Stone-Sheet - LCA日本フォーラム

2015年1月29日
第11回LCAフォーラム日本フォーラム
表彰式及び記念講演
イイノホール&カンファレンスセンター
Stone-Sheet
株式会社アースクリエイト
代表取締役 西宮 祥行
会社概要
商号
所在地
設立
業務内容
資本金
顧問・役員
株式会社アースクリエイト
大阪市中央区本町1丁目5番6号
平成21年8月24日
「Stone-Sheet」の卸売・各種製品卸売販売
5000万円
会長
北野 洋
(㈱大丸松阪屋百貨店 顧問・元常務取締役)
代表取締役
西宮 祥行
顧問
岡田 全康 (元警察庁警視監・中国管区局長)
顧問
淺井 滿來雄(元通産省近畿経済局課長)
顧問
宇山 浩
(大阪大学大学院工学研究科教授)
沿革
平成21年
 CO2 削減に貢献できる、樹脂に炭酸カルシウム50%以上を混合したStoneSheetの普及を目指して会社を設立。台湾メーカーより輸入販売を開始。
平成23年
 環境省へグリーン購入特定調達品目の提案書を提出。ヒアリングを受け、LCAの
提出を求められる。環境省前事務次官 西尾哲茂様と面談。
 東京都中央区に環境用紙Stone-Sheetを納入(入札単語として指定)。
平成24年
 「Stone-Sheet LCA」を環境省に提出し、ヒアリングを受ける。
 大丸松坂屋百貨店へ新保冷包装紙(容器・包装リサイクル法 適用除外)を納入
開始。
 群馬県立群馬産業技術センターとStone-Sheet農業資材の共同開発開始。
平成25年
 一般社団法人生産技術振興協会 大阪大学生産技術研究会に加入。
 大阪大学宇山浩教授を技術開発担当顧問に迎え、「Stone-Sheet」の国内生産
開発研究を開始。
平成27年
 大手百貨店へ手提げ袋納入予定。
 大手アパレルメーカーへファッション袋納入予定。
表彰
 全国私立幼稚園連合会より東北地方太平洋沖地震被災支援として岩手・宮城・
福島県全8,500園児にStone-Sheet製お絵かきノートを寄贈し、感謝状を受領。
環境に優しいプラスチック(樹脂)とは
 リサイクルできる
 地球温暖化防止に貢献する
 生分解する
 有害なものを含まない
 製造エネルギーが低い
・
・
・
資源循環
 バイオマスを原料に使用
石油(化石資源)を使わない
 リサイクル
環境と経済の両立
持続可能な経済社会を構築
バイオマスプラスチック
バイオマスを原料とするプラスチック
CO2
固定化
バイオマス
資源
 二酸化炭素削減、地球温暖化抑制に寄与
 資源循環型社会の構築に貢献
カーボン
ニュートラル
バイオマス
プラスチック
PLASTIC
自然界の物質循環
ポリ乳酸
バイオポリエチレン
 代表的なバイオマスプラスチック
 アメリカで生産(14万トン/年)
 原料:トウモロコシ
 2011年に商業化
 ブラジルで生産(20万トン/年)
 原料:サトウキビ




低い物性、機能
成形技術が限定
高価格
食用バイオマスの利用
低い普及率
(樹脂製品の1%以下)
Stone-Sheetの開発に向けて
バイオマスプラスチック
原料を石油資源からバイオマスに変換
発想の転換
樹脂製品中の樹脂の割合を大きく減らす
=安価な無機物を多量含む樹脂複合材料
Stone-Sheet
多くの樹脂製品(既存品)
様々な無機物、添加剤を含有
 無機物を多く含めると樹脂の特性
(柔軟性等)が大きく低下
 無機物を多く含めると成形が困難に
独自技術の開発に着手
Stone-Sheetの開発意義
① 石油由来の樹脂含量を減らすことにより、焼却時のCO2発生量を削減する
② 樹脂製品に安価な無機物を多く含有させることにより、原材料コストが削減
できる
③ 樹脂製品に無機物を50%以上含有させることにより、容器・包装リサイクル
法の負担金が不要となる
④ 樹脂製品に無機物を50%以上含有させることにより可燃ごみとして取り扱う
ことができ、処分費用が削減される
⑤ アルカリ性無機物を含有させることにより焼却炉内の酸性化を防ぎ、焼却施
設を長寿命化できる
⑥ 東北地方産の無機物を用いて現地で製品を生産することにより、東北地方
の産業振興に役立つ
Stone-Sheetの開発
樹脂/無機物複合材料
汎用樹脂(ポリエチレンなど):低温(200℃以下)で溶融
無機物(炭酸カルシウムなど):一般に低温で溶融しない
①原料選定
低い樹脂と無機物
の相性(相溶性)
マスターバッチ
②混練
③成形
樹脂ペレット
~180℃
白色度、均一性
に優れた試作品
炭酸カルシウム粉末
樹脂
炭酸カルシウム
マスターバッチ
の断面写真
 射出成形
 押出成形
 インフレー
ション成形
・・
・
技術課題
多様な製品群
① 材料選定:高品質(白色、粒度の均一性、小粒度)
② 混錬技術:樹脂と炭酸カルシウムの均一分散、分散性制御
③ 成形技術:無機物高含有マスターバッチへのチューニング
 ボトル
 シート
 フィルム など
原料選定
高品質の炭酸カルシウムの選定
 白色度
 粒度、粒度分布
 表面処理
純国産化
宇山教授自ら坑道内で
の現地調査
成形技術
協力成形メーカーにおける試作
押出成形
厚さ50μm
シート
厚さ30μm
袋状ロール
シートの
断面写真
インフレーション成形
段ボール(コルゲート加工)
射出成形品
Stone-Sheet商標登録
Stone-Sheet
50%以上の無機物を含むプラスチック複合材料
Stone-Sheet商品例
ポスター(自治体等)
東北地方幼稚園児寄贈画用紙
震災復興に貢献
Stone-Sheet商品例
手提げ袋
冷蔵包装紙(百貨店向け)
優れた耐水性
Stone-Sheet商品例
ポスター、説明書例
LCA評価
Stone-Sheetのステージ毎のCO2排出量(t-CO2/t)
(社) 産業環境管理協会の指導
によりCO2排出量を算出
台湾産マスターバッチを輸入して
製品を製造するとして評価
0.6
0.4
古紙との比較
CO2排出量を30%削減
0.2
0.0
原材料調達
製品製造
製品輸送
ポリエチレンとの比較
CO2排出量を55%削減
Stone-Sheetと古紙との比較
1.5
Stone-Sheet導入による
環境負荷削減効果を実証
1.0
0.5
0.0
Stone-Sheet 古紙(古紙率70%)
純国産化により環境負荷を
さらに削減可能
独自のビジネスモデル
ユーザー企業からの依頼
Stone-Sheet技術
弊社ビジネスモデルを支える
 ユーザー企業との強固な関係
• 社員の築き上げた人的ネットワークの活用
• 商品化できるニーズを的確に把握
 官公庁との密接な関係
Tailor-madeな成形
• 商品コンセプトへの適切な指導
• 商標「Stone-Sheet」を入札用語に指定
 製造メーカーとの強固な信頼関係
• 混錬、各種成形メーカーとの強固なパイプ
• 実用化目途の高い製品のみを依頼
 技術開発における強力なバックアップ体制
• 全般:大阪大学工学研究科 宇山浩教授
• 製品に応じた公的研究機関等との連携
• 群馬県立群馬産業技術センター(農業分野)
 土台となるシーズ技術無し(独自のコンセプトのみ)
 ニーズ(受注)に応じた技術開発に特化
 受注に応じた計画的な生産管理
弱小企業でありなが
ら、大手ユーザー企業
に製品を納入・販売
製品化計画
製品
販売先
事業化・商品化
保冷包装紙
百貨店、小売店
商品化済み
印刷用紙
自治体、印刷メーカー
商品化済み
手提げ袋
百貨店、小売店
2015年商品化
レジ袋
百貨店、小売店
2015年商品化予定
段ボール、緩衝材
小売店、
開発中
農業用フィルム
JA
開発中
果物用かさ袋
JA
2015年商品化
ボトル
健康食品メーカー
2015年商品化
不織布
雑貨メーカー
開発中
ボトルキャップ
建築資材メーカー
開発済、商品化検討中
いずれも受注先からの具体的な依頼を元に製品を開発
まとめ
 汎用樹脂と安価な無機物からなる樹脂複合材料を用いてフィルム・シート樹脂
製品Stone-Sheetを開発し、CO2排出量が削減できることを実証した。
 Stone-Sheetは製品製造工程と廃棄(焼却)のいずれにおいてもCO2削減に
貢献できる。
 無機物を多く含む複合材料の樹脂製品への応用という難題を産官学の強固な
連携を元にクリアし、製品化した。
 ユーザー企業からの製品開発依頼に特化する独自のビジネスモデルを構築す
ることで、弱小企業ながら環境対応製品の実用化に成功した。
 Stone-Sheetは経済性(既存品より安価)と環境調和性を両立できる画期的
なコンセプト・技術であり、事業化により実証した。
 地球環境に大きく貢献できるStone-Sheet製品を多くの樹脂製品に適用す
べく、今後は幅広い分野のユーザー企業にStone-Sheetを周知し、製品依
頼に対応できる技術開発・実用化を推進する。