都市における生物多様性保全の動向(14.6MB)

企業が語るいきものがたりPart8
第1分科会(15:05~16:40)
「企業緑地による生物多様性」
都市における生物多様性保全
の動向
京都学園大学教授・京都大学名誉教授
森本幸裕
世界の潮流:
生物多様性条約(CBD) と 都市 の流れ(1)
Curitiba, Brazil
CBD都市
2007 “Global Partnership on Cities and Biodiversity”
都市と生物多様性に関する国際パートナーシップ
• 地球の生き物の戦いは都市における戦いの成否にかかっている(A.ジョグ
ラフ)
• 都市は問題なのではなく、解決である(J.レルニェ博士)
• 測れないものは改良できない=>都市の生物多様性指標を(M.B.タン)
URBIO(都市生物多様性と
デザイン国際専門家会議)
国際自治体会議
2
世界の潮流:
生物多様性条約(CBD) と 都市 の流れ(2)
CBD都市
COP12「都市計画、基盤整備
にグリーンインフラストラク
チャーなどを組み込む」
CBO, CBI-J
都市の生物多様性シンガポール指標
都市のプロファイル
10 indicators
在来の生物
多様性
予算措置.
行動計画
施設機能数
部局間協力の機関数
プロジェクト数
提携機関・企業・NGO数
啓発プログラム数. 学校カリキュラム
協議プロセス
state
ガバナンスと
マネジメント
9 indicators
response
自然地域
在来種(5分類群)
侵略的外来種
保護地
断片化/連結化
4 indicators
生態系
サービス
impact
洪水調節: 透水地率. 気候調節: 樹木被覆率. レクリ、環境教育:
1人あたり緑地への訪問回
Score: Max.4point × 23 indicators
日本版:都市の生物多様性指標(案:現在V-up中)
世界の潮流:
CBO
CBO
世界的な
都市-生物多様性-生
態系サービス
に関する評価
課題と可能性
2010-2013
世界の潮流:
CBO
10の
重要事項
湿地と氾濫原
の自然再生の
重要性
◇どのように実現していくか?
◇現在の市場原理では進まない自然
再生・生物多様性主流化
◇そこで期待されるグリーンインフ
ラ(GI)
Programme management office
Room for the River
} 早くからオランダ等で進むGIへの流れ:Room for Rivers
} 2013:EUの戦略:土地利用を含めて体系的にGIを組み込む
} 2014.2:安倍首相:衆議院予算委員会でGI言及
} 2014.9:日本学術会議「生態系インフラストラクチャー活
用のすすめ」
} 2014.10:生物多様性条約COP12「都市計画、基盤整備に
グリーンインフラストラクチャーなどを組み込む」
} 今後・・・真の列島強靭化へ?
グリーンインフラ研究会での議論から
グリーンインフラに関する考え方(未定稿)
自然力や自然のしくみを賢く活用することで社会と経
済に寄与する国土形成手法をグリーンインフラと定義
し、人口減少社会における国土の劣化を防ぎ、さらに
豊かな国土の形成を図る。
*)生態系インフラ:生態系サービス(生態系
が人間社会に提供するさまざまな便益)を同時
に享受しうる多義的空間利用(学術会議)
【背景:人口減少、財政難、大地の劣化、地球環境危機】
Urban
Tocal
Local
もはや子孫と地球環境に負荷をかけられない
Urban
Local
インフラ投資の過大負荷
New
Maintenance
Renewal
【自然の力の特徴】
} しなやか、多機能・統合的
} ゆらぎ、不確実性(故に予防原則、順応的管理の視
点が必要)
} 自律的な回復力
} 持続的、長持ち
} 整備や維持管理のコストが低減される場合も
*参考【人工構造物の特徴】
} 機能性、想定された条件下(設計基準)で目的
機能の高発揮(単機能)
} 規格化が可能
※既存のインフラとグリーンインフラ
} 品質の管理が容易
が協調し、より豊かな社会資本を形成
} 寿命がある
する視点が不可欠
} 基本的な技術の確立
グリーンインフラの要件
1. グリーンインフラ形成の実施要件
}多様な主体による協働と地域コミュニ
ティー主体による選択
}持続可能(整備費・維持管理・モニタリン
グ費を流域・地域ファンドとして当初から
充当)
}横割り(分野横断)
1. グリーンインフラ形成の機能的要件
} 多機能(平時・非常時における順応的な機能選択
が可能)
} 各地域の特性を踏まえ、多機能として以下のうち
10以上の機能を含むこと。(規模の小さいものは
5つ以上)
【都市域】
生物多様性の保全・再生はMUST
①治水、②土砂災害防止、③地震・津波減災、④大災害時の避難場、⑤
水源・地下水涵養、⑥水質浄化、⑦二酸化炭素固定、⑧都市気候の緩和、
⑨地域のための自然エネルギー供給、⑩資源循環、⑪やさしい交通路
(グリーンストリート)、⑫害虫抑制・受粉、⑬観光資源、⑭歴史文化
機能の維持、⑮景観向上、⑯環境教育の場、⑰レクリエーションの場、
⑱福祉の場、⑲健康増進・治療の場、⑳コミュニティー維持
グリーンインフラのイメージ例
} 都市河川と公園の空間を一体化させ自然再生し、あわせ
て治水効果の向上、雨水貯留施設の設置などによる避難
場としての機能向上、環境教育、レクレーション、福祉
の場としての機能をもたせ、あわせて1次産品の産直場な
どを設け1次産業の高付加価値化を促進する事業
} 道路・歩行者空間の読み替えや新交通システムの導入に
伴い、都市の交通政策と環境政策の連携による駐車場を
含めた「賑わいの」グリーンストリートを形成する事業
} 都市の空き地空間をビオトープネットワークとして活用
し、火災の延焼防止、環境教育、レクレーション、サイ
クリングロードなどの整備、二酸化炭素の固定、気候緩
和、水源涵養、食料生産などの機能をもたらす事業
都市の
グリーンインフラ
氾濫原再生と
レインガーデンで
街がよみがえる
} 都市型洪水リスクの増加
雨水の浸透+貯留は流域防災の基本
} 都市化がもたらしたヒートアイランド。水辺の生物
多様性の危機=>都市は雨庭でよみがえる
} 街路、公園、住宅敷地をレインガーデンに!
雨水の流れはいのちの流れ
雨庭の7つの利点
●都市気候の緩和
●洪水調節/湧水保全
緑地は蒸発散によってヒートアイ
ランド現象を緩和
雨水浸透貯留は洪水流出係
●生物多様性保全への貢献
数を低減し、流出ピークを遅
らせ、湧水を育む
( + メンテナンスの軽減)
都市では湿地が最も生物多様性
の危機、原野植物は雨庭に最適
●水質浄化
●景観の向上
●身近な自然体験の場
自然の息吹が感じられる生き生
きした景観
●コミュニティの交流
雨庭をテーマに地域交流
土壌層と植物は流出および浸
透水の水質浄化に貢献
多様な草遊び、虫取りで自然
欠損障害の緩和に貢献
メリーランドのマニュアルを元に森本らが追加改変
Win‐Winのデザイン
http://www.wwt.org.uk/london
ロンドン湿地センター:産公民連携の自然再生と運営
約7000 km 排水路の自然再生@シンガポール
自然再生による
資産価値向上
ブルーネットワーク@ブリュッセル
内水氾濫対策
雨水と下水分離
緑のネットワークと融合
雨庭のすすめ
シアトルでは、水質浄化でCome back Salmons!
バイオスウェル
とバイクシェアprogram
ニューヨー
京都駅ビル
緑水歩廊
京都の原風景を表現した植栽
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ビルでも雨庭を!
POINT2
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地球環境・京都・季節
京都学園大学
太秦キャンパス
地球軸・雨庭枯山水
141 West 10th Street, New York, NY 10014
屋上菜園を売りにしたレストラン
京都の繁華街、3F屋上
環境配慮菜園
食品スーパーが導入する
屋上農場と
レインガーデン
(ニューヨーク)
京都駅ビル
未来委員会資料より
継続テーマ(例)についての補足説明
今後の展開
手法開発への取り組み
取り組み方3 雨庭技術を広める
2
今後の展開
枠組み開発への取り組みの例
KES(環境マネジメントシステム)
生物多様性プログラム
ご清聴ありがとうございました