今週の見通し(4 月 20 日~4 月 24 日)

2015 年 4 月 20 日
髙木証券 投資情報部
今週の見通し(4 月 20 日~4 月 24 日)
○ 先週の動き(4 月 13 日~4 月 17 日) (Bloomberg が 4 月 17 日終値として提供しているデータによる)
指 標
終 値
指 標
終 値
日経平均
19652.88
-254.75 日本 10 年国債(%)
0.308
-0.037
TOPIX
1588.69
-0.85 米国 10 年国債(%)
1.865
-0.082
東証 2 部指数
4788.76
-18.12 独 10 年国債(%)
0.078
-0.077
ジャスダック平均
2543.56
+15.21 NY ダウ
17826.30 -231.35
円/米ドル
118.66
-1.64 ナスダック
4931.81
-64.16
円/ユーロ
128.38
+1.10 独 DAX 指数
11688.70 -686.03
○ 海外市場動向
IMF が 14 日に発表した「世界経済見通し」では、2015 年のグローバル成長率を 3.5%と予想、前回
(1 月)予想を据え置く一方、2016 年の成長率の見通しを前回の 3.7%から 3.8%に上方修正、昨年 10
月以降続いていた下方修正トレンドに終止符が打たれた。IMF は、原油安と通貨安による恩恵を主な要
因として日本とユーロ圏の見通しを上方修正する一方、米国については、原油安による国内需要の押し
上げはあるものの、米ドル高による輸出への悪影響を理由に成長予想を引き下げている。
米国の株式市場では 1~3 月期の決算発表が本格化、先週は S&P500 種構成銘柄のうち 36 社が決算
を発表した。1~3 月期の企業業績については米ドル高の影響でもともと慎重な見方が支配的だったが、
ジョンソン&ジョンソンや GE の第 1 四半期の利益が市場予想を上回り、インテルは市場予想に一致し
たほか、JP モルガンやシティなど金融機関の決算は総じて良好な結果となった。一方、マクロ経済の
視点では、3 月の経済指標の発表の後半戦がスタートしたが多くの指標が市場の予想を下回った。14 日
に発表された小売売上高は前月比 0.9%増となり、4 ヶ月ぶりにプラスに浮上したものの市場予想(1.1%
増)には届かなかったほか、15 日発表の鉱工業生産は前月比 0.6%減少し、市場予想(0.3%減)を上回
る落ち込みとなった。また、16 日に発表された住宅着工件数は 92.6 万戸となり、2 月の 90.8 万戸から
は増加したものの、市場予想の 104 万戸を大きく下回る結果となった。
こうした冴えない経済指標を背景に、米国の債券市場では 10 年国債利回りが週間で 8 ベーシスの低
下となった一方、株式市場は先に述べたように企業収益が事前の予想ほど悪くなかったことを背景に小
確りと推移していたが、週末(17 日)に中国の当局が株高抑制措置を打ち出したことで中国株の ETF
が急落したことを受けて NY ダウは 279 ドル安と急落し、週間では 231 ドルの下落となった。中国株の
動きが世界の金融市場に与える影響は一過性とみられ、今週の米国株式市場では引き続き決算が最大の
材料になるとみられるが、22 日に発表される 3 月の中古住宅販売や 23 日発表の新築住宅販売など、住
宅関連を中心とする経済指標からも目を離せない。経済指標では、29 日に発表される第 1 四半期 GDP
の速報値が最大のハイライトになろうが、いずれにせよ企業収益と経済指標の両方を睨みながらの神経
質な展開が見込まれる。
また、為替市場では続伸して始まった米ドルが週後半には下げに転じた。ユーロは一時 1 ユーロ=
1.052 米ドルまで下落して、3 月 16 日に付けた 2003 年 1 月 10 日以来の安値に迫ったが、15 日に開か
(最終ページの「ご注意頂きたいこと」をお読み下さい)
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れた ECB 理事会後の会見でドラギ総裁がユーロ圏の景気回復に対する自信を示したことをきっかけに
上昇に転じ、1 ユーロ=1.08 米ドル台を回復している。円も米ドルに対して続落して始まり、一時 3 月
20 日以来の安値となる 1 米ドル=120.85 円まで売られた後、対ユーロでの米ドル安が波及する形で 1
米ドル=118.50 円まで円高に振れる場面があった。
昨年 5 月以降の為替市場では、段階的に金融政策の緩和度を強め、3 月から量的緩和を開始した ECB
に対して、昨年 10 月に量的緩和を終了し、利上げが視野に入りつつある FRB という金融政策の方向性
の違いを背景に、米ドルに対するユーロの下落が続いており、長期的にはユーロ安の継続を見込む向き
が多い。しかし、先のドラギ総裁の会見からは ECB が追加の政策手段を実施する可能性は低いため、
米ドル高・ユーロ安が一段と進むためには、米国の利上げに対する思惑の高まりを背景にした米国債券
利回りの上昇が必要だと思われるが、米国の経済指標が低調な間はそうした展開は想定しにくいため、
短期的にはユーロ安に歯止めがかかるとみられるほか、米ドルは円に対しても現状程度の水準でもみ合
う可能性が高いと思われる。
ところで、15 日に発表された週間統計で、米国の 4 月第 2 週の原油生産量が前の週から減少すると
ともに、在庫の増加ペースが鈍化したことを背景に原油価格が上昇、WTI の先物が一時 1 バレル=57
ドル台に乗せて昨年 12 月 23 日以来の高値を付けた。過度の原油高は世界経済にとって逆風になり得る
が、髙木証券では原油価格は米国の生産と在庫の動向を睨みながら一進一退で推移すると考えているほ
か、
先に述べた IMF の世界経済見通しでは、
予想の前提となる今年の原油価格の平均を 1 バレル=58.14
ドルとしているため、原油価格の上昇が現状程度にとどまるのであれば大きな問題にはならないだろう。
○ 国内市場動向
先週の国内株式市場は、独自の材料に乏しい中、前週末の取引時間中に日経平均は一時 2 万円の大台
に乗せたことによる達成感もあって様子見気分が強まり、日経平均は週間で 254 円の下落となった。一
方、TOPIX は 9 日に付けた年初来高値を一時更新し、週間でも極めて小幅な下げにとどまっている。
東京証券取引所が 9 日に発表した 4 月第 2 週の主体別売買動向によると、海外投資家の買い越し額が
5,910 億円に達し、前週の 4,453 億円から一段と拡大した。一方、信託銀行の売り越し額が前週の 1,193
億円を上回る 1,378 億円となっていることは、日経平均 2 万乗せの立役者はやはり外国人であったこと
を示しているが、先週は日経平均が下落する一方で、TOPIX は週間ではほぼ横這い、コア 30 に至って
は安く始まったものの、14 日以降は 4 日続伸、週間でも上昇するなど、主力銘柄の堅調は持続してい
ることを考えると、外国人の買いが継続している可能性が高いほか、前述の IMF による日本の成長見
通しの引き上げも、海外投資家の日本株買いを後押しする要因になり得よう。
<今週のスケジュール>
20(月)
CPI(NZ1~3 月)
(文責:勇崎 聡)
(指標の発表予定はレポート作成時点のもので、実際には変更される場合があります)
21(火)
全国百貨店売上
(3 月)
ZEW 調査(独 4 月)
22(水)
23(木)
24(金)
貿易収支(3 月)
新築住宅販売(米 3 月)
耐久財受注(米 3 月)
中古住宅販売(米 3 月)
マークイット PMI 速報
IFO 景況感(独 4 月)
消費者信頼感(ユーロ圏 4 月)
(ユーロ圏、独、中 4 月)
小売売上高(墨 2 月)
CPI(豪 1~3 月)
小売売上高(英 3 月)
CPI(ベトナム 4 月)
経常収支(伯 3 月)
純移住者(NZ3 月)
CPI(南アフリカ 3 月)
GDP(韓国 1Q)
トルコ金融政策会合
CPI(マレーシア 3 月)
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「ご注意頂きたいこと」
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