講義コード 25468031 担当者 白井 研究題目 ミクロ経済理論研究入門 洸志 専任講師 【目的】ミクロ経済理論について演習形式で学ぶ。経済理論を深く研究する際に必要な数学、とくに微分積 分学についても十分なサポートを提供する。ミクロ経済学については、いかなる分野・トピックを志す場 合も学部2年次に学ぶべきことは相当程度共通している。従って、内容的に共通する演習が他にも存在する と想定されるが、担当教員の専門上、本演習は最も数学的・抽象的な側面にバランスを置いていると推察 される。現時点では、3年次以降において下記のいずれかを研究したい学生を特に念頭に置いている(ただし、 実際の履修者の興味・関心は常に優先される)。 1. 経済理論の論理的・数学的な構造。 2. 様々な経済問題に共通する論理的な構造。 3. ミクロ経済理論 と計量経済学(または実験経済学)の関係 2年次の到達目標は大まかに以下の3点とする。 A. 中級のミクロ経済学について、図、言葉、数式を駆使し て他者に説明できるレベルの理解を得ること。B. 身近な政治経済現象を理論的に考察し、他者にわかりや すく説明できるようになること。C. 3年次以降の研究に向けて不安のない理論的基礎を構築すること。 【内容】テキストの輪読・報告を中心とする。つまり、テキストの指定箇所について精読してレジュメを 準備し、報告することが主たる課題となる。必要に応じて参考書などテキスト以外の文献も参照し、また 何よりも自らの頭で考え、説明や図の補足を行うなど工夫をすること。自ら消化しきれなかった箇所につ いては、どこまで理解できていて、どこでつまずいているのかを教員・他のゼミ生が理解できるように説 明すること。報告者以外の履修者にも質問、コメントなど議論への参加を義務づける。担当教員は報告に 関するアドバイス、内容の補足、より発展的な内容や現実の経済問題への応用など、議論を広げるように 努める。またテキストの内容以外にも、数学の復習や新聞等で報道されている政治・経済問題に関する考 察など適宜課題を出し、それに関する報告・議論も行う。 テキスト 「ミクロ経済学」、奥野正寛(編著)、東京大学出版会、2008年(その他、必要に応じて担当教員が資料を用 意する。参考書についてはシラバス参照。) 【選考にあたっての注意事項】 1年次の経済学科目で学んだ内容のうち最も関心をひかれた事柄(面白いと感じた内容、納得がいかなか った仮定や結論 etc.) 、及び志望動機について簡潔かつわかりやすく説明してください。Word で本文は 11 ポイントとし、A4 用紙 2 枚以内(厳守。出来れば A4 用紙 1 枚前後。手書き厳禁。 )としてください。 【応募者へのメッセージ】ミクロ経済学について、様々な理論的帰結が、どのような仮説・仮定の下で、 どのような数学的手法によって導かれているのか、という観点から丁寧に学んでいくことを目的としてい ます。その過程で「ミクロ経済学的」な考え方が身に付くと、身近なニュースや出来事について「ミクロ 経済学的」に見る目を持っていただけるのではないかと考えています。経済理論の技術的(数学的)な側 面に終始しないよう留意しますが、数学や抽象的な議論を避けて通りたいという方には不向きです。逆に 数学が好きでたまらない方には大いにおすすめします。 志望動機を提出すること。その他、学部所定の手続きに従うこと。応募者が定 受け入れ条件 員を超えた場合には、1年次における数学系科目(数学入門、統計学入門、経 済と経済学の基礎)の成績上位者、1 年次における英語科目の成績上位者の順 に優先して受け入れる。 担当者のプロフィール 専攻 数理経済学(ミクロ経済理論) 顕示選好理論、単調比較静学理論。それらの応用として、消費者理論を含む意 現在の研究テーマ 思決定理論、ゲーム理論(とくに supermodular game)、メカニズムデザイン、 マッチング理論を扱っています。詳しくは説明会の時にでもお尋ねください。 所属学会 Econometric Society・日本経済学会。その他、Society for Advancement of Economic Theory の大会によく参加しています。
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