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2015 年 4 月 15 日
PLM市場に関する調査結果 2015
-世界、国内ともに堅調な成長をみせる PLM 市場-
【調査要綱】
矢野経済研究所では、次の調査要綱にて PLM 市場についての世界および日本国内における調査を実施した。
1.調査期間:2014 年 10 月~2015 年 3 月
2.調査対象:PLM システムメーカー
3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mail によるヒアリングを併用
<PLM とは>
PLM(Product Lifecycle Management)とは、開発・生産からメンテナンス、あるいはリサイクルにいたるまでの、製品のラ
イフサイクル全般にわたり管理しようという概念である。本調査におけるPLM市場とは、それを実現するためのツールとし
て、CAD/CAM/CAE、PDM(Product Data Management)、デジタル・ファクトリー、ビューワ/DMU(Digital Mock-Up)等の
システムツールを対象としている。
【調査結果サマリー】
‹ 2014 年の PLM 世界市場規模は 111 億 US ドルの見込み
2014 年の PLM 世界市場規模は前年比 7.8%増となる 111 億 US ドル(システムメーカー出荷金額ベー
ス)の見込みである。2014 年の PLM 国内市場は前年比 8.4%増の 2,242 億円(同ベース)を見込む。米
国経済が好調に推移し、また、日本経済も 2013 年より始まった金融緩和および円安により、企業収益が
大幅に改善し、製造業の設備投資も回復した。そのため PLM 市場は世界および日本国内とも、順調に
回復している。
‹ PLMは、上流工程を強化し「次世代ものづくり」の中核となるソリューションへ
PLM は、主に機械設計の詳細設計工程と製造工程を効率化するソリューションといえるが、次世代もの
づくりを実現していくためには、設計の上流工程である構想設計領域の強化が求められる。今後 PLM は、
IoT や SLM、ALM、MES、ERP などと連携をはかるとともに、次世代ものづくりの中核となるソリューション
となっていくと考える。
‹ 国内も順調な回復を遂げ、2018 年の PLM 国内市場は 2,900 億円と予測
国内に関しては、製造業は昨今の円安をうけて日本回帰の動きもあり、設備投資を生み出すと考える。
それは PLM 市場にも直接的な影響を与え、市場は順調な回復を遂げる見通しである。2018 年の PLM
国内市場を 2,900 億円(システムメーカー出荷金額ベース)と予測する。
◆ 資料体裁
資料名:「PLM 市場の実態と展望 2015」
発刊日:2015 年 3 月 17 日
体 裁:A4 判 251 頁
定 価:180,000 円(税別)
‹ 株式会社 矢野経済研究所
所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝
設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/
本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/)
㈱矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected]
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報チーム迄お問合せ下さい。
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2015 年 4 月 15 日
【調査結果の概要】
1. 市場概況
2014 年の PLM 世界市場規模(システムメーカー出荷金額ベース)は 111 億 US ドル、前年比 7.8%増
の見込みである。世界経済の順調な回復にともない、製造業の設備投資も回復したことから、PLM 世界
市場は、順調な回復を維持している。
また、2014 年の PLM 国内市場規模(同ベース)は 2,242 億円、前年比 8.4%増を見込む。2011 年の東
日本大震災によるサプライチェーンの破壊、その後数年にわたる円高の進行などで、輸出型の製造業は
大きな打撃を受けていた。ところが 2013 年から始まった金融緩和、円安により、輸出型製造業の収益が
大幅に改善され、設備投資も回復した。同様に PLM 国内市場も順調な回復を見せている。
2. 注目すべき動向~次世代ものづくりと PLM の動向
IoT(Internet of Things、モノのインターネット)時代を迎え、次世代のものづくりに向けた概念が注目を
集めている。ドイツ政府が提唱する Industrie4.0(インダストリー4.0)がその代表例だが、これは生産工程の
自動化レベルを大幅に引き上げるものになるとされる。こうした時代の潮流をとらえ、PLM ベンダーが
MES(Manufacturing Execution System、製造実行システム)ベンダーや IoT 関連ベンダーを買収する動
きがおきている。
PLM は、主に機械設計の詳細設計工程と製造工程を効率化するソリューションといえるが、次世代も
のづくりを実現していくためには、設計の上流工程である構想設計領域の強化が求められる。今後 PLM
は、IoT や SLM(Service Life-cycle Management、サービスライフサイクル管理)、ALM(Application
Lifecycle Management、アプリケーションライフサイクル管理)、MES、ERP(Enterprise Resource Planning)
などと連携をはかるとともに、次世代ものづくりの中核となるソリューションとなっていくと考える。
3. 将来予測
欧州ではギリシャの財政問題、中国では経済成長の鈍化など、それぞれ懸念は抱えているが、世界経
済を米国がけん引している。当の米国も金融引き締め懸念はあるものの、世界経済は緩やかに成長して
いき、PLM 世界市場も堅調な推移を見せる。PLM 世界市場は、2015 年以降も成長を維持していき、
2018 年の同市場規模(システムメーカー出荷金額ベース)は 142 億 US ドルと予測する。
また、日本の製造業は昨今の円安をうけて、日本国内回帰の動きを見せている。国内製造拠点の強化
は設備投資を呼び込み、それは PLM 市場にも直接的な影響を与える。業種別では、特に自動車・輸送
機械や産業機械において、PLM への投資が伸びる見通しである。PLM 国内市場も順調に推移し、2018
年の同市場規模(同ベース)は 2,900 億円に成長すると予測する。
<PLM システムツールの解説>
分類
PLM
CAD/CAM/CAE
PDM
デジタル・ファクトリー
ビューワ/DMU
定義
PLM(Product Lifecycle Management)とは、開発・生産からメンテナンス、あるいはリサイクルにい
たるまでの、製品のライフサイクル全般にわたり管理しようという概念である。それを実現するため
の ツ ー ル と し て 、 CAD/CAM/CAE 、 PDM 、 デ ジ タ ル ・ フ ァ ク ト リ ー 、 ビ ュ ー ワ /DMU ( Digital
Mock-Up)等のシステムツールがある。
コンピュータを用いて設計を行うためのツール。2 次元 CAD、3 次元 CAD、金型設計用
CAD/CAM、機械系 CAE の各ツールがある。
PDM(Product Data Management)とは、製品の開発工程において、設計・開発に関わるすべての
情報を一元化して管理し、工程の効率化や期間の短縮をはかる情報システムである。
製造計画プロセスにおけるプランニングを行うシステム。具体的には、工程レイアウト、工程設
計、工程シミュレーション、工程検証、製造実行、ロボットシミュレーションなどのツールを含む。
ビューワは 3 次元データファイルの内容を表示するためのツール。DMU(Digital Mock-Up)は製
品の外見、内部構成などを比較、検討するためのシミュレーションツールである。
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2015 年 4 月 15 日
図表 1. PLM 世界市場規模推移と予測
(単位:百万USドル)
16,000
PLM関連売上高
対前年伸び率
14,000
120%
14,200
13,500
12,700
115%
12,000
12,000
11,100
10,300
10,100
110%
10,000
107.8%
8,000
108.1%
105.8%
106.3%
105%
105.2%
102.0%
6,000
100%
4,000
95%
2,000
0
90%
2012年
2013年
2014年見込 2015年予測 2016年予測 2017年予測 2018年予測
単位:百万 US ドル
2012年
PLM関連売上高
2013年
10,100
2014年見込 2015年予測 2016年予測 2017年予測 2018年予測
10,300
対前年比
CAGR
11,100
12,000
12,700
13,500
14,200
102.0%
107.8%
108.1%
105.8%
106.3%
105.2%
2.0%
4.8%
5.9%
5.9%
6.0%
5.8%
矢野経済研究所推計
注 1:PLMシステムメーカー出荷金額ベース、ハードウェア売上高を含まず、サービス・保守メンテナンス売
上高を含む
注 2:見込は見込み値、予測は予測値
注 3:CAGR は、2012 年から当該年までの年平均成長率
図表 2. PLM 国内市場規模推移と予測
(単位:百万円)
350,000
120%
PLM関連売上高
対前年伸び率
300,000
290,000
275,000
115%
260,000
245,000
250,000
200,000
224,200
195,200
206,800
110%
108.4%
109.3%
150,000
106.1%
105.9%
105.8%
105%
105.5%
100,000
100%
50,000
95%
0
2012年
2013年
2014年見込 2015年予測 2016年予測 2017年予測 2018年予測
単位:百万円
2012年
PLM関連売上高
対前年比
CAGR
195,200
2013年
206,800
2014年見込 2015年予測 2016年予測 2017年予測 2018年予測
224,200
245,000
260,000
275,000
290,000
105.9%
108.4%
109.3%
106.1%
105.8%
105.5%
5.9%
7.2%
7.9%
7.4%
7.1%
6.8%
矢野経済研究所推計
注 4:PLM システムメーカー出荷金額ベース、ハードウェア売上高を含まず、サービス・保守メンテナンス売
上高を含む
注 5:見込は見込み値、予測は予測値
注 6:CAGR は、2012 年から当該年までの年平均成長率
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