『切削、中ぐり加工技術』(PDF:502MB)

世界オンリーワン『切削、中ぐり加工技術』
~一体工法による削り出し真円エルボ~
切削・中ぐり加工
野田金型有限会社
従来、エルボ(屈曲管)は溶接やパイプ曲げによって作られていました。溶接では溶接後に歪みや硬化が発生し切断面
が楕円形上になり、パイプ曲げでは内側と外側で伸縮が起こり、肉厚は内周で厚く外周では薄くなります。このような歪
な形では、余分な乱流や逆流が発生し、流量ロス、圧力低下、キャビテーション(液体の流れの中で圧力差により短時間
に泡の発生と消滅が起きる物理現象)が起こり、製品寿命の劣化につながります。
弊社では、鍛造により金属のブロックを作り、外周加工・内径・外径加工を経て、内部に歪みの無い真円をつくる世界
唯一の加工技術開発により、従来のエルボのもつ問題をクリアしました。
またこれにより、従来工法では達成できない高精度を確保し、安全性・信頼性を高め、かつ寿命を飛躍的に延ばすエル
ボの製造が可能となりました。
①最大 180 度までの真円エルボの切削、中ぐり加工技術
設計図面と同じ形状・精度の難削材エルボを、鍛造により金属のブロックを作り、外周加工・内径・外径加工を経て、内
部に歪みの無い真円をつくることのできる、これまでにない新たな加工技術を開発しました。しかも高価な5軸加工機でな
く市場保有数の多い 3 軸加工機で加工することが出来る方法によるものです。
これにより、エルボに歪みが無く、どの断面でも真円を確保でき、肉厚は均等で、
任意に肉厚を変更することも可能になります。
素
材
外周加工
内径加工
完成品
▲航空機用 64 チタン製
▲削り出しエルボの製作工程
【従来技術の課題】
【弊社新技術の特徴】
●溶接品は歪みと硬化がある
〇均等でムラのない品ができる
●継ぎ目部分に強度劣化が生じる
〇精度が抜群によい
●曲げは歪みと強度が劣化する
〇歪みがなく圧のかかるところを強化できる
②難削材加工に耐えられる工具、固定治具の開発技術
エルボの内径加工時に用いる工具の材質や形状の開発と調整により、高精度製品の製作を可能とするとともに、荒加
工時、仕上げ加工時に用いる固定治具の開発により、仕上がり粗さの向上と寸法精度を確保しました。
削り出しで重要なのは角度であり、三次元の CAD-CAM でシュミレーションしながら、削り出し角度・位置を探し当て、
弊社のみが所有する横中ぐりフライス盤により精密な加工を実現しています。
一体工法による削り出し真円エルボ(Horiguchi Elbow)
原子力・火力発電所等のプラントメーカー、航空機産業
開発済■
開発中□
アイデア段階□
設計図面通りの内径真円を確保する、最大 180 度の削り出し真円エルボです。
金属ブロックからの削り出しだけでなく、パイプ曲げエルボの内径を小さくし、機械加工で
内径を真円に加工するなど、従来の方法と組み合わせての加工も可能です。また外形を削るこ
とで、肉厚均等はもちろん、任意の部分での肉厚変更も可能であり、エロージョン(磨耗的腐
▲広角タイプ
食)などの減肉作用に対応する仕上がりにすることもできます。
【特徴】
①長寿命
外側の肉厚を厚くし、エルボの寿命を飛躍的(2~3 倍)に延ばすことが可能です。
②高強度・高性能
加工過程で材料の伸縮がないため、エルボのどの部分でも強度・性能が保持されます。
①A、B、C のどこ
を切っても断面
は直円
②溶接・変形・歪な
し肉厚均等、自由
設計可能
③D、E、F、G どの
部分でも肉厚均
等・変更可能
▲エロージョン対応
肉厚強化タイプ
「一体工法による削り出し
真円エルボ」の優位性
従来と同強度でありながら、飛躍的な軽量化を可能にするチタン製ゴルフパター
スポーツ用品メーカー
開発済□
開発中■
アイデア段階□
プロゴルファーが評価するパターの重量は 300g 程度ですが、現在は重量 500g 程度の重いパターが一般的です。
高強度でありながら難削材であるチタンに当社の掘削・中ぐり加工を施すことで、強度を保ったまま軽量化を実現する、
プロゴルファーにも評価される使いやすいパターを開発しています。
堀口 展男 / 代表取締役社長
金属加工の世界では、内側に歪みのない真円のエルボ加工は不
可能に近いという前提があり、学術的な専門家からも不可能に近
いと言われてきました。
「なぜ切削・中ぐり加工のエルボがないのか」と 20 年ほど前か
ら不思議でした。高精度品でプラントなどの配管設計にとってこ
れらの安全と信頼を高めるためにも必要になってくるものです。
今回の開発成功は、長年不思議と感じていたことがスタートで、
切削の際にある角度を与えて楕円形状の軌跡によってエルボ内径
の真円が加工できることを発見したことからです。
金型製作で培われた技術を集約し、データや治具にも工夫を凝
らし試作を重ねた結果です。
企業名
:野田金型有限会社
住所(本社):〒592-0001 大阪府高石市高砂 3 丁目 38 番
窓口担当者 :堀口 展男 / 取締役社長
TEL:072-268-1006
E-mail:[email protected]