技術名称:全自動構造物劣化調査システム (1/2) ・GPS による自律飛行可能なマルチコプターをベース機体として、GPS 信号の届かない非 GPS 環境下(橋梁高架下やトンネル)においてもレーザースキャナーによる自己位置推 定 と 周 辺 環 境 地 図 作 成 を 同 時 に 行 う SLAM ( Simultaneous Localization and Mapping)技術により、自律飛行を可能としたマルチコプターを用いる。これにより、障害 物に当たることなく、構造物から一定の距離を保ちながら飛行することが可能であり、 高度な飛行技術を要することなく点検を行うことができる。 技術特徴 ・目視点検は NETIS に登録されている技術を使用し、0.1mm 以上のひび割れを計測す ることが可能である。 ・従来の打音検査の代わりに、接触媒体を必要としない超音波検査(空中伝搬超音 波)を用い、構造物内の空隙を非接触にて探査可能とする。(開発中) ・検出した超音波データを図示し、点検調書作成の支援を可能とする。(開発中) ・目視、空中伝搬超音波共に撮影したカメラ画像の合成や、レーザースキャナーでの地 図作成、基準点からのフライトデータ(時間など)を竣工時の図面と照合させ、異常部 の位置特定を後処理にて導き出す(開発中)。 移動手法 (飛行系等) 飛行系。 ただし、機械による姿勢制御や距離制御などの自律制御を用い、高度な飛行技術を要 することのない操縦が可能。 地上の基地局(制御パソコン)またはオペレーターのプロポから、遠隔操作を行う。 飛行中は基本的に SLAM 技術による自己位置推定を常に行い、姿勢(バランス)の 操作方法 維持、上限高度、周囲障害物との距離保持は、機械が自律制御を行う。その為、基地 (遠隔、自律、半自律) 局やオペレーターによる指示は前進・後進などの簡易操作のみであり、熟練者でなくとも 飛行が可能な、半自律飛行となる。 今後は実験を繰り返し、自律化を目指す。 ・目視点検代替 搭載したカメラにて、構造物表層における異常を取得。点検対象の部位によって、カメ ラの搭載位置を変更する。(機体上部または、機体側部) 尚、機体周辺環境確認用サブカメラでの映像を機体の上部・前部・下部に搭載して おり、それらの映像は制御パソコンへとリアルタイムでの動画配信(FPV システム)が可 能である為、構造物表面の状況をその場で確認でき、点検飛行中に気になる箇所が あれば、重点確認を行うことが可能。 情報取得方法 (複数カメラ、広視野カメ ラ、赤外線検出器、打音 検査機 等) 左写真:FPV システム 技術名称:全自動構造物劣化調査システム (2/2) ・打音点検代替(開発中) 空中から、非接触で超音波を構造物内に伝搬させ、その反射波の違いから空隙を探 査する。 情報取得方法 (複数カメラ、広視野カメ ラ、赤外線検出器、打音 検査機 等) ・位置情報取得(非 GPS 環境下) 下記の情報を統合し、事後処理により位置情報を取得する。 ①構造物の図面 ②目視点検用カメラにて撮影した画像や、飛行時の周辺環境確認用サブカメラ(3 基)にて取得した画像を合成したパノラマ写真。 ③離陸地点を基点としたフライトデータ(SLAM での取得地図や、飛行距離など)。 (開発中) ④空中伝搬超音波検査器における、取得情報の可視画像(開発中)。 ・目視点検代替 点検用カメラにて取得した画像は、正射影変換(真正面から見た画像へと補正処理) を行う。その後、点検調書作成支援ソフトにてそれぞれの画像を分析。ひび割れ幅や 延長などを解析する。解析処理した画像や情報は結合し、パノラマ画像とすることがで きる他、CAD 図面や数量一覧表として出力することが可能である。 取得情報の整理・分析 方法 (リアルタイム動画、オルソ 画像、3D データ 等) 上写真:点検調書作成支援ソフトによる、計測例 ・打音点検代替(開発中) 空中から、非接触で超音波を構造物内に伝搬させ、その反射波の違いから空隙を探 査する。取得した超音波の反射波の違いを図示化し、目視点検用カメラにて撮影し た画像や、図面への落し込みを可能とする予定。
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