長久手市第7次高齢者福祉計画 及び第6期介護保険事業計画

長久手市第7次高齢者福祉計画
及び第6期介護保険事業計画
概 要 版
平成 27 年3月
計画の概要
計画の趣旨
日本は、団塊の世代が 65 歳以上の高齢者になり、益々高齢化が進んでいます。平成 37 年(2025 年)
には団塊の世代が 75 歳以上の「後期高齢者」になるため、本市においても寝たきりや認知症高齢者の
増加、介護期間の長期化等の問題が予想されており、医療や介護の受け入れ施設が不足する可能性
が高くなっています。そのため、重度の要介護状態であっても住み慣れた地域で継続して生活できるよ
うな「地域の仕組み」(地域包括ケアシステム)をより一層構築・発展させていかなければなりません。こ
れらの状況を鑑みつつ、市の高齢者福祉・介護保険事業の施策をより発展的・計画的に推進するため、
「長久手市第7次高齢者福祉計画及び第6期介護保険事業計画」を策定しました。
計画の期間
本計画は平成 27 年度から平成 29 年度までの3か年計画です。
中長期的視点では、団塊の世代のすべての人が 75 歳以上の後期高齢者となる平成 37 年(2025 年)
を見据えて計画を定めます。
H24
H25
H26
H27
H28
H29
H30
H31
H32
H33
H34
H35
第5期
計画期間
第6期
2025年を見据えた計画づくり
(本計画)
第7期
H36
H37
2
0
2
5
年
団塊の世代が75歳に ▲
計画の基本理念
団塊の世代が65歳を迎えた現在、この世代が後期高齢期を迎える2025年を見据え、高齢者のみな
らず、本市に住むすべての市民が、自らの心身の健康につながる行動を実践し、家族はもちろん近所
に住む人を「思いやり、見守り、気遣う」ことができ、「役割と居場所」があるまちづくりを推進していくため、
以下を基本理念として掲げ、日本一の福祉のまち実現に向けた長久手市らしい地域包括ケアシステム
構築を目指します。
長久手市の高齢者人口について
人口の推移と推計
18.7%
(人)
17.9%
80,000
70,000
60,000
50,000
14.3%
51,175
15.2%
15.5%
15.6%
15.8%
56,785
58,092
57,529
52,394
55,471
59,362
54,172
8,209
8,576
8,865
9,168
10,279
11,126
7,738
7,311
18.0%
14.8%
14.0%
38,081
37,304
36,573
35,935
34,988
34,425
・・・
8.0%
・・・・・
39,361
40,561
20,000
6.0%
4.0%
10,000
0
12.0%
10.0%
40,000
30,000
16.0%
2.0%
9,439
9,668
10,028
10,322
10,616
10,843
7,890
7,674
平成24年
(2012年)
平成25年
(2013年)
平成26年
(2014年)
平成27年
(2015年)
平成28年
(2016年)
平成29年
(2017年)
平成32年
(2020年)
平成37年
(2025年)
0-14歳人口
15-64歳人口
65歳以上人口
0.0%
高齢化率
資料:住民基本台帳(各年9月末)
平成 27 年から平成 29 年までは住民基本台帳を基に推計
平成 32 年及び平成 37 年は長久手市将来人口推計の中位推計
本市の人口は増加しており、平成 26 年に 54,172 人となっています。そのうち 65 歳以上の人口は 8,209
人と、全体の 15.2%を占めています。今後3年間の推計を見ると、高齢化率は 15.8%まで上昇すると見
られます。また、団塊の世代が後期高齢者となる平成 37 年(2025 年)には、本市の高齢化率は 18.7%に
上昇すると考えられています。
要介護認定者の推計
(人)
2500
2,161
2000
1,715
1500
1000
1,041
961
366
372
500
344
111
391
平成24年
(2012年)
1,186
380
357
463
529
平成25年
(2013年)
1,283
171
平成27年
(2015年)
要支援1
419
・・・
846
1,062
・・・・・
691
601
164
平成26年
(2014年)
525
358
351
129
144
146
134
0
138
1,151
1,420
平成29年
(2017年)
要支援2
304
244
204
186
平成28年
(2016年)
270
206
167
145
平成32年
(2020年)
要介護1・2
平成37年
(2025年)
合計
資料:人口推計より算出
要介護認定者数は高齢者の人口増加と同様に、増加傾向となっています。認定者数は平成 27 年か
ら平成 29 年までは微増で推移すると見られていますが、今後、認定者数の増加がより顕著になると見
られており、要支援を含めた今後の認定者数は平成 37 年(2025 年)には現在の認定者数と比べ、およ
そ2倍の 2,161 人程になると見込まれています。
施策の方向性
基本目標1 福祉意識の向上と高齢者の社会参加による
福祉意識の向上と高齢者の社会参加による
基本目標 1
健康・生きがいづくり
健康・生きがいづくり
(3)生きがいづくりの推進
(1)地域福祉の推進
①生涯学習・交流の促進
②レクリエーション・スポーツ活動の促進
③社会奉仕活動の推進
①福祉意識の醸成
②地域福祉活動の活性化
(2)生涯を通じた健康づくり
①健康管理と健康づくり活動の推進
②介護予防事業の推進
基本目標 2
①地域包括支援センターの活動推進
(2)在宅医療・介護連携の取組推進
(4)暮らしを守る地域の取組
①見守り体制の充実
②防災・防火対策の推進
③交通安全と防犯対策の推進
(5)認知症施策の推進
①認知症への対策
①医療と介護の連携推進
(3)日常生活への支援
基本目標 3
①就労機会の拡大
住み慣れた地域で安心して暮らすための
仕組みづくりと暮らしを守る対策の推進
(1)地域包括支援センターの運営
充実
①相談体制の強化
②家族介護者への支援
(4)高齢者の社会参加
③権利擁護施策の推進
④自立した生活への支援
(6)高齢者を取り巻く環境の整備
①高齢者の住まいと環境整備
②高齢者にやさしいまちづくりの推進
介護保険サービスの充実
(1)介護保険事業の円滑な推進
①居宅介護サービス
②地域密着型サービス
③施設介護サービス
(2)介護保険事業の適正な運営
①財源の確保と経済的負担の軽減
②介護給付の適正化
③庁内体制の整備
(3)介護予防給付(訪問・通所介
護)の地域支援事業への移行
①新しい総合事業の基盤整備
みんなでつくる
長久手の「地域包括ケアのしくみ」
地域包括ケアシステムとは
地域包括ケアシステムは、「高齢者のニーズに応じた住宅が提供されることを基本としたうえで、生活
上の安全・安心・健康を確保するために、医療や介護、それらの予防のみならず、福祉サービスを含めた
様々な生活支援サービスが日常生活の場で適切に提供できるような地域での体制」と定義されていま
す。
地域包括ケアシステムは植木鉢に育つ植物!?
地域包括ケアシステムは
1住まい
2 医療
3 介護
4介護予防
5 生活支援
の5つの構成要素から成ります。
これらの要素が互いに連携しながら有機的な関係を担ってい
ることを、植木鉢で育つ植物で表しました。
●地域における生活の基盤となる「住まい」「生活支援」をそれぞれ、植木鉢、土と捉え、専門的なサービ
スである「医療」「介護」「予防」を植物と捉えています。
●植木鉢・土のないところに植物を植えても育たないのと同様に、地域包括ケアシステムでは、高齢者の
プライバシーと尊厳が十分に守られた「住まい」が提供され、その住まいにおいて安定した日常生活を
送るための「生活支援・福祉サービス」があることが基本的な要素となります。そのような養分を含んだ
土があればこそ初めて、専門職による「医療・看護」「介護・リハビリテーション」「保健・予防」が効果的
な役目を果たすものと考えられます。
日本一の福祉のまち・長久手を目指して
地域包括ケアシステムの仕組みは、高齢者だけでなく、市民の誰もが担い手になる必要があるため、
市民一人ひとりの協力が無くては実現することができません。市民への周知活動を徹底し、市民の理解を
得て行動へ移せるようなきっかけづくりや、活動の受け皿をつくることが必須になります。「地域包括ケア
システム」という仕組みを充分に理解し、必要な人が利用し、元気な人は支える側にまわることができるよ
うな取り組みを進めていくことが大切です。市民がお互い助け合い、支え合い、
思いやることで、「日本一の福祉のまち」へ近づきます。
地域包括ケアの担い手となる「本市の市民すべて」への周知、その関係者
同士の連携強化、さらにはこの仕組みの中心的な「利用者であり、担い手で
ある」高齢者の皆さんへの働きかけと、効果的な啓発を推進します。
「地域包括ケアシステム」を構築するために
地域包括ケアシステムの構築に向けた重点取組
A
介護保険事業整備の方向性
■地域密着型サービスの方向性:定期巡回・随時対応型訪問介護看護の充実
在宅において訪問介護と看護が一体的に提供され、24 時間対応のサービスである「定期巡回・随時対
応型訪問介護看護」を第5期計画において整備し、平成 25 年度末から事業を開始しており、第6期計画に
おいても質の高いサービスが提供されるよう運営を支援します。
状態や希望に応じて、通い・訪問・泊まりが組み合わされて提供され、さらに訪問看護が提供される「看
護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)」については、現在市内にサービス事業者がないため、市
内の小規模多機能型居宅介護事業所に移行希望があれば、導入を検討します。
■施設型サービスの方向性:介護老人保健施設の整備
市内にはリハビリを受けながら機能を回復し、介護度を改善して在宅復帰を目指すための施設がありま
せん。そのため第6期計画期間中の平成 28 年度に介護老人保健施設1施設の整備を進め、平成 29 年度
から新たにサービスを開始し、介護老人保健施設の本来の目的である「介護を必要とする高齢者の自立
を支援し、家庭への復帰を目指す」ための機能を有する施設を整備します。
B
在宅医療・介護連携の推進
高齢者が住み慣れた地域・自宅でいつまでも暮らし続けられるよう、退院支援や日常の療育支援、急
変時の対応等、医療事業者と介護事業者・関係者が、その時必要な最善策を高齢者に対して行うことが
できる体制づくりを推進します。
■「愛・ながくて夢ネット」の活用
医師と介護職の顔の見える会議の開催等を行い、連携体制の整備を行います。地域包括ケアシステム
の一部を担う、在宅医療と介護職等の連携を円滑にするため、電子連絡帳を活用します。
C
認知症施策の推進
■「認知症ケアパス」の普及と利用推進
認知症の疑いのある人、若しくは認知症の高齢者が住み慣れた地域で暮らしていくために、利用できる
医療や介護サービスの情報を体系的に整理した資料が「認知症ケアパス」です。認知症の人や家族が安
心して住み慣れた地域で暮らしていけるよう、状況に応じた適切なサービス提供の流れを示した「認知症
ケアパス」の普及を推進します。
■「認知症地域支援推進員」の配置と「認知症初期集中支援チーム」の設置検討
地域において医療・介護を有機的につなげる役目を担う「認知症地域支援推進員」の配置と、複数の専
門家により組織され、認知症の人やその家族を訪問し、アセスメント、家族支援等の初期の支援を包括的、
集中的に行い、自立支援のサポートする「認知症初期集中支援チーム」の設置について検討します。平成
30 年4月までの配置・設置を目指します。
地域包括支援センター等
連携
自立生活へ
向けたサポート
認知症
初期集中支援チーム
認知症地域支援推進員
地域の実態に則した認知症
施策の構築(認知症施策や
事業の企画調整等)
複数の専門職による個別の
訪問支援(受診勧奨や本
人・家族へのサポート等)
認知症の人やその家族
情報共有
相談
連 携
かかりつけ医
D
認知症対応医療機関
認知症サポーター等
地域の支え
生活支援・介護予防サービスの基盤整備の推進
地域が抱える課題やニーズを把握するとともに、その課題やニーズに対する支援の担い手の発掘・養
成を図ります。介護予防給付の地域支援事業への移行までに、担い手の育成や各種事業の円滑実施を
推進します。
■今後の方向性
平成 27 年2月に生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)を市内に配置しており、今後は市内
の地域資源の現状把握を行ったうえで、地域に応じて不足するサービスや支援を創出する必要がありま
す。そのために、元気な高齢者がサービスの担い手として地域で活躍する場を確保しつつ、必要な技術
や知識を習得する機会として、各種研修会を実施します。また、市役所、社会福祉協議会、地域包括支援
センターの他、生活支援サービスを担う多様な関係主体間の定期的な情報共有及び連携・協働による協
議体の設置を行います。
介護保険料について
被保険者の段階
本市における高齢化や介護サービス利用見込み等を考慮し、平成 27 年度から平成 29 年度までの介
護保険料を以下のとおり見直しを行いました。保険料は、本人の前年所得及び世帯の市民税課税状況
に応じて、10 段階区分のいずれかとなります。
段 階
対 象 者
料率
本人及び世帯全員が市民税非課税で、本人が老齢福祉
0.4
年金受給者、又は合計所得金額と課税年金収入額の合
(※)
年額保険料
生活保護受給者、
第1段階
24,200 円
計が 80 万円以下の人
本人及び世帯全員が市民税非課税で、合計所得金額と
第2段階
課税年金収入額の合計が 80 万円を超え 120 万円以下の
0.65
39,300 円
0.75
45,400 円
0.88
53,200 円
1.0
60,500 円
1.15
69,600 円
1.4
84,700 円
1.6
96,800 円
1.8
108,900 円
2.0
121,000 円
人
第3段階
本人及び世帯全員が市民税非課税で、合計所得金額と
課税年金収入額の合計が 120 万円を超える人
本人が市民税非課税(世帯内に市民税課税者がいる場
第4段階
合)の方で、合計所得金額と課税年金収入額の合計が
80 万円以下の人
本人が市民税非課税(世帯内に市民税課税者がいる場
第5段階
【基準月額】 合)で、合計所得金額と課税年金収入額の合計が 80 万
5,045 円
円を超える人
第6段階
第7段階
第8段階
第9段階
第 10 段階
本人が市民税課税で合計所得が、125 万円未満の人
本人が市民税課税で合計所得が、125 万円以上 190 万
円未満の人
本人が市民税課税で合計所得が、190 万円以上 300 万
円未満の人
本人が市民税課税で合計所得が、300 万円以上 500 万
円未満の人
本人が市民税課税で合計所得が、500 万円以上の人
※平成 27 年度及び平成 28 年度は公費負担により、第1段階の基準額に対する割合を 0.45 から 0.4 に軽減を
図っています。また消費税の引き上げが行われる平成 29 年 4 月からは、第1段階~第3段階を対象にさらな
る軽減を実施する予定です。
長久手市第7次高齢者福祉計画
及び第6期介護保険事業計画
発行:長久手市福祉部長寿課
〒480-1196 長久手市岩作城の内 60 番地1
TEL:(0561)63-1111 FAX:(0561)63-2940