に よ れ ば 、 めるが、勿 論 、物語の内容は平仮名古活字本以下整版本に変は 平仮名古活字本に較べ、詞章の上には、 かなりの異同出入を認 る られてゐるが、刊行の前後は も か く として、平仮名古活字本 め、 既 述 の 古 写 本 系 統 に も 近 い (天 理 図 書 館 蔵 写 本 と の 比 較 は 、 そ の 項 に 掲 げ た ) と m 「元 和 .寛 永 中 の 印 行 と 認 む 可 く 、 平 仮 名 本 よ り 後 出 」 と 考 へ 系統に比し、猶よく古体をと -r .*«r . , ~~ 一面も見出す。 1. < , 松 {衆 ノ鑊 ハ 惡 ヨ ” # ニ 綉 ィ 餘 フ 水饵 荄 卜 す ク 《授 論 ノ 辦 謊杳 傳 等 ー ユ ノ 久 ル 所 ハ 事 レ ケ 、」 ハ 中 成 詞 グ ラ 边ス 象 等 ニ フ レ事ノ ||- は省略せる所が多い。 句読、 濁点、 振仮名はない。 又漢字には 備 考 、本 文 は 漢 文 直 訳 体 の 文 体 で 、仮 名 交 り で あ る が 、 送仮名 表紙、栗皮茶無地。 装 幀 、 大 形 本 。 美 濃 紙 袋 綴 。 竪 ニ 十 七 .八 樞 。 横 十 九 .六 榧 。 匡 郭 、 四 周 単 辺 、 竪 ニ 十 三 樞 、 横 十 六 .五 ® 。 - (横 山 重 氏 蔵 片 仮 名 古 活 字 版 秋 夜 長 物 語 ) 題 簽 、 後 補 の 白 紙 に 「秋 夜 長 物 語 」 と 墨 書 。 .. I —- I 一 た赛 ノ 花 ノ 撤 ' 取 1ノ ホ ル 《上 求 菩 # ノ 機 又 ¥ 、* * ^ 水j 底 ? ^ 儿 ハ 下 ^ 東 生 ノ 相 ヲ 潁天 K 云事ナク^ ^ 枚 ナ 龙 タ 示 久 人 心 ^今 杜 運 ト し サ 置 動 メ げ タ ン ヤ 若 有 人 >. 人 間 ノ 八 苦 タ 晃 テ 防 雜 土 赭 ハ 頹剧勝菩 提 ト ナ ル 天 上 £. 猶 、 本 書 は 、 つ と に 、 雑 誌 「観 音 」 (八 の 四 .五 ) 誌 上 に 、 尾 清濁の氐別は不規則ながら附されてゐる処もある。 されてゐないが、振仮名活字、連体活字等を使用してゐる。 又 t , t ゃ 我 ^ バ & 1 得 太 i バ ノぃ 八 C ? . ^ ^ ^ 4 1 > や1 f A ^ . ^ の ^ V , ハ 4rl > ^ 0w v 、 ^ f Lv Y.A, lwf^ - Kn c &5 A i く < ^ 、 ^ J . [ .i c ^ , の*' M “ (慶 応 義 塾 大 学 国 文 学 研 究 室 蔵 平仮名古活字十一行本秋の夜長物かたり) 読 困 難 な 箇 所 が 十 数 ケ 所 あ る 。飜 刻 の 際 、 そ れ ら は □ で 囲 み 、諸 とのほかに、印刷不明瞭なる箇所、或ひは手ずれなどによる解 料 紙 に は 、蟲 蝕 の あ と に 裏 打 ち が な さ れ て ゐ る 。こ の 紙 魚 の あ 蔵を聞かない。 こ ろ の 新 出 本 で 、 伝 本 は 本 大 学 国 文 学 研 究 室 の ほ か に 、 その所 る類である。 この十一行平仮名本は従来知られていなかつたと 寛永以後の整版本は皆、此等の平仮名本二種を以つて祖とせ 崎 久 弥 氏 に ょ る 全 文 の 飜 刻 が な さ れ て い る が 、今 回 、 平仮名古 活字本との比較対照の便をはかり、再び両本共に掲載した。 此の片仮名古活字本は、横山重氏蔵本のほかに、 天理図書館 等もに所蔵されている。 慶 長 元 和 頃 平 仮 名 古 活 字 版 「秋 の 夜 長 物 語 」 慶応義塾大学国文学研究室蔵 装幀、大形本。 美 濃 紙 袋 綴 。竪 ニ 十 七 .八 輕 。横 十 八 .八 觀 。 古 活 字 本 、 一冊。 表紙、栗皮茶無地。改装。 乃 V き > ^ i * ' v sv 4 d T A ^^*€''-& ^ ^ ^ *^ ^ め / Qて ^ 為 ^ ^ 人 2 d .3 A 1 6 V 7 %Y~9 ^ . ^t% a ^S 1-5 .M I Vd- i-3 f ^ V0 ^ f 本 文 、 堅 二 十 三 *ニ ® 。 横 約 十 五 .六 樞 。 題 簽 、 なし。 内 題 、 「秋 の 夜 長 物 か た り 」。 r \- 刊記、 なし。 丁数、全 二 十 九 丁 苹 " 行 数 十 一 行 。 字数、 二十四〜五。 版心丁数のみ附す。 備 考 、平 仮 名 古 活 字 版 に は 十 一 行 本 と 十 二 行 本 と の ニ 種 あ り 、 本 書 は そ の 十 一 行 本 で あ る 。慶 長 元 和 頃 の 印 行 か 。 十 二 行 本 本 文 は 寛 永 版 よ り も 、平 仮 名 を 主 体 と し て ゐ る 。句 読 点 は 施 (竜 門 文 庫 蔵 )と は 小 異 が 認 め ら れ る が 、勿 論 同 系 統 本 で あ る 。 I s 1' 不明な詞章、 又古活字特有な誤植、脱字等も間 刊本にょり推定せる仮名をロ内に入れた。 その他、文 三一四 備 考 、 本 文 は 平 仮 名 交 り 文 で 、 句 読 点 。が あ り 、 濁 点 、 振 仮 が か な り 多 く 使 用 さ れ 、仮 名 遣 ひ に 多 少 の 相 違 が み ら れ る が 、 名 が や X不 規 則 に つ い て ゐ る 。 平 仮 名 古 活 字 本 に 較 べ て 、 漢 字 所掲の校異の如く同一系統本である。 猶 、神 宮 文 庫 の 同 無 刊 記 本 は 、 この後印本である。 又日比谷 刻である。更 に 〔 寛 文 〕 頃 江 戸 版 、 群 書 類 従 本 等 も 、 この系統 図書館、加賀文庫蔵、京都小川多左衛門版は、此の寛永版の覆 二字ナシ( 類従 ) けるをたかひに見をりたま は し や う の 御 ほ ん ば う (寛 永 版 十 八 丁 ォ ) 心 〇 も あ き れ あ し て な へ て や が て ふ し ぬ べ き (寛 永 版 二 十 三 三字ナシ ( 類従) る ょ り (寛 永 板 二 十 ニ 丁 ォ ) ................... り ◊し 童 を う ち み ひけるそれょりも山をさしていそきける(類従) 。童 御 ふ み 取 て 山 へ た つ ね の ぼ り た れ ば ......... 。け い だ い (寛 永 板 十 四 丁 ォ ) とアリ( 類従 ) わ れ ら は か ち に て あ ゆ み 候 は ん .此 こ し に め し 候 へ ... 〇 。 て う - ^ -X ぼふ う ち ん の そ こ (寛 永 版 ニ 丁 ゥ ) くほみ( 類従) の小異を此処に掲げると 〔 寛文〕 頃江戸版は別項にて記すことにして、群書類従本と 文大観四、等はそれである。 る。 即 ち 、 続 史 籍 集 覧 十 二 、 日 本 文 学 全 書 、 日 本 文 学 大 系 、 国 明治以降の飜刻の多くは、 この系統本を底本とせるものであ の本文を有し、 この刊本系の伝存は甚だ多い。 又 十 六 丁 裏 、 「お ん し や ぅ し へ は つ か ふ す る 事 、 い ぜ ん す て 慶応義塾図書館 寛 永 十 九 年 刊 安 田 十 兵 衛 版 「秋 の 夜 長 物 語 」 刊 本 、 一冊。 装 幀 、 美 濃 紙 袋 綴 。 二 十 五 .ニ 糙 、 横 十 七 •七 極 。 表 紙 、濃い藍色地に銀泥で水辺草花を描いている。 匡 郭 、 四 周 単 辺 、 竪 ニ 十 ー .六 狸 、 横 十 六 .三 樞 。 題 簽 、 「秋 の 夜 長 物 語 」 重 郭 附 、 左 上 方 に 貼 る 。 内 題 、 「秋 の 夜 長 物 語 」。 奥題、 「 秋 の 夜 長 物 語 」。 丁数、全 二 十 八 丁 。 刊記、寛永十九年五月日、安田十兵術。 行数、 十一行。字 数 、 二十〜五。 版 心 、 「秋 の 夜 」、 下 方 に 丁 附 。 挿 絵 は な い 。 <- 原本のままで、私に施したものではない。 に 六 ヶ 度 な り 」 の 片 仮 名 「ヶ」 に 「か. 」と振仮名のあるのは、 る0 れる処もある。 が そ の 儘 整 版 本 へ と 誤 り 伝 へ ら れ た も の も あ 々散見する。 そ れ ら は 、寛 永 十 九 年 版 と の 校 異 に ょ り 、 訂正さ 1, 丁オ) 二字ナシ( 類従 ) 。是 を み れ ば 或 は ほ う む の 大 そ う じ や う ( 寛永版二十五丁ゥ) ■行てたつね 見給は( 類従 ) 。い は く ら の あ ん あ ん じ つ へ た つ ね 行 て み れ ば (寛 永 版 二 十 七丁ゥ) 釈( 類従 一 。新 古 今 の し ゆ け う の部 ( 寛永版二十八丁オ) 等四五ヶ所である。 日本文学大系、国文大観等の底本は、 こ 猶、教育大学附属図書館蔵の寛永十九年版には、平出鏗ニ郎 の群書類従本に依つたものである。 欄外に詳密な校異を朱書してあつて、同 書 の 後 表 紙 裏 左 下 に 氏 筆 か と 思 は れ る が 、 片 仮 名 古 活 字 版 を 以 つ て 、 その行間及び 「明 治 廿 ニ 年 七 月 廿 三 日 、 平 出 鏗 痴 、 読 了 」 と 貼 紙 が あ る 。 京 都 小 川 多 左 衛 門 版 「秋 の 夜 長 物 語 」 奥 題 、 「秋 の 夜 長 物 語 」 。 京都書房柳技軒小川多左衛門刻 刊記、 六角通寺町西江入町 丁数、全二十八丁。 行数、 十一行。字数二十〜五。 版 心 、 「秋 の 夜 」 下 方 に 丁 附 。 挿 絵 は な い 。 本書は寛永十九年版の覆刻である。 寛文頃江戸版秋 「 の夜 」 蔵 氏 重 山 横 。 装 幀 、 大 形 本 。 美 濃 紙 袋 綴 。 竪 ニ 七 醒 、 横 十 八 .八 蠅 。 刊本、 ニ冊。 匡 郭 、 四 周 単 辺 、 竪 ニ 十 ニ .五 喱 、 横 十 六 .三 表紙、竜紋稲妻模様の行成表紙。 装 幀 、 美 濃 紙 袋 綴 。 竪 ニ 六 .ニ 喱 、 横 十 八 •六 極 。 刊 本 、 一冊。 に 記 し 、 下 巻 の 分 は 、 一 行 分 で や-' 小字。横山重氏の解題にょ る と 、「な ほ 『秋 の 夜 』 の 内 題 は 、 そ の 記 さ れ た 位 置 か ら 見 て 、 内 題 、 「秋 の 夜 上 (下 ) 」 と あ り 、 上 巻 の 分 は ニ 行 分 、 大 字 下に 「 秋の夜長物語上( 下)」とある。 題 簽 、 短 冊 形 重 郭 附 の 元 題 簽 、 上 方 に 「絵 入 」 と 角 書 し 、 その 表紙、縹色布目改装表紙。 『秋 の 夜 長 物 語 』 と あ つ た 内 題 の 下 方 を 略 し た も の と は 思 は れ 削除ではなくして、 ない0 即 ち 、後 刷 本 に ょ く あ る 故 意 の 版 初 め か ら 『秋 の 夜 』 と あ る の で 匡 郭 、 四 周 単 辺 、 竪 ニ 十 一 •六 醒 、 横 十 六 .三 喱 。 日比谷図書館蔵 |1 題 簽 、 「秋 の ょ な か 物 か た り 」 ( 後補墨書) 内 題 、 「秋 の 夜 長 物 語 」 三一五 あ ら ぅ 」 、と述べられてゐ る 。 ®' 下 巻 、 ニ 丁 ゥ I 三 丁 ォ (見 開 き ) 五 丁 ォ 、 七 丁 ォ 、 九 丁 ォ 。 上巻、 ニ丁ォ、 四丁ォ、六丁ォ、 八丁ォ、十丁ォ、 三二八 丁数、 上巻、 十一丁、下巻十一丁半。 こ さ ず や き は ら ふ 。 を ん じ や …… と こ れ に て な ほ 云 々 」 (下 巻 ず ち \ の… … し り 給 は ぬ こ と は 云 々 」 ( 下 巻 一丁オ) 「一っもの 破 損 せ る 処 が あ る 。 即 ち 「山 門 へ よ せ ん ず る 事 は か な ふ べ か ら 「ァ ヵ キ 」 「よ こ や ま 」 の 蔵 書 印 等 が あ る 。 下 巻 に は 数 ヶ 所 の 備 考 、 両 巻 の 巻 頭 巻 尾 に 、 「福 田 文 庫 」 の 印 記 、表 紙 見 返 し に 、 刊 記 、 なし。 行 数 、 十 四 行 。^ 数 、 一 行 約 二 十 八 〜 三 士 一 字 。 版 心 、 上 方 に 「む め わ か 」、 下 方 に 丁 附 。 挿 絵 、 十 頁 分 、 中 に 見 開 き 一 つ 。■ (横 山 重 代 蔵 寛 文 頃 戸 版 秋 の 夜 ) 一丁ゥ) 、 「よ せ て に は 、 し ゆ せ ん ぜ ん じ く は っ さ う ゐ ん す き .. さ い し や う こ ん り ん ゐ ん 云 々 」 (下 巻 ニ 丁 オ ) 等 の 点 線 部 分である。 此 版 本 は 「好 色 本 目 録 」 に 云 ふ 、 万 治 寛 文 頃 、 「絵 入 秋 の 夜 長物語」と同一のものであらう。 本 文 に は 、 句 点 、 濁 点 が あ り 、仮 名 書 き を 旨 と し て ゐ る の で 、 振 仮 名 が な い 。 寛 永 十 九 年 安 田 十 兵 衛 版 と 比 べ て 、殆 ん ど 、そ の る0 差異は認められない。 その漢字交りを仮名本位としたものであ か ( 江戸版上巻一丁ゥ) その相違を左に示すと、 。わ れ た ま - ^ そ く ち ん の き よ う が い を は な れ て (寛 永 版 ニ 丁 程 ( 江戸版上巻三丁ォ) オ ) 但 し 寛 永 版 も こ の 「ち 」 は 甚 だ 不 明 瞭 で あ る 0 , か ( 江戸版上巻三丁ゥ) ゆ 〇め に み え た る ち ご の お も か げ 、 時 の ぼ と も 身 を は な れ ず (寛 永 板 三 丁 ゥ ) 。老 木 の は な の い ろ こ と な る 、 こ ず 糸 が き に あ ま り て (寛 永 版 (四 丁 ゥ ) て (江 戸 版 上 巻 三 丁 ゥ ) かど( 江戸版下卷三丁オ) は 〇 5 か に 人 家 を み れ ば 花 あ れ ば す な は ち 入 と い ふ (寛 永 版 四 丁ゥ) 。さ ん も ん ょ り 此 寺 へ 、 寄 て せ め し 事 す で に 六 度 か と な り (寛 永版十七丁ォ) て ア リ (江 戸 阪 上 巻 十 一 丁 オ ) 等 は 江 戸 版 に ょ っ て 正 さ れ る 。 その他 ナ シ (江 戸 版 下 巻 四 丁 ゥ ) こX に や す み か し こ に 立 と ^ ま り .さ ら に あ ゆ み か ね さ せ 給 〇 ひ け り (寛 永 版 十 三 丁 ゥ ) し ら か は ほ こ の そ ら い ん じ 、さ ん も ん な ん と の み こ し ふ り (寛 〇 永本十八丁ゥ) 三 字 ナ シ (江 戸 版 下 巻 九 丁 ゥ ) こ 兔 もおしますなきかなしむ、 かくてa しもあるべきならね 〇 ば ( 寛文版二十四丁ゥ) ひ た る に (江 戸 版 下 巻 十 一 丁 オ ) しや. っ (江 戸 版 下 巻 十 二 丁 オ ) 。山 王 も 是 を か ん じ 給 為 に ら い り ん あ り (寛 永 版 二 十 七 丁 ォ ) 。新 古 今 の し ゆ け ぅ の 部 に そ 入 さ せ 給 ひ け る ( 寛永版二十八丁) ォ) 等の小異が見出されるに、すぎない。 本 書 の 巻 分 け は 、 寛 永 版 の 第 十 四 丁 表 に あ た る 。 「ば う ば う たるこすいのうへ。 まんまんたる雲かすみのうちをわけて。 へ んしの間に大みねの。 しやかのだけといふところへぞかきもて ゆ き け り 」で 上 巻 が 終 る 。 下 巻 は 次 章 「 爰にばんじやくをた\ へ たる。 石のろぅの な か に お し こ め て を き た れ ば 。 月日のひかり もみえず云々」といふ所ょり起ってゐる。 正 徳 六 年 版 「 秋夜長語物」 吉 田 幸 一 氏 旧 蔵 現 在 、 そ の 所 在 が 知 れ な い の で 、詳 細 は 不 明 で あ る 。 田 ロ 明 良 著 「典 籍 奏 鏡 」 に は 寛 文 十 九 版 と 並 記 し て 、 「和 玄 恵 本 和字平かな歌交 (丁 数 ) 三 十 五 丁 本 秋夜長 S B i ? 絵 入 ハ 丁 全弍冊 正徳六年正江戸日本橋南春丁目須原屋茂兵衛開 月吉日丙申洛陽京極通五条上ル町新井弥兵衛板 応々翁方山書ノ跋あり其文ハ 菝 此物語ハもと玄恵法印の述作にて一部全鉢ハ神祇釈教恋無常 は せ し 甚 深 の 物 と 也 最 心 を と Xめ始終を味ひ見るへしされと 哀傷の極致是瞻西上人の一生の徳を感し彼法印の骨髄をあら も古来の板行所々違ひ有故に此度本書の写しをもって改め伝 るとそ書林予に抜をこふ固辞するに不許ょって右の意趣をあ らはにす爾云」 又 、 柳 亭 種 彦 「好 色 本 目 録 」 には と解題してゐて、 その概略は識られる。 『類 従 』に 入 れ ら れ し は 、 此 寛 永 本 に て 正 し か ら ざ る 本 な り 、 「絵 入 新 板 正 徳 六 年 穢 土 を さ い ど \誤 る の 類 最 多 し 、 は じ め の 三 本 (活 版 本 、 古 三一七 ちがひある故に本書 印 本 、絵入本) はさまで異同なし、正徳本は犬に異るところ あ り 、 其 奥 書 は 『古 来 の 板 行 と こ ろ < の う つ し を 以 て 改 め は ベ る 』 云 々 と あ り 、実に古写本 を 得 て 刊 行 な し X な ら ん と 思 は る X こ. とあり、予も天正前の古写本 はてうちんとあり、後人の書改めしなるべし」 を 蔵 す 、此 写 本 と 正 徳 本 に の み と う ろ う と あ り 、 はじめ三本 と 誌 し て ゐ る 。 之 等 に ょ れ ば 、 平 仮 名 古 活 字 版 、寛 永 十 九 年 版 、 〔 寛 文 〕頃 絵 入 本 等 の 諸 刊 本 と か な り 異 る 本 文 を 有 す る こ と が 判 る。 猶 、横 山 重 氏 か ら 御 拝 借 致 し ま し た 御 資 料 に ょ り ま す と 、 装幀、 竪八寸七分、横六寸一分。袋綴。 表紙、黒葱色無地。 匡 郭 、 竪 七 寸 三 分 、横 五 寸 一 分 。 三一八 別 紙 の 菝 文 (前 記 ) と 刊 年 記 が あ る 。 又 、 表 表 紙 の 見 返 し に 「I I秋 の 夜 の 長 物 語 」 と あ る 由 で あ る 。 そ し て 「本 文 は 片 ヵ ナ 活 字 本 に 近 い と 思 は れ る が 、 次 の や う に 『今 は む か し と も 申 べき』 が 入 つ て ゐ る 」 と の こ と で あ る 。 「典 籍 奏 鏡 」 に 丁 数 三 十 五 丁 と あ る は 、 丁 附 重 復 箇 所 六 つ を であろう。 見 落 し た た め で あ る と 思 は れ る か ら 、 丁数は四十一丁でょいの 又 、 洒 竹 文 庫 、霞 亭 、残 花 、吉 田 、 の 印 証 が あ る と の 由 で あ るから、吉田幸一旧蔵本と思はれる。 ! 猶 本 書 は 、 江 戸 川 乱 步 氏 御 所 蔵 と 伝 聞 い て ゐ る が 、今 回 の 調 査 に は 間 に 合 は な か つ た 。 次 号 に て 補 ひ た い 。— 例 今 回 、 本 論 集 に 掲 出 し た 「秋 夜 長 物 語 」 は 次 の 四 本 で あ る 。 凡 内 題 、 「秋 の 夜 の 長 物 語 」 。 慶応義塾図書館蔵天文九年写本 題 簽 、書 題簽。 丁数、 四十一丁。 横山重氏蔵片仮名古活字十二行本 慶応義塾大学国文学研究室蔵平仮名古活字十一行本 大東急記念文庫蔵文禄五年写本 一、 底 本 の 飜 刻 に あ た つ て は 次 の ょ う な 方 針 を と つ た 。 行 数 、 十行。 字 数 、 二十一、 二字。 十 五 … … 廿 一 、 又 廿 一 、 廿 ニ … … 廿 六 、 又 廿 六 、 廿 七 … … 三十 ⑴ 丁 附 、 一… … 三 、 又 三 、 四 … … 九 、 又 九 、 十 … … 十 四 、 又 十 四 一、 又 三 十 一 、 三 士 一 … … 三 十 五 。 甚 し い も の に 限 り 、(マ 、)、或 は (… … 力)と 左 註 を 施 し た 。 り 等 も 底 本 通 り そ の ま \と し た 。そ の 内 、誤 字 脱 字 等 の 特 に 本文はすべて底本通りとし、誤字、脱字、仮名遣ひの誤 版 心 、 「秋 夜 長 」 。 本 文 は 、終 了 裏 の 九 行 で 終 る 。 そ の 後 、裏 表 紙 の 見 返 し に 、 挿絵、十二頁分。 ⑵ ⑶ ⑷ 底 本 の 異 体 字 、略 字 、 異 体 の 仮 名 等 は 、 おほむね通行の 字 体 に 改 め た が 、 中 に はそ の ま ^残I し たものがある。 右 四 本 に は 、 句 読 点 は す べ て な い が 、通 読 の 便 を 考 へ て 、 私 に 読 点 を 多 く 施 し た 。 そ れ は す べ て 、 、点 を も っ て 統一した。 底 本 の 振 仮 名 は 、 そ の ま \ に 保 存 し た 。 又 、 「寝 覚 」 、 「終 夜 」、の 如 く 、 左 右 に 振 仮 名 の 施 さ れ て ゐ る も の も あ る 文中には之を掲げす、訂正せる処に従った。 又天文九年写本、文禄五年写本の本文は— 特に前者は— 用 も 止 む を 得 な か っ た の で こ \ に合 せ 記 す 次 第 で あ る 。 得 な か っ た 。 又 同 様 な 理 由 に ょ り 、字体は多く当 用 漢 字 使 が 、印 刷 並 び に 諸 事 情 に ょ り 、遣 感 な が ら 、原型を再現し 用言の 語 尾 や 助 詞 を 仮 名 で 小 さ く 記 す 一 種 の 宣 命 体 で ある (10 は、 大 略 の 字 数 を ロ 印 で 埋 め た 。 又 、 解 読 に 疑 問 を 猶 残 す で玆に感謝の辞を棒る。 ま た 横山重氏には、諸本並びに多年の 許 し 下 さ っ た 大 東 急 記 念 文 庫 、 横 山 重 氏 、 幸 節 静 彦 氏 、 天理図 一字下げて、上 下 句 を 続 け て 掲 げ た 。 に記してあるものと二通りであるが、今はすべて、別行、 平仮名古活字十一行本は寛永十九年安田十安衛版を以つ て、 そ の 校 異 を 傍 註 し た 。 但 し 漢 字 と 仮 名 、 清 濁 、 仮 名 遣 等 の 相 違 は 、煩 を避け、 之を省 略 し た 。 掲出の両写本には見消ちの筒所が各々に数ケ所ある。本 三一九 し、 御 芳 情 心 か ら 御 礼 申 上 げ る 次 第 で あ る 。 御 調 査 の 諸 資 料 の 数 々 ま で も 、貸 与 下 さ れ 、種々の便宜を恭ふ 書 館 、 東 京 大 学 附 属 図 書 館 、 神 宮 文 庫 、 日 比 谷 図 書 館 に 、 謹ん く行を改めた。 改 行 は 底 本 通 り に て は 、如何にも読みづらいので私に多 記した。 本調査に際し、御貴重なる御蔵書の飜刻並びに披見を快く御 代順のそれではない。 序は諸本の性格に依り、之を排列したもので、必ずしも時 底 本 の 体 裁 、 特 徴 等 は 解 題 中 之 を 詳 記 し た が 、解 題 の 順 (1¢ 文 字 に は 、 止 む を 得 ず 0 印 で 囲 み 、 左 下 に (… … 力 ) と 註 底本の虫蝕、手ずれ、破損等にょり、判読し得ざる処に 註 記 せ ず に 、 底 本 に 従 っ て 、 そ の ま \にと め た 。 M 「媚 」、 「釈 氏 」 、 「宴 」、 等 に は 、印 刷 の 都 合 上 、(マ 、)も が、底 本 通 り に 残 し た 。但 し 、振 仮 名 の み 之 を 誤 る も の 、 ⑶ £ 底 本 の 和 歌 は 、 上 下 句 を ニ 行 に 分 け て 記 す る も の 、 一行 ⑶ (5) (6) 三ニ〇 ヲ 振 ウ 、 誠一一是レ真俗ノ倚頼、 文 武 ノ 達 人 タ リ 天文九年写本 夫 、春ノ花ノ、樹頭ニ上ルハ、 上求莰ノ、機ヲ勧、秋ノ月ノ、 メ タ リ ケ ン 、 コハソ」 モ 何 事 ソ ヤ 、 我 レ 適 、 俗 塵 ノ 境 界 ヲ 放 稚年ノ比口、花ノ散リ、葉ノ落ルヲ見テ、寝 ヌ 夜 ノ 夢 ヤ 、覚 秋 夜 長 物 語 水 底 ニ 下 ル ハ 、 下 化 衆 生 ノ 、 相 ヲ 顕 ス 、天 物 ノ 言 ゥ 事 無 ク シ テ 、 ウ V 七 日 ニ 満 シ ケ ル 夜 、 礼 盤 ヲ 枕 ト シ テ、 少 トマトロミタ 一心一 誠 ヲ 至 シ テ 、 道 心 堅 固 即 證 無 上 袄 ト ソ 、 祈ケル ル夢 成 就 セント 思 テ 、 石 山 へ 詣 、 一七日カ間タ、 五 鉢 ヲ 地 一投テ、 マタクルニヤ、 サラハ、仏 袄 ノ 、 擁 護 ヲ 資 ミ 奉 テ 、 比 ノ 願 ヲ 、 ( 一 サカ) 是程ニ思ィ立チヌル事ノ叶ハヌハ、邪」魔 外 道 ノ 、我 レ ヲ 抜 トソ詠シケル 何日人間栄辱眼愁然禅搨看雲眠 ( 榻力) 朝々暮々風塵底失脚誤生三十年 ク、 同 朋 同 宿 ノ 別 モ 、 サ ス 力名 残 惜 シ ケ レ ハ、 心 計 a 荒 増 、徒 月 日 ヲ 送 リ ケ ル 、 其 心 中 動 テ 、 言 ハ 外 ニ顕 レ ケ ル ニヤ 一 一 、 (マこ ト 毎 ト ニ 、 難 キ 離 習 ィ ナ レ ハ 、 醫 王 山 王 ノ 、結 」 縁 モ 捨 テ カ タ 計ノ陰家ヲモ結ハヤト、思ィケル力、 旧縁ノ繫ク所ロヲハ、人 俄一一出来ケレハ、 _ テ、 山 ヨ リ 山 ノ 奥 ヲ モ 尋 ネ 、 柴 ノ 庵 ノ 、 旦 シテ、 出 離 生 死 ノ 務 、 闕 ヌ ル 事 ノ 、 浅 猿 サ ヨ ト 、 思 ウ 心 ロ ノ 、 レテ、 釈 氏 ノ 門 室 ニ 入 リ ナ カ ラ 、 明 ケ 暮 レ ハ 、 名 聞 利 養 ノ ミ 移 物 々 是 ヲ 示 ス 、 人 心 口 ア リ 、 学 々 ト シ テ 、 山豆勤メサランヤ、 若 シ人ト有テ、 人 間 ノ 八 苦 ヲ 見 テ 、 穢 土 ヲ 献 ウ 時 ハ 、 煩悩即获ト 成 ル 」、天 上 ノ 五 衰 ヲ 聞 テ 、 浄 土 ヲ 求 ム ル 時 ハ 、 生 死 即 涅 槃 ト 成 ル、 故一一、 諸 仏 苷 ノ 、 順 逆 ノ 化 導 ヲ 垂 ル 、日 、 罪 ア ル ヲ ハ 、 邪 ヨリ正ニ入レ、 縁 無 キ ヲ ハ 、悪 ヨ リ 善 ニ 誘 給 ゥ 、 是 レ 、何ヲ以 テ 言 ト ナ ラ ハ 、 経論一一説所ハ、 書 伝 —載 セ タ レ ハ 、 申スー一事欝 ク、 語 一モ詞ハ、 不 レ 足 レ 粵 、 近 比 、 耳 一1 事 ノ 、 余 リ ニ 哀 ニ モ」、又 貴 ク モ ア リ シ 事 ナ レ ハ 、 面 々 ノ 枕 ヲ 崎 テ サ セ 給 へ 、 老ノ ネ 寝 覚 ニ 、 秋 ノ 夜ノ 長 物 語 リ 、 一ツ 申 ジ 侍 ラント云 ls? (マ、) ニ、 接 取 ノ 慈 悲 ヲ 裹 ミ 、或 ル 時 ハ 、摧伏ノ觎ノ刃一一、 忿 怒 ノ i 力 道 ヲ 歩 テ 、囊 砂 背 水 ノ 風 ヲ 上 ケ タ リ 、或 時 キ ハ 、 忍 辱 ノ 衣 ノ 袖 一ハ玉泉ノ」 流 レ ヲ 酌 ン テ 、 四 教 三 観 ノ 月 ヲ 澄 シ 、外 ニ ハ 、黄 石 相ノ律師桂海トテ、顕 密 兼 学 ノ 人 一テソアリケル、 サ レ ハ 、 内 後 ノ 堀 川 ノ 院 ノ 御 宇 ニ 、 西 山 ノ 瞻 西 上 人 ト 聞 へ テ 、 道 学 備シ タリシ人ト有リ、本トハ、敷山東塔ノ衆徒、勧学院ノ住侶、宰 *?: 花二度 スラ イ 錦 ノ 張 ノ 内 ヨ リ 、容色美麗成ル児ノ、言ハカリナク、老 -1、 ( 帳力) ニ、 蘭 タ ル カ 、 立 出 テ 」、散 マ カ イ ケ ル 、 花 ノ 木 影 ニ 、 立 チ ヤ タレハ、青 葉 力 チ ニ 、 繡 モ ノ シ タ ル 水 干 ノ 、遠 山 桜 カタ テコ モ無思ニ、 タヱカネ テ、 若 ナ ク サ ム キタ マ イシ 陽 臺 ハ、 巫 山 ノ 神 女 ノ 、 雲 ト 成 リ 、 雨 ソ、法 燈 ノ 頹 風 テ、 ニ向 ウ 所 ヒケレ 惜 aヲ モ 、 挑 ケ ト 、力 、リ ケ レ ハ、斬足 ク ィツチへ レ モ立寄 テ 、晴 間 待 ト 思 ヒ テ 、 ( 辺力) テ、 門 ノ 遍 リ ニ 、 立 寄 色 異 成梢 、 桓 ノ 外 一余リテ、 雲 ヲ 散 リ 、 遙 ハ則入ルト、 云 詩 ノ 心 ロ 引 タレ ハ、 人 一 一家 ヲ 見 テ、 花 有 金 堂 ノ 方 へ 行 程 ニ 、 聖護院ノ御坊ノ審門ノ内一一、 老 木 ノ 花 ノ 、 レ 庭 ニ出 テ、 雪 、サ リトモ、 ヲモケニ カナルカ、見 ル 人 有 一、 薄 紅 ノ 柏 」 重 、 腰 I I細マ 齢 二 八 計 リ 成 児 、 水 魚 ; Iノ 水 干 - タヲヤ ノ内ョリ、 、 一房 折 テ 御簾 、 フカク、 ケルニヤ、 ケマワシ サリ 枝ノ花ヲ ニ、 シラ ル下 力 キタ チ 詠 テ 、花 ノ 雨 下 一、 立 ヌ レ タル ヲ 迷 カリ カト」 、ウ ハ 有様、是モ花 降雨に、 ぬるとも折ぬ、山桜、雲のかへしの、風もこそふけ ト ウ ハレテ、 誘 風 モ ヤ ア ラ ン ト 、 シ ツ 心 ロ ナ ケ レ ハ 、 ノ袖モカナ、雲 ニ モ 霞 ニ モ 、 借 ス ヘ キ 心 地 ナ ン ト シ ケ レ ハ 、 心 ニ、 ス ニ、 打 nシ モ ハ、 今 レ ノ ウ ツ 、 ニ、 チ纏 テ 、 引 留 メ タ ル ヲ 、 ホ タカワネ ル ト、 ふ、 こ Hスシ 見シ夜 、リ タ ル 人 ノ ア リ ヤ ト 、 ア ヤ シ ク 思 ヒ テ 、 花 ヲ 手 ニ 持 乍 、 力 、リ ノ 下 ロ モ 無 キ 風 ノ 、 門 ノ 扉 ヲ キ リ ^ ^ ト、 吹 キ ナ ラ シ ケ レ ハ 、 アク ノ糸 ヲ 静 ニ 迥 リ テ 、 歩 ミ 見 ル 房 ノ 如 ク ニ 、 ユウ^ ^ ト 、 力 、柳 ( 廻力) ノスソ 、チ 見帰リタル目ツキ、 貞ノニヲィ、 」 言計モ無シ 髪 夢ノタ ノ夢ハウチ覚テ、 日ハ暮行ケトモ、 帰ルへキ方モ、 ヲ ホ テ、 其 夜 ハ 金 堂 ノ 縁 ニ 、 ヒ レ フ シ テ 、 終 夜 ヲ 詠 メ 佗 ス まょ へマ' 乂ろなるらん 是や夢、あ り し や ぅ つ わ き か ね て 、 いつれに ヨモスカラ ホト ノ 水 口 一 一 ハ、 石 山 又石山へソ」詣 リ ケ ル IHI 開 キ テ 、 雪 ノ 如 ク 降 力 、リ タ ル ヲ 、 袖 --裹 乍 、 イッチへ行トモ サメ ヌ ヲ ホ へ ヌ ニ 、 暮 行 道 ニ 消 ッ 、、 見 へス 成 リ ヌ ト 見 テ 、 夢 ハ ウ チ 是 則 、所 願 成 就 ノ、 夢 想ナ リ ト 、ウ レシ ク 思 テ 、マ ダ シ ノ 、メ ノ、 明 ケ ハテ ヌ ニ 、立 帰 リ ヌ 、外 ヨ リ 来 ル ヘ キ 物 ヲ 待 ッ ヤ ウ ニ 、 、ナ ラ ネ ハ 、 セ ン 道 心 ノ 発 ト J居 タ レ ハ 、ナ ヲ 山 深 住 ハヤト、思 シ 心 ロ 打 忘 レ テ 、 夢 二 見 へ ッ ル 、 児 ノ 面 影 、 時 ノ 程 ト モ 、 身 ヲ ハ ナ レ ス 、 ソモ誠 ウ ツ ト、 一爐 ノ 香 ヲ 焼 テ 、仏 前 ニ 向 へ ハ、漢 ノ 李 夫 人 ノ 、煙 ニ浮 テ 、 ニヨレ 見シ良セニ身ヲコカシ玉ヒシ、武帝ノ御思モ、身ニシラレ、 空 山ノ花ヲ挙ケテ、雲 底 ト成リ シ 、 後 ノ 面 影 ヲ 、 タッキモ」 シラス、 歎 ニ、 人 モ 失 ル ハ 、 三 尺 ノ 飆 ヲ 、 サカサ 呑力如シト、悲シミ玉ウナレハ、我力離山ヲ、何 様 ニ ハ、 衆徒ノー ノ 御 涙 モ 、 ヨソナラス マニ 山王ノ御神詫 命生キ チ申サメト思 レ、 暮 待 程 ノ 露 ノ 身 モ 今 ハ ア ラ シ ト 、 思 ナリトモ、 シ ク 思 食 シ テ 、 道 心 ヲ ハ ワ ス レ サ セ 給 ウ ニ ヤ 、 喩 、 サヤウノ 神慮 ンス 観音. ヲコソ、 カ コ 三 井 寺 ノ 前 ヲ 通 リ ケ ル ニ 、降 ル ト モ シ ラ ヌ 春 雨 ノ 、 良 -1、 三ニー '-- リ ケ ル 」所 三ニニ シ テ、 昼 ル ハ 、 籠 ノ 内 ノ 鳥 リ ノ 、 雲 ヲ 恋 ウ ル ニ 身 ヲ タ ト へ 、 夜 ノイタ ハ、 昨 日 ノ 所 ニ 行 テ 、 御 坊 ノ 傍 ニ ハ ハ、 童 ハ 、 申 ヤ ウ ハ 、 サ 程 ニ 思 召 酒 ヲ 」勧 メ ケ ル 次 ニ 、梅若公ノ御姿タ、 一目見マイラセシヨ リケレ リ、 ニ、 聖 護 院 ノ 御 坊 ノ ー 一、 昔 シ 申 通 シ タ ル 人 ノ ア リ ケ ル ヲ 、 尋 ( 辺力) ネ行テ、 一 旦 百 ト ス ル 程 ニ 、 ア リ シ童ニ寄合ヒテ、茶 ヲ 呑 、 シ サ ノ 余リ キヨゲ成力、 ヌキスノ下ノ水、捨ントテ、門ノ外 ケヌレ 童ノイト 事 へ、 夜モ明 ラント、 ル ハ 、 陡ノ鶏ノ鳴クー一、 涙 ヲ 諍 テ 、明 シ 暮 シ ケ ル 程 —、次 第 ニ 、 ハ、 何 事 ニ テ 候 ヤ 衰 命 ア ル ヘ シ ト モ 、 不 覚 、サ レ ハ 、 セ メ テ ノ 、 ナ ツ 力 ヒケレ ニ出 タ リ 、 是 ヤ 若 昨 日 ノ 児 ノ 、御 事 ヲ モ 存 知 タ ル ラ ン ト 、思 ヒ テ 、 ノ外ナル気色モ無シ 立 寄 テ 、物 申 候 ハ ン ト 、 云 律 師 ハ 、 ゥ レ シ ク 思 ヒ テ 、 立 寄 テ 、 問 ケ ル ヤ ゥ ハ、 昨 日 、 此 院家 シ ツ 心 。無 キ 由 ヲ 、 語 サハ、 御 文 ヲ ア ソ ハ シ 候 へ 、 彼 ノ 御 方 へ 、 マ イ ラ セ テ 見 候 ラ シケレハ、中 ^ ^ 、 哥ハ カリニ テ、 テ、 文 ヲ 出 ケ ル 、 詞 ハ ヲ 書 ハ 、 岳 ヲ 集 力キリアルマ ヤカ へ サ セ 給 ヒ テ 候 ツ ル 少 人 ハ、 イ カ ナ ル 」 人 ニテ、 ワ タ ラ セ 給 ヒ テ」 クストモ、 ハメト メツ ント、 云 ヒ ケ レ ハ 、 ト ト、 書 テ 、 童 ニ ト ラ セ タ リ ケ レ ハ 、 童 、 此 文 ヲ 取 テ 、 懐 ロ ニ 押 こ ^!ろを し ら せ は や 、 ほ の み し 花 の 、 面 影 に 、 立 ち そ ふ 雲 の 、 まょふ 月 ノ 、 ク マ ナ キ 光 リ ヲ 、 靜 風 情 一 一 テ 候 、 此 御 所 ノ」 御 ア リ サ ノ 影 ニ 、 御 立 チ 候 シ ヲ 、 或 ル 人 、 風 ニ 見 マ イ ラ セ テ 、 ® 一心ロ無 入テ、彼 方 へ 参 リ テ 、申 シ ケ ル ハ 、何 ソ ヤ 、春 雨 ノ 絶 間 ニ 、 花 ク 、 ア ク カ レ 候 思 ヒ ノ 色 P ヲ 御 ラ ン シ 候 へ ト テ 、 懷 ロ ヨ リ 、」 ハ、 タ ヤ ス ク 御 出 テ モ 候 ラ ハ ス 、 只 イ ツ ト ナ ク 、 深 窓 一向テ、 ^ 不 参 シ テ 、 是 レ ヨ リ 我 山 ヱ ソ 」 帰リケル へ ト モ 、 余 リ ヒ タ 、ケ タ ラ ン ハ 、 サ モ サ ス カ ナ レ ハ 、 石 山 へ モ シ ル へ -テ 1 、 坪 ノ 石 歩 ミ ツ テ ニ 、 心 ロノ 奥 ヲ シ ラ セ ハ ヤト 、 思 斬足、童 ハ 祗 候 シ テ ソ 居 タ リ ケ ル 、ヤ 、ア リ テ 、 書院ノ紗窓ヨリ、 ヲ袖ノ下へ、 力クシ玉ヒケレハ、今ハ御返事アラシト、思テ、 御 簾 ヲ 上 ケ テ 、 内 チ へ 入 リ 玉 ヒ ケ レ ハ 、 サ ラ ヌ ヤ ウ ニ テ 、 此文 铜 ラ ン セ ン ト サ セ 玉 ウ 所 へ 、 出 世 ノ 、 某ヵシ僧都トヤラン申人、 ノ、 ア ル ト モ 知 ラ テ ト 、若 公 ハ 、ウ チ ワ ラ ワ セ 給 テ 、文 ノ 紐 ヲ 解 , 彼 ノ 文 ヲ 、 取 リ 出 シ テ 、 若 公 二 、 マイラセケレハ、 サヤウノ人 律師ハ、夢ト現トノ面影一、身 ヲ コ カ シ 、 寝 モ セ ス 、ヲ キ モ セ ス 律 師 ハ 、 聞 ク ニ ツ ケ テ 、 イ ト 、、 ウ カ レ ケ レ ハ 、 躺 テ 、 此 童 ヲ 詩 ヲ 作 、 歌 ヲ 読 ミ テ 、 日 ヲ 暮 ラ シ 、夜 ヲ 明 シ 御 座 ト ソ 、 語リケ マ、 ユ ル カ セ ナ ル 御 事 モ 候 ハ ヌ 程 ト ニ 、 詩 歌 管 絃 ノ 次 テ ナ ラ テ シ候間、 ー 寺 ノ 老 若 ト モ 一、 春 ハ ー 木 ノ 花 ト 翫 ヒ 、 秋 ハ 夜 長 ノ 力 、 御 心 ロサマ、 ワ ク カ タ ナ ク 、 ヲ ワ シ マ 大 臣 殿 ニ テ 、 御 晒I 一候 ゥ ル 、者 —テ 候 、 此 御 名 ヲ ハ、 梅 若 公 ト 申 候 、 御 里 ハ 花 菌 ノ 左 御 為 メ ニ 、 御 尋 ネ 候 ヤ ラ ン 、 我 レコ ソ 、 其 御 方 ニ 、 召 シ ツ カ 候 ヤ ラ ン ト 、 何 ト ナ ケ ニ、 問 イ ケ レ ハ、 童 ハ打 チ 咲 ヒ テ 、 何ノ 水 魚 沙 ノ 水 干 メ サ レ テ 、 御 年 ノ 程 ハ 、 十六七計一一、 見 -1、 s - 御 返 」 事 ヲ ア ソ ハ シ テ 、 サ シ 出 サ セ 玉 ヒ ケ ル 、 童 、此 文 ヲ 取 テ 、 ヒテ、 此 御 文 ヲ 玉 ハ テ 候 也 、 是 御 ラ ン シ 候 へ ト テ 、 懷 口 ヨ リ 、 ナ、 梅 若 公 ノ 仰 セ ニ ハ 、 イ ツ ク マ テ モ 、 尋 ネ マ イ レ ト 、 仰 セ 候 ク ユ ル ハ カ リ ニ 、 匂 イ タ ル 、 文 ヲ 取 出 シ テ 、是 レ 御 ラ ン シ 候 へ 、 色 殊 ニ コ カ レ タ ル 、 色 々 重 ネ タ ル 、 薄 ヤ ウ ノ 、フ ル 、手 マ テ モ 、 急 キ 持 テ 行 ク 、 律 師 二 見 セ ケ レ ハ、 目 モ ア ヤ カ ニ 悦 テ 、 誠 ニ 、 開 テ見 レ ハ、 是 モ 詞 ハ 無 ク シ テ、 歌 斗 リ 也 身 モ ア ラ レ ヌ サ マ ナリ a迷 ヒ ヤ マ シ -— -テ 、 一 夜 ノ 後 ノ 、 御 」 袖 ノ 上 へ 、 サ コ ソ 候 ハ メ ト テ 、 ウ チ 咲 イ テ、 戯 フ レ ケ レ ハ 、 律 師 ケ シ カ ラ ス ノ、 御 心 モ、 セ メ テ 別 レ ヲ 、 歎 ク 身 ニ テ 候 ハ ハ ヤ ト 、 打 戯 レ テ 、 文 ヲ 見 ょひを た の ま す ょ 、 人 の 心 の 、 花 の 色 に 、 あ た な る 雲 の 、 か \ るま ト ソ 、 ア ソ ハ シ タ リ ケル レハ 身や 偽の、ある世をしらて、 たのめつる、我 ^ さ へ ぅ ら め し の 律 師 、 此 返 事 ヲ 見 ル ニ 付 テ モ 、」 ィ ト 、心 ロ 浮 力 レ テ 、 更 ラ 立 帰 ル ヘ キ 、 心 地 モ セ ス 、 相 ヒ 見 ヌ 前 キ ノ 、 別 レ タ ニ モ 、 セン 律 師 、 此 御 返 事 ヲ ハ 、」 ナ ニ ト 申 シ 候 ハ ン ス ル ソ ト 、 云 ヒ ケ レ トソ、 アソハシタリケル ヒ タ 、ケ タ レ ハ ト ハ、 童 ハ 、申 ケ ル ハ 、御 返 事 マ テ モ ア ル マ シ ク 候 、 御 坊 ノ 傍 ニ 、 、 思 ヒ テ 、 又 社 ニ 参 リ 候 ハ メ ト テ、 童 -暇ヲ 方 タ 無 ク 、 覚 Hシ カ ハ 、 蹵 ア リ テ 、 坊 ニ 尚 モ 留 リ テ 、余 所 乍 モ 、 其 方 ノ 梢 ヲ 見 ツ 、、 ク ラ サ ハヤト 、 思 ヒ ケ レ ト モ 、余 リ 其 レ モ 、 請 、 山 へ 帰 リ ケ ル 力 、 一 足 歩 ミ テ ハ 、 立 帰 リ ケ ル 程 ニ 、春 ノ 日 、 aヒ カ レ テ、 律 師 踅 宿ヲ取リテ、御渡リ候ヒテ、御遊ノ次テヲ、御 伺 候 へ ト 、 タ ヨ ヒ 出 シ テ 、 詩 歌 、 酒 宴 ノ 遊 ヒ ニテ、 律 師 ヲ、 モ テ ナ シ ケ ル モ テ ナ シ テ 、 朝 三 暮 四 ノ 営 ミ ア リ テ 、 常 ニ 、 旧ル」 ナ ン ト 、 アマ サテ、 アル 坊 ニ 、 立 寄 テ 、 居 タ リ ゲ レ ハ 、 其 坊 主 モ 、 懇 ニ ハ、 又 三 井 寺 へ ソ 、 行 キ ヶ ル 長 シ ト 云 へ ト モ 、 ホト近キ、坂本 ノ 坊 マ テ モ 、 行 キ 不 レ 着 、 日 ( 辺力) 仰 セ 候 ヒ ツ ル ト 、 申 シ ケ レ ハ、 思 ウ 方 ニ 、 心 レ 暮 レ ケ レ ハ 、」戸 津 ノ 遍 ニ ア リ ケ ル 、 羽 丹 生 ノ 小 屋 ニ ソ 、 留 リ ケ テ タ レ ト モ 、 千 引 ノ 繩 ヲ 、 腰 ニ 付 ケ タ ル カ 如 ク ニ テ、 引 返 サ レ 終 夜 、 佗ア カ シ テ 、朝 ニ ナ レ ハ 、 山 へ 登 ラ ン ト テ 、庭マテ出 テ 、 又 戸 津 3リ 、 大 津 ノ 方 へ ソ 、 ア ク カ レ 行 キ ケ ル 雨 、 シ メ く ト 、降 ケ レ ハ 、蓑 笠 ウ チ 著 テ 、旅 人 ノ ヤ ウ ニ 、身 ス ル ト 、 云 ヒ テ 、 昼 ル ハ 、 社 壇 ニ 詣 テ 、、 何 事 ヲ 祈 ト モ ナ ク 、 サル程ニ、 桂 海 ハ 、 新 羅 大 明 神 二 、 所 願 ア リ テ 、 七日 、参詣 築山ノ松ノ木陰ヲ、 便リトシ、 前 裁 ノ 草 ニ 置 露 ノ 、身ノホサヌ思 只 、 茫 然 ト シ テ ソ 、 居 タ リ ケ ル 、 夜 ル ハ 、 院家ノ遍リー一ノイ、 ヲ ヤ ツ シ 、 行 キ ケ ル 所 へ 、 騎 馬 ノ 客 、 道 二 行 合 テ 、 誰レヤラン ト 、 見 ケ レ ハ 、 童 ニ」 テ ソ ア リ ケル 彼 ノ 童 、 律 師 ニ 、申 シ ケ ル ハ 、 ウ レ シ ク 、 行 合 ヒ 申 タ ル 物 力 三二三 ニ、 アクカレ居タリ カナト、 モトムルサマナレトモ、 カナワテ、出テカネサセ玉' ' ヒ 児 モ 、 ハヤ、」其 ノ 人 ノ 、 我 ヲ 忍 ト 、 心 得 へ サ セ 玉 ヒ テ 、 人 目 モ タ ル 心 ロ グ ク シ 、 見 ル ニ 中 ' ^ 、 心 P苦 敷 ケ レ ハ 、 ヨ シ ヤ 、 只 力 命 チー セメト I マテ 、 思 ヒ テ 、 帰 リ テ ハ 行 キ 、行 キ テ ハ 又 帰 リ 、兔 余 所 乍 、身 ハ カ リ ヲ 、 我 方 ニ ア ル 契 リ ニ テ 、 人 ノ 情 ケ ヲ コ ン 、 我 ィツ モト、 人 ハ 云 へ ト モ 、 長 居 セ ン 」事 モ 、 サ ス カ ナ レ ハ 、 明ケナ 角 ス ル 程 ニ 、 日 数 モ 、 ハヤ十日余リニ. 、成リケレハ、 ハ、 山 へ 帰 ラ ン ト 、 思 ヒ ケ ル 所 ロ ニ 、 例 ノ 童 来 テ 、 申 ケ ル ハ 、 今 夜 コ ソ 、 御 坊 へ 、 都 ヨ リ 客 人 、 御 入 候 程 ニ 、' 若公ノ御隙ァル へウ候、 門 主 モ 、 ィ タ ク 御 酔 候 へ ハ 、 御 寝 ノ 隙 ニ 、 是 へ 忍 ヒ ヤ 居 タ リ 、夜フクル」 ホ ( 廼力) r迴 ル マ テ 、 待 居 タ ル 、月 ノ 南 - カ レ 力 ニ 御 出 ァ ル へ キ 由 シ 、 仰 セ 候 、門 サ 、テ、御 待 チ 候 へ ト 、 申シ ( 鹏ヵ 捨 テ 、、 細 テ 、 童 ハ 、 帰 リ ケ リ ク く ト 律 師 ハ '夢 幻 ノ 心 地 シ テ 、 ァ ク ト ニ 、深 更 ノ 鐘 ノ 、 ツ 所 ニ 、唐垣ノ戸ヲ、密カニ人ノ開ク音スレハ、書院ノ障子ノ間 タルカ ト 、 覚 へ テ 、光 リノカスカ ナルヲ持セテ、 ヨリ、 遙 二 見 ケ レ ハ 、 例 ノ 童 ヲ 、 前 キ ニ 立 テ 、 魚 脳 ノ 燈 爐 ニ 、 蟹ヲ集メテ入レ 燈 ノ 影 ヨ リ 、 此 児 ヲ 見 レ ハ 、 金 沙 ノ 水 干 、ナ ヨ ヤ カ ニ メ サ セ 、 児 、 御入ァリ 鉢 ニテ、見ル人モヤアルラント、忍ヒタル風情 シヲタレタル y ナク、 イ ツ ク シ キ 、 姿 タ 也 本 ト ニ 、立 ヤ ス ラ イ テ 、 立 玉 へ ハ 、 乱 テ 懸 ル 打 イウハカ リノ 糸、 ニテ、 榦 ノ 」懸 青柳ノ 童 ハ 是 ヲ 見 テ 、内 へ 入 テ 、 三ニ四 力シコヲホトト叩イ テ 、 是ニ 御 渡 候 カ ト 、 云 ケ レ ハ 、律 師 、余 リ ノ 事 ニ 、何ニト云事モナク 方ヲソ 、 招 キ ケ ル 、児 ハ 、イト ゥレ テ、 少 シ 傍 一、 身 ヲ 側 、 気 色 —テ 有 由 シ ヲ ソ 、 知 セ ケ ル 童 ハ 、 ハヤ心得テ、 小 人 ノ 御 シケナル有様ニテ、蓬夜ノ妻戸ヲ、押シ開キ、内へ入セ玉ヲ、 、力 ワ 嶋 ノ 、 水 ノ 流 ノ 未 タ 絶 テ 、 尚契ル 間 」 遠 ナ リ シ 袖 ノ 移 リ 香 モ 、 ハヤ身一一フル、ホ ト 也 、 夜 半 ノ 下 紐、打解 、今夜ノ枕ヲ キナクー一、 菌 寒 シ テ ハ 、 蘭 風 ノ 夢 、 別 レ テ 、 留 メ 難 ク 、 シ ノ 、小 篠 タツ ヲノ ノ花ノ ヘキ、 肟 言 ト モ 、 未 トノ 力 、窓 ノ児ノ メシ契リ、 レヌ 黒 髪 ハ 寝 乱 レ テ 、 貝 ニ ハ ラ ' ^ ト 懸 リ 、 宛転タル ヒソ 、帰ヱラントスル姿ヲ見 ノ月ノ グ ル 鳥 。ネ モ 、 ハ ヤ 聞 ヱ ケ レ ハ 、 彼 I、 ニ成テ、 立 別 レ ナ ン ト ス 、 明 方 トツ 覚 安 ク 、春 ノ 栄 ニ 、連 理 フシ 力 、 。 ヒ ヤ、 .力 キ ヌ ^ ノー節ノ夜ハ、 明 ヌ レノ レハ、 撣 娟 タ ル 秋 ノ 蟬 ノ 、 初 モ ト ユ イ ノ 、 ム ス 西 」 ヨリ、 指 シ 入 リ タ ル ー アカヌ別 ヘキ有様也 蛾 眉 ノ 、黛 ノ 匂 ヒ 、 ホ ゲ ヤ カ ニ シ テ 、月 ニ モ 嫉 レ 、 花 ニ モ 妬 ハ、 ヲ モ ワネ トモ、 サテ、 ア ル ヘ キ ナ ラ ネ ハ 、 ナク^ ^ 、 律師 去 レ ハ 、今 マ 別 テ 、 又 後 ニ 合 ゥ へ キ マ テ ノ 、命 モ ア ル へ シ ト カ れ し イ ハ、 児 ヲ 送 テ 、 」 其 マ 、内 へ モ 入 ラ ス 、 門 ノ 唐 居 敷 ノ 上 ニ 、 立 アリ ヤスライテ居タル所へ、童、児ノ文ヲ持テ来リタリ 取 テ 見 レ ハ 、 サ シ テ 詞 ハ 、 ヲ 、カ ラ ス 、 謌 我 が 袖 に 、 や と し や は て む 、 き ぬ / \ の、 な み た に わ け し 、 有明の月 ト ソ 、 アソハシケル、律師、雜 而 」 と も に 見 し 、 月 を 名 残 の 、袖 の 露 、 払 は て い く 夜 、 歎き明さ む ソ イ ト、 魂 モ ウ カ レ テ 、 人 ノ物 ヲ イ ヱトモ、 ツ ル 、 袖 ノ 移 香 。ノ カ 物 乍 、 形 見 ニ テ 、 山 へ 帰 リ カヤウニ、御返事申、律師ハ、夢トタニ、 思ハサリツルヲ、 ヲ ノカ身ニ タレハ、 心 モ ホ レ 返 事 モ セ ス 、 涙 タ 人 n 一一余リテ、 ヲ サ ウ ル 袖 モ 、 朽 ハ テ ヌ へ ケ レハ、 少 シ イ タ ワ ル 」 事 ノ ア リ ト 、 云 テ 、 人 ニ モ ア ワ ス シ テ 、 打 臥 シ テ ソ 、 居タリケル 不 一 一審 、 心 苦 シ ク 思 シ 召 シケル程 ト ニ 、 ツキセヌ思ニ、 御 気 色 常 ヨ リ モ 、 打シヲレサセ 児 モ 、 此 由 ヲ 伝 へ 聞 給 ヒ ケ レ ハ、 誠 給 ヒ テ 、 今 ヤ 、 音 信 ノ ア ル ト 、 待 チ 給 へ ト モ 、 ソナタノ便リト テ、 心 ヲ ナ ク サ ム ル 人 モ 無 シ 、 或 時 、 少 人 ハ 、彼 童 ヲ 近 付 ケ テ、 仰 セ ア リ ケ ル ハ、 ア リ シ 夜 ノ 夢 ノ タ 、チ モ 、 現 少 成 ヌ ル コ ソ ウラメシケレ、其 」 上、風 ノ 心地トヤラン、 聞キシ ゾ カ シ 、 ア サ マ シ ヤ 、 槿 ノ 暮 待 程 ノ、露 ノ 命 ノ 、 若 シ 消 ナ ン 後 ハ 、 無 キ 跡 ヲ 問 ト 云 ト モ 、 今 生 ニ ハ、 相 イ カ タ シ 、 何 成 山 ノ奥、 海ノハ テ 成 ト モ 、 其 人 ノ 有 所 ヲ 、 通 路 ト シ テ 、 尋 行 ハ ヤ ト 、思 エ ト モ 、 何 ト 申 置 事 モ 無 ク 出 テ ナ ハ、 定 メ テ 門 主 モ 、 サ コ ソ 御 驚 キ ア ラ ン ト 思 へハ、 其 モ 不 レ 叶 、 又 彼 人 ノ 有 リ 所 、 何 ッ 方 ト モ 、 サダ 力 ニ 知 ラ サ レハ、 今 マ マ テ ハ 、 忍 シ 也 、 今 ハ 彼 ノ 人 ヲ 、 」 尋 ネ 相 ス ハ 、 我 、命 モ ア リ ヌ ヘ シ ト モ 不 レ 覚 、何 成 ル 、虎 臥 野 遍 、 ( 辺力) 觫 ノ ヨ ル、 嶋 成 リ ト モ 、 シ■ キ尋 ネ カ行 ク ヘ シ 、相 ヲ 限 リ ノ 恋 路 ナ レ ハ 、 ハ ラ ' 'ト ' 泣玉ウ 行 末 モ 不 知 、 ハ テ モ ナ ク 、 迷 イ 行 ン 旅 ノ 空 、 思 ヤ ラ レ テ 、 カナ シケレ卜テ、 サ ス 力 、 未 幻 ナ キ 、 アダシ心ニテ、 サ コ ソ ハ カ リ ニ 契 リ ( 幼力) , シ人一、 思 付 キ 玉 へ ル 、 御 心 ノ 内 ノ 、 ハ カ ナ サ ヨ ト 思 へ ト モ 、 ニ、 御心ツクシ一一、 申 サ ン 事 モ 、 サ ス 力 ニ テ 、 童 、 申 ケ ル ハ 、 此 御 気 色 ヲ 、見参スルー一、今 ハ 何 ト 申 共 、 御 留 リ 有 間 敷 キ 物 」 故 律 師 ノ 御 坊 ノ 御 入 候 所 ヲ ハ 、自 ラ 力 、能 々 承 テ 候 へ ハ 、御 伴 申 候 ハ ン ト テ 、 若 公 ヲ ツ レ マ イ ラ セ テ 、 院家ヲソ出ニケル ノ、 駕 ナ ラ テ ハ 、 カ リ ニ モ 、 御 出 ナ シ 、 サ レ ハ 、 泥 土 ヲ 歩 ミ 若 公 ハ 、本 ヨ リ 、 三 公 九 棘 ノ 家 一、 生 サ セ 玉 ヒ テ y 香 車 乗 馬 テ ハ 、 マ ロ ヒ ナ ン ト シ 玉 ヒ テ 、 更 ラ ニ 歩 ミ 玉 ハ ス 、 童 、 アマリ 給 ウ 事 ハ 、 是 ヲ 始 メ 也 ケ レ ハ 、 コ 、 ニ テ ハ 、 ヤ ス ミ 、 力シコニ ノ 御 イ タ ワ 」 シサ 一、 我ヲ取テ、 1 哀 レ 何 成 ル 天 狗 、 ハケ物成共、 ケ ル 所 -、 年 シ 長 タ ル 、 山 臥 ノ 、 四 方 輿 一乗リタルカ来テ、 申 飯 山 へ 上 セ ヨ カ シ ト 、 云テ、唐 崎 ノ 松 ノ 影 一、 ヤ ス ミ テ 居 タ リ ニ、 答 へ ケ ル ケルハ、 是 ハ 何 ッ 方 へ 、 御 入 候 ソ ト 、 云 ケ レ ハ 、童 ア リ ノ マ 、 ソ n 、御 尋 候 御 坊 近 ク 、登 ル 者 ニ . テ候へ、 余 リ ニ 御 イ タ ワ シ ク 候 へ ハ 、 此 ノ 輿 ニ 、 メサレ候へ、 其時、山臥、申ケルハ、我 我 レ ハ カ チ - 1、 御 ト モ 申 候 ハ ン ト テ 、 児 ト 童 ヲ 、輿 打 」 乗 セ テ 、 カ 者 士 一 人 ニ 力 、セ、 鳥 ノ 飛 カ 如 ク ニ ソ 、 行 キ ケ ル 、茫 々 タ ル 、 湖 水 ノ 上 ヲ 通 リ 、 蒙 々 タ ル 、 雲 霧 ノ 中 ヲ ワ ケ テ、 片 時 ノ 間 ニ 、 大 峯 ノ 、 尺 迦 ノ 嶽 ト 云 所 P へソ、 来 ケ ル 三ニ五 、 見 タマワ ス 、 只 、 道 俗 男 女 、 多ク有ト 爱 ニ 、 盤 石 ヲ タ 、ミ タ ル 、 石 ノ 籠 ノ 中 二 、 ヲ シ コ メ テ 、 置 ゲ レ ハ、 月 日 ノ 光 ヲ タ ニ モ 三ニ六 ワ セ、 屛 ヲ 塗 リ 迥 ラ シ テ 、 ハヤ、 三 摩 耶 戒 壇 ヲ ソ 、 建 立 シ タリ ( 廻力) ケル 戒 壇 ノ 事 ニ ヨ リ テ 、 菌 城 寺 へ 発 向 ス ル 事 ハ、 以 前 既 ニ、 六 ケ 度 サ ル 程 ニ 、 山 門 ニ ハ 、 是 ヲ 聞 テ 、 ナ ジ 力 ハ 、蜂 起 セ サ ル へ キ 、 サ ル 程 ト ニ 、 三 井 寺 ニ ハ 、梅若公ノ、失玉ヒタリトテ、」門 覚 テ 、 泣キ悲ム. 立日ユ計 リ コ ソ、 聞 ヱケル シ、 武 家 ニ 訴 ル マ テ モ 、ア ル へ カ ラ ス 、 也、 サレハ、公 家 ニ ヲ分テ、 尋 ネ ケ レ ト モ 、更 二 見 へ サ セ 給 ハ サ リ ケ ル 所 、東坂本 主 ヲ 始 メ 参 セ テ 、 上 下 ノ 周 章 斜 ス 、 イ タ ラ ヌ ク マ モ ナ ク 、手 ヨリ、 大 津 へ 通 リ ケ ル 、 旅 人 ノ 申 ケ ル ハ 、 左 様 ノ 少 人 ハ 、 昨 日 ノ暮程ニ、 童 一 人 召 具 シ テ 、唐崎ノ. 方へ、御渡候ツルトソ、申 ケル、 委 ク 問 ヒ ケ レ ハ 、 御 年 ノ 程 、 御 衣 装 ノ ヤ ウ 、 ウ タ カウ所 ロナシ サテハ、 此 間 、連 々 、 山法師ノ、 忍ヒテ」通イケル力、 勾引 テ 、行 キ タ ル ニ コ ソ ト テ 、ー 寺 ノ 衆 徒 、 周 章 云 ハ カ リ ナ シ 、 父ノ 左 大 臣 殿 モ 、 御 存 知 ナ キ 事 ハ 、 ヨ モ ア ラ 。ト テ 、 先 ツ 花 菌 ノ 、 左 苻 ノ 御 所 旧 宅 へ 、 押 シ 寄 テ 、サ シ モ 、イ ミ シ カ リ シ 御 所 ヲ 、 一 一同ニ、 僉 儀 シ ケ ル ハ 、 寺 門 ノ 恥 辱 、 是 ニ 過 キ タ ル 事 ハ 、ア ル 」 宇 モ 不 X残 焼 払 イ ヌ 菌 城 寺 ノ 衆 徒 、 是 ニ モ 尚 ヲ 、 イ キ ト ヲ リ 、 サ ン セ ス ト テ 、 一山 へカラス、 所 詮 此 次 テ ヲ 以 、 当 寺 ヲ 城 槨 一 一 構 へ 、 三 摩 耶 戒 壇 籌 リ コ ト ナ ル ヘ シ 、 又 、 邪執ヲシ k ヲ 建 立 ス ヘ シ 、 其 時 キ ハ 、 山 門 ヨ リ モ 定 メ テ 、当 寺 へ 寄 セ ナ ン 、 ヒ ロ 是 、他ノ利ニ付テ、 敗 ヲ 亡 ( 地力) レ 送 ル ルカト、 ウ タ カ ワ レ ケル、 死 人 ヲモ 不 顧 、 手 負 ヲ モ カイハウ 太 山 モ 、 是 レ カ 為 メ ニ 倒 、 湖 水 モ 傾 テ 、 忽 ニ 金 輪 際 ニ 、 落ツ へ、 押 寄 セ タ リ 、 纏 テ 、 同 時 一、 時 ノ 音 ヲ ソ 、 上 ケ タ リ ケ ル 、 サル程ニ、明 ク レ ハ 十 五 日 、辰ノ剋ニ、追手、搦手、城ノ中 タリ 神 水 ヲ 呑 テ 、 マ ダ シ ノ 、メ ノ 明 ヌ 間 ニ 、 如 意 越 ヨ リ 、 寄 セ 懸 リ ヲ戦場1 、 留 メ ン ス ル 物 ヲ ト 、 思 切 テ、 勝 レ タ ル 同 宿 若 党 、 皆 レ故 ニ 、 起 リ タ ル」 事 ナ レ ハ 、 人 ヨ リ 前 キ ニ 、 一 合 戦 シ テ 、 尸 思 々 、 心 々 ニソ 、 寄 セ ケ ル 中 二 モ、 桂 海 ハ 、 此 乱 ハ 、併 ラ、我 水 ノ 朝 サ ナ キ ニ 、 舟一一 捍 サ ス 、 大 衆 モ有リ 力 、リ テ 、 駒 ニ 鞭 打 、 衆 徒 モ ア リ 、 或 ハ 、 眇 々 タ ル 、 煙 波 、 湖 先 、 卯 ノ 尅 ニ 、 押 シ 寄 セ 、 或 ハ 、 慢 々 タ ル 、志 賀 唐 崎 ノ 浜 路 1 、 ル へ カ ラ ス ト テ、 谷 々 院 々 ノ 大 衆 、 各 ノー 同 シ 、 七 手 ニ 分 テ 、 去 ル 十 月 十 四 日 ハ、 中 ノ 申 ノ 日 ナ リ 、 是 ニ マ サ ル 吉 日 ハ 、 ア トソ、 シケル 急 キ 押 寄 テ 、焼 キ 払 へ ト テ 、 末 寺 末 社 、 三 千 七 百 三 ケ 所 H 、 触 及 一 一ス 、 先 、 近 国 ヨ リ 馳 セ 集 ル 其 」 勢 、 廿 万 七 千 余 騎 ^- セ ス 、 命 ヲ 捨 テ ソ 、 責 メ タ 、 カイケル S 7- リソケテ、戒法ヲ弘ムル道タルヘシ、 天爰二、時節ヲ得タリ、 斬足クモ、 時 日 ヲ 迥 ス へ カ ラ ス ト テ 、 一 味 同 心 ノ 衆 徒 、ニ 千 余 人 、 ( 廻力、 サカモキ シ 、 カ キ シ ケ 如意越ノ道ヲ、 ホリキリ、所 々 1 、 逆 木 ヲ 引 、 鹿 」 垣ヲ重クュ K ; 寄 手 一ハ、 東 塔 ノ 住 侶 、 修 禅 坊 、 禅 智 坊 、 円 宗 坊 、 板 生 坊 、 勝坊、金輪院、妙観院、 坐禅院、椹本坊、山本坊、 西連坊、 ( 廻力) 十 文 字 ト 云 物 ニ 、 四 角 八 方 、追 立 々 々 、切テ迥ヮリケル 阢ク大衆一一ハ、 円 満 院 ノ 鬼 駿 河 、 唐 院 ノ 七 天 狗 、 千 人 切 リ ノ 荒 言 ヲ 始 メ ト シ テ 、 命 捨 テ ソ 、 責入リケル 横 川 二 ハ 、 善 法 坊 、 善 住 坊 、 般 若 院 、 其 外 、 三 塔 蜂 合 ノ 」 義ト 師 ノ 御 影 堂 、 三 門 跡 ノ 御 坊 ニ 至 ル マ テ 、惣 而 、三 千 六 余 宇 ノ 、 堂 ノ阿弥陀堂、 普 賢 行 願 ノ 如 法 堂 、教 待 和尚ノ」 御本 堂 、智證大 余 煙 四 方 ニ 、掩 ヶ レ ハ 、 金 堂 、講 堂 、鐘 楼 、 経 蔵 、常 行 三 昧 入 テ 、堂 舎 仏 閣 一、火 ヲ ソ 懸 タ リ ケ ル 、 折 節 、 魔風頻リ一一吹テ、 々 ニ ソ 落 チ ニ ケ ル 、 纏 而 、 桂 海 力 手 ノ 物 共 、 院 々 谷 々 へ 、 乱レ サ ル ホ ト ニ 、 如 意 越 ヲ 堅 メ タ リ 、 大 衆 コ ラ ヱ ガ タ ク シ テ 、 思ヒ 讃 岐 、 金 棒 ツ カ ィ ノ 悪 大 夫 、 八 方 破 ノ 武 蔵 坊 、三 町 礫 ノ 円 月 房 、 一灰煙ト成テ、 只 、 新 羅 大 明 神 X残 、 一 時 ノ、 社 壇 斗 ソ 、 残 リ ケ ル 舎 、 仏 閣 、 一宇モ不 メ サ ス シ テ 、 石 ノ 籠 ノ 内 ニ 、 御 入 ア ル ケ ル 所 ニ 、 天 狗 共 、 集リ 若公 ハ 、 三井寺ノ、 カヤウニ成リタル事ヲハ、夢一一モシロシ 居 テ 、 サ マ く ノ 、雑 談 シ ケ ル 中 二 、 或 ル 天 狗 、申 ケ ル ハ 、我 寄 手 ハ 、 大 勢 ナ リ ケ レ ハ 、 ウ タ ル 、ヲ モ 、 カ エ リ ミ ス 、 手 負 ヲ コ 、ヤ、 力 シ コ ノ 、 ツ マ リ ニ テ 、 追 立 -^^•、 三 時 計 リ 戦 ィ 等 力 、 面 白 ク 思 事 ニ ハ 」、焼 亡 、 辻 風 、 小 諍 、 論 ノ 相 撲 ノ 事 ト 合戦ヲソ留ケル テ タ リ 、 力 、リ ケ ル 所 、 桂 海 、 大 キ ニ 忿 テ 、 申 シ ケ ル ハ 、 何 程 城ノ中チ一ハ、 弥 々 、 勝 二 乗 テ 、 手 前 キ ヲ 迥 シ テ 、 打 出 無 キ 堀 ヲ ハ 、 死 人 ニ テ 、 ウ メ タ ラ ン ニ 、ナ ト カ 是 程 ト ノ 城 ヲ ハ 、 責 メ 落 ル へ キ ト 、 飽 ク マ デ 」 広 言 吐 テ 、薬 研 堀 ノ 、底 セ ハ ナ ル 中 此 等 コ ソ 、 興 有 見 物 ト 思 ィ ツ ル 二 、 昨 日 ノ三 井 寺 ノ 合 戦 ハ 、 前 ; ル ハ 、力 シ コ ク ソ 、此 若 公 ヲ 取 リ 奉 リ ケ ル ソ 、 サ ナ ク ハ 、 是 程 ノ 代 未 聞 ノ 見 物 ニ テ ソ 有 ケ ル ト 、 申 セ ハ 、 ソ ハ ナ ル 天 狗 、 云ヒケ mモ ア ラ シ 、 門 主 ヲ 始 メ 申 テ 、 落 チ フ タ メ カ セ シ カ 、 ヲ 力 シ サ ニ 、 我 レ コ ソ 、 興 ア ル 」 腰 折 レ 哥 ヲ 、 一首読テ候へ 軍ハ、 をのみそなく ト 、 語 リ ケ レ ハ、 座 中 ノ 天 狗 共 、 咲 ツ ボ ニ 入 テ ソ 、 咲 ヒ ケ ル 憂 か り け る 、 恥 三 井 寺 の 、 あ り さ ま は 、 か い つ く り て は 、 ね. 若 公 ハ 、是 ヲ 聞 シ 召 シ テ 、浅 増 シ ヤ 、 去 ハ 我 レ 故 一、 三 井 寺 ハ 、 ヲ踏ンテ、_ 上 リテ、 塗 余 シ タ ル 屛 株 ニ 、 手ヲカクルカト見へ 火 ヲ 散 シ テ ソ 、 懸 リ ケ ル 、 一太刀切リ、 退 リ テ 進 ム 追 懸 切 、 将 三ニ七 碁 倒 ノ 払 ィ 切 、 磯 打 浪 ノ マ ク リ 切 リ 、 乱 文 、裏 繡 、蜘 蛛 、 懸 索 」、 シカハ、 _ 而、 屛 ヲ 越 、敵 三 百 余 人 カ 中 へ 、 只 ー 人 乱 レ 入 テ 、 へ、 カ ツ ハ ト 飛 ヒ 入 テ 、 ニ 丈 計 リ ノ 切 リ 岸 シ . ノ上へ、 楣ノサン 出 シ 、 白 川 梓 ノ 空 印 地 、 山 門 南 都 ノ 御 輿 振 、五 山 ノ 僧 ノ 門 徒 立 、 タ リ ケ ル 、 寄 手 、 已ー一三千余人、 半 死 半 生 一、 手 ヲ ィ テ 、斬足ク、 モ、 見 捨 テ 、、 責 」 ケ リ 、 防 キ 手 ハ 、ア ン ノ ウ チ ノ モ ノ ナ レ ハ 、 禦乾ィヶリ サ ケ 切 好 ノ 増 長 坊 、 其 外 ノ 悪 僧 ト モ 、 命 モ 惜 マ ス 、 入 替 / 、、 西塔一ハ、 常 喜 坊 、 膳 明 々 、 南 岸 々 、 西 明 々 、 行 泉 々 、行 住 々 、 ftT タ ル 事 ノ 由 ヲ 、 始 メ ヨ リ 終 リ マ テ 語 ケ ル 、 サ テ 我 レ 故 ニ 、 是レ 三二八 焼 失 セ ケ ル ト 、 思 食 シ テ 、今 マ ー 入 、御歎キソ増リケル 菌 城 寺 ノ 有 様 ヲ 、 御 ラ ン シ ケ レ ハ 、 仏 閣 僧 坊 、 一 宇 モ 残 ラス 々、 三 井 寺 へ ソ 、 御 入 ア リ ケ ル カクテ、 一 両 日 ア リ テ 、此 翁 、 児 ト 童 二 相 テ 、申 ケ ル ハ 、 若 シテ、 閑 庭 草 露 一泣、 空 山 ノ 松 風 吟 一 一ス 、 是 ソ 門 主 ノ 御 坊 ノ 御 跡 ヨ ト 、 ナ ツ カ シ ク 思 シ 召 テ 、 彼 方 此 方 ヲ 、 御 ラ ン ス レハ、 砌 サエ、 カ ヤ ウ ニ 成 リ ヌ ル 事 ノ 、 カ ナ シ サ ヨ ト 、 思 シ 召 シ テ 、 泣 へハ 、 サ コ ソ ハ 候 ラ ハ メ ト 、 仰 セ ア リ ケ レ ハ 、 翁ナ、大 ニ 悦 テ 、 シ御涙タニ、袖ヤヌレテ候ト、問ヒケレハ、 ホサヌ思ィニテ候 ノ石ハ、 焼 ケ 碎 ケ テ 、 苔 ノ 緑 リ モ 、 紅 ィ ニ 」 変 シ 、 軒 ノ 梅 モ 、 力 、リケル所一一、 淡 路 ノ 国 ヨ リ 」、進 物 ト テ 、 八 十 有 余 ノ 、 老 サラハ、 我 レ ニ 取 リ ツ 力 セ 玉 ヒ 候 へ 、 御 古 郷 へ 、 送リ申候ハン 枝 枯 レ テ 、袖ナツカシキ風モ無シ 翁ヲ一人、高 手 小 手 一誡メテ、 此 籠 ノ 内 へ 入 レ タ リ ト テ 、 若 公 ノ 御 袖 ヲ 弓 寄 テ 、 シホリ. テ見レハ、 白玉力何ソト、 サコソ 神 慮 ニ モ 違 イ 、 人 口 ニ モ ヲチヌラント、 人 ノ 問 ハ カ リ ナ ル 」、涙 ノ 露 、 小 滴 リ 、 翁ナ、 此 露 ヲ 左 ノ 掌 ニ 入 ケ テ モ 、 御 涙 ノ ミ ソ 進 ミ ケ ル 、 久 シ ク 住 ミ習 ワ セ 給 ヒ シ 所 ロナ 物 異 一 一 代 リ ハ テ ヌ ル 、 世 ノ ア ワ レ サ 、只 我 レ ユ Hノ 科 ナ レ ハ 、 思 食 シ ケ ル ニ付 テ 、 其 レ ヲ 丸 ス ル ヤ ウ ニ 、宛転スルー一、 コ ノ 露 、 ヤ C 鞠ノ勢ニ成 • 、暮 レ ケ レ ハ、 リ、 ニ ツ ノ 露 、 次 第 く ニ 、 大 二 成 テ 、 石 ノ 籠 ノ 中 、 大水二ソ ウ リ タ リ 、 是 ヲ ニ ツー一分 ケ テ、左 右 ノ 掌 ノ 上 一 一 置 テ 、ユ ル カ シ 居 タ シケレトモ、事 問 ヘ キ 人 モ ナ シ 、 日モ、 ヤ レ ハ 、 灰 煙 マ テ モ 、 ナ ツ カ シ ク 思 召 シ テ 、 彼 方 此 方 ヲ、 御 ラン ヲM メ給ウ 其 夜 ハ 、 新 羅 大 明 神 ノ 、 社 壇 一 一 御籠リアリテ、 泣 々 」、湖 水 ノ 月 成リタリケル 動 力 シ 、 電 光 天 一 一 翫 マ カ ス 、 サ シ モ 義 勢 ノ 天 狗 共 、 此竜一一恐 其時ニ、 翁ナ、 俄 二 人 身 ヲ ア ラ . タメ、 大 竜 ト 成 テ 、 雷鼓地ヲ 座 ナ シ ト 、申 シ ケ レ ハ 、只 巣 ヲ 放 レ タ ル 、ヒ ナ ノ 心 地 シ テ 、行 方 失 召テ、 石山へ尋ネ、御入リアリケレトモ、是ニモ聖護院ハ、御 大 裏 ノ 旧 跡 、 神 泉 薄 ノ 池 ノ 遍 y ニソ、 置 タ リ ケ ル 、 上 下 ク 男 女 ナ イ 、 ア キ レ 立 給 へ ル 、 御 ア リ サ マ 、 何 ニ タ ト Hン 方 ソ ナ キ 童 ハ 申 シ ケ ル ハ 、 今 夜 ハ 、 参詣ノ人ノ鉢一一テ、 本 堂 —御 座 候 明ケヌレハ、門主ハ、定 メ テ 石 山 ニソ 、御入アルラント、思 是 若 公 ノ 御 恩 也 ト 、 悦 テ 、 皆 ナ 己 々 カ 栖 力へソ H 一 一 、 レ テ 、 四 方 へ 逃 失 ヌ 」、去 此 竜 、 石 ノ 籠 ヲ 、タ ヤ ス ク 、ケ 破 テ 、 児 帰リケル へ、 某 ハ 、 山 へ 登 リ 、 律 師 ノ 御 坊 二 相 ヒ 申 テ 、 御 迎 ヲ 参 ラ セ ン ト 童 ヲ ツ レ テ 出 テ 、 其 外 ノ 道 俗 男 女 、 皆 雲 二 乗 セ テ 、出 テ ツ 、、 若公ハ、先ツ父ノ御所へ、御 入 ア リ テ 、御ランシケレハ、皆 ツ マ シ キ 身 ナ レ ハ 、 迎 モ ナ ニ力 セ ン ト 、 思 シ 召 シ ケ レ ト モ 、 中 ト 、 申 ケ レ ハ 」、若 公 、 聞 シ 召 シ テ 、 ト テ モ 今 ハ 、 浮 世 ニ在リハ ハ、 偏 ア タ リ ノ 人 ニ .、 コ ハ イ カ ニ ト 、 問 ヒ 」 玉 へ ハ 、 三 井 寺 ヨ リ 寄 セ 焼 野 ノ 原 ト ソ 、成 リ ニ ケ ル 、 コワイカニト、 ア サ マ シク思テ、 、 此 者 無 ク ハ、 心 安 ク、 何 成 淵 川 一一モ 沉 ミ ナ ン ト 、思 食 シ 、 泣 々 、 御 文 ヲ ア ソ ハシーア、童 ニソ 、タ ヒ ニ ケ ル、 御 文 ヲ 給 テ 、 急 < 目 モ ク レ、 心 モ 消 へ テ 、 更 ラ ニ 行 ク ヘ キ 方 モ 覚 ヘ ス 、 様 々 、 心 ヲ 取 リ ナ ヲ シ 、 馬 ヲ 早 メ テ、橋 爪 へ 、行 テ 見 レ ハ、 何 ツ モ 御 身 ヲ 不ス 放 一、 米 瑠 璃 ノ 小 珠 」 数 ヲ 取 X サ、懸 ケ 玉 ヒ シ 、 金 欄 ノ 御 守 副 へ テ 、橋 ノ 柱 ニ 懸 テ 、 御置アリ キ 山 へ 登 テ 、 律 師 ノ 御 房 二 相 申 シ テ 、ウ カ リ シ 事 共 ヲ 語 リ ツ 、、 御文ヲサシ出シタリ ントスルニ、 同 宿 ト モ 、 云 ヤ ウ ハ 、 セメテ、 カワル御有様ヲナ 是 ヲ 見 テ 、 律 師 モ 童 モ 、同 シ 道 ニ 、御 伴 モ 申 サ ン ト テ 、 身 ヲ 投 ケ ヲ ハ 、心 ロ ニモ、 力 ケ サ セ 玉 ヒ 候 ハ テ 、 何ト 底 マ テ 照 ラ セ 、 山ノ端ノ 一 一 、 リ ト モ 、 今 一 度 、 御 ラ ソ シ テ 後 ニ 、 免 ニ モ 角 ニ モ 、 ナラセ玉ヒ 月 ト 、ア ソ ハ シ タ ル 候ハンスレ、其上、御 最 後 ノ 御 哥 ケ レ ハ、 カ 不 ド 及 ハ 、 更 御 死 害 ヲ 、 尋 ネ ヨ ト テ 、繫 キ 捨 テ : テ、云 甲 斐 無 ク 、自 害 セ ン ト ハ 、 仰 セ 候 ソ ト 、 ヤ ウ / \ 」ト 、メ 更ラ二見へ玉マハス 海士小舟一一取乗リ、深 キ 淵 ノ 底 、浅 キ 瀬 ノ 汀 ヲ 、 尋 ネ ケ レ ト モ 、 ノ 瀬 ノ 下 モ ニ 、セ カ レ テ 留 ル 、落 葉 ノ 、 紅 ィ 深 キ 色 モ 、 打 衰 口 へ ' 猶 モ 、 流 レ ノ 末 社 、 アヤシケレトテ、 尋 ネ ク タ ル 程 一 一 、供御 姿"也 ? イ ノ カ ン サ シ ハ 、 汀 ノ 水 ニ ユ ラ レ 、 蛾眉ノ I *、 =ビ モ、 落 花 枝 ヲ 去 テ 、 二 度 咲 ク 習 ィ ナ シ 、 童 ハ 、足 ヲ 懐 ロ ニ 入 テ 、 リ、律 師 ハ 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。元 ナ サ ヨ 、 何 事 モ 、 道 ス カ トソ、 アソハシタリケル の端の月 我身さて、 しつみはてなは、 ふかき瀬の、底まててらせ、山 律師、文 ヲ 開 テ 見 ル 一、 ア ヤ シ キ 哥 ア リ 」 X !11 我 ヲ ッ レ テ行キ へ ト テ、 地 一臥シ、 叫 ヒ 、 歎 ケ 、ト モ 、 残 月 帰 II 事 ナ ケ レ ハ 、」歎 キ ハ 、 桂 海 力 身 ノ 中 チ □ 留 或ハ、氬& i娟 タ ル 夫 人 ノ、 軽 三三〇 一乗テ、 t 十 kノ 玉 ヲ 把 リ タ ル - 人 ノ 侍 女 ハ 、 鳳 舄 ヲ ハ キ 、 金 蓮 ノ 冠 ヲ 、 左右一一、相 ヒ 随 イ タ リ 、 サ テ 、 コ ノ 上 客 ノ 、 皆 社 壇 ノ 内 へ 入 給 、 新 羅 大 明 神 モ 、 玉ノ 御 入 候 ト ソ 、 申シケル ソ ト 、 問 イ ケ レ ハ、 是 社 、 東 坂 本 ニ御 」 坐 マ ス 、日 吉 山 王 ニテ、 ケ レ ト モ 、 桂 海 ト 童 ハ 、 一堆ノ灰ニ向テ、 空 キ 跡 ト ニ 、 三ケ日 冠 ヲ 正 ク シ テ 、威 儀 ヲ 刷 ロ イ 、 金 殿 ノ 内 ヨ リ 、出テ向ヒ給ヒ 跡 ニ サ カ リ タ ル 、 退 江 ノ 仕 丁 ニ、 是 ハ 何 力成 ル 人 ニテ、 御 入 候 マ テ 、 泣 居 タ リ ケ ル 、 同 シ 苔 ノ 下 露 ト 、 ナ ラ ハ ヤ ト 、思 へ ト モ 、 リ、 若 君 ノ 御 观 ハ 、 三 途 ノ 旧 宅 へ ソ 、 帰リケル 底 マ テ 照 ノ 御 哥 .ハ、 只 無 キ 跡 ヲ 訪 へト 、 思 シ 召 シ タ ル 御 心 ソ カ テ、 賓 主 ノ 座 ヲ 定 メ 、 猷 酚 ノ 礼 ヲ 至 シ 、 舞 曲 ノ 宴 ア リ テ 、明 神 、 大 人 高 客 ノ 、 来 ル イキヲイア キ俗 牀 ノ 客 、 利 冑 ヲ 齡 セ ル 、 随兵ヲぼ具シ、 候 へ ハ 、 ヨ モ 衆 徒 ノ僻ヵ 度 々 ニ 及 、勅 定 ヲ 背 キ 、 種 々 ノ 魔 障 -1、 J事 一 一 テ ハ 候 ハ シ ト コ ソ 存 シ 候 へ 、然ル 延 一 一 、磨 寺 ノ 大 衆 、 仰 ヲ キ 申 ス 日 吉 山 王 衆 徒 ノ 恨 ミ 申 所 、 一往モ、 其 理 有 ル 二 雖 X似 、 是 皆 、 一 愚 ノ 妄 ハ、 明 神 、 通 夜 ノ 大 衆 ヲ 、 皆 御 前 ニ 召 シ テ 、 仰 セ ア リ ケ レ ハ ' 返 々 モ 、 不 審 ニ 」 候 へ 、何 成 神 慮 ニ テ 候 ヤ ト 、 泣 々 、 申 シ ケ レ ニ、 御 対 面 候 テ 、誡 ニ 御 咲 ヲ 含 ミ 、楽 ミ ヲ 、ナ サ セ 給 候 御 事 コ ソ 、 サ セ 給 候 ラ ン ト 、存 候 処 ヲ 成 シ テ 、 当 寺 ヲ 赖 払 イ 候 へ ハ 、サ コ ソ 、神 明 仏 陀 モ 、 御 心 ヲ 悩 ヲ、 山 門 ノ 大 衆 、 慢 リ セテ、 我 山 ノ 興 隆 ヲ 存 シ 候 テ 社 、 興 行 仕 ラ ン ト 思 ヒ 立 シ 事 ニ テ 申シケルハ、抑、 三摩耶戒壇建立ノ事ハ、既ニ往古ノ勅宣ニ任 アリケル時二、通夜ノ大衆、明 神 ノ 御 前 一 跪 イ テ 、涙 ヲ 流 シ 、 マ リ ア リ 、 角 テ 、 新 羅 大 明 神 、 玉 ノ 階 ヲ 御 渡 リ ア リ テ 、 御帰リ ノ門」外 マ テ 、 御 送 ニ 御 出 テ ア リ テ 、 互 一貴礼ヲ至シテ、 御 留 夜既ニ、明 ナ ン ト シ ケ レ ハ 、山王、還御成シ給ゥ、明神ハ遙 シ ト 、 思 ヒ テ 、御 骨 ヲ 取 、頸 ニ 懸 ケ 、 高 野 山 ニ 納 メ 置 テ 、 山 臥 斗 コ Uモ 誠トニ興酣ノ心ヲ、楽シメサセ玉ウカト見へタリ シ、 或 ハ 、 衣 k 大」 僧正ト見へテ、 四 方 輿 一乗テ、 扈 徒 ノ 大 衆 、 前 後 一囲遶 リ、 ア ヤ シ ヤ 、 誰 成 ル ラ ン ト 思 ヒ テ 、 是 ヲ 見 レ ハ 、 或 ハ 、 法 務 馳 、 車 ヲ 飛 ハ セ 、 ヲ ヒ タ 、シ キ 、 晓 ケ 方 ニ 、 夢 現 ノ 堺 モ シ ラ ヌ ニ、 東 ノ 方 ノ 、 虚 空 ヨ リ 、 馬ヲ 味 ヲ 備 ヘシ、 通 夜 、 念 誦 シ テ 居 タ リ ハ ヤ ト 思 テ 、 皆 ナ 新 羅 大 明 神 ノ 御 前 ー 1、 通 夜 0 、 是 ヲ 限 リ ノ 法 内 」 證 深 心 ノ 、 法 施 ヲ モ 奉 リ 、 又 、 発 心 修 行 ノ 由 シ ヲ モ 、 申サ トソ、定 メ ケ ル 、乍 レ 去 、今 一 度 、寺 門 ノ 焼 跡 一、 立 帰 リ テ 、 住 へ キ ヤ ウ モ ナ カ リ ケ レ ハ 、 何 事 モ 無 益 ト 思 テ 、皆離山ヲセン 其後、 円城寺ノ、戒 壇 ノ 事 一依テ、 三 千 余 人 、 今 ハ 立 帰 リ 、 ヲ ヤ ッ シ 、 高 野 山 ニ 、 籠リケル テ、無 キ 人 ト ノ 跡 ヲ 、訪 ィ ケ ル 、童 モ 纏 而 、髪 ヲ 剃 、濃 墨 染 一 一 、 身 ア ツノ 藥 ノ 」行 ヲ 修 シ 、後 ニ ハ 、東 山 ノ 岩 蔵 ト 云 所 ニ 、 庵 リ ヲ 結 テ 、爰ニ 角 ク テ 、 サ テ 、 ア ル ヘキ ナ ラ ネ ハ 、 其 後 、 同 宿 以 下 、 山へ帰リ 西 ニ 傾 テ 、中 空 |& TEf 見 也 、 夫 、 神 明 仏 陀 ノ 、 利 生 方 便 ヲ 垂 ル 、日 、 彼 ヲ 是 シ テ 、 福 力 、ル 中 力 ニ . モ テ、 菓 ヲ 拾 テ 、 命 ヲ 続 ィ テ ソ 、 年 月 ヲ 送 リ ケ ル ヲ U 人ノ 跡 ヲ 」訪 限 、 御 感 有 テ 、 新古今ノ釈 教 部 一 一 、 撰 ヒ 入 レ サ セ 給 ヒ ケ リ ト 、 書 院 ノ 石 壁 ニ 、 書 キ 付 ケ タ リ 、是 ヲ 、君 ミ 聞 シ 召 シ テ 、 無 ん む か し 見 し 、月 の 光 を 、 し るへにて、今 夜や君か西袅ゆくら ゥ毎ぃ度、 月 見 ル 袖 ノ 、 ヌ レ ケ ル ニ ヤ 、 浮 世 ノ 夢 ノ 、 サ メ - ^ ト、 無 キ ヲ与ルモ、真 実 ノ 非 一本意一、 此 レ ヲ 非 シ テ 、 罰 ヲ 行 ウ モ 、 慈 赴 也 、 去 レ ハ 、 今 度 ノ合 戦 ヲ a ハ 、 人 未 不 r 可知 ; ,、 我 喜 所 依 テ 、 当 寺 ノ 悉 ク 焼 ケ タ ルヲ、 一 一 悲 之 至 也 、 只 順 逆 ノ ニ 縁 ヲ 以 テ 、 遂 ィ ニ 無 」 上 袄 ニ 、 為 k 令い 偏 へ ニ 、我 喜 フ 也 ト 、思 ウ 心 X聞 、 仏 閣 僧 坊 ノ 焼 ケ 失 セ タ ル ハ 、造 営 ス ル ニ 、 財 施 ノ 利 益 有 リ 、 経 論 聖 教 之 紛 失 シ タ ル ハ 、 是 ヲ 書 ク ニ 、書写 汝等ニ語テ、 可 掌 ヲ 合 セ テ 、 是ヲ敬礼ス 天文九年m 神無月中旬 右筆拾三才 主松寿丸常住 又当来ノ仏種ヲモ、御植アルへク候」 ( 辺力) 見 ノ 人 々 ハ 、 念 仏 御 申 ア ツ テ 、 彼 少 人 ノ 御 苷 ヲ モ 、御 訪 ヒ ア リ 、 慈 大 悲 ノ 方 便 哉 ト 、語 リ ケ レ ハ 、 聞 人 、皆 莰 心 ヲ 発 シ ケ ル 、後 仏 種 齡 縁 , ト 、 仏 ノ 説 キ 給 ハ 、 力 、ル 事 社 候 へ 、 誠 難 X在 、 大 一一依テ、 遠 近 ノ 貴 賤 ハ 、 踵 ヲ 継 テ 」、爰 一参詣シ、遍 土 ノ 男 女 ハ 、 へ サ セ 給 ゥ 在 リ 様 ヲ 見 ル 人 、信心ヲ発サスト云事ハ無シ、是 (ー サ ヵ ) トモ、 同 様 ナ ル 桑 門 ノ 人 、東 西 ヨ リ 、来 リ 集 リ ケ レ ハ 、 都コ近 キ所ニ、寺 ヲ 立 テ 、 人 ヲ モ 利 益 セ ン ト テ 、東 山 ニ 、雲孤寺ト云 徳 ハ 孤 リ ナ ラ ス 、 必 ス 隣 ミ 有 リ ト 、 云 事 ナ レ ハ 」、猷 ゥ ト ス レ 依 ニ テ 此 乱 I、桂 海 力 」 発 心 シ テ 、 若 干 ノ 化 導 ヲ 、 至 ス 事 ノ ウ レ シ サ ニ 、 万 事 ヲ 忘 レ テ 、是 ヲ 悦 コ フ 也 、日 吉 山 王 モ 、 此 事 ヲ 慶 ゥ御堂ヲ、建 立 シ テ 、春 ノ 暮 月 ニ 、 三 尊 来 迎 ノ 儀 ヲ 、 行 給 X之一 報 I 仏一、 豈 生 滅 ノ 相 無 ラ ン ヤ 、 只 、 ハセ給ハン力為メ一一、 来 臨 ア リ 、 我 モ 感 歎 一 一 堪 ヘ ス シ テ 、 歓 喜 ゥ 、 サ レ ハ 、 廿 五 ノ 苷 、 伎 楽 歌 詠 ヲ 調 へ テ 、 往 生 ノ 人 ヲ 、 迎ヵ ノ結縁有リ、有 レ 為 ヲ 現 ハ シ ツ ル ナ リ 、 石 山 ノ観 音 ノ 、 童 男 ノ 変 化 ニ 依 リ テ 、 tl 心 桂 海 力 、 永 ク 生 死 ヲ 離 レ テ、 仏 果 ニ 至 ラ ン 事 社 、嬉 レ シ ケ レト、 仰 セ ア リ テ 、明 神 ハ 、 錦 ノ 張 ノ 内 へ 、入 ラ セ 」 玉 ウ 、去 テ 、 卅 人 ノ ( 帳力) 通 夜 ノ 衆 徒 ハ 、 同 時 ニ 、 夢 メ 覚 メ テ、 各 々 同 様 一ソ、 語 リ ケ ル 去 テ ハ 、 梅 若 公 ノ 、 身 ヲ 投 玉 ヒ シ モ 、 観 音 ノ 所 変 也 、 寺門ノ k度 ノ 方 便 ニ テ ア リ ゲ ル ト 、 信 心 、 肝 ニ 銘 シ ケ ルハ、 卅 人 ノ 衆 徒 、 皆 発 心 シ テ 、 共 ニ 仏 ヲ 修 セ ン ト テ 、 彼 桂 海 焼ヶケルモ、 力 、 遁一一シテ、 後 ニ 名 ヲ 改 テ 、 瞻 西 上 人 ト 云 テ 、 岩 蔵 一庵ヲ 結 ン テ 」、居 タ リ ケ ル 所 へ 尋 行 テ 、共 ニ 仏 道 ヲ 修 セ ン ト 思 テ 、尋 ネ 行テ見レハ、 三間ノ茅 屋 中 半 雲 一陰レテ、霊 山 浄 土 モ 云 ツ ヘ シ 、 、 谷 ノ 水 ノ 流 ル 、響 キ モ 、 浮 世 ノ 夢 モ 覚 ヌへシ ト 悦 テ 、 共 ニ 行 ヒ ケ ル 、 松 ノ 落 葉 ヲ 搔 集 メ テ 、 煙リヲ立 峯ノ嵐シノ吹ク音ト 三三一 X 文 禄 五年 写本 三 三 ニ はそも、何 事 そ や 、我 、適 、 俗塵の境界をはなれ、 釈氏の門室 秋 夫 レ 、 春 ノ 花 ノ 樹 頭 ニ 挙 ハ 、 上 求 菩 提 ノ 檄 ヲ 勸 メ 、 秋 ノ月ノ に」 入 な か ら 、 明 暮 、 た 乂 名 聞 利 養 の 心 の み 起 し て 、 出 離 生 死 語物長夜 水庭一一下タルハ、 下 化 衆 生 ノ 相 ヲ 顕 ス 、 天 言 ハ 無 シ 、 物 々 皆 ナ に、 月 日 を 送 り け る かたく、 同 朋 同 宿 の 離 別 も 、 さ すかに、 名 残 お し 」 け れ は 、 徒 所をは、人毎に、 はなれかたき事なれは、伊王山王の結縁も捨 はかりの隠家をも、 結はや と は 、 おもひけれ共、 旧縁のつなく の い と な み に 、 を こ た り ぬ る 事 の 、 あ さ ま し さ よ と 、 思ふ心の 顕 示 ス 、 人 心 ロ 有 リ 、 敗 々 ト シ テ 豈 不 \勤 乎 、 若 シ 人 有 テ 、 人 間 ノ 八 苦 ヲ 見 テ 、 穢 と ヲ 献 時 ハ 、 煩 悩 即 菩 提 ト 成 リ 、 天 上 ノ五 出 来 け れ は 、 總 而 、 山 よ り 山 の お く を も 尋 、 柴 の 庵 の 、 しはし 縁 、 悪 ヨ リ 善 ニ 誘 へ 給 ふ 、 何 ニ ヲ 以 テ 云 と な れ は 、 経論 衰 ヲ 聞 テ 、 浄 と ヲ 求 時 ハ 、 生 死 即 l§ uト 成 ル 、爰 ニ 諸 仏 菩 薩 ノ、 順 逆 ノ 化 導 ヲ 垂 ル 、日 、 罪 有 ル ヲ ハ 、 邪 ヨ リ 正 ニ 入 レ、 無? 其 心 、内 に ぅ こ き て 、 ことは、 外 に あ ら は れ け る に や 、 朝々暮々風塵ノ底失脚誤生ス三十年 何日人間栄辱眼コ古松ノ陰ノ裏看 雲 X ヲ眠ル 是程に思ひ立 ぬ る 事 の 、 かなはぬは、 邪魔外道の、我をさまた と 思 ひ て 、 石 山 に 詣 て つ 一 七 ヶ 日 か 」 あ ひ た 、 五鉢を地に く る に や 、 さらは、 仏 菩 薩 の 、擁 護 を 頼 て 、此 願 を 、成就せん セ ン サ ィ 今 は 昔 と や 可 申 、後 堀 川 院 の 御 宇 に 、 西山の瞻西上人と聞へ あ て や か な る か 、 立 出 て 、 ちり ま か ひ た る 、 花 の 木 陰 に 、 立や 仏殿の錦帳の内より、容色美麗なる児の、 ゆふはかりもなく? 七日 満 し け る 夜 、 礼 盤 を 枕 に し て 、 ちと、 まとろみたる夢に、 水 の 風 を 挙 た り 、 さ水は、 或 時 は 、 忍 辱 の 衣 の 袖 に 、摂 受 の 慈 す ら ひ た れ は 、 青 葉 か ち に 、 ぬ ひ た る 水 干 の 、 遠 山 桜 に 、 花ニ なけ 、 一心にまことを致て、道 心 堅 固 即 證 苷 と そ 、 祈 け タ 悲 を 裹 み 、 或 時 は 、 催 伏 の 鈕 の 刃 に 、猛 気 の 勇 鐃 を 揮 、誠 に 、 真 相 の 律 師 、 桂 海 と い ふ 人 に て そ 有 」 け る 、内 に は 、 玉泉の流を 俗の倚頼、文武の達者也 度、咲たるかと被 X疑 、 雪 の こ と く 、 ふ り か Xり た る 」 を 、 袖 壮 年 に 、 飛 花 落 葉 の 色 を 見 て 、 ね ぬ 夜 の 夢 や 、覚 ぬ ら ん 、 こ 酌 而 、 四 教 三 観 の 月 を 澄 し 、 外 に は 、 黄 石 の 道 を 踏 て 、曩沙 背 て、 学 道 兼 備 た り し 人 、 元 は 、 北 嶺 東 塔 の 衆 徒 に 、 勧 学 院 の 宰 ニ条院ィ 峙 さ せ 給 へ 、 老 の ね 覚 に 、 秋 の 夜 の 永 物 語 、 一つ申侍らむ、 近 来 、 耳 に ふ れ し 事 の 、 あ ま り に 不 思 議 な り し か は 、面々枕を に所k 説 ク 書 伝 一所 \」 載 、 事 し け X れ は 、 申 に 言 不 レ 足 、 /' て、 や か て 、 見 え す な り ぬ と 見 て 、 夢 は す な は ち 、 さ め に け り に つ Xみ な か ら 、 何 方 へ 行 と も 覚 ぬ に 、 く れ ゆ く 気 色 に け さ れ 砂 の 水 干 に 、 薄 紅 の あ こ め か さ ね て 、 腰 の ま は り 、 ほそやか に、 け ま は し ふ か く 」み 、や . ひ や が な る か、 見 る 人 有 共 、 し ら す 心 に ひ か れ て 、 門 の 傍 に 、 立 寄 た れ は 、 齢 二 八 計 成 児 の 、 水魚 も や あ り け ん 、 み す の 内 よ り 、 庭 に 立 出 て 、雲 お も け に 咲 た る 、 Mめ 下 枝 の 花 を 、 一ふさ手に持て 是 則 、所 願 成 就 の 、夢 想 な り と 、_ 敷 思 ひ て 、 また、 し の の、 あ け は て ぬ に 、 立 帰 、 外 よ り 可 来 物 を 待 様 に 、 今 や 道 心 の け 降 雨 に 、 ぬ る とも折ん、 山 さ く ら 、 雲 の 返 し の 、 風もこそふ を こる と、 待 ゐ た れ は 、 猶 、 山 深 住 は や と 、 思 ひ し 心 は 打 失 て、 夢 に み へ つ る 、 児 の 面 影 、 時 の 程 も 、 身 を は な れ す 」 そ れ 掩ィ と、打 詠 し て 、花 の し つ く に 、 た ち ぬ れたる鉢、是 も 花 か と 、 も、誠 の ぅ つ 乂 な ら ね は 、 せんかたなき思ひに、 たえかねて、 拟 し も や、 若 な く さ む 、 ー炤の香をたきて、 仏 前 に 向 へ は 、 漢 の神女、 雲 と 成 、 雨 と 成 て 、 夢 の 後 の 面 影 、 た つ き も し ら す 思ひ も 、身 に し ら れ 、 空山の花を詠して、雲 庭 に よ れ は 、 巫, と あ や し け に み や り て 、 花 を 手 に 持 な か ら 、 か -^り の も と を め 心 な き 風 の 、 と ひ ら を 、 き り ^~^と 、 吹 な ら し た る に 、 人 有 « り の 袖 も か な と 、 雲 に も 、 霞 み に も 、か す へ き 心 な ん し け る に 、 ま と は れ て 、 さ そ ふ 風 も や あ ら ん と 、 し つ 心 な け れ は 」、思 は か と、 な け き 給 ひ け ん 、襄王の御 涙 も よ そ な ら す く り て 、 静 に 歩 む に 、 み る ふ さ の 如 に て 、 ゆ ふ ''^と 、 か ^り 1 のり ふじんめ、 反 魂 香 の 煙 に 、 身 を こ か し た ま ひ し 、 武帝の御 を 、 さ か さ ま に 如 ぃ 呑 と 、 悲 み 給 ひ し か は 、 我 離 山 を 、 いかさ 山 王 の 御 神 詫 」 に、 我 レ ー 人 の 衆 徒 を ぅ し な ふ は 、 三 尺 の 想 と 、 見 帰 り た る 目 つ き 、か ほ の に ほ ひ 、 ゆ ふ 計 も な き さ ま 、 た る 髪 の す そ 、 楊 の 糸 に 、 打 ま と は れ て 、 引 と め た る を 、 ほれ 行 衛 も 」な く 、我 を ま と は し つ る 、 夢 の た 乂 ち に 、 す こ し も 、 た ま、 山 王 の お し み 思 召 て 、道 心 を は 、 さ ま た け さ せ 給 ふ に や 、 Xけ む す れ 、 暮 待 程 の 、 露 の 身 も あ ら し 、今 は と 思 ひ 佗 け れ は 、 縦 、 さ 様 の 神慮成共、命 い き て こ そ 、法 燈 の 頹 風 に 向 を も 、 か へき方もおほへす か は ね は 、 今 の ぅ つ \ に、 み し 夜 の 夢 は 打 忘 て 、 日 暮 れ 共 、 行 た る に 、 童 の い と き よ け な る か 、 ぬ き す の し た の 、 水 捨 ん とて 夜明ぬれは、きのふの所に行て、御 房 の 傍 に 、立やすら」 ひ 心 な るら む これやゆめ、あ り し や ぅ つ - 4 、 わ き か ね て 、い つ れ に ま よ ふ、 ( 縁力) 其夜は、金堂の椽に、 ひれふして、夜もすから、詠めわひぬ、 石山の観音をこそ、 かこち申さめと思ひて、 又、 石山へそ参け る」 三井寺の前を、過 けるに、降 と も し ら ぬ 春 雨 の 、 か ほ に ほ ろ と 懸 け れ は 、 雨 や と り せ ん と 思 ひ て 、金 堂 の 方 へ ゆ く 処 に 、 り て 、 雲 を 茂 り 、 遙 に 人 家 を み て 、 花 あ れ は 即 入 、 と 云 、 詩の ( 朱i セリ 聖 護 院 の 御 房 の 庭 に 、 老 木 の 花 、 色 こ と な る か 、 梢 、 垣にあま 三三三 三三四 寿 と て 、万 情 の 色 深 く し て 、 上 下 に 賞 翫 せ ら る X事 、 無 k疑 と 語 れ は 、 そ れ な ん 、 よ び よ せ て 、 物 語 せ ん 事 は 、い か \と 問 へ は 、 の 外 に 出 た り 、 是 や 若 、 昨 日 の 児 の 、 童 な る ら ん と 、思 ひ て 、 立 寄 て 、 ちと物申 さ ん 、 と 云 へ は 、何 事 に て 候 や 覧 と て 、事外 して、 桂 寿 が 心 を 」 取 て 、語 け る は 、我 前 世 の 宿 習 に や 、彼御 亭 主 、 安 事 也 と て 、 即 、 彼 桂 寿 を 招 き よ せ て 、 茶 を 呑 、 酒を催 そ ま す 、 ね て も 覚 て も 、 只 此 御 事 を の み 、 案 し 候 へ は 、妄執の 姿 を み 奉 て 後 は 、 万 心 も み た れ 、観 念 座 禅 の 行 学 も 、 更に心に なる気色もなし の程、 十 六 七 に み へ さ せ 給 つ る 、小 人 の 御 事 や 、 しり参せ給た 名 を は 、梅 若 公 と 申 、 御 里 は 、花 菌 の 左 大 臣 殿 に て 候 、 御心分 と思召て、御所中の御暇を、伺はせ給て、花の木影の御戯れを 月、晴かたふして、心地の花、開す候へは、偏に人をたすくる な く 、 深 窓 の 内 に 」 向 て 、 詩 を 作 、 哥 を 詠 し て 、 なほさりに 御 渡 り 候 程 に 、 管 絃 す 會 の 席 な ら て は 、 御 出 も 候 は す 、 いつと ら そ ふ 風 情 に て 候 を 、 此 御 所 の 御 あ り さ ま 、余 に ゆ る す 方 な く 、 余所に散心もなく、仲秋の月の、 くまなきに、皆我家の光をあ く と 申 て 、み 候 は ん に 、な と か は 、苦 し か る へ き と 、 い ひ け れ は 、 誠さやぅに、御 心 指 深 く 御 座 候 は 一 頼 み 申 由 、 泣 々 、 桂 寿 に 語 り け れ は 、 童 は 、あ は れ に 思 ひ つ X、 仏 陀 の 感 応 に も れ 、 我 身 の す 袅 も 、 浅 間 敷 候 へ は 、か や ぅ に は 、 り 思 ひ 侍 れ 共 、 心 中 に 積 り ゐ て 、 い は ぬ 思 ひ の 尽 せ ぬ は 、 興顕 比 日 比 も 、不レ知 身の、 か 様 の 事 、 打 」 解 申 は 、 如 何 と 、 は X か も、今一目奉ぃ見は、 其 を 憂 世 の 思 出 と し て 、 可罷帰、 只、年 月 日 を 送 ら せ 給 候 也 と そ、語りける つ ほ の 石 ふ み つ て に て も 、 心 の 奥 を 知 せ は や と は 思 へ 共 、 あま い か 」 に 書 と も 、 つ く し か た け れ は 、 中 '^^哥 計 律師、嬉敷思ひて、鑛而、色こき紙に、思ふ心を尽程の事は、 乂ろを 知 ら せ は や 、 ほ の み し 花 の 、 面 影 に 、 立 そ ふ 雲 の 、 まよふこ 影 に 立 ぬ れ て 、 御 渡 り 候 け る を 、 或 人 、 ほ の か に 奉 r見 て 、 人 童 、 文 を 懐 よ り 、 取出 し 、 是 御 覧 候 へ 、 日外、 雨の 夕 、花の木 つX み か ね た る 様 に 、 み へ 候 そ や と 、 申 せ は 」、若 公 、 か ほ 打 あ し れ す 、 思 ひ そ め け る 、 袖 の 色 も 、 は や 紅 の ふ り 出 て 、泣 計 に 、 日を暮しけるか、聖護院の傍に、昔 知 た る 人 の 有 」けるを、 た 先 の 童 を た つ ね た る に 、 さ る 事 あ り 、 彼 梅 若 公 に 付 奉 k随 、 桂 へ比以下イ本) し た る 鉢 に て 、 一夜ニ夜を明す事、度 々 な り け り つね出して、 或 時 は 、 詩 謌 の 会 に 事 を ょ せ 、 或 時 は 、 酒宴に興 一:*iは、 夢 と ぅ つ \ と の 面 影 に 、 起 も せ す 、寝 も せ ぬ 夜 を 明 し 、 従 是 又 、吾山へそ帰ける り に 、 ひ た \け た ら ん わ さ も 、 さ す か な れ は 、石 山 へ は 参 ら て 、 筆、御文を給候て、 か 聞 に 付 て も 、 い と \、 心 も ぅ か れ ぬ れ は 、 纏 て 、此 童 を 使 に て 、 候 へ は 、 一 寺 の 老 僧 、 若 輩 、 春 に を く れ た る 、一 木 の 花 を も ち 、 方 も な く 、偽 の 有 世 と た に 、思 召 れ ぬ 程 の 、 は か な き 、 御 心 に て る と 、問へは、童は打笑て、此御方に、 召被仕者にて候、御」 律 師 、 嬉 敷 思 ひ 、き の ふ 此 院 家 に 、 水 魚 砂 の 水 干 め さ れ て 、御 年 PI の 僧 都 と 哉 覧 云 人 、 渡 殿 の 板 、 踏 鳴 て 、 内 へ 入 に 、 此 文 を み 'せ かめて、 文 の ひ も を 、 と か ん と 仕 給 ふ に 、 出 世 な る 、 なにかし んと、 み や り た れ は 、 桂 寿 に て そ 、有ける し、 行 所 に 、 唐 笠 指 た る 、 騎 馬 の 客 、 道 に 行 逢 た り 、 誰 な る ら て も 、 尋 参 ら ん と し つ る に 嬉 敷 も 、 参 合 た る 物 哉 と て 、 馬よ 桂 寿 、律 師 を み て 、 あ な 不 思 護 や 、 申 へ き 事 有 て 、 しらぬ山ま り と ひ を り て 、律 師 か 手 を 取 て 、 傍 成 、辻 堂 」 に立よりける しと、 袖 の 内 に 、 押 隠 給 つ 桂 寿 、 便 り あ れ と 隙 を 待 て 、 日 窓ィ 暮 る 迄 、祗 候 仕 た る に 、暫 有 て 、 書 院 の す た れ よ り 、 御 返 事 書 て 指出し給ひたり さ へ 、 く ゆ る 計 に 匂 ひ た る を 、 取 出 し て 、い か な る 山 の 奥 迄 も 、 何 事 に や と 問 は 、桂 寿 、懐 よ り 、色 殊 、 こかれたる文の、觸袖 く 、思 ひ し か は 、 あ た りの宿に止て、余 所 な か ら 、 そなたの梢をた 御 所 の 傍 に 、知 た る 衆 徒の房の候へは、其 に 、 しはらく、御座 第八 の身や 偽 の 、 在 世 を 知 ら て 、 た の み け む 」 我 こ ^'ろ さ へ 、 ぅ ら め し 戯て、文をみれは、 れて 、打 袅 め は 、律 師 も 、 せ め て 別 れ を 歎 く 事 に て 候 は や と 、 ひ 候 や 、 ま し て 、 一 夜 の 後 の 袖 の 上 、 さ こ そ は 露 の と 、 たはふ 聞 し 計 を し る へ に て 、尋 参 と 仰 候 つ る 、け し か ら す の 、御心迷 ^ 一里は、 取 手 も か ろ く 、 嬉 敷 て 、 急 き 持 て 行 た る に 、 律 師 、 目 も ( 悦力) 披 て 」 みれは、 是も詞はなくて しはらくは、 もせ す 、 あ ひ み ぬ さ き の 別 れ も、 せんかたな 律 師 、 此 御 返 事 を み て 、 心 い と Xぅ か れ て 、 更 、 立 帰 へ き 心 地 まよひは た の ま す よ 、 人 の 心 の 、 花 の い ろ に 、 あ た な る 雲 の 、 か Xる たちそふィ あ や に 祝 て 、誠 に 身 もあられぬ様の鉢也 >1 にいさなへは、 思方に心ひかれて、律 師 、 又三井寺へ行ぬ 候 て 、 玉 簾 の ひ ま を も 、 御 心 に か け ら れ 候 へ か し と 、童 し き り に み つ X、 暮 さ は や と は 思 へ と も 、 そ れ も さ 」 す か に 、 ひ た け る わ さ な れ は 、 又 こ そ ま ひ ら め と 、 桂 寿 に 暇 乞 て 、 山へ帰り の日雖永と、程 近 、坂 本 ま て も 、 行 つ か す し て 、 日 暮 けれは、 け る か 、 一足歩みてはみかへり、 二 足 歩 て は 立留りけれは、春 の主、懇 な る さ ま に も て な し て 、常 は 児 達 あ ま た 出 し つ 乂 、 管 桂 寿 、 しはしか程の、宿 借 て 、或坊の学問所に置たれは、其坊 気 色 に て 、人目 も 哉 と 、求る様 な れ 共 、叶はで、 出かねたる心 せ ん さ ひ の 草の露の底に、隠 れ ゐ た る に 、 若 公 も 、 早心得たる て 、 夜 に な れ は 、 院 家 の 傍 に 、 立 ま き れ て 、つ き 山 の 松 の 木 影 、 律 師 は 、所 願 の 事 在 て 、森 羅 大 明 神 に 、 七 日 参 詣 す る 由 を い ひ 絃 を し 、褒 貶 の 哥 あ は せ な ん と し て 」 そ 、 日を過しける 戸津の辺に有ける、 はにふの小屋にそ、 とまりけ る 共 、け ひ き の つ な を 、腰 に つ け ら ん こ と く 、我 な か ら 、 心に引 終 夜 、 思 明 て 、朝 に な れ は 、 山 へ の ほ ら ん と て 、 庭 ま て 出 た れ ( ち力) かれ行ける と X め ら れ 」 け れ は 、 又 戸 津 よ り 引 返 て 、 大 津 の 方 へ そ 、 あこ 雨 し め や か に 、 降 け れ は 、 蓑 笠 打 著 て 、旅 人 の 形 に 、 身 を や つ 三三五 三三六 よりそひて、打傾たれは嬋娟たる秋の蝉の、 はつもとゆひ、宛 入 給 ぬ 、 さ し も ま と を な ら す 、 袖 の 移 り 香 も 、 身 に ふ る \計 、 み る 計 を 、我 方 に あ る 契 り に て 、人 の 情 を こ そ 、命にせめ と 思 転 た る 蛾 眉 の 、 黛 の 匂 ひ 、 花 に も ね た ま れ 、月にもそねまるへ 尽 し 、 み る も 中 ^ - いたはしけれは、 よしや只、余 所 な か ら 、 へは、 行 て は 」 帰 り - ^ て は 行 、 日 数 も 十 日 余 に 成 に け り 涙 と 共 に 、 む す ほ れ し 、 心 の 下 ひ ほ 、 打 解 て 、 小 夜 の 枕 、 かは 葉もなかるへし き 、百 の か ほ は せ 、 千 々 の 媚 、 畫 に 書 と も 、 筆 も 難 及 X 、語に言 山 へ 帰 ら ん と 、 思 ひ け る 所 に 、 桂 寿 来 て 、 申 け る は 、今 夜 こ そ 、 嶋 の 、 水 の な か れ も 、 浅 か ら 」 す 、 行 す 袅 ま て の 、む つ こ と も 、 何 ま て も と 、 人 は 云 へ 共 、 長 居 せ ん 事 、 さ す か な れ は 、 明日は も 、 い た く 酔 せ 給 候 へ は 、 更 過 る ま て 、帰 ら て 、祗 候 せ よ 、 召 く 此 御 所 へ 、 京 よ り 客 人 御 入 候 て 、 御 酒 宴 に て 候 つ る 程 に 、 門主 ま だ つ き な く に 、 ね や さ ふ ふ し て 、紫 蘭 の 夢 、 さ めやすく、 し に 、 明 ぬ と つ く る 、 鳥 の 音 も 、 ぅ ら め し く 、 を の か き ぬ .-^^ 爐 断 て は 、 紅 涙 の 別 れ も 、 と め か た け れ は 、 し の \小 篠 の ー ふ せ ら れ て 、 是 へ 忍 ひ や か に 、 御 入 候 へ し と 、 仰 せ 候 つ る 、 門さ 乂て、 御 待 候 へ と 、 い そ か は し け に 、 云 捨 て そ 、 帰 り け る 」 ひ や k か に な り て 、 立 別 れ な ん と す る に 、 明 方 の 月 の 、 まとの と、 月 の 南 に 廻 迄 、 待兼たる所 と も 覚 す 、 更 行 鐘 の 、 つ《 と 、 か \ り た る は づ 」 れ よ り 、 眉 の に ほ ひ 、 ほ け や か に 、 ほの 西より、 くまなく、 さし 律 師 は 、 是 を 聞 よ り 、 心 も ぅ か れ 、魂 乱 れ 、何 方 に あ る 、我身 に、 唐 垣 の 戸 、 人 の あ く る 音 す れ は 、 書 院 の 福 障 子 よ り 、 遙 に か な る か ほ の 、 思 へ る 色 ふ か く 、 み え た る様 、 別 れ て 後 の 面 影 入 た れ は 、 ね み た れ か み の 、 はら^- み 出 し た れ は 、 例 の 童 は 、先 に 立 て 、魚 脳 の 燈 爐 に 、螢を入て よ や か に 、打 し ほ れ た る 鉢 に て 、 み る 人 も や と 、 かかりの下に 持 た る 、其 形 青 螢 と し て 、朦 朧 た り 、 若 公 は 、金 砂 の 水 干 、 な 立 や す ら ひ た 」 れ は 、 乱 れ て か X る 青 柳 の 、 い と Xゆ ふ は か り も入らす、門の唐居敷の上に、立かねたる所に、童は又来て、 も、 又逢ふまてを待程の、命あるへしともおほへす 第十 律 師 は 、 若 公 を 送 て 、 あ か つ き 出 た り つ る ま \ に て 、 末 、 内へ な く 、 み え た る に 、 律 師 、 い つ し か 、 は や 、 ほれ^ ^ となり あ け て 見 れ は 、 ことは、 さ し も 、 を ほ か ら て 」 の、 な み た に わ け し 、 在 御 文 と て 、指出したり 我袖に、 やとしやはてむ、きぬ< て、 あ る も あ ら れ ぬ さ ま な り 明の月 童 、 先 ッ 内 へ 入 て 、螢 を は 、 沙 窓 の 軒 に か け 、書 院 の 戸 を 、 ほ と ''^と た きて X、 是 に 御 渡 り 候 や ら ん と 、 案 内 す れ は 、 律 師 と も に み し 、 月 を 名 残 の 、 袖 の 露 、 は ら は て 幾 夜 、なけき明 律 師 、書院に帰て 可 答 様 も 知 ら て 、 ち と傍に、 身 を そ は む る 、気 色 計 に あ る よ し を、知せたり 童 、 庭 に 帰 て 、 は や と 申 せ は 、 若 公 、先 に 立 て 、妻 戸 よ り 」 内へ 童 思 知 て 、 其 人 の 在 所 を は 、 委 く 承 て 候 し か は 、御 供 申 候 は ん 、 と 桂 寿 と 只 二 人 、 ゆ く へ き 方 も し ら す 、立出ぬ 御 所 の 御 意 、 あ し く 候 は \、 後 に 何 共 、 申 さ せ 給 へ と て 、 若 公 さむ 律 師 は 、 夢 と た に 、 思 ひ 分 さ り つ る 面 影 を 、 身 に そ へ 、 ふれつ 一は元来、 三 台 九 棘 の 家 に 生 れ て 、 き や う 車 」 宝 馬 の 、 乗 物 ならては、 いまた泥土を踏給はす、あしたゆく、心つかれて、 # る 移 り 香 を 、 を の か 物 か ら 、 か た み に て 」、山 へ 帰 り た れ は 、 心 しほれて、世の人ことの、物いひかはす、 返事もせられぬ、 只 更 、あ ゆ み か ね 給 へ り 、御 手 を 引 け る 童 さ へ 、くたびれはてけ 泣 と し も 、 お ほ え ぬ 涙 、 人 目 に あ ま り て 、 を さ ふ る 袖 も 、 朽果 ぬへけれは、少 も い た は る 事 あ り と 、 披 露 し て 、 人に対面もせ れ は 、 あ は れ 、何 成 天 狗 、 t 者 成 共 、 我 を 取 て 、 比 敷 山 へ 、 の た ま し め 、 や す ら ひ 居 た る 所 に 、. 年 い と た け た る 山 伏 の 、 四方 ほ せ よ か し と 云 ひ て 、 唐 崎 の 松 の 木 影 に 、 湖 水 の 月 に 、 心をい す 、 伏 し つ み て そ 、 日を送りける 輿 に の り た る か 、 輿 を 前 に 」、か き す え さ せ て 、 是 は 何 方 よ り 何 童 は 、 此 由 を 伝 へ 聞 て 、若 公 に か く と 、語 り 申 け れ は 、若公も れ 」給 ふ に 、 今 も や 音 信 あ る と 、 し は ら く 、 心 に 籠 て 、 待 給 ひ 誠 覚 束 な く 、 心 く る し き 事 に 思 ひ て 、気 色 常 ょ ヶ も 、打しほ り は つ へ き 、 風 の 心 地 と 哉 覧 、 聞 し は 、 露 の 命 も 、 い か \な り ぬ る を 、 た か 方 の 、 つ ら さ に な し て か 、、 其 儘 に 、擁 て 、遠さか 者 十 二 人 、 鳥 の 飛 か 如 に ゆ き け る か 、 茫 々 た る 、湖 水 を し の き 、 はん、 此 輿 に 、 め さ れ 候 へ と て 、 児 と 童 と を 、 か き の せ て 、力 の に て 候 へ 、あ ま り に 痛 敷 、み 奉 り 候 へ は 、 我 は か ち に て 、 歩 候 山 氏 、輿 よ り を り て 、我こ そ 、御 た つ ね 候 房 の 、憐へのほるも に答へにけ ま -' 方 へ 、御 渡 り 候 哉 ら ん と 、問 け れ は 、童 、在 の ぬ ら む 、 若 は か な く な ら は 、 な か ら ん 跡 を 問 と て も 、其 」甲 斐 重 々 た る 」、雲 霧 を わ け て 、 片 時 の あ ひ た に 、 大 峯 の 釈 迦 か 嶽 へ り け る か 、 余 り に 、 日 数 経 れ は 、 童 を ょ ひ 寄 て 、a も あ り し 夜 の 、 な し 、 何 な る 山 の 奥 成 共 、 尋 行 は や と 思 へ 共 、申 置 事 の な く て 、 こ 乂 に て 、 盤 石 を た \み た る 、 石 の 楼 の 中 に 、 押 籠 て 、 置 た れ 夢 の た Xち も 、 ぅ つ ^ す く な き に 、不 \驚 便 り も な く て 、 程 経 り 出 な は 、門 主 の 御 心 も 、 さこそと思はれて、 其 も 不 叶 X 、 行す 袅 も し ら ぬ 、 あ た 人 の 、 只 い ひ 捨 し 言 葉 を 、 誠 に し て 、我に心 は、夜 昼 の 境 ひ も し ら す 、 月 日 の 光 を も み す 、 苔 の |卞、 松 の 嵐 、 (隣 力 ) を つ け し も 、誰 せ し わ さ そ や 、 今 の 程 に 、 我 を 指 南 し て 、何成 そ 、 かき持行ける 山 、 何 方 の 浦 に 成 共 、 た つ ね て 行 け と 、 か こ ち 給 ひ て 、 涙をは 第 十 一 三三七 涙 の か は く 、ひ ま も な し 、道 俗 男 女 、 を \く と ら れ て け り と 覚 へ て、た 乂 、め ひ ま う た る 闇 室 に 、 泣 声 の み そ 、 き こ へ け る 」 けなき、あたし心にて、人に又なき ら - ^と 、 こ ほ し 給 ふ さすかに、 い ま だ い 其 夜 よ り 、 三井寺には、 若 公 う せ 給 ぬ る 事 、 た Xことにあらす と 」 思 ひ 、付給ひぬ る は 、 す る わ さ もなき習なれは、実 も 理 哉 と -' 人 行 相 て 、 さ 様 の 小 人 は 、 夕 戌 剋 計 に 、唐 崎 の 浜 に て こ そ 、 ゆ も 、 知 人 、更 、 な か り け る 所 に 、東 坂 本 よ り 、大 津 へ 通 る 、旅 と、門 主 、御 歎 き 在 て 、 いたらぬ く ま も な く 、御 尋 あ りけれと は、 眇 々 た る 、 志 賀 唐 崎 の 浜 路 に 、 駒 に 鞭 打 衆 徒 も あ り 、 或 は 十万騎の勢を、 七手に分て、 をうて、 からめてより押よる、或 十 月 十 四 日 は 、 中 の 申 に て 、 是 に ま さ る 吉 日 、 有 へ か ら す と て、 の勢馳集り、山上坂本に充満せり へしとて、 末 寺 末 社 、 三 千 七 百 余 」 ヶ所へ、 觸 送 る 、 先 、 近 国 三三八 き 相 せ 給 ひ て 候 し か と そ 、語ける 其 中 に 、桂 海 律 師 は 、 今 此 」監 傷 は 、併 、我 身 よ り 、 をこりし によせける 漫 々 た る 煙 波 、 湖 水 の 朝 な き に 、 船 に 棹 さ す 大 衆 も あ り 、 思々 拔 は 、 此 あ ひ た 、忍 ひ て い ひ 合 す 、 山 徒 の あ り と » しか、 何様 X斜 るへし、先、花 菌 の 左 苻の帝へ押寄て、恨み申せとて、御門徒 る物をと、思ひけれは、勝たる、 同宿若党、 五百人、皆神水を わ さ な れ は 、 人 よ り 前 に 、 一合戦して、 名 を 後 代 に 、 あ け ん す 父 の 大 臣 、存 知 給 は ぬ 事 は あ ら し 、 山 門 へ よ せ ん 事 は 、 難儀な 勾 取 て け 」 りと、院家の周章は不 及 X 申 X 、 一寺の欝胸不 の大衆、 五 百 余 人 、 白 中 に 、 左 苻 の 帝 宅 、 三 条 京 極へ押寄たる マ 、 に、 近 所 の 祗 候 の 人 、 五 十 余 人 、 身 命 を 軽 し て 防 き 戦 、 大 衆 、 事 と も せ す 、責 入 け る あ ひ た 、渡 殿 、 釣 殿 、 泉 殿 、 甍 を な 」 ら を う て 、 か ら め て 、 城 の 内 、 す へ て 十 万 千 余 人 、 同 時 に 、 時の 呑 て 、 五 更 の 天 も 明 ぬ に 、如 意 越 へ よ り そ 、 よせたりける 水輪際に落る揪と、うたかはる」 声 を 揚 た れ は 、 大 山 も 、 是 か た め に く つ れ 、 湖 水 も 傾 き 、忽 に 、 へて作りける、 玉 の ら ん か ん 、 一宇ものこさす焼払ふ 同 に 、 僉 議 し け る は 、 寺 門 の 恥 辱 、 是 に 過 た る 事 は 、有 へ か ら 杉 本 、 山 本 、 妙 観 院 、 十 乗 、成 願 、妙 光 坊 、 西 塔 に は 、常 住 、 は、 先 ッ 本 院 に 、 習 禅 、 禅 智 、 円 宗 院 、 榴 生 、 西 勝 、 金 輸 院 、 手負をも不レ顧、 死 人 を も 不 レ 痛 、 の り こ へ < ; 貢 入、 寄 手 に 菌城寺の衆徒、 是にも猶、 いきとをりを、 不 散 X し て 、 一寺一 す 、所 詮 、 此 次 手 を も っ て 、 当 寺 に 、 三 摩 耶 戒 壇 を 建 は 、 山門 定 而 、 よ せ ん す ら ん 、 此 則 、 他 の 利 に 付 て 、敵 を ほ ろ ほ す 媒 尬 、 又 は 邪 執 を し り そ け て 、 戒 法 を 弘 む る 道 た る へ し 」、天 爰 に 、 時 常 善 、乗 実 坊 、 南 岸 、行 往 、行 泉 房 、横 川 に は 、善 法 、善 住 、 ( 地力) を 得 た り 、 暫 も 遅 々 す へ か ら す と て 、 一 味 同 心 の 衆 徒 、ニ 千 人 、 爰を纪途と」 ill% 、 防 く 所 の 大 衆 に は 、 円 満 院 の 鬼 駿 河 、当 院 の 七 天 狗 、南 院 の 化 戦 般若院、此人々を前として、 三 塔 蜂 合 義 山 門 、 是 を 聞 を 、 な し か は 、蜂 起 せ さ る へ き 、戒 旦 の 事 に よ り 三町飛礫の円月房、提切好の覚増、義を金石に比、命 を 塵 _ 介に 金 剛 、 千 人 切 の 荒 讚 岐 、 金 さ ひ ば う の 悪 大 夫 、八 方 破 の 武 蔵 坊 、 ( 堀力) て、 園 城 寺 へ 発 向 す る 事 、 い前、 既 、 六 ケ 度 也 、 公 家 に 奏 し 、 をそ、立たりける 如 意 越 の 道 、所 々 湄 切 、 寺 中 を 城 廓 に 構 而 、頓 而 、 三摩耶戒旦 武 家 に 觸 る ま て も 、 有 へ か ら す 、 時 を 不 V移、 押 寄 て 、焼払 中 に 、 押 籠 ら れ て 、 明 暮 、 泣 沈 み て 、 を は し け る 所 に 、 無量の 若 公 は 、 三 井 寺 の 、 か や う に 成 た る も 、 知 せ 給 は す 、 石の楼の 、防 き 戦 、 鏃、甲胄綴し、鋅さき煙塵をま ひて、 三時 計 戦 た る に 、 ょせて七千余人、手 負 て 、半死半生に 軽 し て 、打出 < 天 狗 共 、 集 り て 、 四 方 山 の 物 語 仕 け る 中 に 、或 小 天 狗 申 け る は 、 桂海、 是を見て、大 に 忿 て 申 け る は 、 云甲斐なき人々の、合 成 け れ は 、 此 城 、 尽 未 来 際 を 経 共 、 可」 落 と も 、 更 、 みえす 白川ほこのそらいんち、山門南都の御輿振、 五山の僧の門徒た 我面白事には、焼亡、辻風、 こいさかひ、 論 の 相 撲 の 事 出 、 て、此 等 こ そ 、狂 有 見 物 も 出 来 て 」、一 風 情 あ る と 思 ひ つ る に 、 昨 戦の仕様哉、幾程もなき、 堀一は、 死人にて、 むめたらんに、 ( 堀力) な と か、 責 を と さ 祝な . 力 ® ノ r て、 や け ん 掘 の 、 るへき、我 と 思 は ん 人 々 は 、 続 ゐ て 、 桂海 >1 か手柄の程を見ょと、あくまて荒言 堅 の さ んを踏て、 はねあかり、塗 残 し 」 たる壁の柱に、手を打 懸 、 ゆ ら り と は ね 越 て 、 か た き 三 百 余 人 か 中 へ 、 唯 一 人 、 切て 入 さ け 切 、 袈 裟 切 、 車 切 、 そ む け て も て る 一 刀 、 し さ り て す Xむ 追懸切、将碁たをしの払ひ切、礒打波のまくり切、らんもん、 ひ し ぬ ひ 、 八 ッ 花 形 、 く も て 、 かく繩、 十 文 字 、 四 角 八 方 を 、 ゆ く 、 追 立 ^ - 、 足 を も た め す 、 切 て 廻 る に 、 如 意 越 を 、防 き け る 、つ は も の 、三 百 余 人 、か な し と や 思 ひ け む 、右 手 」 左 手 へ 落 て か ら め て の 勢 共 、 続 て 責 入 け れ は 、桂 海 か 手 の も の 、 五百余人 こ そ 、 狂 有 折 句 の 哥 を 、 一 首 よ み て 候 し か と 語 を 、座 上 の 天 狗 、 長絹の衣けたれて、方々へ、 にけさせ給しか、 をかしさに、我 何とよみたりけるそと、問へは」 _ う か り け る 、 恥 三 井 寺 の 、 分 野 や 、 か ひ を 作 り て 、 ねをのみ そなく 第十七 と 、 読 て 候 也 と 語 れ は 、 座 中 の 天 狗 共 、 袅 つ ほ に 入 て そ 、 わら ひける 四 方 に 、 覆 ひ け れ は 、 金 堂 、 講 堂 、 鐘 楼 、 経 蔵 、常 行 三 昧 の 阿 縛 り て 、楼の内へ入て、申けるは、此翁、 日照の雨雲のはつれ か \ る 所 に 、 淡 路 国 よ り 、 進 物 と て 、 八 十 余 成 老 翁 を 、 一人」 共に、打 佗て、 泣より外の、事そなき る や と 、 思 給 へ 共 、 委 た つ ね 問 へ き 、 人 も な け れ は 、 只、 童と 若 公 、 是 を 聞 給 ひ て 、 あ な 浅 間 敷 や 、. 三 井 寺 、我 故 に 、 うせけ 影 堂 、 両 門 跡 の 御 房 に 至 迄 、 都 而 三 千 七 百 余 宇 、 一時に、 灰 燼 三三九 名 を 付 て 、 召 仕 候 へ 、 虚 空 を か け り 候 は ん 事 、 誰 に も 、 をとり より、 踏 は つ し て 、 土 に 落 て 候 つ る を 、 と ら へ て 参 せ 候 、 何 共 り と 成 は て V、 森 羅 大 明 神 の 社 壇 ょ り 外 は 、 残 」 房 一 も な か り け 弥 陀 堂 、普賢行 願 の 如 法 堂 、教待和 尚 の 御 本 坊 、智證大師の御 走 散 て 、院 々谷々に、 火を懸た る に 、魔風し き り に 吹 て 、余炎 のいくさ、 何 故 に か 出 来 へ き 、戦 ひ の 蕺 中 に 、寺 の 門 主 達 の 、 日の三井寺の合戦は、世に無 類 x 、見 事 哉 と 申 せ は 、 又 そ は 成 小 天狗 、 いしくも、此 梅 若 公 を は 、 取 た り け り 、 さ ら す は 、此等 1£ る中へ、 がはと飛をり、 ニ丈余に見えたる、切 き し の 上 へ に 、 ^; 一 両 日 在 て 、此 翁 、児 と 童 と の 、 泣 悲 む を 聞 て 、 若 、 御 袖 や ぬ れ 候 は し と そ 、 申ける とる < ら は 、 三 井 寺 へ ゆ き て 、 門 主 の 御 事 を も 、た つ ね 申 さ む と て 、た 大 臣 の 御 行 末 」、尋 候 は ん 程 の 、 立 よ る へ き 宿 も な け れ は 、 さ あ 候 は し と て 、 三 井 寺 よ り 押 寄 て 、 焼 払 て 候 也 と そ 、 かたりける 三四〇 て候と、 問 け れ ば 、 児 も 童 も 、 住 馴 し 所 を 、 かりそめなから立 松、 風に吟す、 是を我往捨し、 むかしの跡よとて、 みれは、 石 房 、 一宇も不残、 皆 焼 払 は れ て 、 閑 庭 の 草 、 露 に 泣 、 空山の 、 童 に 手 を 引 れ て、 三 井 寺 に 行 て 、 見 給 へ は 、 仏 閣 僧 別 て 、 此 天 狗 道 に 落 ぬ れ は 、 父 母 の 悲 み 、 師 匠 の 歎 き 」、想 像 ら る \度 毎 に 、 涙 の 落 ぬ 暇 な け れ は 、 さ こ そ は 袖 も 、 ぬ れ て 候 ら す へ の 石 も、 焼 く たけて、 苔 の 緑 も、 色 替 り 、軒 端 の 梅 も、 枝 め と そ、 答 け る こそ 神 慮 に も 違 、 人 口 に も 落 ぬ ら ん と 、 浅 間 敷 覚 て 、み る に 目 も 毎レ物、 替 果 ぬ る 、 世 の 哀 さ 、 只 我 ゆ へ な り し 、 事 な れ は 、 さ 枯 て 」、匂 ひ を 待 し 風 も な し 玉 か 何 そ と 、 人 の 問 計 、 泪 の 露 、 し た \り け り 、 翁 、 此 露 を 、 つ け参せ候はんとて、翁 、此 若 公 の 袖 を 、 し ほ り てみるに、 白 老 翁 、 大 に 悦 て 、 さ 候 は 我 に 取 付 せ 給 ひ 候 へ 、輙 く 都 に 、 左 の 手 に 入 て 、 'ゾ t 、 円 転 す る に 、 露 の 玉 、 程 な く 、 鞠の勢に るも、 名 残 お し け れ は 、 其 夜 は 、 新 羅 大 明 神 の 拝 殿 に 、 湖水の あ て ら れ ぬ 様 也 、 去 共 、 年 久 、 住 馴 し 跡 な れ は 、 や か て 、 み捨 門 主 は 、 若 石 山 に や 、 御 座 有 ら む と て 、 尋 行 た れ 共 」、是 に も 御 月 を 詠 て 、 泣あかしつ 森歟 ニ の 露 、次 第 に 犬 に 成 て 、 石 の 楼 の 内 に 、 漫々たる大海のこと 成 ぬ 、 是 を ニ に 分 て 、 左 右 の 掌 に 入 て 、 ゆ る か し ゐ た 」 るに、 くに 、成にけり 燠 ;け れ は 、 義 勢 の 天 狗 共 、 怖 畏 て 、 十 方 へ 逃 失 け れ は 、竜 神 、 座なしと、申けれは、桂寿、 さあらは、今夜は、参詣の人の鉢 第十九 此時、老翁、忽に大竜と成て、雷鼓、 地を動し、 電 光 、 天に に て 、 本 堂 に 御 座 候 へ 、 我 、山 門 へ 罷 上 て 、律 師 の 御 房 を 、 たつ 内ィ 、 取と して、 泣 々 消 息 書 て 、 童 に た ひ け る 、 是 を 限 り と は 、 よも」 し む る 人 な く は 、 心 の ま ^!に、何 成 淵 川 へ も 、身 を 沈 め む と 、 思 め と、 深 く 思 さ た め 給 ふ 心 、 を は し け れ は 、 よしや中 < ね申候はんと、申けれは、若公は、 只憂世にあらぬ身とならん 石 の 楼 を け 破 り て 、 児 、 童 の み な ら す 、 あ ら ゆ る 、道 俗 男 女 を 、 1に 1 のせて、大裏の旧跡、神泉 毙の辺にそ、置たりける 道 俗 男 女 は 、 皆 是 ょ り 分 て 、 を の か さ ま ^ ^ へ帰ぬ 若 公 と 」 童 と は 、 我 故 郷 を 尋 て 、 花 菌 へ ゆ き 給 ひ た れ は 、 さし て、 更 に 物 も い ひ え す 、 先 、 さ め ^ ^ と そ 、 な き け る 、 童 も 涙 童 は 、 御 文 を 給 て 、 いそき、 山 へ の ほ り た れ は 、 律 師 、 童をみ ら し と 、 哀 に て 、 遙 に 、 み 送 り て 、 立給ふ あ た り な る 僧 房 に て 、 事 の 様 を 尋 れ は 、左 大 臣 殿 の 公 達 若 公 を 、 て、 事 問 へ き 、 人 も な し も 甍 を な ら へ て 、作 り た り し 、帝 宅 茅 屋 ま て 、皆焼野の原と成 比 敷 山 へ 奪 は れ さ せ 給 ひ て 候 を 、御 里 に 、 しろしめされぬ事は を拭て、此間有つる事を、 かたらんとすれは、 まつ御文を、 み 是 を み て 、 律 師 も 童 も 、同 し 流 に 、身 を 沈 め ん と 、 堪 焦 け る を 、 一 目 見 て 後 こ そ 、 兎 も 角 も 、 な .ら め と 思 ひ て 、桂 海 は 、つ な き 捨 同 宿共あまた、 取止け れ は 、 ょしや、其む な し き 御 質 を 成 共 、 わ か 身 さ て 、 し つ み も は て は 、 深 き 瀬 の 」、底 ま て て ら せ 、 山 候はんとて、押披たるに、 あやしき哥のことはあり た る 、 海 士 小 船 に 乗 て 、 淵 の 底 を 、 望 み み れ は 、同 宿 中 間 共 は 、 皆 裸 に 成 て 、 岩 の は ざ ま 」、岸 の 陰 ま て 、 残 ら す 、さ が し け れ 共 、 の端の月 律師、 あ はて^ ' 、 是 御 覧 候 へ 、 御 哥 、 心 も と な く 、 みえて候へ 紅深き色かとみえて、岩のかけに、 な 曾 而 、 み え 給 は ね は 、 天 に 仰 き 、 地 に 伏 て 、 泣 叫 ふ 事 、 不斜 の、 は、 何 事 も 、 道 す か ら 、 御 物 語 候 へ 、 先 々 、 い そ き 参 候 は ん と れてとまる、紅 葉 々 遙 に 時 移 り て 、 供 御 の 瀬 と 、 い ふ 所 ま て 、 求 め 下 た れ は 、 せか 了 て、 坂 本 ょ り 、 童 を 前 に 立 、取 も の も 取 あ へ す 、石 山 へ そ 、 わし りゆき^ る 第廿 大津を過て、行所に、旅人あまた行相て、あな哀や、此児、 い ゆられゐたり」 か れ か Mり た る 物 の あ る を 、 船 指 寄 て 、 み た れ は 、 有 も む な し き 良 に て 、 長 な る 髪 、 流 れ 藻 に 、 み た れ か Mり て 、岩 こ す 波 に 、 ふ と こ ろ に い た き て 、 ぅ た て し の 御 分 野 や 、 我 等 を は 、 いかに 泣 々 取 上 て 、 律 師 は 、 御 か ほ を 、 膝 に か き の せ 、童 は 、 御 足 を 、 かに、 歎 き 給 は ん す ら む と い ふ を 、 あ や し く お も ひ て 、 委たつ か な る 恨 み の あ り て か 、 身 を 投 給 ひ つ ら む 、 父 」母 、 師 匠 、 い ね問へ は 、旅 人 、 立 と ま り て 、 只今、勢 多 の 橋 を 、渡り候つる な れ と 思 召 て 、 か \る 事 は 、 あ り け る そ や 、 梵 天 帝 釈 、 天 神 地 所 に 、年 の 程 、 十 六 七 に 、 み え さ せ 給ひ候つる児の、 紅梅の小 計 唱 て 、 身 を 投 さ せ 給 ひ て 候 つ る を 、 余 に 悲 し く 、 みまひらせ 袖 に 、 水 干の下計、 めされて候つるか、 西に向ひて、念仏十返 せ 給 へ と 、 音も不ぃ惜、 泣 悲 共 、 落 花 、 枝 を 辞 し て 、 再 、 咲 習 祇 、 只 、 我 等 か 命 を め さ れ て 、今 一 目 、む な し か ら ぬ 御 貝 を 、 み な く 、 残 月 、 西 に 傾 ひ て 、 又 半 天 に 、 か へ る 事 な け れ は 、ぬ れ 候 つ る 程 に 、 我 等 、 や か て 、 水 に 入 て 、 取 上 」ま ひ ら せ ん と 、 仕 候 つ れ 共 、 つゐに、 み え さ せ 給 ひ 候 は ぬ 程 に 、 力 な く 、 罷 過 . ,り し 、 緑 り の 髪 、 わ り な き 形 は 、か は ら ね 共 、一度咲、 百 の 媚 . あ た り も 、 ひ へはてぬ、 乱 て 残 る 、 ま ゆ す み の 色 、 こほれてか. 共 、 馬 を は や め て 、 橋 爪 に ゆ き て 、み る に 、若 公 の 、 い つ も 身 を 伏まろひて、泣声更、止時なし」 て、 絶 入 計 に 、 伏 沈 み 、 同 宿 下 法 使 共 に 至 迄 、 あ た り の 苔 に 、 あ り し 、 眼 ふ さ か り 、 色 変 し ぬ れ は 、律 師 も 童 も 、跡 枕 に ひ れ 臥 ,. J 候 也 と そ 、 語 て 、 涙 をはら < と、 こほしける 第廿一 旅 人 の 語 を 聞 に 、 年 の 程 、 衣 裳 の 様 、 疑 所 も な け れ は 、 律師も は な た て 、 か け 給 ひ し 、 金 蘭 」の ほ そ を の 護 、 壁 瑠 璃 の 小 念 珠 て 色 こ き 紅 梅 の 、 し ほ - ^ と し た る 下 に 、 雪 の こ と く 成 、 胸の 童 も 、 心 ぁ き れ 、 足 手 も な へ て 、 _ 而、 伏 沈 む へ き 、 心地すれ を 添 て 、 橋 の 柱 に 、 かけられたり 三四一 夫人、 三四ニ 」軒 に 乗 て 、 斯 お 数 十 人 、 左 右 に 相 "跪 ? は さ り け れ は 、 其 夜 、 近 き 山 の 鳥 辺 野 に て 、 一片の煙となし奉 候 そ と 、 問 へ は 、是 こ そ 、 東 坂 本 に を は し ま す 、 日 吉 山 王 に て 、 御渡り候へとそ答ける 跡にさかりたる、退紅の仕丁に、 是は、何成人にて、御わたり 一 惟 の灰に向て、 三 日 ま て 、 泣 ゐ た り け る か 、 同 苔 に も 、 埋も か て 、こ き 墨 染 に 、身 を や つ し 、 其 遺 骨 を 、 頸 に か け て 、 山 林 と て こ そ あ れ と 、 思 ひ け れ は 、 律 師 は 、 山 へ は 不 k帰 、是 ょ り 、や 終夜、遊宴歓娯ありて、 明ぬれは、 山王還御なるに、明神、寺 り 、 新 羅 大 明 神 、 宴 、 興 に 和 し て 、 歓 喜 の 袅 み を 、ふ く み 給 ふ 、 向 せ 給 ふ 、 賓 主 、 座 定 ま り て 後 、 献 酌 の 」例 あ り 、 舞 曲 の 宴 あ 玉の冠を正しくし、威儀をかひつくろひて、 金帳の内ょり、出 此高客、皆、車ょりをりて、帳の内へ入給へは、新羅大明神、 そふしけるか、後 には、 西山の岩蔵と云所に、庵室をむすひ、 門 の 外 ま て 、奉 の大衆一人、 明神 の 御 前 に 、 ひさまつきて、 淚を な か し て 、申 X送 て 、 と \ ま ら せ 給 ひ ぬ 大明神、 玉の橋を歩みて、社壇へ、 入せ給はんとする時、通夜 其 後 、藺城寺の、 三摩耶戒壇の、張本の衆徒卅人、今は立帰り の 興 隆 を 存 て 、 興 行 仕 し 事 に て 候 へ は 、 一塵も、 衆 徒 の ひ が け る は 、 三 摩 耶 戒 且 建 立 の 事 は 、 已 往 」の 勅 許 に ま か せ 、 我 等 第廿三 山中をは、 いてさりけり」 て 、住 寺 す へ き 様 も な か り け れ は 、 世 の 中 、 あ ち き な く 思 ひ て 、 ひて、 皆、森羅大明神の御前に、通夜申て、今を限りの、法味 御 心 を 、 な や ま さ せ 給 ひ 候 ら め と こ そ 、存 候 に 、 当 寺 敵 対 の 神 、 々の、 魔 障 を な し 、 当 寺 を 焼 払 ひ つ れ は 、 神 明 仏 陀 も 、 さ こ そ gを 背 て 、 種 をそ捧ける 山門擁護の、 日吉山王に対して、 宴を儲、興を尽して、遊 事 と は 、存 候 は す 、 然 を 、 山 門 、 狼 に 、度 々 の 勅 空 ょ り 、 馬 を は せ 、 車 を 轟 か す 音 し て 、 を び た V敷 、 大 人 高 客 夜 い た く 更 て 後 、 夢 ぅ 」 つ 乂 の 、さ か ひ を も し ら ぬ に 、東 方 の 虚 さ せ 給 ふ は 、 い か 成 」神 慮 に て 候 や 覧 、 難 計 こ そ 、 存 候 へ と 申 深 の 、法施をもたてまつり、発心修行の暇をも、申さはやと思 皆 離 山 せ ん と 仕 け る か 、 今 一 度 、. 寺門の焼跡に立帰り、内證甚 第廿ニ 後 生 菩 提 を 訪 、童も、 やかて、髪 剃 落 し 、 '高 野 山 に 閑 籠 、 終 に 山 の 端 の 月 、 と あ り し 」は 、 な か ら む 跡 を も 、 訪 へ と の た め に れ は や と 思 へ と も 、 今 は 軒 端 に 、 送 り 給 し 哥 に 、底 ま て て ら せ 、 る 、 同 宿 中 間 共 は 、煙 尽 て 後 、皆 帰 れ 共 、 律 師 と 童 と は 、 不 帰 X、 其 日 は 、 も し や と 、 胸 を あ て X、 あ た ^!め け れ 共 、つ ゐ に 、かな |1? に乗て、扈 従 の 大 衆 、前 後 に 囲 、 或は 、 衣 冠 正 キ 俗 鉢 の 客 、甲 を み れ は 、 或 は 、 法 務 の 大 僧 正 に や と 、 み え た る 高 僧 、 四方輿 て、 福 を あ た ふ る も 、 真 実 の 本 意 に は あ ら す 、 是 を 非 し て 、 罰 の 管 見 也 、 夫 、 神 明 仏 陀 の 、 利 生 方 便 を 、 た る X日 、 彼 を 是 し み 申 所 、 一往、 其 謂 れ 有 に 、 似 た り と 云 へ と も 、 是 は 皆 、 一隅 せは、大 明 神 、 通 夜 の 大 衆 を 、 皆 、御 前 に め さ れ て 、 衆徒の恨 胄をたひせる、随兵を召具し、 或は、 玉 の か ん さ し を 傾 た る の、 来 る い き を ひ あ り 、 あ や し や 、誰 成 ら ん と 、め も あ や に 、 是 ®;' 菩 提 に 為 ノ 令 メ 趣 」也 、 我 よ ろ こ ふ 事 を は 、 人 未 グ 可 k知 、 仏 を 行 も 、 慈 悲 の 至 り 也 、 只、 順 逆 の ニ 縁 を 以 て 、 終 に 、 無上 の 人 、 彼 方 此 方 ょ り 、 来 り 集 り し か は 、都 近 き 所 に 、 寺 を 建 て 、 徳不 孤 必有 隣 X ナラ 、 X 事なれは、 献とすれは、 同様になる、桑門. の釈教の部に、撰ひ入させ給ふ X て、 年 々 の 春 毎 、 三 尊 来 迎 の 儀 式 を 、 執 行 し 給 ふ 、 廿 五 菩 薩 の 人 を も 広 く 、 利 益 せ ん と て 」、東 山 雲 居 寺 と 云 所 に 、 堂 を 建 立 し 妓楽歌詠して、往生の人を、向へ給ふ様、 みる人、信 心 を ぬるも、 これを書に、書典の結 縁 有 、有 為の報仏、豈生滅の相 閣僧房の焼たるは、造営するに、財施の利益有、経論聖教の焼 な か ら む や 、 只、 此 乱 に よ り 、桂 海 か 発 心 し て 、 そこはくの化 仏種は、縁ょり起とは、 か る事をそ申へきと語て、涙をなか せ は 、 聞 人 共 に 、 感 歎 し て 、 袖 を ぬ ら さ ぬ は 」、な か り け り k ぬ れ 「太 陰 に や す て (十 丁 ォ )」、 「夢 の た k 教 、親 招 こ 当 i 学 観 道 之 耆 , J • た ち に も (十 八 丁 ゥ )」、「此 , 三四三 (卅 四 丁 オ )」、 「む か し 見 し 月 の 光 の を (四 十 一 丁 オ )」、 等である。 をルの 輿 に め さ れ て 候 へ (廿 丁 ゥ )」、 「千 七 千 余 人 (廿 五 丁 ォ )」、 「ほ そ X 追 記 本 写 本 中 に は 以 下 の 如 く 数 ヶ 所 に 亘 り 見 消 ち が あ る 。即 、 ■ 文禄五年林鐘中旬遂写功訖 男 変 化 之 花 一 、結 , 菩 然且者、翫 童 , 一 一提 覚 樹 之 菓 一 ト ナ リ 時之嘲弄一、 忽 忘 湲 n 混 之 誹 謗 、 1 併 染 =紫 毫 於 愛 憐 之 思 乎一、 雖 哀 哉 、眤 童 , 1子 花 髪 之 戯 、1悲 哉 、拋 嘉吉第二暦二月十五日、於台嶺本院東溪或坊之学窓、遂写功訖 秋の夜の長物語畢 こ 導を、 せさする事の嬉しさに、歓喜の心を、顕しつるなり、山 ひや君か、 西へゆ X 、 AA かほなれは 光を、 しるへにて、 賤 、掌を合て、是を敬礼す さすといふ事なし、去は、遠近、踵を継て、是に参詣せし 王も、 是を感したまはんかために、来 り 給へり、 石山の観音の 明 神 、 金 帳 の 内 へ 、入 せ 給 ふ と 、 お ほ ふ れ は 、 通 夜 の 大 衆 卅 人 、 童 男 反 化 の 得 度 」、 誠 、 難 ぃ有、 大 慈 大 悲 か な と 、 仰 せ ら れ て 、 一時に、 皆 夢 覚 て 、 同 様 に そ 、 か た り け る 第 廿 四 度 の 方 便 な り と 、信 心 、 き も に銘しけれは、舟 人 の 衆 徒 、 同時 扨は、若公の身を投給も、観音の反化也、寺門の焼けるも、済 に 皆 発 心 し て 、 共 に 皆 、 仏 道 を 修 せ ん と て 、 彼 桂 海 は 、 _ 西上 は、 三 間 の 茅 屋 、 な か は 、 雲 に わ か つ て 、 三 秋 の 霜 の 後 、 敗 荷 人 と 、 名 を 替 て 、 住 」給 ふ 、 岩 蔵 の 庵 室 へ 、 た つ ね ゆ き て み れ 衣 も 薄 く 、 一 朝 の 風 の 前 に 、 落 菓 食 不 し 之 、 松 吹 嵐 、谷 の 音 、 憂 X 月の こよ 世 の 夢 の 、 さ め *'^と 、 な き 人 を と ふ た び こ と に 、 そ て な る 月 も、 ぬる むかしみし、 くらむ」 寂 莫 の 、苔 の 岩 戸 の 、 露 け さ に 、 なみたの雨の、 ふらぬ日そ なき 所 院 の 石 の 壁 に 、 書 付 ら る 乂 を 、 君、 限 な く 敷 感 在 て 、 新 古今 了 夫、春 秋 夜 長 物 語 II 片仮名古活 一一ノ ホ ル ハ 、 上 求 菩 提 ノ 、 機 ヲ ス 、メ 、 秋 クタルハ、 下 化 衆 生 ノ 、 相 ヲ 顕 ス 、 天云事ナクシ ノ 花 ノ 、樹頭 版字 三四四 壮年ノ比、花ノ散、葉ノ落ルヲ見テ、 ネヌ夜ノ夢ヤ、覚 タ リ ケ テ、物 ト ミ ナ 是 ヲ 示 ス 、 人 心 ア リ 、任 運 ト シ テ 、 豈勤メサラン 月ノ 、水 底 ニ入ナカラ、 明 暮 ハ 、 但 名 聞 利 欲 ニ ノ ミ 走 テ 、 出 離 生 死 ノ ン、 コ ハ ソ モ 何 事 ソ ヤ 、 我 適 、 俗 塵 ノ 境 ヲ 離 レ テ 、 釈 氏 ノ 門 室 ヒナ ヒケ」 レ .ハ 、 ルカ、 レ ハ 、ヤ カ テ 、 ヤ、若 有 人 、 人 間 ノ 八 苦 ヲ 見 テ 、 献 穢 土 時 ハ 、 煩悩則菩提トナ ニケ ニ、 怠 リ ヌ .ル 事 ノ 、 浅 猿 サ ヨ ト 、 思 フ 心 出 来 テ 、 柴 庵 ヲ ム ス マ ハ ヤ ト 、思 山 ヲモトメ ル 、 天 上 ノ 五 衰 ヲ 聞 テ 、 求 浄 土 時 ハ 、 生 死 則 涅 槃 ト ナ ル 、 爰ニ 山ノ奥 諸 仏 菩 薩 、順 逆 ノ 化 導 ヲ タ ル 、日 、 有 罪 ヲ ハ 、邪 ヨ リ 正 ニ ィ レ 、 石流ニ、古緑ノ繁 ク 所 ハ 、 人毎ニ、離 レ カ タ キ 、 習 朝々暮々風塵底失脚誤生三十年 動 キ 、 言ノ外ニ、 顕レケルニヤ レハ、 心 計 ニ 有 増 テ 、 徒 ラ ニ 、 月 日 ヲ ソ 送 リ ケ ル 、 其 心 、 内 一 醫 王 山 王 ノ 、 結 縁 モ 捨 カ タ ク 、 同 朋 同 宿 ノ 名 残 モ 、 イ ト 、惜 ケ ヨリ 無 縁 ヲ ハ 、 悪ヨリ善一一、 誘 ィ 給 フ 、 以 何 云 ト ナ ラ ハ 、 経 論 ノ 所 ハ、 面 々 枕 ヲ 峙 説 、 書 伝 等 ニ ノ ス ル 所 ハ 、 事 シ ケ 、 レ ハ、 申 —詞 タ ラ ス 、近 来 、 耳ニフレシ事ノ、余ニ哀 ニ モ 、 タットカリシカ 裏余白) テサセ給へ、老 ノ 寝 悟 一、 秋 夜 ノ 長 物 語 、 一 申 侍 ラ ン 」 (第一 丁 何日人間栄辱眼悠然禅搨看雲眠 ( 榻 力) 是 程 ニ 、 思 立 ヌ ル 事 ノ 、 カ ナ ハ ヌ ハ 、 何 様 、 邪 魔 外 道 ノ 、 我ヲ 障 ル ニ ヤ 、 サ ラ ハ、 仏 菩 薩 ノ 、 擁 護 ヲ 憑 テ 、 此 願 ヲ 、 成 就 セ ハ 一 心 ニ 誠 ヲイタシテ、 道 心 堅 固 即 證 無 上 菩 提 ト ソ 、 祈リケル 七 日 満 シ ケ ル 夜 、、礼 盤 ヲ 枕 ト シ テ 、 少 マ ト ロ ミ タ ル 夢 ニ 、 錦 ノ ヤ ト 、 思 ヒ ツ 、、 石 山 ニ 参 テ 、 一 七 ケ 日 カ 間 、五 体 ヲ 地 ニ 投 テ 、 人 二 .テ ソ 有 ケ ル 、 内 ニ ハ 玉 泉 ノ 流 ヲ 汲 テ 、 四 教 三 観 ノ 月 ヲ ス マ 戸張ノ内ヨリ、容顔美麗ナル児ノ、云計ナク、勝ヤカナルカ、 シ人ハ、 元ハ、北 嶺 東 塔 ノ 衆 徒 、勧 学 院 ノ 宰 相 律 師 桂 海 ト 、 云 ハ 一 一黄 石 力 路 ヲ 踏 テ 、 曩 沙 背 水 ノ 風 ヲ 挙 タ リ 、 サ レ ハ 、 力 チ ニ 、 縫 物 シ タ ル 水 于 ノ 、 遠 山 桜 ニ 、 花 ノ ニ タ ヒ 咲 テ 、 雪ノ 立 山 テ 、散 」マ カ イ タ ル 、 花 ノ 木 陰 ニ 、 立 ヤ ス ラ イ タ レ ハ 、 青 葉 シ、 外 ノ刃ノ上1 、忿 怒 ノ 勇 鋭 ヲ 振 フ 、誠一一、 真 俗 倚 頼 、 文 武 ノ 達 人 ナ 或 時 ハ 、忍 辱 ノ 衣 ノ 下 一 一 、摂 受 慈 悲 ノ 玉 ヲ ツ 、ミ 、 或 時 ハ 、 摧 伏 後堀河院ノ御宇> 1 、西山ノ瞻西と人ト聞へテ、道 学 兼 備 タ リ 秋夜長物語 !| 力 ニ 、ケ マ ワ シ 、深 ク 、 タ ヲ ヤ カ ナ ル カ 、 人 有 ト モ 、」シ ラ セ 給 ハ 二 八 計 ノ 児 、 水 魚 沙 水 于 ニ、 薄 紅 柏 重 テ 、 腰 ノ マ ワ リ 、 ホ ケヤ サ リ ケ ル ニ ヤ 、 簾 ノ 中 ヨ リ 、 庭 ニ 立 出 テ 、 雪 ヲ モ ケ ニ 、咲 タ ル 、 暮行気色一消テ、 見 ヘ ス 成 ヌ ト 見 テ 、 夢 ハ 則 覚 ニ ケ リ 下枝ノ花ヲ手折テ 降 力 、リ タ ル ヲ 、 袖 ニ ツ 、ミ ナ カ ラ 、 イ ツ チ へ 行 ト モ 覚 へ ス 、 ケヌ間ニ、立帰リヌ、外ヨリ可来物ヲ待様二、今ヤ道心発ルト 是則、 所 願 成 就 ノ 、 夢 想 ナ リ ト 、 嬉 ク 思 テ 、 マタ東雲ノ、 ア アレ 降 雨 ニ 、 ヌルトモ手 ヲ ラ ン 、 山 桜 、 雲 ノ 力 へ シ ノ 、 風モコソ ト 打 詠 メ テ 、 花ノ 下 1 ニ、 立 ヌ レ タ ル 姿 、 是 モ 花 カ ト 、疑 ワ レ テ 、 ル、 児 ノ 面 影 、 時 ノ 程 モ 、 身 ヲ ハ ナ レ ス 、 律 師 モ 、 誠 ノ 現 ナ ラ ノ香ヲタキテ、仏前ニ向へハ、漢ノ李夫人ノ、返魂香ノ煙ニ咽 ネ ハ 、 詮 カ タ ナ キ 思 ニ 、 堪 カ ネ テ 、 扨 モ 、 シ ヤ 、 慰 ム ト 、 ー爐 カ ナ ト 、 雲 ニモ、 霞 ニモ、 カ ス ヘ キ 心 地 ナ ン シ ケ ル 花 ノ 露 ヲ 、 誘 フ 風 モ ヤ ア ラ ン ト 、 シ ツ 心 ナ ケ レ ハ、 覆 計 ノ 袖 モ 待 居 タ レ ハ 、猶 山 深 ク ス マ ハ ヤ ト 、 思 シ 心 ハ 打 失 テ 、 夢二見ツ テ、 身 ヲ コ カ シ 給 シ 、 武 帝 ノ 御 思 モ 、 身 ニ シ ラ レ 、 空 山 ノ 花 錠 ヤ リ テ、花 ヲ 手 ニ 持 ナ カ ラ 、 懸 ノ 本 ヲ 廻 リ テ 、遙 アヤシケ二見 レハ、 巫 山 ノ 神 女 、 雲 ト ナ リ 、 雨 ト ナ リ シ 、 夢 心 ナ キ 風 ノ 、 扉 ヲ キ リ キ リ ト 、 吹 ナ ラ シ タ ル ニ 、明 ル 人 有 ヤ ト 、 a ノ後ノ 面 影 一、 タ ツ キ モ シ ラ ス 、 歎 キ 給 ヒ ケ ン 、陽 臺 御 」涙 モ 、 ヒテ、 雲 底 ニ ニ 歩 ミ 、ル フ サ ノ 如 ニ テ 、 ユ ラ ユ ラ ト 、 懸 タ ル 髪 筋 、 柳 ノ 糸 ニ 、 貌 ノ . 匂 、 云 打マトワレテ、引留タルヲ、見 力 テコ ソ 、 法 灯 頹 風 ニ 向 ヲ モ 、 排 ケ ン ス レ 、暮 待 程 ノ 、 露ノ身モ 其夜ハ、金 堂 ノ 縁 一、 ヒ レ フ シ テ 、 竟 夜 、 詠 佗 ヌ 」 覚へス 今ノ現一、 見 シ 夜 ノ 夢 ハ 、 打 忘 テ 、 日 暮 ケ レ ト モ 、 行 へ キ 方 モ クヱナク、我 ヲ 迷 シ ツ ル 、 夢 ノ 姿 ニ 、少モタカワ 11 目付 山王ノ神託一、 吾 一 人 衆 徒 ヲ 失 フ ハ 、 三 尺 ノ 剣 ヲ 、 呑 カ 如 シ 余所ナラス ス 計ナキ様、 ル、 ト、 悲 ミ 給 ヒ ケ レ ハ 、 我 力 離 山 ヲ 、 如 何 様 、 山 王 ノ 惜 ミ 思 食 〈リ タ テ、道 心 ヲ 障 ケ サ セ 給 ニ ヤ 、仮 令 、左 様 神 慮 ナ リ ト モ 、命アリ フテ、 又 石 山 へ ソ 参 リ ケ ル 少 ト 物 申 サ ン 、 トィへハ、 何 事 ニ テ 候 ヤ ラ ン ト テ 、 事ノ外ナル ケ ル 、 是 ヤ 昨 日 ノ 御 児 ノ 、 童 子 ナ ル ラ ン ト 、 思 テ 、 立 寄 ツ 、、 童 子ノ、最清気 ナ ル 力 、 ヌキスノ水、捨 ントテ、門外ニ出タリ 夜 明 ヌ レ ハ 、 又、昨 日 ノ 所 ニ 行 テ 、御 坊 ノ 傍 ニ 、 \ ィミケルニ、 是 ヤ 夢 、 アリシヤ現、 ワキカネテ、何 ニ マ ヨ ウ 、 心ナルラン アラシ 、 今 ハ ト 思 佗 テ 、 石 山 ノ 観 音 ヲ コ ソ 、 カ コ チ 申 サ メ ト 思 三 井 寺 ノ 前 ヲ 、 過 ケ ル ニ 、降 ト モ シ レ ヌ 春 雨 / 、貌 ニ ホ ロ ^ * ト 力 、リ ケ レ ハ 、 且 ク 立 寄 テ 、 晴 間 ヲ マ タ ン ト 、 思 ツ 、、 金 堂 梢 、 垣 ニ ア マ リ テ 、 雲 ヲ 布 ケ リ 、 遙 カ 二 人 家 ヲ 見 テ、 花 ア レ ハ ノ方へ行処ニ、聖 護 院 ノ 御 坊 ノ 庭 一、 老 木 ノ 花 ノ 、 色 コ ト ナ ル 則 入 、 ト 云 フ 、 詩 ノ 心 ニ ヒ カ レ テ 、 門 ノ 傍 ニ 、 立 寄 タ レ ハ、 齢 三四五 気色モナシ 律 師 、 嬉 ク 思 テ 、 昨 日 、 此院家一一、 水 魚 沙 水 干 メ サ レ テ 、 御 年 ノ 程 、十六七計ニ、見 サ セ 給 フ 、御児ノ御事ャ、 知セ給テ候 ト 、 問 ケ レ ハ 、 童 子 打 咲 テ 、 吾 コ ソ 、 其 御 方 二、 召 仕 ハ レ 候 者」テ 一候 、 御 名 ヲ ハ 、 梅 若 公 ト 申 候 、 御 里 ハ 、 花 菌 ノ 左 大 臣 殿 ニテ、 御 座 侍 リ 、 御 心 、 ワ ク カ タ ナ ク 、 基 ナ キ 、 御 心 ア テ ニ テ 候 へ ハ 、 ー寺ノ老僧、 若 輩 、 春 一 ヲ ク レ タ ル 、一 木 ノ 花 ヲ 見 テ 、 ノ 内 ニ 向 テ 、詩 ヲ 作 リ 、 歌 ヲ読 テ 、 等 閑 ニ 、 日 ヲ ク 舞 ノ 席 ナ ラ テ ハ 、 輙 ク モ 御 出 候 ハ ス 、 何ト 外 ニ 散 ル 心 モ ナ ク、 中 秋 ノ月ノ、 ク マ ナ キ 1 、皆吾家ノ光ヲ諍 フ 風 情一 一テ 、御 座 」候 ヲ 、 此 御 所 ノ 御 在 様 、 余 一 一許 ス 方 ナ ク 、 御 ナ ク、 深 窓 渡 リ 候 程 ニ 、管 絃 哥 三四六 立 ソ フ 雲 ノ 、 力 、ルマヨ 一 一 、 程 、 言 ノ 葉 ハ、 ク ロ ミ 過 ル ト モ 、 尽 シ カ タ ケ レ ホへヌ由ヲ、語リケレハ、先御文ヲ給リ候へ、申入テ見候ハン サテ、梅 若 君 一、 思 ヒ 迷 へ ル 、 心 ノ 闇 、 イ ツ ハ ル ヘ シ ト モ 、 ヲ ト ソ 、 申ケル 思フ心ヲツクス 知 セ ハ ヤ 、 ホ ノ ミ シ 花 ノ 、面 影 ハ、 中 々 歌 計 ニ テ Vヲ 童 子 、 文 ヲ 懷 ヨ リ 、 取 出 シ テ 、 是 御 覧 候 へ 、 何 ソ ヤ 、 雨 ノ夕 ノ ラセテ、 人 シ レ ヌ 、 思 ヒ ソ メ ケ ル 、袖 ノ 色 モ 、 ハヤ紅フカクナ 花 ノ 本 ニ 、 立 ヌ レ テ 、御 渡 リ 候 ヶ ル ヲ 、有 人 、髡 髴 ニ 、見マイ リテ、裹 ヵ ネ タ ル 様 ニ 、見 へ 候 ト 、申 シ ヶ レ ハ 、梅 若 君 、貌 打 ア カ メ テ 、 文 ノ紐ヲ 、 ホ ト カ ン ト シ 給 フ 処 ニ 、 出 世 ナ ル 、 某 / テ 、 袖 ノ 中 へ 、 押 カ ク セ ハ 、 桂 寿 ハ 、 時 節 ア シ 、ト 、隙 ヲ 待 テ 、 僧都トヤラン云人、 簾ヲ挙テ、 中へ 入 ニ 、 此 文 ヲ 、 見セシト ラシ、 夜 ヲ ア カ サ セ 給 フ ト ソ 、語リケル 律 師 ハ 、 聞 ニ ツ ケ テ 、 心 ゥ カ レ ヌ レ ハ 、 _ テ、 此 童 子 ヲ 便 リ ニ 日 暮 ル 、 マ テ 、 祗 候 シ タ ル ニ 、書 」院 ノ 窓 ヨ リ 、 御 返 事 、 指 出 シ 二、 律 師 、 目 モ ア ヤ ニ 悦 ヒ テ 、 誠 ニ 身 モ ア ラ ヌ 様 ナ リ 給 タ レ ハ 、 童 子 、 ト ル 手 モ 軽 ク 、 嬉 ク 思 テ 、急 キ 持 テ 、行タル テ、 壺 ノ 石 文 ノ ツ テ ニ テ モ 、 心 ノ 奥 ヲ 知 セ ハ ヤ ト 、 思 へ ト モ 、 余 ニ ヒ タ 、ケ タ ラ ン 熊 モ 、 石 流 ナ レ ハ 、石 山 へ ハ 参 ラ ス シ テ 、又 ( 態力) 是 ヨ リ 吾 山 へ ソ 帰 リ ケル 披 テ 見 レ ハ 、是 モ 言 葉 ハ 、 サシモ多カラテ タ ノ マ ス ヨ 、 人 ノ 心 ノ 、 花 ノ 色 ニ、 ア タ ナ ル 雲 ノ 、 力 、ル 思 シ、 思 ヒ ア 力 シ ケ ル カ 、 聖 護 院 ノ 、 御 坊 ノ ア タ リ 律師ハ、夢ト現トノ面影」 一、 ヲ キ モ セ ス 、 ネ モ セ テ 、 歎 キ ク ラ ヒハ 昔シ知タ 一 一 、 ル人ノ有ケルヲ、尋出シテ、或時ハ、詩歌ノ会ニ事ヲヨセ、或 ハ、 暫 ハ 、 ア タ リ ノ 宿 二 、 留 リ テ 、 尚 モ 、 3 ソ ナ カ ラ 、 ソ .ナ タ キ 、 心 地 モ セ ス 、 ア イ ミ ヌ 前 ノ 別 レ モ 、 セ ン 方 ナ ク 、 覚 へ シカ 律 師 、 此 御 返 事 ヲ 見 テ 、 心 イ ト 、ゥ ヵ レ シ 力 ハ 、 更 ニ 立 帰 ル へ 時 ハ 、 酒 宴 ニ 興 シ タ ル 体 ニ テ 、 一夜ニ夜ヲ明ス事、度々ニ成ニ ケリ カ タ ラ イ ヨ リ テ 、茶 ヲ 飲 、 酒ヲ勧メ 一 一 、 テソ、遊 ヒ ケ ル 故 一、 童 子 」 モ 、ヨ ロ ツ 心 ヲ 、へ タ テ ヌ 様 ナ リ 、 其後、先ノ童子、桂 寿 ノ 梢 ヲ タ ニ 見 ツ 、 、 暮 サ ハ ヤ ト 、 思 へ ト モ 、 余 ニ ソ レ モ 、 ヒタ 御 所 ノ 傍 ニ 、 知タル坊 ノ 候 へ ハ 、其 所 一、 暫 ク 、 御 渡 リ 候 テ 、 ノ身ヤ 、ケ タ 玉簾ノ隙ヲモ、御 心 一力ケラレ候へト、童 子 、頻 一誘引ハ、 思 レ ハ 、 又 コ ソ 、 参 リ 候 ハメト テ 、 童 子 ニ 暇 乞 シ テ 、 律 師 ハ、 山 へ 帰 リ ケ ル 力 、 一 足 歩 テ ハ 、 見 力 ヘ リ 、 二 足 歩 テ ハ 、 立 桂 寿 、 シ ハ シ ノ 程 ノ 、 宿 カ リ テ 、 ア ル 坊 ノ 学 文 処 ニ 、 置タレ 方 ニ 、心引レテ、律 師 、又 三 井 寺 行 一 一ヌ 留 リ シ ケ ル 程 ニ、 春 ノ 日 、 長 ト ィ へ ト モ 、 程 近 キ 、 坂 本 ノ 里 坊 ハ、 ソ コ ノ 坊 主 、 懇 切 ニ モ テ ナ シ 、 常 リ ク、 行 テ ハ 帰 リ 、 還 リ テ ハ 往 ク 、 漸 ク 日 数 モ 、 十 日 計 ニ 成 ニ ケ 我 方 ニ ア ル 契 ニ テ 、 人 ノ 情 ヲ コ ソ 、 命 ニ セ メ ト 思 へ ハ 、 足アユ タル 心 尽 シ ヽ 見 モ 中 々 、 心 苦 シ ケ レ ハ 、 只 余 所 ナ カ ラ 見 計 ヲ 、 テ、 人 目 モ 哉 ト 、 求 メ タ ル 様 ナ レ ト モ 、 カ ナ ハ テ 、 出 力 」 ネ 栽 ノ 草 ノ 底 ニ 、 隠 レ 居 タ レ ハ 、 若 君 モ 、 早 ヤ 心 得 タ ル 、 気色ニ ヲ 云 テ 、 夜一一ナレハ、 院 家 ノ 傍 一立紛レ、 築 山 ノ 松 ノ 木 陰 、 前 律 師 ハ 、所 願 ノ 事 ア リ テ 、新 羅 大 明 神 一、 一 七 日 、 参 籠 ス ル 由 管 絃 ヲ シ 、褒 貶 ノ 哥 合 ナ ト シ テ ソ 、 日ヲ送ケル 、 >一児 達 余 多 出 シ ツ 、、 迄 モ 、 行 ツ カ テ 、 日 暮 ケ レ ハ 、 戸 津 ノ 辺 ニ ア リ ケ ル 、 埴 生 ノ小 屋 ニ ソ 、 留リケル 付 一 一タ ル カ 如 ク 、 ワ レ ナ ラ ヌ 心 ニ 、 弓 ト 終 夜 、 思 ヒ 明 シ テ 、朝 」ニ ナ レ ハ 、 山 へ 登 ラ ン ト テ 、 庭 マ テ 出 タ レトモ、千 引 繩 ヲ 、腰 、メ ラ レ テ 、 戸 津 ヨ リ 、 又 大 津 ノ 方 へ ソ 、 ア コ カ レ 行 雨 シ メ ヤ カ ニ 、降 ケ レ ハ 、簑 笠 打 著 テ 、旅 人 ノ 姿 ニ 、 身ヲヤツ シ ツ 、、 行 所 ニ 、 傘 サ シ タ ル 、 騎 馬 ノ 若 党 二 、 行 相 タ リ 、 誰 レ ナルラント、見 ヤ リ タ レ ハ 、桂寿ニテソ有ケル 律師ヲ見テ、 アナ不思議ヤ、申ヘキ事有テ、 シラヌ山迄モ、尋 参 ラ ン ト シ ツ ル ニ 、嬉 モ 是 二 テ 、参 合 タ ル 物 哉 ト テ 、 馬ヨリ飛 ハ、 吾 力 山 へ 、 帰 リ ナ ン ト 、 思 ヒ ケ ル 処 ユ 、童 子 来 テ 申 ケ ル ハ 、 何 迄 ト 、人ハィ へ ト モ 、余 ニ 長 居セン事モ、 石流ナレハ、 明日 下 テ 、 律 師 力 手 ヲ ト リ テ 、 傍 ナ ル 辻 堂 ニ ソ 、 立寄ケル 扨 テ 、 何 事 ニ テ 力 候 ト 、 問 へ ハ 、童 子 、 懷 ヨ リ 、 色 殊 ニ 、コカレ 今宵コソ、 アノ御所へ、京ヨリ客人、御入候テ、御 酒 宴 一テ候 タ ル 、 紅 葉 重 ノ 、 薄 様 ノ 、 觸 タ ル 手 サ へ、 ク ユ ル 計 ニ、 匂 ヒ タ ニテ、 尋 ネ マ イ レ ト 、 仰 セ 候 ツ ル 、 ケ シ カ ラ ヌ 、 御 心 迷 ソ ヤ 、 ル 、 文 ヲ 取 出 シ テ 、 何 ナ ル 山 ニ 、 踏 迷 ト モ 、 キ 、 シ ヲ 、 シルへ サ 、テ 、 御 待 候 へ ト 、 急 シ ケ ニ 云 捨 テ ソ 、 帰 リ ケ ル モ、 ヲ ホ ヘ ス 、 更 行 鐘 ノ 、 ツ ク く ト 、 月 ノ 南 -一 転 ル 迄 、 待 力 律 師 ハ 、 是 ヲ 聞 ヨ リ モ 、 心 ウカレ 、 魂 乱 レテ 、 何 一 一 ア ル 我 身 ト ツル程 門 主 モ 、 痛 ク 酔 セ 給 テ 候 へ ハ 、深 過 ル 迄 、 伺 候 セ ヨ 、 >1、 召 具 セ ラ レ テ 、 是 へ 忍 ヒ ヤ カ ニ、 御 出 候 へ シ ト 、 仰 ラ レ 候 、 門 ミ コ シ 、 我 心 サ へ、 ウ ラ メ シ マ シ テ 一 夜 ノ 後 ノ 御 袖 、 サ コ ソ ハ 露 ニ 、 ヌ レ 」 候 ハ ン ト 、 云ヒ r タ ノ ケ レ ハ 、 律 師 モ 、 責 テ 別 ヲ 歎 ク 身 ナ ラ テ ト 、 打 咲 テ、 文 ヲ 見 レ \ 偽 リ ノ 、 アル世ヲシラテ、 三四七 ネタル処一、 唐 垣 ノ 戸 ヲ 、 人 ノ 明 ル 音 ス レ ハ 、 書 院 ノ 、 椹 障 子 門ノ唐居敷ノ上一一、 立テ居タル処ー一、 童 子 又 来 テ 、 御 文 ト テ 、 律 師 ハ 、御 児 ヲ 送 テ 、出 タ リ シ 、 暁 ノ 儘 ニ テ 、 未タ内へモイラス、 命 モ 有 へ シ ト ハ 、 ヲホヘス 三四八 ノ ヒ マ ヨ リ 、 遙 ニ 見 出 シ タ ル ニ 、 例 ノ 童 」子 、先 ニ 立 テ 、 魚 脳 ノ 指出シタリ 燈爐一一、 螢 ヲ 入 テ 、 炬 ト シ 、 其光幽朧 ナル一一、若 君 、 金 紗ノ水 披 テ 見 レ ハ 、 詞 ハ サ シ モ 多 カラ ス リ香ヲ 已カ物カラ、形 見 一 一テ 、 山 へ 帰 リ タ レ ト モ 、 心 シ ホ レ 、 マ' 律 師 ハ 、 夢 ト タ ニ 、 思 ヒ ヮ ケ サ ル 面 影 、身 ニ 觸 ツ ル 、袖ノ■ ゥツ リ ノ 、 袖 ノ 露 、 ハ ラ ハ テ イ ク 夜 、 歎キ 色 計 ア ル 由 ヲ 、 シラセタリ 魂 ゥ カ レ テ、 万 ノ 事 、 人 ノ 物 云 ヒ カ ハ ス モ 、 返 事 モ セ ス 、 只 位 明サン トモ二見シヽ月ヲナコ 律 師 、 書院一一帰リテ、 カ ク 計 我 袖 ニ 、 ヤ ト シ ヤ ハ テ ン 、 衣 々 ノ 、 涙 ニ ワ ケ シ 、在 明 ノ 月 」 干 、 ナヨヤカニ' 、 打 シ ホ レ タ ル 体 ニ テ 、 見 ル 人 モ 有 ヤ ト 、 懸ノ ニ、 律 師 、イ ツ シ カ 、ホ レ * ' ^ ^ ^ ト成 テ 、 アルモアラレヌ様ナリ 本 ニ 立 ヤ ス ラ イ タ ル ハ 、 乱 レ テ 力 、ル 青 柳 ノ 、 イ ト 、乱 レ タ ル ヲ、 ホ ト ^ ^ ト 扣 キ テ 、 是 童 子 、先 内 入 テ 、 螢 ヲ ハ 、 紗 窓 ノ軒 、 簾台 一力ケテ、 書 院 ノ 戸 御 一 一渡 リ 候 ヤ ラ ン ト 、 案 内 ヲ 申 ケ レ 童子、又 庭 一立帰リ、 早 ト 申 セ ハ 、 御 児 先 一立テ、 妻 戸 ヨ リ 、 ハ、 律 師 、 答 へ キ 様 ヲ シ ラ テ 、 少 シ, 傍 ニ、 身 ヲ ソ ハ メ ツ 、、 気 内 へ 入 セ 給 ヌ 、指 モ 間 遠 ナ ラ ス 、 寄 添 テ 、 袖 打 力 タ フ ケ タ レ ハ 、 ハ、 少 シ 労 ル 事 ア リ ト 、 披 露 シ テ 、 人 ニ 対 面 モ セ ス 、 伏 沈 ミ テ ト シモ、覚 へ ヌ 涙 、人 目 ニ 余 リ テ 、 押 ル 袖 モ 、 朽ハテヌへケレ ソ、 日 ヲ 送 リ ケ ル 嬋 娟 タ ル 秋 ノ 蝉 ノ 、 ハ ツ モ ト ヱ イ 、 宛 転 タ ル 娥 眉 ノ 、黛 ノ 匂 ヒ 、 書 ト モ 、 筆 ニ モ 及 ヒ カ タ ク 、語 ト モ 、 詞モナカルヘシ 花 ニ モ 嫉 マ レ 、 月 ニ モ 妬 マ レ ヌ ヘ キ ヽ 百 ノ 顔 セ 、 千 ノ 媚 、 絵ニ サヌニ、 閨 冷 ク シ テ 、蘭 風 ノ 夢 、 覚 ヤ ス ク 、春 尽 テ 、連理ノ花 ヮ シ マ ノ 、 水 ノ 流 モ 、 末 タ ヘ ス 、 猶 契 ル ヘ キ 、 睦 語 モ、 マタ尽 給 ケ ル 力 、余 リ ニ 、 日数 へ ニ ケ レ ハ 、童 子 ヲ 呼 寄 テ 、扨 モ 、有 打 シ ホ レ 給 ヘ リ 、今 モ ヤ 、音 信 ノ 有 ト 、 暫 ク ハ 、 心 ニ 籠 テ 、待 誠 ニ 覚 束 ナ ク 、 心 苦 シ キ 事 ニ 、 思 ヒ ク ツ ヲ レ テ 、気 色 常 3リ モ 、 童 子 、 此 由 ヲ 伝 へ 聞 テ 、 若 君 ニ 、 カ ク ト 語 リ 申 ケ レ ハ 、若 君 モ 、 ノ 離 レ 、 留 メ カ タ ケ レ ハ 、 小 條 ー 節 モ 、明ヌト出ロル、 鳥ノ立日モ、 ハ、 誰 カ 方 ノ 、 難 面 ニ 成 」テ 力 、其 儘 ニ 、 鑛 テ ハ 、 遠 サ カ リ ハ ツ シ 夜 ノ 、 夢 ノ タ 、チ 現 ス タ ナ キ ニ 、 驚 ス 便 リ モ 無 テ 、 程 へ ヌ レ 泪 ト 」 俱一一、 ム ス ホ 、レ シ 、 心 ノ 下 紐 、打 ト ケ テ 、小 夜 ノ 枕 ヲ 力 マ' ノ 月 、 窓 ノ 西 ヨ リ 、 狼 ナ ク 指 入 タ ル -、ネ ミ タ レ 髪 ノ 、ハラ^ ^ ン、 若 基 ナ ク 成 ナ ハ 、 空 シ キ 跡 ヲ 問 テ モ 、 其 甲 斐 ナ カ ル ヘ シ 、 ヘキ、 風 ノ 心 地 ト ヤ ラ ン 、 聞 シ カ ハ 、 露 ノ 命 モ 、 イ カ 、成 ヌ ラ ウ ラ メ シ ク 、已 カ 衣 々 、冷 力 ニ ナ リ テ 、立 別 レ ナ ン ト ス ル ニ 、明 方 マ' ト 、 懸 リ タ ル 迦 ヨ リ 、 眉 ノ 匂 ヒ 、 ホ ケ ヤ カ ニ 、 髡 髴 ナ ル 、 顔ノ 香 セ 、 色 深 ク 見 へ タ ル 様 、別 レ ノ 後 ノ 面 影 一、又 逢 迄 ヲ 待 程 ノ 、 テ、 中ヲワケテ、片時力間ニ、大峰ノ、釈 迦 力 嶽 ト 云 所 一ソ、 舁 モ ケ ル 、 石 ノ籠ノ内ニ、押 コ メ 見 ス 、 道 俗 男 女 、 其 数 多 ク 有 ト 、 ヲホ タ ミ タ リ 何 ナ ル 山ノ奥ナリトモ、尋ネ行ハヤト、 思 へトモ、申置事モナ ヲタ」 テ来リケル テ、 盤 石 ク テ 、 罷 出 ナ ハ 、 門 主 ノ 御 意 モ 、 サ コ ソ ト 思 ハ レ テ 、 其モ叶ハ ア タ 人 ノ 、 只 云 捨 シ 言 ノ 葉 ヲ 、誠 ト 思 ヒ テ 、 爰ニ ラ ヌ、 ス、 行 末 モ シ 置 タレハ、月日ノ光ヲモ モアラシ、 先花菌ノ 左 苻 ノ 亭 へ 押 寄 m シケルハ、寺 門恥辱、 是 一過へカラス、 所 詮 、 次 ヲ 以 テ 、 当 寺 園城寺ノ衆徒、是 一モ猶、 墳 リ 散 セ ス シ テ 、 一 山 一 同 ニ 、 僉 議 宅 、 三 条 京 極 へ 押 寄 テ 、 一宇モ」 残 サ ス 焼 払 フ テ、 恨 ミ 申 セ ト テ 、 御 門 徒 ノ 大 衆 、 五 百 人 、 白 昼 一、 左 苻 ノ 住 臣 殿 モ 、存 給 ハ ヌ 事 ハ 、 墳 斜 ナ ラ ス 、 山 門 へ 、押 寄 ス ヘ キ 事 ハ 、 叶 フ へ カ ラ ス 、 父ノ大 何 様 勾 引 ヒ シ テ ン ケ リ ト 、 院 家 ノ 周 章 、 申一一及ハス、 一 寺 ノ 欝 サ テ ハ 此 間 、 連 々 、忍 ヒ テ 、云 カ ワ ス 、 山 徒 ノ 有 ト 、 聞 へ シ カ 、 ノ方 へ ソ 、 御 渡 リ 候 シ カ ト ソ 、 語リケル 左様ノ少人コソ、童子一人召具シテ、昨 夜 、戌 ノ 尅 計 1 、唐 崎 ナカリケル処ー一、 東 坂 本 ヨ リ 、 大 津 へ 通 ル 、 旅 人 ノ 有 ケ ル 力 、 御歎キアリテ、到ラヌ猥モナク、御尋有ケレトモ、知人更ニ、 其 夜 ヨ リ 、若 君 ノ 失 セ 給 ヒ ヌ ル 事 、只 事 ナ ラ ス ト テ 、 門 主 大 ニ 、 へテ、 只 声 ノミソ 聞 へ ケ ル 我 二 心 ヲ 付 シ モ 、 誰 セ シ 熊 ソ ヤ 、 今ノ程一一、 我 ヲ シ ル ヘ シ テ 、 何 ナ ル 、虎臥野辺、鯨鯢寄浦ナリトモ、 尋 ネ ユ ケ ト 、 カコチ給 ヒテ、 1 候 ヲ ハ ラ ^^^ト 、 コ ホ シ 給 フ 未 タ 幼 稚 、 ア タ シ 心 ニ モ 、 又 想 ヒ ヲ 付 ヌ ル ハ 、 熊モナ 一 一 、 キ習ヒ、実モ理リ哉ト、童 子思知テ、其人ノ在所ヲハ、委ク承 右 流 リ テ 候 、 御 供 申 候 ハ ン 、 御 所 ノ 御 意 、 ア シ ク 候 ハ 、、 後一ー何ト モ、 申 サ セ 給 ヒ 候 ト テ 、 児 ト 童 ト 只 二 人 、 行 ヘ キ 方 モ シ ラ ス 、 立出給ヒケリ」 抑 、若 君 、 元 来 ハ 、 三 台 九 棘 ノ 、家 ニ 生 テ 、 香 車 宝 馬 ノ 、乗物 ナラ テ ハ 、 仮染一一モ、 未 タ 泥 土 ヲ 、 踏 給 事 ナ ケ レ ハ 、御 手 ヲ 引 、 童サへ、 歩ミカネ侍ケリ、 桂寿、 申ケル様ハ、 何ナル天狗、 、 年 ィト 闌 タ ル 、 山 伏 処一一 妖 物 ナ リ ト モ 、 我 等 ヲ 取 テ 、 比 敷 山 へ 、 ノ ホ セ ヨカシ ト 云 テ 、 唐崎ノ松ノ木隠ニ、 ヤスラィ居タル ノ、 四 方 輿 一、 乗 タ ル カ 、 輿 ヲ 前 ニ 、 舁 居 サ セ テ 、 是 ハ 何 ク ヨ ヲ城郭ニ構へ、 三摩耶戒壇ヲタテハ、山門定テ、 ヨ セ ン ス ラ ン、 是則地ノ理一一付テ、 敵 ヲ 亡 ス 、 謀 計 ナ ル ヘ シ 、 又 、 邪 執 退 へケリ リ 、 何 方 へ 、 御 渡 リ 候 ヤ ラ ン ト 、 問 ケ レ ハ 、 童 、 有ノ 儘 一、 答 山 伏 、 輿 ヨ リ 下 テ 、 吾 コ ソ 、 御 尋 候 坊ノ隣家へ、 罷登物ニテ モ遅疑スへ カ ラ ス ト テ 、 一味同心ノ衆徒、 三 千 余 人 、 如意越ノ 路 ヲ 、 所 々 堀 切 、 麓 一 一 逆 茂 木 ヲ 引 'ゾ 、垣 繁 ク 結 廻 シ 、三 摩 耶 戒 ケテ、戒 法 ヲ 持 ツ 、道 タ ル ヘ シ 、 天 コ ト ニ 、時 ヲ 与 へ タ リ 、 暫 雲霧ノ . 候 、 余 ニ 御 痛 敷 、 見 マイラ セ 候 へ ハ 、 我 ハ 歩 行 一テ、 歩 ミ 候ハ 湖 水 ノ 上 、 忙 々タル、 ン、 此 輿 ニ 、 召 レ 候 へ ト テ 、 児 ト 童 ト ヲ 、 舁 ノ セ テ 、 力 者 十 二 人 、 島 ノ 飛 如 クニ テ 、 漫 々タル、 三四九 .壇 ヲ ソ 、立ニケル 山 門 、 是 ヲ 聞 テ 、 ナ シ カ ハ 、 蜂 起 セ サ ル ヘ キ 、戒 壇 ノ 事 ニ 依 テ 、 マ、 ‘園 城 寺 へ 発 向 ス ル 事 、 以 前 已 ニ 、 六 ケ 度 也 、 公 家 ニ 奏 シ 、 武 家 〜 ニ訴ル迄モ、 アルへカラス、時 ヲ ゥ ツ サ ス 、 押 寄 テ 、 焼払へト 三五〇 ヲ 、シ マ ス 、入 替 々 々 、 切ノ荒讃岐、金マタノ悪大夫、 八方破ノ武蔵坊、 三町飛礫ノ経 ー坊 、 提 切 好 ノ 増 長 、 其 外 ノ 人 数 、 身 命 ヨ セ テ ハ 、 多 勢 ナ レ ハ 、 討 ル 、ヲ モ イワス 、手 負 ヲモ 顧 リ ミス、 責戦フ 相 戦 、 然 ニ 禦 キ テ ハ 、 案 内 者 ナ レ ハ 、 コ 、力 シ コ ニ 、 寄 合 テ 、 ニ、 落へシトハ、見へサリケリ マハシテ、 切 テ 出 ル 、 カクテハ、 此 城 、 尽 未 来 際 ヲ 経 ル ト モ 、 半 死 半 生 ニ 、 ナリケレハ、城 中 ノ 者 ト モ 、 勝 二 乗 テ 、 手サキヲ テ 、末 寺 末 社 、三 千 七 百 三 ケ 所 へ 觸 遣 ニ 、 先 近 国 ノ 勢 ト モ 馳 集 、 S 是 ニ 勝 レ タ ル 吉日、 追 立 々 々 、 切 テ 廻 ル 事 、 三 時 計 ナ リ 、 寄 テ 、 三 千 余 人 、手 負 テ 、 ニ、 アタレリ、 都 合 其 勢 、 二 十 万 七 千 余 騎 ト 」 ソ、 註 シ ケ ル 十 月 十 四 日 ハ、 中 ノ 申 ノ 日 . 有 へ カ ラ ス ト テ 、 院 々 谷 々 ノ勢ヲ 、 七 : ニワケ テ 、マタ卯ノ リ 、 或 ハ 、 眇 々 タ ル 煙 波 、 湖 水 ノ 朝 ナ キ ー 一 、 船一一棹指、 大 衆 モ 押 寄 ル 、 或 ハ 、 漫 々 タ ル 、 志 賀 唐 崎 / 浜 地 、 駒 ニ 鞭 打 衆 徒 モア テ 、 埋 タ ラ ン ニ 、ナ ト カ 此 」城 、 責 破 ラ サ ラ ン ト 、 飽 迄 、 荒 言 吐 爰ニ桂海、大 一 忿テ、 申 ケ ル ハ 、 幾 程 モ ナ キ 、 堀 ー ツ 、 死 人 — テ 、 薬 研 堀 ノ 、 底 狭 ナ ル 中 へ 、 力 ハ ト 飛 下 リ 、 ニ丈余一一見へタ アリ カ ク テ 、 思 々 一 一 寄 ケ ル 、 其 中 —、 桂 海 律 師 ハ 、 此 濫 觴 ハ 、併 ラ、 ル 、切 岸 ノ 上 、濫 ノ 筹 ヲ 踏 へ テ 、 侧 上 リ 、 塗 ハ ス シ タ ル 壁 柱 ニ 、 ル武 者 トモ、 足 ヲモタメス、 追 立 ラレ テ 、 シトロモトロニ、落 搔 繩 、 十 文 字 、 四 角 八 方 ヲ 、 切廻リケルー一、 如 意 越 ヲ 、 禦 キ ケ 切、将棊倒ノ払切、礒打波ノマクリ切、乱 紋 、菱縫、蛛蜘手、 提 切 、 装 裳 懸 、 車 切 、 ソ ム ケ テ モ テ ル 一 刀 、 シサ リ テ 進 ム 追 懸 力 中 へ 、 只 一 人 乱 入 テ 、 火 ヲ 散 シ テ ソ 、 戦ケル マ' 手カクルカト見ヘシ力、 ユラリト已往へ、刻越テ、敵三百余騎 マ' 一 一 、一 合 戦 シ テ 、 名 ヲ 後 記 我身ヨリ、起シ事ナレハ、人 ヨ リ 先 ニ、 留 メ ン ス ル 者 ヲ ト 、 思 ヒ テ 、 勝 レ タ ル 、同 宿 若 党 、 五 百 人 、 皆 神 水 ヲ 呑 テ 、マタ 東 雲 ノ ア ケ ヌ ニ 、 如 意 越 ヨ リ ソ 、寄 タ リ ケ リ サル程一、 大 手 搦 手 、 城 中 、 都 テ 二 十 万 七 千 余 騎 、 同 時 二 、 音 ヲ 挙 テ 、 ヲ メキ サ ケ フ 、 大 山 モ 是 カ 為 二 崩 レ 、 湖 水 モ 傾 ヒ テ 、 忽 金 輪 際 ニ 落 ル カ ト 、 疑 ル 、 カクテ、 大勢乱レ入ル テ行ク サテ、 ヨ セ テ 一ハ、 先 、 東 塔 ノ 、 習 禅 、 禅 智 、 月 蔵 院 、 杉 生 、 最 勝 、 金 輪 院 、」妙 観 院 、 杉 本 、 山 本 、 西 蓮 坊 、 西 塔 二 ハ 、常 喜 、 続 テ 責 入 、 桂 海 力 同 宿 若 党 、 五 百 余 人 、 馳 散 テ 、 院 々 谷 々 —、 ハ、 金 堂 、 火 ヲ 懸 タ ル ニ 、 魔 風 頻 ニ 吹 テ 、 余 煙 四 方 ニ 、覆 講堂、 鍾楼、経蔵、常行三昧ノ阿弥陁堂、普賢行願ノ如法堂、 ヒ ケ レ 乗 実 、善明坊、南岸、 西明、行泉、行住、 上林坊、横川ニハ、 コレ ヲ 禦 ク 、 大衆一一ハ、 円 満 院 ノ 鬼 駿 河 、 当 院 ノ 天 狗 帥 、 千 人 善 法 、 善 住 、 般 若 院 、 三塔蜂起シーア、 義 ヲ 合 ス 御 J 坊一一イタル迄、 、 11 炭 灰 ト ナ リ ハ テ 、、新 羅 大 明 神 ノ 、 教 待 和 尚 ノ 御 本 堂 、智 證 大 師 御 影 堂 、両 門 跡 ノ 以 上 三 千 六 百 余 宇 、 一時 寂 漠 ノ 、 苔ノ 下 1 ニ、 袖 ヌ レ テ 、 涙 ノ 雨 ノ 、 力 ワ ク 間 ソ ナ キ 力 、リケル 処ー一、 淡 路 国 ヨ リ 、 進 物 ト テ 、 八 十 計 ナ ル 、 老 翁 ヲ 一 宵 ア リ テ 、 此 翁 、 児 ト 童 ト ノ 、 泣 悲 ム ヲ 見 テ 、モ シ 御 袖 ヤ 、ヌ レテ候ト、 問ゲレハ、児 モ 童 モ 、 トモニ住馴シ所、仮染ニ立出 縛 リ テ 、 石 籠 ノ 内 へ ソ 、 入タリゲル テ、 此 石 籠 ノ 内 ニ 、 押 籠 ラ レ テ 候 へ ハ 、 父 母 ノ 悲 ミ 、 師 匠 ノ 歎 社 壇 ノ 外 ハ 、 残 ル ー 宇 モ 、 ナ カリケリ トモ、 集 リ テ 、 四 方 山 ノ 物 語 シ テ 、 咲 ケ ル 力 、 其 中 二 、 アル小 籠ニ押コメラレテ、明暮泣沈テ、 ヲハシケル処ニ、 無量ノ天狗 テ 候 ラ メ ト ソ 、 答へケル キ 、 想 像 毎 ニ 、 泪 ノ ヲ チ ヌ 隙 モ ナ ゲ レ 」 ハ、 サ コ ソ ハ 袖 モ 、 濡 若 君ハ、 三井寺ノ、 加様ニナリヌル事ヲモ、 シラセ給ハテ、 石 論 、 ロンノ相撲ノ事出、 白川小童空印地、 山門南都ノ御輿振、 レテ参セント云テ、翁、此児ノ袖ヲ、絞リテアレハ、白玉力何 老 翁 、 大 ニ 悦 テ 、 左 候 ハ 、、 吾 ニ 取 付 セ 給 へ 、 輙 ク 古 郷 へ 、 ツ 夫狗ノ、申ケルハ、我等力、面白ト思事ハ、焼亡、辻風、小諍 リ ト 、 思 ヒ ツ ル ニ 、 昨 日 ノ 三 井 寺 ノ 合 戦 ハ 、希 代 ノ 見 物 カナ ト 、 、 是 ヲ 又 、 ニニワケ テ、 左 右 ノ 掌 ニ 入 テ、 暫 ク 、 ユ ル カ シ タ ル ニ 、 ニノ 露 ノ 玉 、 次 ス ル ニ 、 露 ノ 玉 、 程 ナ ク 軸 ノ セイニナリヌ ソト、 人 ノ 問 計 ノ 、 涙 ノ 露 ヲ 、 左 ノ 手 一入テ 、 薬 ヲ 丸 ム ル 如 ク 五 山 ノ 僧 ノ 門 徒 立 、 此 等 コ ソ 、 興 ア ル 見 物 モ 出 来 テ 、 一風情有 力出来ヘキ、 軍ノ最中ニ、 寺ノ門 H 申 セ ハ 、 側 ナ ル 天 狗 ノ 申 様 、 力 シ コ ク モ 、此 若 君 ヲ 取 奉 リ ツ ル 、 サラスハ、是程ノ軍、何 ユ 破テ、児ト童トノミナラス、 アラユル処ノ、 、 差 モ 義 ノ 天 狗 モ 、 怖 ワ ナ 、イ テ 、四 方 ニ 进 失 ケ レ ハ ' 、 了 道 俗 男 女 ヲ 、 雲一一乗テ、 大 内 裏 ノ 旧 跡 、 神 泉 宛1 ノ ホ ト リ —ソ 、 竜王、石ノ籠ヲ ヒラメク 第二、大ニナリテ、 石籠ノ中、 漫々タル、大水ニ成ニケリ 主 達 ノ 、 コ 、力 シ コ へ 、 迸 サ セ 給 シ カ 、 ヲ カ シ サ ニ 、 我 コ ソ 興 入テソ、 ハ、 ネ タルソト、問へハ ア リ サ マ ヤ 、 力 イツクリテ カ ル 折 句 ノ 歌 ヲ 、 一」首 読 テ 候 ト イ へ ハ 、 座 上 ナ ル 天 狗 、 何 ト 讀 ノ、 此 時 、老翁俄一一、大竜一 一成テ、 雷 鼓 、 地 ヲ ゥ コ カ シ 、 電 光 、 天ニ ソナク ウ カリ ケ ル 、 耻 三 井 寺 ヲ ノ ミ Hツホニ リヌ 置 タ リ ケ ル 、 道 浴 男 女 ハ 、 是 ヨ リ ワ カ レ テ 、 巳 カ サ マ -^•ニ帰 ヘキ、 人 モ ナ シ ノ 原 ト、成 三五一 へテ、 造 リ タ ル 、 宮 殿 、 楼 閣 、 皆 焼 野 ハ テ 、、 事 問 若 君 ト 童 子 ト ハ 、我 力 古 郷 ヲ 尋 テ 、花 菌 へ 行 給 へ ハ 、」差 モ 甍 ヲ 並 マ' 笑ケル 若君カク計 モニ、 打 佗 テ 、 泣 ヨ リ 外 ノ 、 事 ハ ナ シ ニヤト、 思 召 ケ レ ト モ 、 委 ク 問 へ キ 、 人 モ ナ ケ レ ハ 、 只 童 ト 、 若君、 是 ヲ 聞 給 テ 、 穴 浅 猿 ヤ 、 サ テ ハ 三 井 寺 、 我 故 — 、 亡ケル ト 読 候 ツル ト 、 語 レ ハ、 座 中 ノ 天 狗 ト モ 、 皆 |^ ブタナル人一、 事 ノ 様 ヲ 、 尋 ネ 給 へ ハ 、 左 大 臣 殿 ハ 、 公 達 ノ 若 三五ニ 先御文ヲ、見候ハントテ、披テ見レハ、 アヤシキ詞ノ歌ナリ」 泣 ケ ル 、 童 子 涙 ヲ 押 巾 、 此 間 有 ッ ル 事 トモ、 語 ラ ン ト ス レ ハ 、 君 ヲ 、比* 山へ、奪トラレサセ給テ候ヲ、御里ニシロシメサレ ノ月 我 身 サ テ 、 沈 ミ モ ハ テ ハ 、 フヵ キ 瀬 ノ 、 底 マ テ 照 セ 、 山 ノ 端 了 ヌ事ハ、 アラ シ ト テ 、 三 井 寺 ヨ リ 押 寄 、 焼 払 テ 候 ナ リ ト ソ 、 語 テ候へハ、何事ヲモ、 道スヵラ、御 物語候へ、 先急キ参候ハン メテ、 馳行ケル ト テ 、 坂 本 ヨ リ 、 童子ヲ先一一立テ、 ト ル 物 モ 取 ヘ ス 、 馬 ヲ ハ ヤ サ テ モ 何 ナ ル 恨 ミ ア リ テ 力 、 身 ヲ 投 サ セ 給 ヒ ッ ラ ン 、父 母 師 匠 、 大 津 ヲ 過 テ 、 行 処 ニ 、 旅 人 ノ 余 多 、 行 合 タ ル ヵ 、 穴 哀 ヤ 、此 児 、 旅 人 立 止 リ テ 、 只 今 勢 多 ノ 橋 ヲ 、渡 リ 候 処 二 、年 ノ 程 、 十六七 何 ニ 歎 キ 給 ハ ン ス ラ ン ト 云 ヲ 、ア ヤ シ 、ト 思 テ 、 委 ク 尋 問 へ ハ 、 向 >1 テ 、 手 ヲ 合 セ 、 念 仏 十 返 計 唱 へ テ 、 身 ヲ 投 サ セ 給 ヒ . 計ナル、御児ノ、紅 梅 ノ 小 袖 一、 水 干 ノ 下 計 、 メ サ レ テ 候 ッ ル 力、 西 テ候ッルヲ、余 一 一 御痛シク、見参セテ候シ程一、 我 等 脑 テ 、 水 ニ 入 、 其 辺 リ ノ 淵 瀬 ヲ 、 サ ヵ シ 求 レ ト モ 、終 二 見 へ サ セ 給 ハ 」ヌ シケル 程 ニ 、 カ ナ ク 罷 過 候 ナ リ ト 、 語 リ テ 、 涙 ヲ ハ ラ く ト ソ 、 コホ 行 テ 見 ハ、 朝 暮 、 身 ヲ 放 心 ア キ レハ テ 、 ! !甓 、 鐘 テ 、 伏 沈 ム ヘ キ 心 地 モ童 子 モ、 ィ ト 、 旅 人 ノ語 ル 一 付 テ 、 年 ノ 程 、 衣 装 ノ 様 、 疑 フ 処 ナ ケ レ ハ、 律 師 馬 ヲ早メテ、橋 ノ ッ メ -一 、 添 テ 、 橋 柱 ニ 懸 ラレタリ サテ、懸 サ セ 給 シ 、 金 襴 ノ 細 緒 ノ 御 守 一、 碧 溜 璃 ノ 、 小 念 珠 ヲ スレトモ、 ア ラ シ ト 、 深 ク 思 定 給 フ 、 御 心 ア リ テ 、 ヨ シ ヤ 中 々 ニ 、 取止ム 律 師 ハ 、 童 子 ヲ 打 見 テ 、 更 ニ 物 ヲ モ 云 ヒ ヘ ス 、只 サ メ ^ ^ ト ソ 、 ケル 召 テ 、 消 息 遊 シ テ 、 童 子 ニ タ ヒ ゲ レ ハ 、急 キ 山 へ ソ 、 尋ネ登リ ル人ナク、 思ノ儘ニ、何ナル淵河ニモ、身ヲ沈メント、嬉ク思 師 ノ 御 坊 ヲ 、 尋 申 候 ハ ン ト 、 申 ケ レ ハ 、 若 君 、 今 ハ 只 、 憂世ニ 詣 ノ 人 ノ 体 ニ テ 、 本堂一 御 I 座候へ、 某、 山門へ罷登候テ、律 律 師 ハ 、 色 ヲ 変 シ テ 、 是 御 覧 候 へ 、 御 歌 ノ 体 、 心 元 ナ ク 、 見へ リケル . 大 臣 殿 ノ 御 行 末 、委 ク 尋 ヌ ヘ キ 、便 リ モ ナ ケ レ ハ 、 サラハ三井 寺 ニ 往 、 門 主 ノ 御 事 ヲ 、 尋 申 サ ン ト テ 、 タトル^ ^ 、 童子ヲツ レテ、 三 井 寺 ニ 行 テ 、 見 給 へ ハ 、 仏 閣 僧 坊 、 悉 ク 焼 払 へ ハ 、 閑 庭 ノ 草 ノ 露 ニ ナ キ 、空 山 ノ 松 風 ノ 吟 ス ル 、 是 ソ 住 馴 シ 、 昔 ノ 跡 ト テ 、 見 レ ハ 、 礎 へ ノ 石 モ 、 焼 研 テ 、 苔ノ一 下I モ、 紅 一変シ、 軒 端 ノ 梅 モ 、 枝 枯 テ、 袖 ナ ツ カ シ キ 、 風 モ ナ シ 物 毎 ニ 、替リ絶タル、世ノ有様、 只我ユへナリシ、事ナレハ、 .#慮 モ 、仏音 モ 1 、サ コ ソ 浅 猿 ク 覚 へ テ 見 ニ 、目 モ ア テ ラ レ ネ ト モ 、 石 流 年 久 ク 、」住 馴 シ 跡 ナ レ ハ 、 鱅 テ 見 捨 モ 、 余 波 惜 ク テ 、 其 夜 ハ、 新 羅 大 明 神 之 拝 殿 一 一 、 湖 水 ノ 月 ヲ 詠 テ 、 泣 明 主、 モシ石山ニヤ、御座有ラント、尋行タレトモ、是ニモ御 1 座 ナ シ ト 、 申 ケ レ ハ 、 童 子 申 ケ ル 様 ハ 、 左 候 ハ 、、 今 宵 ハ 、 参 P モ 、 余 多 寄 テ 、取 止 メ ケ レ ハ 、美 サ ラ ハ 、 空 キ カ ラ タ ナ リ ト モ 、 律師モ童子モ、同 流 一、 身 ヲ 沈 メ ン ト 、 悶 焦 レ ケ ル ヲ 、 同 宿 ト 苔 ノ下ニ モ、 埋 レ ハ ヤ ト 思 へ ト モ 、 今 ハ ノ際ニ 、 連 ネテ 送 リ 給 ヲ 、 訪 へ ト ノ 為 二 テコ ソ ア レ ト ' 、 思ケレハ、 爰ヨリ、山へモ帰 シ 、 御 歌 ニ 、 底 マテ 照 セ 、 山 ノ端ノ 月 、 ト ア ル ハ 、 ナ カ ラ ン 跡 ラ ス 、 其 遺 骨 ヲ頸ニ懸 一日見テ後ニコソ、 免 モ 角 モ ナ ラ メ ト 思 テ 、 二 人 俱 ニ 、 繁捨タ ル、 海 士 ノ 小 舟 ニ 、 打 乗 テ 、 深 キ 淵 ノ 底 ヲ 、 臨 ミ 見 レ ハ 、 若 党 ニソ、 閉 籠 ケ ル 岩 蔵 ト 云 処 一 一 、 庵 室 ヲ結テ、 勤 メ行フ 、 童 子 モ 髪 剃 テ、 高 野 山 、 山 林 斗 藪 シ ケ ル カ 、 後 ニ ハ、 西 山 ノ 、 処ナク、 サカシケレトモ、曾テ見へ給ハス 下 法 師 ト モ ハ 、 皆 赤 裸 ニ ナ リ テ 、 岩 ノ ハ サ マ 、 岸 ノ 陰 迄 、 残ル 住 寺 ス ヘ キ 様 モ ナ ケ レ ハ 、 今 ハ 世 間 ニ 、 無 端 思 テ 、 皆離山セン 其 後 、 園 城 寺 ノ 三 摩 耶 戒 壇 張 本 ノ 衆 徒 、 三 十 余 人 、今 ハ 立 帰 テ 、 ト、 仕 ケ ル 力 、 今 一 度 、 寺 門 ノ 焼 跡 ニ 立 帰 リ 、 内 證 信 心 ノ 、 法 テ 止 ル 、 紅 葉 々 ノ 、深 」キ 色 カ ト 見 へ テ 、 岩 陰 二 流 レ セ カ レ テ 有 ヲ、 船 指 寄 テ 見 レ ハ 、 空 キ 形 チ 、 長 ナ ル 髪 、 流 レ 藻 ニ 、 乱 レ カ 大明神之御前一、 通 夜 シ テ 、 是 ヲ 限 ノ 法 味 ヲ ソ 、 捧 ケ ル 施ヲモ奉リ、発心修行ノ、 暇乞ヲモ、申サハヤト思テ、皆新羅 遙 ニ 時 移 リ テ 、 供 御 ノ 瀬 ト 、 云 所 迄 、 尋 ネ 至 リ テ 見 ハ 、 セカレ 、リ テ 、 岩 コ ス 波 ニ 、 ユラ レ 居 タ リ 夜 更 ル 程 ニ ナ リ テ 、 夢 現 ノ 境 シ ラ 」ヌ ニ 、東 ノ 方 ノ 、 虚 空 ヨ リ 、 モ、 是 ヲ 、 泣々取上テ、御 顔 ヲ 、膝 ノ 上 ニ 舁 乗 奉 レ ハ 、 濡テ色コキ ヒ へ 終 テ 、、 乱 テ 残 ル 黛 ノ 色 、 コ ホ レ テ 力 、リ シ 縁 ノ 髪 、 ワク 紅 葉 ノ 、 シ ホ -^-ト シ タ ル ニ 、 雪 ノ 如 ク ナ ル 、御 胸 ノアタリ フ勢力アリ、 アヤシヤ、誰ナルラ ン ト 、是 ヲ 見 ハ 、 或ハ、法務 馬 ヲ 馳 セ 、 車 ヲ « ス 音 シ テ 、 ヲ ヒ タ 、シ キ 、 大 人 高 容 ノ 、 来 給 ( 緑力) ル 形 ハ 替 ラ ネ ト モ 、 一ヒ咲ハ、 百 ノ 媚 ァ リ シ 、 眼 閉 リ 、 色変シ 大 僧 正 ニ ヤ ト 覚 タ ル 高 僧 、 四 方 輿 二 乗 テ 、 扈 従 ノ 大 衆 、 前後ニ 律 師 ハ 、 顔 ヲ 膝 二 乗 テ 、 天 ニ仰 テ 、 泪 悲 ム 、 童 子 ハ 、 御 足 ヲ 懷 或 ハ 、 容 色 千 媚 タ ル 夫 人 、 軽 軒 香 車 、 玉ヲ飾リタルー一乗ヲ、 侍 囲 繞 シ 、 或 ハ 、 衣 冠 正 キ 俗 体 客 、 甲 胄 ヲ 帯 セ ル 、随 兵 ヲ 召 具 シ 、 ヌ レ ハ、 目モアテラレス ニ入、 我 ヲ ハ 何 ト ナ レ ト 思 召 テ 、 捨 置 セ 給 ソ 、 ウ タ テ ノ 御 心 ヤ 何 迄 、サ テ 、有 ヘ キ 事 ナ ラ ネ ハ 、 其 夜 、 近 キ 山 辺 ニ テ 、 空 キ 煙 ト 血ノ涙、袖行水ト流レケリ 西 一傾テ、 又 半 天 ニ帰 ル 事 ナ ケ レ ハ 、 サ ケ フ 声 サ へ 、 枯 終 テ 、 ノ冠ヲ正クシ、威儀ヲ刷ヒテ、 金殿ノ内ヨリ、 出向ヒ給フ、 賓 此高客、皆輿車ヨリ下テ、幕ノ中へ入給へハ、新摧大明神、玉 吉 山 王 ニ テ 、 御 渡 リ 候 ソ ト 、答へケル ト、 問 へ ハ 、 未 タ 知 セ . 給ハスヤ、是コソ、東 坂 本 一御座候、 日 女 数 十 人 、 凰 腸 金 蓮 ノ 冠 -テ 1 、 左右一一随従セリ 後 ニ 下 リ タ ル 、 退 紅 ノ 仕 丁 ニ 、 是 ハ 何 ナ ル 人 一テ I 、 御 渡 リ候ソ ト、 地 一 一伏 テ 、泣 ト モ 、落 花 枝 ヲ 辞 シ テ 、 ニ タヒ 咲 習 ナ ク 、 残 月 ハ、 力 へ ラ テ 、 一 惟 ノ 灰 ニ 向 テ 、 三 日 迄 、 泣 居 タ リ ケ ル 力 、 内 三五三 ナ シ 奉 ル 、 煙 尽 レ ハ 、同 宿 同 」朋 共 ハ 、 帰 レ ト モ 、 律 師 ト 童 子 ト 了 興 酬 ニ 最 モ 心 楽 ミ」給 へ ル 、御 気 色 ニ テ 、 夜 既 ニ 、 明 ナ ン トスレ 主 、 座 定 リ テ 、 斟 酚 礼 ア リ テ 、 舞 曲 ノ 宴 ア リ 、新 羅 大 明 神 、誠 ニ 様 ニ ソ 、語 リ ケル 給 ヌ ト 見 へ ケ レ ハ 、 通 夜 ノ 大 衆 、 三 十人、 一同ニ皆夢覚テ、同 ニ 有 力 タ キ 大 慈 悲 哉 ト 、 仰 ラ レ テ 、 明 神 、 錦 ノ 帳 ノ 内 へ 、 入セ 三五四 ハ、 山 王 還 御 ナ ル 一、 明 神 、 寺 門 ノ 外 迄 、 送 リ 給 テ 、 立 帰 ラ セ ト、 信 心 、 肝 ニ 銘 シ ケ レ ハ 、 三 十 タ ル モ 、 斉 度 ノ 方 便 ナリケリ サ テ ハ 若 君 ノ 」、身 ヲ 投 サ セ 給 シ モ 、 観 音 ノ 所 変 ナ リ 、 寺 門 ノ 焼 仏 一 一道 修 行 セ ン ト テ 、 彼 桂 海 力 、 瞻 ノ大衆一人、明 神 ノ 御 前 一 脆 ィ テ 、涙 ヲ 流 シ 、申 ケ ル ハ 、 今 度 、 西上人ト、名ヲ替テ、住ケル、岩蔵ノ庵室へ、尋行テ見レハ、 人ノ衆徒、皆発心シテ、俱 給 ヒ 、 玉ノ御階シヲ歩ミ、 宝殿ニ、 入セ給ハントセシ時、通夜 三摩耶戒壇建立ノ事、吾寺ノ興隆ヲ存シテ、興行仕リシ事ニテ ヮケテ、 松 ノ 落 葉 ヲ 薪 ト シ 、 拾菓ヲ命ト 11 テ、福 ヲ 与 ル モ 、真 実 ノ 本 意 一アラス、 是 ヲ 非 ト シ テ 、 罰 ヲ 行 管 見 ナ リ 、夫 レ 神 明 仏 」陁 ノ 、 利 生 方 便 ヲ 垂 ル 、日 、 彼 ヲ 是 ト シ 申 処 モ 、 一 往 其 理 ア ル ニ 、 似 タ リ ト ィ へ ト モ 、 是 モ 皆 、 一隅ノ へト、 申 セ ハ 、 大 明 神 、 通 夜 ノ 大 衆 ヲ 、 皆 御 前 へ 召 レ 、 衆 徒 ノ ル桑門、 東 西 ヨ リ 、来 集 シ カ ハ 、 都 近 処 1 、 寺 ヲ 建 立 シ 、 人ヲ 徳 者 不 孤 、 必 有 隣 ト 、 ィ ヘ ル 事 ナ レ ハ、 獸 トスレ ト モ 、 同 様 ナ 古今釈教ノ部ニ、撰ヒ入サセ給ケリ ト 書 院 ノ 墻 壁 ニ 、 書 付 ケ ル ヲ 、 君 、 限 リナ ク 、 戴 感 アリ テ 、 新 昔 シ ミ シ 、 月 ノ 光 ヲ 、 シ へ ル ニ テ 、 今 宵 ヤ 君 力 、 西 へ 往 ラン 、 11 月 見 ル 袂 モ 、 儒 ケ フモ、 慈 悲 ノ 至 リ ニ ア ラ ス 、 只 順 逆 ノ ニ 縁 ヲ 以 テ 、 無上菩提ニ モ広ク、 利 益 セ ン ト テ 、東 山 一、雲 」居 寺 ト 云 所 ヲ 、 草 創 シ テ 、 ルニヤ 浮 世 ノ 夢 ノ 、サ メ -^-ト 、ナ キ 人 ヲ 問 度 毎 シテ、 残 年 ヲ 送 給 フ 三間ノ茅屋、半 ヲ 雲 候 へ ハ 、 ー塵モ、 衆 従 ノ 僻 事 ト ハ 、 存 知 候 ハ ス 、 然 ヲ 、 山 門 猥 ニ、 度 々 ノ 勅 栽 ヲ 背 キ 、 種 々 ノ 魔 漳 ヲ ナ シ テ 、 当 寺 ヲ 焼 払 ヒ 申 へ 力) 対 一 一シ テ 、 誠 ニ 御 快 ケ ニ 、 咲 ヲ 含 ミ 、 楽 ミ ヲ ナ 趣 力 シ メ ン カ 為 ナ リ 、 サ レ ハ 、 吾 カ 悦 フ 処 ヲ ハ 、シ ル へ カ ラ ス 、 例 年 ノ 春 毎 ニ、 三 尊 来 迎 ノ 儀 式 ヲ 、 執 行 フ 、 二 十 五 ノ 菩 薩 、 妓 財施ノ功徳アリ、経論聖教 一 一 、 ノ失タルハ、 是 又 、書 写 ノ 結 縁 タ リ 、有 為 ノ 報 仏 、 豈生滅ノ相 コ サ ス ト 、 云 事 ナ ケ レ ハ 、遠 近 、 踵 ヲ 継 ネ 、 爰 ニ 来 詣 シ 、 男 女 、 秋夜長物語終 掌 ヲ 合 セ テ 、 敬 礼 ス 、 仏 種 ハ 、 縁 ヨリ 起 ル ト ハ 、 加 様 ノ 事ヲソ 度 、誠 ヲ 、 イ タ サ ン ス ル 事 ノ 嬉 サ ニ 、 万 事 ヲ 忘 レ ケ ル ソヤ、 山 王 モ 、 ノ得 申 へ キ ト 、語 リ ケ レ ハ、聞 人 感 シ テ 、 袖 ヲ ヌ ラ サ ヌハ ナ カリケリ 歓 喜 ノ 心 ヲ 、 ナ シ ツ ル ナ リ 、 石 山 ノ 観 音 ノ 、童 男 変 化 是ヲ賀シ給ハン為二、来臨アリケリ、我 モ 感 歎 タ 一 一へ ス シ テ 、 ナカラサランヤ、只此乱ニ依テ、桂海力発心シテ、若干ノ化導 楽ノ歌詠ヲ調へテ、往生ノ人ヲ、迎へ給フ、見ル人、信 心 ヲ 、 仏閣僧坊ノ焼タルハ、造 営 ス ル サセ給フ事、何ナル神慮ニテ、御座候ヤラン、難測コソ、存候 処二、日吉山王 ツルハ、 神 明 仏 陁 モ 、 サコソ御心ヲ、 悩 マサレ候ラント、存候 ^- 秋 の 夜 長 物 か た り それ、春のはなの、 しゆとうにのほるは、 じやうぐ X X 、 みやうもん、 り や う に の み し やと、 おもひけるか、 さすかに、 ふ よ り 、や ま の お く を も 、た つ ね 、 柴 の い ほ り の 、し は し は か り の 、 しかりける事かなと、 おもふ心、 いてきにけれは、 やかて、 山 て、 し ゆ つ り 、 し や う し の 、 つ と め に 、 お こ た り ぬ る 、 あ さ ま 入なから、あけくれは、 た く ち ん の 、 き や う かいを、 はなれて、 し やくしのもんしつに、 か さ め た り け ん 、 こ は そ も 、 な に 事 そ や 、 わ れ 、 た ま ''^、 そ けいねんのころ、花のちる春のくれをみて、 ねぬよのゆめや、 ふのたつじんなり ん ぬ の ゆ ^ い を 、 ふ る ふ 、 ま こ と に 、 し ん そ く の い る ひ 、 ふん 乂み、 あ る と き は 、 さ い ふ く の つ る き の 、 や き は の う へ に 、 ふ ある時は、 にんにくの、 ころもの袖に、 せつしゆのじひを、 つ き か 、 み ち を ふ み て 、 な う さ は い す い の か せ を 、 か」 か け た り をくんて、 四 け ふ 三 く は ん の 月 を 、 す ま し 、外 に は 、くはうせ ほか い ふ人にてそ、 お は し け る 、 う ち に は 、 ぎ よ く せ ん の 、 なかれ 平仮名古活字十一行本 ^ の、 き 15 を す X め、 秋 の 月 の 、 す い て い に く た る は 、 け け 衆 し や う の 、 さうをあらはす、天いふ事なくしては、 ぶつとみなこれをしめ ナシ 何 んけんの八くをみて、 さいとをいとふときは、 ほんなふすなは す、人心ありしては、あにつとめさらんや、もし人ありて、 に ち ほ た い と な る 、 天 上 の 五 す い .聞 て 、 し や う と を も と む る 時 は 、 し や う じ す な は ち ね は ん と な る 、 か る か ゆ へ に 、 し よ ふつ ナシ ほ さ つ 、 し ゆ つ き や く の け た う を た るX 日 、 つみ あ る を は、 し や よ りしやうにいれ、 えんなきをは、 あ く よ りぜんに、 おも れ む 力 し め 給 ふ 、 何 を も つ て い ふ 」 と な ら は 、 き やう ろ ん の しよ せつ、 し よ てんにのする処、 しけけれは、申 に こ と はたらす、 ち か こ ろ 、み \ に ふ れ 、こ と の あ ま り に あ は れ に も 、 た つ と か り し か は 、 め ん ' ^ に、 ま く ら を そ は た て 給 へ 、 老 の ね さ め に 、 かくれがをも、むす」 は 後 堀 河 の ゐ ん の 御 宇 に 、 に し や ま の 、 せ ん さ い 上 人 と て 、 たう かりに、 あ ら ま し て 、 いたつらに、 月 日 を を く り け る 、 その心 と う り よ の わ か れ も 、 さ す か に 、 な こ り を し か り け れ は 、 心は は、 い わ う さ ん わ ふ の 、 け ち 系 ん も 、 す て か た く 、 と う は う 、 あ き の 夜 の 長 物 か た り 、 一申侍らん か く 、 け ん ひ し た り し 人 、 も と は 、 ほ く れ い と う た う の 、 しゆ る き 袅 ん の 、 つ な く 所 は 、 人 こ と に 、は な れ か た き 、な ら ひ な れ と に 、 く は ん か く ゐ ん の 、 さ い し や う の 、り つ し 、 け い か い と 、 三五五 の、 う ち に う こ き 、 こ と は の 、 ほ か に あ ら は れ け る に や 三五六 はわすれて、ゆめにみえたる、 ちこのおもかけ、時のほとも、 うほだいとそ、 いのりけ る 山 王 の し ん た く に 、 我 一 人 の 、 し ゆ と を う し な ふ は 、 三しや やうたいの、御 な み た も 、 よそならす めの後の、 おもかけに、 たつきもしらす、 なけきたまひけん、 によれは、 ふ山のしん」 ちよか、く も と なり、雨となりし、 ゆ い の 御 思 ひ も 、身 に し ら れ 、く ら 山 の 、 花 ほ こ ろ ひ て 、 う ん て い は ん こ ん か う の 、け ふ り に む せ ひ て 、身 を こ か し た ま ひ し 、 ふ て ろのかうを、 たきては、仏せんにむかへは、 かんのりふしん、 な ら ね は 、 せんか てう^ ^ ほ乂、 ふうちんのそこ、 しつきやくしては、あやま たなき思ひに、 たへかねて、 さてもや、もし、 なくさむと、 一 身をはなれす、 りつしも、 まことの、う つ 、一 七 日 か あ ひ た は 、 五 た い を 地 に な け て 、 X つて三十年しやうす、 い つ れ の 日 か 、 にんけん、 ^ いしよく のまな こ 、 ゆ う せ ん と し て は 、 せ ん し ゆ か ん う ん に 、 ねふる らん こ れ ほ と に 、思 ひ た ち ぬ る 事 の 、か な は ぬ は 、い か さ ま 、 し や ま 、 け た う の 、我をさ ま た く る に や、 さらは、 ぶつほさつの、 おう X こをたの」 みて、此く は ん を 、 しやうじゆせんと、 おもひて、 右山に、 まふてつ 七日まんし け る 夜 、 ら い は ん を ま く ら として、すこし、 まとろ みたるゆめに、 にしきの、 とちやうのうちより、 ようがん、 び みえ X ひさきて、 ち り ま か へ る 、 花 の 木 か け に 、 や す ら ひ た れ は 、あ を は か ち に 、 れ い な る ち こ の 、い は ん か た な く 、ら う た け た る か 、 た ち 出 て 、 ぬ ひ も の し た る 、す い か ん の 、袅 ん さ ん に 、 花 ふ た ゆ き の こ と く に 、 ふ り か ^り t た り け る を 、 袖 に つ ^み I なから、 い つ ち へ行とも、 お ほ え ぬ に 、 く れ ゆ く い ろ に き え て 、 みえす な-り ぬ と 」 見 て 、 ゆ め は さ め ぬ つゆの身もあらし、 いまはと、 おもひわひけるか、 石山の、 く いふうに、 むかふ所をも、 さまたけんすれ、 くれまつほとの、 はんおんをこそ、 かこち申さめと思ひて、又いしやまへこそま ふてけれ 三 井 寺 の ま へ を 」、す き け る に 、 ふ る と も し ら ぬ は一るI さ め の 、 か ほに、 ほろ ^ ^ と、 か Xり け れ は 、 し は ら く た ち よ り 、 はれま の、 御 房 の 庭 に 、 老 木 の は な の 、 い ろ こ と な る こ す 袅 、 か き に を ま た ん と 思 ひ て 、 こ ん た う の か た へ 行 ほ と に、 し や う こ ゐ ん めも、 あ け ぬ ま に 、 たちか へ り ぬ 、 よ ると、 まちいたれは、 なを山ふかく、 すまはやと、 おもひし心 X これすなはち、 諸 く は ん じ や う し ゆ の 、 む さ う な り と 、 うれし -% . そょ り 、来 る へ き も の を 、 ま っゃぅに、 ぃまゃ、 たぅしんぉこ くおほえて、またしの み お ほ し め し た う し ん を 、さ ま た け さ せ 、 た ま ふ に や 、 た いの と ひ 、さ や う の し ゆ り よ な り と も 、命 い き て こ そ 、ほ つ と う の た く の つ る き を 、 さかさ ま に の む に 、 ことならすと、 かなしひた れら ま ひ し か は 、 わ ..か り さ ん を 、 い か さ ま 、 さ ん わ ふ の 、 を し 一心に、 ま こ と を い た し て 、 た う し ん け ん こ 、 そ く せ う 無 し や •0 あまりて、 く も お し け り 、 は る か に 、 人 家 を み れ は 、花 あ れ は 、 みえし かと X 、 わ き か ね て 、い つ れ に ま よ う 、 そ のよは、 こんたうの兔んに、 ひれふして、 よもすから、 なか これやゆめ、あ り し や う つ めわひぬ こころなるらん 夜 あ く れ は 、 又 、 き の ふ の と こ ろ に 行 て 、御 ば う の か た は ら に 、 に、 た ち よ り た れ は 、 よ は い 、 二 八 は か り な る ち こ の 、 す い ぎ すなはち入、 といふ、 しの心、 ひきいれられて、門のかたはら よかんに、うすくれなゐの、あこめかさねて、 こしのまはり、 た \す み た る に 、 わ ら は の 、 い と き よ け な る か 、 ぬ き す の し た ち こ の 、 わ ら は な る ら ん と 、 思 ひ て 、 た ち よ り つ \ 」、ち と 物 申 の、 み つ す て ん と て 、 も ん の ほ か ま て 出 た り 、 是 や 、 き の ふ の 外 ほけやかに、けまはしふかく、 たをやかなる力、 人ありとも .し ら さ る に や 、 み す の う ち よ り 、 に は に た ち 出 て 、 ゆ き を も け にさきたる、下えたのはなを、手おりて」 ふるあめ. に 、 ぬ る と も お ら ん 、 や ま さ く ら 、く も の 力 へ し の 、 けに、すいきよしやの、すいかんめされて、御 と し の ほ と 十 ナシ る、 け し きも な し、 り つ し 、 う わ し く思ひて、 きのふ、 此ゐん 候 は ん と 、 いへは、 な に 事 に て 候 や ら ん と て 、 こ と の ほ か な と 、 う ち な か め て 、 花 の し つ く に 、 立 ぬ れ た る て い 、 これも、 かせ も こ そふけ 花 か と 、 あ や ま た れ て 、 さ そ ふ か せ も や あ ら ん と 、 し つ こ \ろ 六 七はかりに、 みえさせたまふ、 おさ あ ひ 人 の 御 事 や 、 し り ま ちに、すこしも、 たかはぬは、 いまのうつ X に、 み し 夜 の X 大臣とのにて、御わたり候、御心わ 一寺の ら う そ う 、 し や く な ら て は 、 お ん い て も 候 は す 、た \ い つ と な く 、 ふ か き ま と に 、 ゆるすかたなく、御座候ほとに、くはんけん、すかの、 むしろ あ ら そ ふ 、 ふ せ い に て 候 を 、 此 御 所 の 、 御 あ り さ ま 、あ ま り に 、 く な り、秋の月の」くまなきには、 みなわかいへの、 ひかりを はい、春 に を く れ た る 、 一木の花をみては、 よそにちる心もな. と の 、 を ん こ 乂 ろ あ て に て候 へ I はI 、 くかたなく、 いつはりの、あるよとたにも、 おほしめされぬほ 申候、御さとは、花 そ の た に 、 め し つ か は る 乂も の に て 候 へ 、 御 な を は 、 梅 わ か き み と い ら さ せ 給 ふ と 、 と へ は 、— 1 う ち 袅 み て 、 わ れ こ そ 、 其 御 か な け れ は 、 お ほ ふ は か り の 、 袖 も か な と 、 雲 に も 、か す み に も 、 かと か す へ き 、 こ \ち な と し け る に 、 心 な き 風 の 門 の と ひ ら を 、 き り ^^--と 、 ふ き な ら し た る に 、 あ く る 人 あ る や と 、あ や し み て 、 見 や り て 、 は な を 手 に も ち な か ら 、か 乂 り の も と を 、 め く り て 、 は る か に 、 あ ゆ み け る に 、 み る ふ さ の こ と く に て 、ゆ ら '''^と 、 め た る を 、 ほ れ - ^ と 、 見 か へ り た る 一 目 つ き 、 かほの >1 かかりたるかみのすち、 やなきのいとに、うちまとはれて、 ひ き と X にほひはかりなき様、行衛なく、 われをまよはしつるゆめの、 た ゆめは、うちわすれて、 日くれけれとも、行へきかたをも、 お ほえす 三五七 て 七字ナシ む か ひ て は 、 し を っ く り 、 う た を よ み .な を さ り た う に 、 日 を く ら し 、 夜 を あ か さ せ た ま ひ 候 そ や と そ 、 かたりける を、 しらせは や と 、 お も へ共、あまりに、 ひ た Xけ た ら ん も 、 き く に 付 て も 、 い と >1 心 も 、 う か れ ぬ れ は 、 や か て 、 このわ ら は を 、 たよ り に て 、 つほの石ふみってにても、 こころのおく さ す か な れは、 石 山 へ ま い り っ 又 わ か 山 へ そ 、 か へ り け る せ て 、 な 」 け き く ら し 、 お も ひ あ か し け る か 、し や う こ ゐ ん の 、 り っ し は 、ゆ め か 、う っ X か の 、 お も か け に 、 を き も せ す 、 ね も 御 は う の へ ん に 、 む か し 、 し り た り し 人 の あ る を 、 たっねいた しゆえんに、 けうしたるていに て、 一夜ニ夜を、 あ か す して、 あ る と き は 、 し い か の く わ い に 、 こと よ せ 、 又、 あると き は 、 事 、 た ひ -'^に、 な り に け り を た \ へて、 あ そ ひ け る っ い て に 、 と か ね の う ち は た の 、 た ち 其 の ち 、 さ き の わ ら は を 、 か た ら ひ よ せ て 、 ち や を の み 、 さけ え力 は な に 、 た き も の を い れ て 、 ね り ぬ き 、 か ら あ や 、ふ せ ん れ う 、 色 ^ ^ の小袖、 十 か さ ね 、 を く り た り 、 わ ら は も 、 はや心さし の、 ふ か き い ろ を み て 、 よ ろ つ、 心 を へ た て ぬ さ ま な り け り 、 さ て 、 む め わ か き み に 、 お も ひ ま よ へ る 、 心 の や み 、 いつはる 〈し と も 、 お ほ え ぬ よ し を 」 か た り け れ は 、 ま っ 、 御 ふ み を あ 三五八 これ御らん しらせはや、 ほのみし花の、 おもかけに、 たちそふくもの、 く る と も 、あ り か た け れ は 、 うたはかりにて まよふこころを とかきて、 おくりけ る わ ら は ふ み を ふ と こj ろj よ り と り V た し て わ た り 候 け る を 、 あ る 人 、 ほ の か に 、 見 玄 い ら せ て 、人 し れ す 、 候 へ 、 いつそや、 雨 の た へ ま の 、花 の か け に 、 た ちぬれて、御 思 ひ そ め た る 、袖 の い ろ も 、 はやくれなゐに、 ふかくなりて、 は、 梅 わ か き み 、 か ほ う ち あ か め て 、 文 の ひ ほ を 、 と か ん と し な く は か り に 、 つ 乂 み か ね て 候 や う に 」 み え 候 そ や と 、 かたれ い ふ 人 の 、 み す を 、 か -^け て 、 う ち へ い る に 、 見 せ し と て 、 袖 たまひける処に、 しゆつせなる、 なにかしの、 そうつとやらん の内に、 を し か く せ は 、 童 、 ひ ん き あ し と 、 ひ ま を ま ち て 、 日 くる乂まて、 しこうしたるに、 しよゐんのまとより、御返事か ナシ ち て 、 行 た る に 、 り つ し 、 め も あ や に 、よ ろ こ ひ て 、 ま こ と に 、 き て 、 た ひ た り 、 わ ら は 、 手 も か ろ く 、 う れ し く て 、 いそきも 身 も あ ら れ ぬ さ ま の 、 ていなり 三字ナ シ ひ ら き て み れ は 、 こ れ も 、 こ と は Xな く て ま よ ひは」 た の ま す よ 、 人 の こ X ろ の 、 は な の い ろ に 、あ た な る く も の 、 る か-/1 た ち か へ る へ き 心 も せ す 、 あ ひ 見 ぬ さ き の わ か れ た に も 、 せん り つ し 、 此 へ ん じ を 見 て 、 心 い と X、 う か れ し か は 、 さ ら に 、 そ は し て 、 た ま は り 候 へ 、 や か て 、 申 て 、 見 候 は ん と そ 、申 お も ふ こ ^!ろ を 、 つ く す ほ と の 、 こ と の 葉 は 、 い か に く ろ み す ける よ そ な か ら 、 そ な た の 、 木 す ^ を も 、 み つ ^!、 くらさは か た な く 、 お ほ へ し か は 、 し は し 、あ た り の や と に 、な を も と X ま り 、 や と は 、 お も へ と も 、 あ ま り に そ れ も 、 ひ た -け 1 た れ は 、 又こ るも の か な と 、 わらはに、 い と ま こ ひ つ り つ し 、 そ 、 参 り 候 は め 、 う れ し く も 、 か よ ふ 心 の 、 し る へ と 、 ならせ たまひぬ や ま へ か へ り け る か 、 一あしあゆみては、 み か へ り 、 ニあしあ 日く ゆ み て は 、 た ち と Xま り し け る ほ と に 、 春 の 日 、 なかしといへ とも、 程ちかき、 さかもとのさとばうまて、 ゆきつかて、 に 四字ナシ 二字ナシ 、. ふれけるてざへ、 扱、阿事にかと、 とへは、 わらは、 ふところより、色ことに、 こかれたる、もみちかさねの、 う す や う よ ふ と も、 き 乂 し は か り を 、 し る へ に て 、 た つ ね て ま い れ と 、 くゆるはかりなる文を、 とりいたして、 いかなる山に、 みち ま お ほ せ さ ふ ら ひ つ る 、 け し か ら す の 、 御 こ ^!ろ ま よ ひ そ や 、 ま して一夜の後の、御 袖 の う へ 、 さこそは、 つゆのたはふれと、 い つ は り の 、 あ る よ と し ら て 、ち き り け ん 」、わ か こ こ ろ さ へ 、 てと、 た は ふ れ 、 か よはして、 ふみをみれは う ち わ ら へ は 、 りつし も 、 せめて、 わ か れ を な け く 、身となら うらめしのみや と て 、 にはまて、 出 た れ 共 、 ち ひ き の な は を 、 こしにつけたる らi 三五九 日 、 さ ん ろ う す る よ し を い ひ て 」、よ る に な れ は 、 ゐ ん け の か た り つ し は、 し よ く は ん の 事 あ り て 、 し ん ら 大 み や う し ん に 、 七 日を乂 く り け る たして、くはんけんをし、 ほうへんの、 うたあはせなとして、 四 の 、 い と な み な と あ り て 、 つねには、 ち こ と も を 、 あまたい に、を き け れ は 、そ の は う す も 、ね ん こ ろ な る さ ま に 、.て う 三 ほ 里1、 し は し の ほ と の 、 や と か り て 、 あ る は う の 、 かくもんしよ ていろい6 . X ろ ひ か れ て 、 り っ し 、 又、 三 井 寺 に 、 ゆきぬ 候へ か し と 、 わらは、 しきりに、 いさなへは、 思ふかたに、 こ しはらく、御座候て、御すた れ の 、 ひまをも、御心にかけられ 御 所 の か た は ら に 、 し り た る 、し ゆ と の は う の 候 へ は 、 そ れ に 、 ま り ^^る れ に け れ は 、 と つ の へ ん に あ り け る 」、は に ふ の こ . やにそ、 と \ ©- 夜 も す か ら 、 おもひあかして、 あしたになれは、 山へのほらん り、 四字ナシ かことく、 われならぬ心に、引ととめら れ け れ は 、 と つ 又ひきかへして、大津のかたへそ、あくかれ行 雨 、 し め や か に 、 ふ り け れ は 、 み の か さ 、 う ち き て 、 たひひと の、 す か た に 、 身 を や つ し つ ^ ' 、 行 と こ ろ に 、 か ら か さ 、 さし んと 、 み や り た り け れ は 、 梅 わ か き み の 、 な か た ち せ し 童 に て かけたる、 む ま の り の 、 み ち に て 、 ゆ き あ ひ た り 、 たれなるら そ 、 ありける り つ し を み て 、 あ な ふ し き や 、 申 へ き 事 あ り て 、 しらぬ山まて も 、 た つ ね 参 ら ん と 、 し つ る に 、 う れ し く 、参 り あ ひ た る も の 」 へ そ、 たちよりける か な と て 、 む ま よ り と ひ お り て 、 り つ し か 、 手 を と り て 、 かた は ら な る 、 つじた う tt ^- は ら に 、 立 ま き れ て 、 つき山の、 ま つ の こ か け 、 せ ん さ い の 、 と も 、 く さ の そ こ に 、 か く れ て ゐ た る に 、 ち こ も 、 は や 、 こ ^一 ろえ た る、 け し き に て 、 人 め も か な と 、 な か め た る や う な れ くるしけ か なはて、 出かねたる、 こころつくし、見るも^ れは、 よ し や た よ そ な か ら 、見るはかりを、 わか身にある、 ちきりにて、人のなさけをこそ、 いのちにせめと、 おもへは、 はや あ し あ ゆ く 、 行 て は か へ り 、 か ヘ リ -は ゆ き 、 よ な ^ ^ 、 日 か す、 十日あまりニもなりにナり い つ ま て も と 、 人 は い へ と も 、 な か ゐ せ ん 事 も 、さ す か な れ は 、 明 日 は 、 わかやまへかへりなんと、 おもひける処に、 わらは、 来り' て、 こ よ ひ こ そ 、 あ の 御 所 へ 、 き や う 」よ り 、き や く 人 、 御 いり 候 て 、 御 し ゆ え ん に て 、 候 つ る に 、 も ん し ゆ も 、 いたく、 こ れ へ 、 し の ひ や か に 、 御 い り 候 へ し と 、お ほ せ ら れ 候 つ る そ 、 御 袅 ひ 候 へ は 、 ふ け す く る ま て 、か へ ら れ て 、し こ う せ ら れ よ 、 かと 三字ナシ 門 さ \ て、 か な ら す 、 御 ま ち 候 へ し と 、 い そ か し け に 、 いひす て - 1、 かへりけり り つ し 、 こ れ を聞て、 心 う か れ 、 た し ゐ み た れ て 、 いっくにあ ( ま欠力) る 、 我 身 と も お ほ え す 、 ふ け ゆ く か ね の 、 つく- ' と 、 月 の 、 ょ り 、 はるか にしに、 め く るまて、 ま ち か ね た る 所 に 、 か ら か き の と を 、 人 のあく る お と す る に 、 し よ ゐ ん の 、 す き 1ゃ ぅ に見いたしたるに、 れい の わ ら は 、 さ きにたちて、 きよなふの 1'. 三六〇 ち や う ち ん に 、 ほ た る を い れ て 、 と も L たり、 そ の ひ か り 、 か す か 」な る に 、こ の ち こ 、 き ん し や の 、 す い か ん 、 な よ や か に 、 う ち し ほ れ た る て い に て 、 み る 人 も や と 、 か Xり の も と に 、 や す ら ひ た れ は 、 み た れ て か 乂 る 、 あ を や き の 、 い と X いふはか や う ちんを、 さ そ う ののきに、 かけて、 しよゐんの り な き さ ま に 、み え た る に 、 り つ し 、い つ し か 、 こ,, ろ ,、た よ ^ しくし て 、あ る 身 と も 、 おほへす わらは、 ち と を 、 ほ と -'^と 、 た Xき て 、 こ れ に 、 御 わ た り 候 や ら ん と 、 た わ ら に み を そ は む る 、けしきにて、 あ る よ しをそ、 しらせ あ ん な い す れ は 、 りつし、 いふへきかたをもしらて、 ちと、 か わ ら は 、 又 、 に は に た ち か へ り 、 は や 、御 い り 候 へ と 、 申 せ は 、 ける ちこは、 さき た つ て 、 つまとをならす、 そ の 袖 の う つ り か も 、 身 に 」ふ る \ は か り 、よ り そ ひ て 、 う ち か た ふ き た れ は 、 せ ん け んたる、 秋 の せ み の 、 は つ も と ^ ひ、 ^ ん て ん た る 、 かいのま (ひ5 マ、 ゆすみのにほひ、花にもねたまれ、月にもそねまれぬへき、 も 乂 の か ほ は せ 、 ち 乂 の こ ひ 、袅 に か く と も 、 筆 も を よ ひ か た く 、 かたるに、 ことはなかるへし な み た と と も に 、 ま く ら を か は し ま の 、水 の な か れ も 、 た へ す 、 三字ナ シ な を ち き る へ き 、 むつ こ と も 、 またつきなくも、 ねやさむくし ふ 一し に 、 あ け ぬ と つ く る、 て、 ら ん ふ う の ゆ め 、 さ め や 十 く 、 れ ん り の 花 、わ か れ て 、と \ め か た け れ は 、 し の Xを さ X の、 と り の ね も 、 う ら め し く 、を の か き ぬ ^ - 、 ひ や \ か に な り て 、 いめんもせす、 ふし し つ み て そ 、 日ををくりける かかたの、 つらさにならては、其 ま 乂 に 、 やかて、 とをさかる すくなきに、 おとろかす、 たよりもなくて、 ほとへぬれは、 た よ び よ せ て 、 さ て も 、 あ り し 夜 の ゆ め の 、 た 1ち も ぅ つ \ まちたまひけるか、あまりに、 日かすふりけれは、 わらはを、 た ま ひ ぬ 、 い ま も や 、 お と つ れ あ る と 、し は し は 、 心 に こ め て 、 事 に 、 お も ひ く つ を れ て 、 御 け し き 、 つねよりも、 ぅ ち し ほ れ 申 け れ は 、 わ か き み も 、 ま こ と に 、 お ほ つ か 」な く 、心 く る し き 四字ナシ わ ら は 、 比 よ し を 、 つ た へ き \ て、 梅 若 き み に 、 か く と か た り は ら ^^*と 、 かか たちわかれなとするに、あけかたの月の、 まとのにしより、く ま な く 」 も 、さ し 入 た れ は 、 ね み た れ か み の 、 かけ り た る 、 は つ れ よ り 、 ま ゆ の に ほ ひ 、 ほ け や か に 、ほ の か な る 、 か ほ の お も へ る 色 ふ か く 、 見 ゆ る さ ま 、 わ か れ て の ち の 、 おも か け に 、 又 あ ふ ま て を 、 ま つ ほ と の 、 い の ち あ る へ し 共 、 おほ り つ し は 、 ち こ を を く り て 、 あ か つ き 、い て た り つ る ま ^'に て 、 えす もせ へき、 か せ の こ乂 .と や ら ん 、 聞 え し か は 、 露 の い の ち も 、 い い ま た 、 う ち へ も 入 •え す 、 も ん の か ら い し き の う へ に 、 た ち か乂なりぬらん、 もし、 はかなくなりなは、 なからんあとを、 力さ りつるおも 、 又なく、人に思 ひ つ き ぬ る は 、 わ す る \わ さ も 、 な き な ら ひ な れ は 、 け に 、 く こ すかに、 またいとけなき、 あ た し こ こ ろ に くしらのよるぅらなりとも、 たつねて行と、 かこち給へは、 さ 八字ナシ いまの程にも、 われを、 しるへして、 いかなるとらふすのへ、 こ と か ほ に て 、 わ れ に 、 こ こ ろ を つ け し も 、た か せ し わ さ そ や 、 行 衛 も し ら ぬ 、あ たひとの、 た Xいひすてし、 ことのはを、 ま ん し ゆ の 御 こ X ろ も 、さ こ そ と 、 お も 」は れ て 、そ れ も か な は す 、 ねゆかはやと、 おもへとも、申をく事なくて、 まかりなは、も と ひ て も 、 そ の か ひ な し 、 い か な ら ん 、 山 の お く な り 共 、 たつ マ、 か ね て ゐ た る 所 に 、わ ら は き た り て 、御 ふ み © て、さ し 出 し た り の、 な み た に わ け し 、 あけてみれは、 さしもおほからす 返歌 わ か 袖 に 、 や と し や は て ん 、 きぬ < ありあけの月 り つ し 、し よ ゐ ん に 、か へ り て 」 .. にも思ひもわ ともにみし、月を名残りの、袖のつゆ、 はらはていく夜、 な けきあかさん とた か け を 、身 に ふ れ 、そ へ つ る 袖 の 、 う つ り 香 を 、わ か も の か ら 、か り つ し は 、 ゆ め う つ ^'力 た み に て 、 山 へ か へ り た れ と も 、 こ Xろしほ れ 、 たましゐうか れ て 、よ ろ つ の ひ と の 、物 い ふ 事 も 、へ ん じ も せ す 、 な く と し も 、 はしく、 承 て 候 へ は 、 御 と とはりやと、 わらは、 おもひしりて、 その人のあり所をは、 五字ナシ お ほ え ぬ な み た 、 人 め に あ ま り て 、 お さ う へ き そ て も 、 くちは 三六一 も申 候 は ん 、 御 所 の ぎ よ 0 、あ し く てぬへけれは、 ちといたはる事ありと、 ひろうして、人に、 た 1: と 、 た ^一 二人 、 ゆ く へきかたをもしらす、 たち出にけり 候 は X、 後 に 何 と も 、 申 さ せ た ま ひ 候 へ と て 、 ち こ と 、 わ ら は か う し や 、 し つ ば の 、 中 な ら て は 、 か り に も 、 いまた、 ていと き み は も と 」 よりも、 三 た い き う き よ く の い 系 に 、 むまれて、 り、 を 、 あ ゆ み た ま ふ 事 な け れ は 、 こi に や す み 、 か し こ に 、 た ち と Xま り 、 さ ら に 、 あ ゆ み か ね さ せ た ま ひ け も. 、 わ れ ら を 、 と り て 、ひ 袅 の や ま へ 、 のほせよかしと、 わ ら は 、 あ ま り の 、 い た は し さ に 、 あ は れ 、 て ん く 、 はけもの なりと い ひ て 、 か ら さ き の 、 松 の 木 か げ に て 、や す み ゐ た る と こ ろ に 、 と し の い と た け た る 、 山 ぶ し の 、 四 は う こ し に 、 のりたりける か、 こ し を 、 ま へ に 、 か き す ^ さ せ て 、 こ れ は 、 い つ く よ り 、 いつちへ、 御 わ た り 候 や ら ん と 、 いひけれは、童 切 あ り の ま X に、 こ た へ け る や ま ふ し 、 こ し よ り お り て 、 わ れ こ そ 、 御 た つ ね 候 房 の 」、と な はう^ ^ たる、 こ かきのせて、 りきしや十 こし りへ、 まかりのほるものにて候へ、あまりに、御いたはしく、 こ と わ ら はを、 と り の とふか こ と く に 、 ゆきけるか、 に、 め し 候 へ と て 、 ち 見 ま い ら せ 候 へ は 、 われは、 かちにて、 あ ゆみ候はん、 此 二人、 す ぃ の ぅ へ 、 ま ん ^ - た る 、 雲 か す み の か を ゎ け て 、 へんしの へたる、 石 の ろ う の 中 に 、 をしこ あ ひ た に 、 犬 み ね の 、 し や か の た け と 、 い ふ 所 へ そ 、 かきもて ゆきにけり こ乂に、 は ん し や く を 、 た '.. の二字ナシ 三六ニ め て 、 を き た れ は 、 月 日 の ひ か り も み え す 、 夜 ひ る の 、 さかひ 乂、 な く こ 系 の み そ 、 き こ え に け る も な し 、 た う そ く 、 な ん に よ .そ の か す あ り と 、 お ほ え て 、 た く まもな く 、 そ の 夜 よ り 、 わ か き み 、 う せ さ せ た ま ひ た る 事 、た X」事 な ら す と 、 も ん し ゆ 、 お ほ き に 、 御 な け き 有 て 、い た ら ぬ 御 た つ ね あ り け れ と も 、 其 ゆ く え 、い つ ち へ 共 、 し り た る ひ と 、 さらに、 なかりける処に、 ひんかしさかもとより、大津へとを る、 た ひ 人 の あ り け る か 、 行 あ ひ て 、 さ や う の 、 お さ あ ひ 人 、 かたりける か と へ と り て け る と て、 三字ナ シ 、 し の ひ て 、 い ひ か よ は す 、 りつ 力 ら さ き の 力 た へこそ、 御 わ た り 候 し か と そ 、 わ ら は 一 人 、め し く し て 、き の ふ の 夜 の 、 い ぬ の こ く は か り に 、 さ て は 、 此 あ ひ た 、 れん < し の ありと、 き こ え し か 、 いかさま、 のめならす、 山 も ん へ 、 よせんする事は、 かなふへからす、 ち ゐ ん け の う ち は 、 申 に お よ は す 、 一寺のしゆと、 う つ た つ 、 な X の お と Xも 、 し り た ま は ぬ 事 は 、」よ も あ ら し 、 ま つ 、 は な そ の さ う の て い へ 、 をしよせて、 うらみ申せとて、御もんと の大しゆ、 五百 よ 人 は 、 はくちうに、 さふのてい、 三てうきや 0 う こ く へ、 を し よ せ て 、 一 •も の こ さ す 、 や き は ら ■ ふ おん じ や う じ の し ゆ と 、 これにて、 なを、 いきとをりをさんせ す 、 一山一同、 せ ん き し け る は 、 じ も ん の ち し よ く 、 こ れ に す く へ か ら す 、 し よ せ ん 、 此 つ い て を も つ て 、 た う じ に 、 しやう く わ く を か ま へ 、 三 ま や か い た ん を た て は 、さ ん も ん の 大 し ゆ 、 さ た め て 、 を し よ せ ん す ら ん 、こ れ す な は ち 、 地 の 和 に つ き て 、 か た き を ほ ろ ほ す 、 は か り 事 、 又 は 、 し や し う を 、し り そ け て 、 し は ら く も 、」と Mこ ほ る へ か ら す 、 一 み と う し ん の し ゆ かい ほ う を 、 ひ ろ む る 、 み ち た る へ し 、 天 爰 に 、 ときをあたへ たり、 と 、三 千 よ に ん 、に よ い こ え を 、 所 ^ ^ 、 ほ り き り 、 ふ も と に 、 さ か も き を ひ き 、 し し か き し け く 、 ゆ ひ ま は し て 、 三まやかい さ ん 門 に は 、 こ れ を 聞 て 、 な し か は 、 ほ う き せ さ る へ き 、 かい たんを そ 、 たてられける た ん の こ と に 、 お ん し や う し へ 、 は つ か ふ す る 事 、 いぜんすて に、 六 ヶ 度 な り 、 く け に そ ふ し 、 ぶ け に ふ れ う つ た う る ま て も あ る へ か ら す 、 時 を う つ さ す 、を し よ せ て 、 や き は ら へ と て 、 まつじ、 まつしや、 三千 七 百 三 か 所 へ 、 ふれをくる、 まつ、 き こ く の せ い 、は せ あ つ ま り て 、 其 せ い 、つ か う 、 廿 万 七 千 余 人 七字ナシ に、 と X め ん と 思 ひ 、 す く り た る 、 と う し ゆ く 、 わ か た う 、 五 百 よ 人 、 し ん す い の み て 、 ま た し の ^!め も 、 あ け ぬ ま に 、 によ いが谷よりそ、 よせたりける さ る ほ と に 、 あ く れ は 、 十 四 日 の 、 た っ の 刻 に 、 大 手 、」から め マ' て、 城 中 、 そ う し て 廿 万 七 千 よ 人 、 と う じ に 、 時 を あ け て 、 を 六字ナシ っ めきさけふ、 たい山も、 / 」れ か た め に 、 く は れ 、 こ す い も 、 か た ふ き て 、 た ち ま ち に 、 こ ん り ん さ い ま て 、 を つ る か と 、 うた ....... 五字ナシ ぜんし かはる、 し す る を も 、 返 り み っ 、 せめいりにける ゐん よせてには、 とうたうに、 しゆせん前司くはっさうゐん、 すき も と山 も と さいれん房、 さいたうには、 しやうきせうしつ しやうさいせうこんりん院、 させんせうきやうめうくはん院、 すき ぜ ん み や う は う 、 な ん か ん さ い み や う き た み っ 、 いきやうちう ん しやうりんはう、 よかはには、 せ ん ほ う せ ん ち う に や ゐ ん 、 これをふせく、 大 し ゆ 、 表んまん 院 の お に す る か 、 たう^ の ナシ とそしるしける ま ん ^^ 三たうほうきしてきをあはす 十 月 十 四 日 、 な か の さ る の 日 に 、あ た れ り 、こ れ に す き た る よ き お し よす る 、 あるひは、 て ん く •そ つ 、 千 人 き り の あ ら さ ぬ き 、 か な ま た の 悪 太 夫 、 八 わけて、 また、 う の こくに、 日 、」あ る へ か ら す と て 、 ゐ ん た う ^^^の せ い を 、 七 て に は う や ふ り の む さ し は う 、三 町 つ ふ て の き や う 一 房 、さ け き あ ひ た \ かふ 一 の み の そ ふ ち や う は う 、た か ひ に 、命 を 、を し ま す 、 入 か へ ^ ^ 、 りこ たる、 し か か ら さ き の 、 はまちに、 こま に む ち う つ 、 し ゆ とも あ り 、 あ る ひ は 、へう^ ^ た る 、兔 ん は 、こ す い の 、 あ さ な き に 、 船にさをさす、 たいしゆもあり しかしなから、 わか身より、事 を お こ す 、 わさわひな しやう、 て は 、 あ ん な い し や な り け れ は 、 爰 か し こ の 、 っ ま り ^ ^ に、 よ せ て は 、 お ほ勢 な れ は 、 う た る 乂 を も 、 か へ り み す 、 ふ せ き お も ひ ^ ^ に、 よ せ け る 其 中 に 、 け い か い り つ し は 、 こ の ら ん れ は 、 人 よ り さ き に 、 一かっせんして、 か は ね を 、 せ ん ち や う 三六三 よ せ あ は せ 、 を ひ 立 - ^ 、 あ ひ た \ かふ、 三 と き は か り の 、 か つせんに、 よ せ て 、 三 千 余 人 、 手 を を ひ て 、 は ん し は ん し や う な り け れ は 、 城 の う ち 、 いよ^ - 、 か つ に 乗 て 、 手 さ き を 、 ま はし、 う ち 出 る か く て は 、 此 し や う 、し ん み ら い ざ い を ふ る と も 、お と し つ へ し 共 、 み え さ る あ ひ た 、け い か い 、大 き に い か り て 、 坤 け る は 、 さ ん も ん 」よ り 此 寺 へ 、よ せ て 、 せ め し 事 、 す て に 六 .か と な り 、 度 の た 乂 か ひ 、 これにをとらすと、 いへとも、是 ほ と に 、 せ ゐ ん た に 三六四 二字ナシ ^^*に、 火 を か く る に 、 ま か せ 、 た ち ま ち に 、 ふひて、 よ袅ん、 四 方に、 お ほ ひ け れ は 、 こん堂、 かうたう、 しゆろうたう、きやうさう、 しやうけう三まいのあみたたう、 ふけん堂、きやうくはんによほうたう、 けいだいくはしやうの 御ほんはう、 ちせう大師の御袅いたう、 三もんせきの御ばうに よ り ほかは、 の こ る所 、 い た る ま て 、 そ ふ し て 、 三 千 六 百 余 、 一 時 の け ふ り と 、な 旧Iは て X、 し ん ら 大 明 神 の 、 御 し I やたん 0 — 一 .も 、 な か り け り さるほとに、 わかきみ、 三井寺の、 かやうになりぬるをも、 し り給はす、石のろうのなかに、 をしこめられて、あけくれは、 よも山の物かたりして、 わらひけるか、 われらか、 おもしろき なけきしつみて、 おはしける処に、 てんくとも、あつまりて、 も ん と に、 わ れ こ そ 、 け う か る う た を 、 よ み て さ ふ ら ふ と 、 い へ は 、 の、も ん し ゆ た ち 、か な た こ な た へ 、 に げ さ せ 給 ふ か 、 お か し さ ゎ や、 さらす は 、 これほ と の い く さ は 、 いてきじ、 しやうこゐん な る て ん く 、 か し こ く こ そ 、 此 む め 若 き み を 、と り 」た り け る そ ふ 、 三 井 寺 の 、 か っ せ ん は 、 き た い の 見 事 か な と 申 せ は 、 そは あ る け ん ふ つ も い て き て 、 一 ふ せ い あ り と 、 思 ひ つ る に 、 きの みこしふり、 五山の僧の のこといたし、 しらかはほこのそらいんじ、 さんもんなんとの たう •た て 、 こ れ ら に こ そ は 、 け ふ 六字ナシ と 思 ふ 事 は 、 せ う ま ふ 、 つじa 、 こ い さ か ひ 、 ろ ん の す ま ふ け ん は き て 、 や け ん ほ り の 、 そ こ せ は な る 中 へ 、 か は と 、 とひ しやうきたをしのはらひきり、 け い か い か 、 と う じ ゆ く 、 わ か た う 、 五 百 よ 人 、は し り ち り て 、 思 ひ - ^ に、 お ち て 行 ふ せ き け る つ は も の 、 三 百 余 人 、あ し を も た め す 、 追 た て ら れ 、 く な は 、 四かく八方を、きつてまはりけるに、 によいこえを、 い そ う 」つ な み の ま く り き り 、ら ん も ん 、 ひ し 力 た 、 く も て 力 し さ り て す 乂 む 、 ^§か け き り 、 さ け き り 、 け さ か け 、 く る ま き り 、 そ む き て も て る 、一 か た な 、 たれ入て、 ひ は な をちらしてそ、 きつたりける ち か け 、 ゆ ら り と 、 は ね こ え て 、 かたき、 三 百 余 人 か 中 へ 、 み を 、ふ ん て 、は ね あ か り 、 ぬ り ま は し た る 、 へ い は し ら に 、 手 う おり、 ニ 町 あ ま り に 、 み え た る 、 き り き し の 上 へ た て の さ ん し、 はきて三字ナシ て、 う め た ら ん に 、 な と か 此 城 、 ■せ め や ふ ら さ ら ん と 、 く は う め か ね た る 事 、 い ま た な し 、 い く 程 も な き 、 ほ り 一 •、 死 人 に «? ち こ の 、 そ て を し ほ り て 見 る に 、 し ら た ま ヵ 、何 そ と 、人 の と う せ給へ、 たやすく、 ふるさとへ、 つけ参らせん、 とて、翁 、此 はかりに、 な み た の つ ゆ 、 し た 乂 り た り 、 おきな、 この露を、 そ は な る て ん く 、 何 と よ み た る そ と 、 とへは ねをのみそなく つ さ う の た な こ X ろ に い れ て 、し は ら く 、ゆ る か し ゐ た る つXみ 、 地 を う ご か し 、 い な ひ か り の ひ か り 、 天 に ひ ら め く 、 此 と き に 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石 も 、 や け く た け て 、 こけのみと んの、 松 風 の 、 き ん す る 、 こ れ そ 、 わ か す み し 、 む か し の あ と よ と て、 み れ は 、 かしき、 かせもなし り も 、 く れ な ゐ に へ ん し 、の き は の む め も 、え た か れ て 、袖 な つ 」 I gな l れ は 、 し ん り よ に も た か ひ 、人 く ち に も 、さこ 物 こ と に 、 か は り は て ぬ る 、 よ の あ は れ 、 た X、 わ れ ゆ へ な り し、 わ さ わ ぬ、 とも二字ナシ そ か X る ら め と 、 あ さ ま し く 、 お ほ え て 、見 る に 、め も あ て ら れ も 三六六 る 人 .な く は 、 心 の ま \ に い か な る ふ ち に \ ^ も 、身 - 0/ 申 け れ は 、 わ か き み 、 い ま は た X、 う き 世 に あ ら し と •、 ふか と り と \む く 、 ^ も ひ さ た め 」た ま ふ 、御 こ ^ 一 ろ ありて、 よ し や 、 かきたまふ を し つ め ん と 、 う れ し く 、 お ほ し め し 給 て 、 な く '^^、 ふ み を わ ら は 、 御 ふ み 取 て 、 山 へ た つ ね の ほ り た れ は 、 り つ し 、 童を う ち 見 る よ り も 、 さ ら に 、 も の も い ひ え す 、 さ め -^ 、 と そ 、 き け る 、 わ ら は も 、 な み た を を し の こ ひ て 、 此 あ ひ た 、 ありつ しひらきたるに、あやしきうたあり る 事 と も 、 か た ら ん と す れ は 、 ま つ 御 文 を 、 見 候 ん と て 、を な わ か 身 さ て 、 し つ み は て な は 、ふ か き せ の 、 そ こ ま て て ら せ 、 やまのはの月 り つ し 、 い ろ を う し な ひ て 、 こ れ 御 ら ん 候 へ 、 御 う た の 、 心」 る 物 も と り あ へ す 、 た \ 二 人 、む ち を あ け て は 、 は せ ゆ き け る 、 も と な く 候 へ は 、 なに一こニと も 、 み ち す か ら 、御 物 か た り 候 へ 、 I ま つ い そ き 参 り 候 は ん と て 、 さ か も と よ り 、 さ き に た て >1、 と 大 津 を す き て ゆ く 処 に 、 たひ人、 あ ま た 行あひて、 あないたは しや、 こ の ち こ 、 い か な る う ら み あ り て か 、 身 を な け た ま ふ ら ん、 ち X は し し や う 、 い か に な け き た ま は ん す ら ん と 、 い し ん ら 大 明 神 の 、 御はい ひ て と を る 、 あ や し や と 、 思 ひ て 、 く は し く と ひ け れ は 、 たひ も 、な こ り を を し み て 、 その夜は、 て ん に 、 こ す い の 月 を 、 な か め て 、 な き あ か し つ X、 し や う こ ねと ゐ ん は 、 も し 、 石 山 に や 、 御 座 あ る ら ん と 、た つ ね 行 た れ と も 、 ひ と 、 た ち と Xま り て 、 た X いま、 せ た の は し を 、 わ た り 候 つ うはいの、小袖に、すいかんの下はかり、 めされて候ひしか、 るところに、御とし十六七に、 みえさせ給ひ候つるちこの、 こ こ れ に も 、 御 座 な し と 、 申 せ は 、 童 、 さ 候 は X、 こ よ ひ は 、 さ ん け い の 人 の て い に て 、ほ ん た う に 、 御 座 候 へ 、 そ れ か し は 、 山 へ ま か り の ほ り 候 て 、り っ し の 御 ば う を 、 た つ ね 申 候 は ん と 、 に し に む か ひ て 、 念 仏 、 十 へ ん は か り 」と な へ て 、御 身 を 、 な け 二字ナシ ふ か き 、 い ろ か と み え て 、 い は の か げ に 、 な か れ か Xり た る 、 か ほ に て 、 た け な る か み 、 な か れ .も に 、 み た れ か \ り て 、 い け し き の あ る を 、 ふ ね さ し ょ せ て 、」見 け れ は 、 あ る も む な し き はこすなみに、 ゆられいたり さ せ た ま ひ 候 つ る ほ と に 、 あ ま り の い た は し さ に 、 われらやか め申候つれとも、 みえさせたまひ候はぬほとに、 ちからなく、 るに、 ことはなかるへし も -の ! こ ひ あ り し 、ま な し り も 、 ふ た か り て 、 色 へ ん し ぬ れ は 、 見 る に 、 目 も あ て ら れ す 、 かた か は ら ね と も 、 一たひ袅めは、 のいろ、 こ ほ れ て か 乂 り し 、 み と り の か み , わ り な き か ほ は 、 な る 、 む ね の あ た り も 、 ひ へ は て ぬ 、 み た れ て 残 る 、 まゆすみ れ て い ろ こ き 、 く れ な い の 、 し ほ '^•と し た る に 、 雪 の こ と く なく ^ ^ 、 と り あ け て 、 かほを、 ひさに、 か き の せたれは、 ぬ て、水にいり候て、 その へ ん の 、 ふちのそこまて、 さ か し もと まかりすき候なりと、 かたりて、 なみた を 、 はら^ - とそ、 こ ほしける 旅 人 の 、 か た る を 聞 て 、 と し の ほ と 、 い し や う の や う 、 うたか ふ所も なけれは、り つ し も 、 わ ら は も 、心 あ き れ 、 あ し て も な へて、 や か て 、 ふ し ぬ へ き 、 こ ^一ちす れ と も 、む ま を は や め て 、 すいしやう は し の つ め に 、 行 て み る に 、 い つ も 、 御 身 を は な さ て 、 かけた ま ひ し 、 き ん ら ん の 、 ほ そ を のまほりに、 へきるりのしゆす、 取 そ へ て 、 は し *^^ら に 、 か け ら れ た り 、 こ れ を み て 、 り つ し け る を 、 と う し ゆ く 、 わ か と う 、 あ ま た ょ り て 、と \ め け れ は 、 しがひ す て を か せ た ま ひ け る そ と 、」地 に ふ し 、 か な し ひ け れ 共 、 らつ か な し む 、 わ ら は 、 あ し を 、 ふ と こ ろ に い れ て 、わ れ を は な と 、 り っ し は 、 かほを、 ひ さ に 、 か き のせて、 天 に あ ふ き て 、 なき ょしや、 其 む な し き 、 か ら か な り と も、 一め見てのちにこそ、 に し に か た ふ き て 、 又、 な か そ ら に 、 か へ る 事 な け れ は 、 さけ くは、 えたをしらて、 ニたひ、花さくならひなく、 さんけつ、 も 、 童 も 、」お な し な か れ に 、 み を し つ め ん と て 、 た へ こ か れ に と も か く も な ら め と 、 お も ひ て 、 二 人 は と も に 、 つなきすてた 二人のおもひは、 いふにおょはす、 とぅしゆくなとのものまて る も、 あ た り の こ け に 、 ふ し ま ろ ひ て 、 こ兔 も を し ま す 、 なきか ぶこ袅さへ、 かれっきて、 ちのなみた、袖 行 水 と そ 、 なかれけ ともなし て 、 岩 の は さ ま 、 き し の か け ま て 、 の こ る 所 な く 、 さ が し けれ か く て 、 扨 し も 、 あ る へ き 事 な ら ね は 、 そ の 夜 、 や か て 、 ちか なしむ る 、 小 舟 に の り て 、 ふ か き 、 ふ ち の そ こ を 、の そ き も とむれ共、 か く て 、 は る か に 、 時 う つ り て 、 く こ の せ と 、い ふ と こ ろ ま て 、 . さらになし、 わかとう、 しもほうしともは、 みなはたかになり も と め く たりけれは、 せかれてとまる、 も み ちはの、 くれなゐ 三六七 と う し ゆ く 、 わかとうは、けふりつきて、 か へ れ と も 、 りつし き 山 の 、 とりへ野にて、むなしきけふりと、なし奉りてのち、 と 、 わ ら は と は 、か へ ら す し て 、 む な し き け ふ り に 、 む か ひ て 、 . 三日まて、 なきゐたりけるか、同こけにも、うつもれはや」 と はおもへ共、 いまはのきはに、 よみて、 を く り た ま ひ し 、御う たに、 そこまててらせ、 山のはの月と、 ありしは、 なからんあ と を と ぶ ら へ と の 、ためにてこそあれとおもひけれは、こ と さ う しけるか、後には、 に し 山 、 い は く ら に 、 あん よ り 、 やまへもかへらす、 そのゆいこつを、くびにかけて、 来りた ま ふ 、 いきほひ 三六八 あ り 、 あ や し く 、 誰 な る ら ん と 、め も か れ そ う しやうにや、 し うそふの、 大しやう、 す、 これをみれは、あるひは、 ほうむの、大 みえたるかうそう、四方こしにのりて、 せ ん こ に 、 い に う し 、 あ る ひ は 、 い く は ん た X しき、 そくたい ふ 人 、 たい■ けんの、 たまを力 さり の か く 、 か つ ち う を た い せ る 、」す い ひ や う を 、 め し く し 、 或 は 五字ナシ よ う し よ く 、 せんけんたる、 た る に 、 のりて、 し ち よ す 人 、 ほ う り を は き 、 き ん れ ん の 、 か ナシ ふ り て 、 さ ゆ う に 、 あ ひ し た か へ り 、 あ と に さ か り た る 、 しち X きんりん や う に 、 これは、 い か な る 人 に て 、 御 わ た り 候 そ と 、 と へ は 、 い. また、 し ら せたまひ候はすや、 これこそ、東さか も と に 御 座 し つ を 、 む す ひ て そ 、 つ と め お こ な ひ け る 、 わ ら は 、 かみをお ■ ろし、 かう や さ ん に そ 、 とぢこもりける 此 し や う か く 、 み な 、 こ し く る ま よ り 、 御 お り あ り て 、 まくの 候 、 日 よ し さ ん わ う に て 、 御 わ た り 候 へ と そ 、 こたへける し ゆ と 、 三 十 余 人 、 い ま は 、た ち か へ り て 、 住 寺 す へ き や う も 、 う ち へ 、 いり給へは、 しんら大明神、 たまのかふりを、 た \し 其 の ち 、 お ん じ や う し の 、 三 ま や か い た ん の 、 ちやうきやうの な か り け れ は 、 よ の 中 も 、 あ ち き な く 、 お ほ え て 、 み な 、 りさ かへらせたまひぬ し ん しんら大明神、 たまのはしを、 御あゆみありて、 たち帰らせ給 るに、 みやうしん、 しもんのそとまて、 おくりたてまつりて、 き に て 、 よすてに、 あ け ん とすれは、 さんわふ、 くはんきよな りを、 かたふけて、 まこと に 、御 心 た の し み た ま へ る 、 御けし ■ 給 ふ 、 ひ ん し ゆ 御 座 候 た ま わ .て、 ..け ん し や く の 、 れ い あ ( り脱力) り 、 ふ き よ く の 、 ^ ん あ り 、 し」ん ら 大 み よ う し ん 、た ま の か ふ • • 、• ,て く し 、 いきを、 か い つ く ろ い 、 き ん て ん の う ち よ り 、 汁一. 字 サ .......... さて ん せ ん と 、 思 ひ け る か 、 い ま 一 と 、 じ も ん の や け あ と に 、 たち か へ り 、」な い せ う 、 し ん ^ ^ の、 ほ う せ を も 奉 り 、 ほ っ し ん 、 し ゆ 行 の 、 い と ま を も 、 申 さ は や と 、 お も ひ て 、 み な -'^、 し けける >1 ん ら 大 明 神 の 、 御 ま へ に 、 つ や し て 、 こ れ を か き り の 、 ほうみ . をそ、 さ 夜 ふ く る ほ と に な り て 、 ゆ め う つ ^一の、 さ か ひ も し ら ぬ に 、 ひ んかしのかたの、 こくうより、 むまをはしらかし、くるまを、 ざ と ^ろ 1 力 す こ 系 し て 、 ぉ ひ た 乂 し き 、 さ ぃ に ん 、か ぅ か く の 、 .'y く の 給 為 •に け た う を 、 い た さ ん す る 事 の 、 うれしさ ら さ ら ん や 、 た \、 こ れ み た り に よ つ て 、 け い か い が 、 ほ つ し な こうりうのこと 二字ナシ く はんおんの、 とうな く と 、 まことに、ありかたき、 大じひなるをやと、 さては、 わかきみの、身なけたまひしも、く は ん お ん の 、 し し さ ま に 、 かたりける ゆ れ は 、 っ う や 大 し う 、 三 十 余 人 、 一 と に ゆ め さ め て 、 おな お ほ せ ら れ て 、明 神 、き ん ち や う の う ち へ 、 い ら せ 給 ふ と 、 おほ んへん化のと は ん 」き の 心 を 、な し つ る な り 、 石 や ま の ために、 らいりんあり、 我も 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んして、 と も に 、 仏 道 を し ゆ き や う せ ん と て 、 か の け い か い 、 しん< くはしく の い は れ あ る に 、 に た り と い へ 共 、 こ れ は み な 、 一くのくはん う を 、 御 ま へ に め さ れ て 、 し ゆ と の 、 う ら み 申 所 、 一わ^-、 そ け ん な り 、 そ れ 、 し ん め い 、 ふ つ だ の 、り し や う 、 は う へ ん を 、 め さ うをもつて、 ん い に は 、 あ ら す 、 こ れ を 」ひ し て 、は ち を お こ な ふ も 、じ ひ の 、 た る X日、 か れ を せ し て 、 福 を あ た へ た ま ふ も 、 し ん し つ の ほ おもかりしゆへなり、 た . ^ 、 し ゆ つ き や く の 、ニ つゐに、 む し や う ! ^提 に 、 い ら し め ん か た め な れ は 、 わ か よ ろ にしに行らん むかしみし、 月のひかりを、 しるへにて、 こよひやきみか、 と、 し よ ゐ ん の か へ に 、 か き つ け に け る を 、 み か と 、 かきりな こふ処、 人 い ま た 、 し る へ か ら す 、 ふ つ か く 、 そ う は う の 、 や ぶつ よ う ろ ん し や う け う の 、仏 し つ し た る は 、こ れ を 、し よ し や の 、 » けたるは、ざう糸いするに、 さいせつの、 りやくあるへし、き 三六九 しゆ く 、 袅 い か ん あ り て 、 新 こ き ん の し . つ う の 部 に そ 、入 さ せ と く 、 か な ら す と や 、 あ る 事 な れ は 、 い と ふ と す れ と も 、 おな 給ひける み や こ ち か き 所 に 、 て ら を た て X、 人 を も 、 り や く せ ん と て 、 し さ ま な り 、 さ' うもんの人、 とうさいより、来りあつまりて、 っ三字ナシ ひ か し 山 に う ん こ し と い ふ 、 御 た う を 、 こ ん り う し て 、 ほん そ ん に 、 三 尊 ら い か ふ の き を お こ 」な ふ 、廿 五 の ほ 薩 き か く か や う に と X のへて、 わ ふ じ や う 人 を 、 む か へ た ま ふ あ り さ ま 、 見 う つ き て 、 こ X に、 ら い け い す 、な ん に よ 、 た な こ X ろ を あ は せ 、 る人、 しん^ ^ を お こ さ す と い ふ 事 な し 、 おんこん、 くひすを これをきやうらいす おとさすと、 い ほ と け の た ね は 、 袅 ん よ り 、 お こ る 事 な れ は 、 ま こ と に 、 たん . ( 寛永十九年安田十兵衛版ヲ以テ校合) 、 夜 と 共 に た ち 出 に け る と な り 」 ....... と く と 、 かたれは、 き く ひとみな、 な みたを、 し人間の行未たつときもいやしきも後生を心かけ給は ん事かんようとこそ申伝へけれ。 ふ事なくし ^*
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