平成28年1月20日 報道資料 NHK広報局 司馬遼太郎思索紀行 日本人とは何か ~『この国のかたち』から~ 2016年2月、没後20年を迎え、今も幅広い世代に読み継がれている国民作家・司馬遼太郎。日本、そして日本 人とは何か?終生問い続けた司馬の日本人論の集大成であり、半世紀にわたる思索の結実が『この国のかたち』で ある。今回、司馬が『この国のかたち』を書く際に編集者たちと交わした膨大な手紙や関係者を取材。そこから浮き 彫りになった巨人最後のメッセージを2回にわたって読み解いていく。番組ナビゲーターは、俳優の香川照之さん。 第1集 え い ち “島国”ニッポンの叡智 ~辺境が生んだ進取の精神~ 2月13日(土)午後9:00~9:49 (総合テレビ) 第1集は、“辺境の島国”という立地が、どのように日本文化をかたち作 ったのかに焦点を当てる。司馬は、日本は辺境ゆえに海の向こうから来る 普遍的な文化に憧れ、そのメンタリティが強い好奇心を育み、独自の発 展を導く原動力になったと繰り返し語った。「暗箱に針で突いた小さな穴」 と例えた長崎・出島から外国文化を貪欲に吸収したことが、明治以後の 近代化の支えになった。さらに司馬の思索は古代までさかのぼり、大陸 への玄関口・壱岐の異国崇拝の風習や東大寺に伝わる神仏習合の儀 式など、島国日本のメンタリティの基層に迫っていく。国力の減退が語ら 写真提供: 司馬遼太郎記念財団 れ、日本人が自信喪失に 陥っている今、辺境の島国に秘められた叡智を掘り起こす。 第2集 “名こそ惜しけれ”の血脈 ~武士700年の遺産~ 2月14日(日)午後9:00~9:49 (総合テレビ) 第2集のテーマは、“武士”。司馬が注目したのは、鎌倉時代の武士が育 んだ、私利私欲を恥とする“名こそ惜しけれ”の精神だった。それが武家政権 の拡大とともに全国に浸透、「痛々しいほど清潔に」近代産業の育成に努め た明治国家を生みだし、日本の発展の礎になったという。 番組では、”日本 のかたち”として取り上げられたさまざまな歴史的景観を映像化しながら、「日 本人とは何か」を追い求める司馬の思索の旅をたどっていく。 ※タイトルはすべて仮題 【関連番組】 100分de名著 「司馬遼太郎スペシャル」 3月 毎週水曜 午後10:00~10:25 <全4回> (Eテレ) 司馬遼太郎が追い求めた歴史観を、その著書『国盗り物語』『花神』『この国のかたち』などの作品に現代の視点 から光を当てなおしながら、そこに込められた「日本人論」や「日本文化論」「歴史から学ぶ生きる智恵」など、現代の 私たちにも通じるメッセージを読み解いていく。
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