4/20 2015/ FXウィークリー 投資情報部 FX ストラテジスト 五十嵐 聡 ポジション調整等から上値の重い推移が続く (先週のレビュー) 弱めの米経済指標を 背景にドルが売られ る展開に 先週は全般に弱めの米経済指標を受けた米長期金利の低下や原油価格の上昇 等を背景にドルが売られる展開となった。ドル円相場も週を通じて調整的な値動き が継続した。一方、ユーロドルは反発となり、1.08ドル台半ばまで値を戻した。 ドル円は週初、米金利上昇とともに買いが先行、120.84円の週高値を付けたが、 その後は浜田内閣官房参与の「購買力平価からすると120円はかなり円安、105円 ぐらいが妥当」との発言を受けて反落。4/14(火)には予想を下回る伸びとなった3月 の米小売売上高や、国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しで米国の成長率見通 しが下方修正されたことを受けて119円近くまで急落する展開となった。翌4/15(水) も弱めの米経済指標を受けて売りが優勢となり119円を割り込んだ。その後はフィッ シャー連邦準備理事会(FRB)副議長の年内利上げを示唆する発言等もあり、下支 えられたものの、週末4/17(金)には一時118.57円まで下押す動きになった。 ユーロドルは週初、「ギリシャは債務不履行を準備している」との報道等から売りが 先行したが、その後は米小売売上高等の弱めの米経済指標を受けてドル売りが優 勢となる中で値を戻す展開。4/15(水)の欧州中央銀行(ECB)理事会では金融政 策を据え置く一方、ドラギ総裁がこれ以上の中銀預金金利の引き下げを考えていな いと発言したことも買い戻しを誘った。その後もギリシャへの懸念がくすぶる中、原油 価格の上昇等につれて一段と買い戻され、一時1.0849ドルの週高値を付けた。 その他通貨ではトルコリラが急落。経済政策の要となっていた副首相の辞任を示 唆する首相発言等から、6月の総選挙後の経済政策運営等に疑念が強まったこと から、史上最安値を更新し一時1ドル=2.73リラ台まで値を下げた。 主要通貨の対ドルレート騰落率 ( 2015/4/10→2015/4/17) 主要通貨の対円レート騰落率 ( 2015/4/10→2015/4/17) スイスフラン 2.84 カナダドル 英ポンド スイスフラン 2.61 ド ド ル ↓ ↑ル 高 安 2.26 ユーロ NZドル 豪ドル 1.90 ユーロ 1.88 NZドル 1.14 ブラジルレアル 円 1.11 米ドル トルコリラ (%) ▲0.59 トルコリラ ▲1.0 0.77 0.19 0.03 ▲1.10 ▲1.68 メキシコペソ ▲1.86 ▲2.0 0.0 1.0 2.0 1.13 0.79 南アランド ▲0.71 ▲3.0 円 円 ↓↑ 高 安 豪ドル ブラジルレアル 南アランド 1.49 英ポンド 1.30 メキシコペソ 1.71 カナダドル 3.0 4.0 (%) ▲1.80 ▲2.94 ▲4.0 ▲3.0 ▲2.0 ▲1.0 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 1 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 0.0 1.0 2.0 2015/4/20 FXウィークリー 2014/19/18 (今週の見通し) ドル円はポジション 調整等から上値の重 い動きが続く可能性 今週のドル円相場は、弱めの米経済指標が続いていることによるドル買いポジショ ンの調整や、日銀の追加緩和への消極姿勢、週末に統一地方選挙を控えて本邦 政府サイドはこれ以上の円安を望まないといった思惑等もあり、全般には上値が重 く調整的な値動きが続くと予想される。ただ、5月の米雇用統計が強い結果となれ ば、再び6月利上げへの思惑が強まるとの期待感もあり、総じて下値も底堅い推移と なろう。一方、欧州連合(EU)との間でギリシャへの支援交渉が続く中で、4月末まで に支援が受けられなければギリシャはデフォルトが避けられないとの見方も一部で 浮上しており、ユーロ売り圧力が再び強まる可能性にも留意が必要となる。 先週発表された3月の米小売売上高が予想を下回ったことで、米経済の持ち直し が遅れるとの懸念が浮上しており、ドル買いポジションをいったん手仕舞う動きが強 まったことが先週のドル売りにつながっている。足元の米経済指標の弱さは寒波な どの悪天候や、原油価格急落にともなうエネルギー産業の不調、西海岸における港 湾スト等の一時的な要因が影響している可能性が高いとみられているものの、その 影響の剥落を見極めるまでは慎重姿勢が続くとの見方も多い。今週は米国では3月 中古住宅販売(4/22)、3月新築住宅販売(4/23)、3月耐久財受注(4/24)等の指標 が発表されるが、明確な持ち直しを確認するには5/8の4月雇用統計を待つ必要が あろう。また、国内では週末4/26に統一地方選の後半戦を控えており、日銀の追加 緩和への消極姿勢もあり、円の買い戻し圧力が強まる可能性にも留意が必要とな る。4/22に発表予定の本邦3月の貿易統計では、2012年以来の貿易黒字転換が予 想されていることも、ドル円の上値を重くする材料となろう。 ユーロについては、このところのドル買いポジションの解消が買い戻しにつながっ ているものの、ギリシャ支援協議の難航からデフォルト懸念が強まれば再び売り圧 力が強まる可能性がある。早急な支援融資を求めるギリシャに対して、より具体的な 改革案の提示を求めるEU側との間で主張は平行線をたどっており、交渉には煮詰 まり感が出ている。今週は4/24にユーロ圏財務相会合が予定されており、暫定的な 支援合意の期限とされていることから注目が集まろう。ギリシャは4/26から15億ユー ロの年金・公務員給与の支払い開始が迫る中、4月中にも資金が枯渇するとの報道 もあり、大手格付け会社による格下げ実施等からギリシャ国債の利回りは急上昇し ている。また、今週は独・ユーロ圏の4月ZEW景気期待指数(4/21)、同4月PMI (4/23)、独4月IFO景況感指数(4/24)等の経済指標の発表も注目される。 2013/12/31=100 主要通貨の対ドルレート推移 (日次:2013/12/31~2015/4/17) 110 105 100 ドル安 ↑ ↓ ドル高 95 90 85 80 75 70 13/12/31 14/2/18 円 ユーロ 英ポンド トルコリラ 豪ドル NZドル メキシコペソ 南アランド ブラジルレアル 14/4/8 14/5/27 14/7/15 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 14/9/2 14/10/21 14/12/9 15/1/27 15/3/17 (年/月/日) この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 2 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 2015/4/20 FXウィークリー 2014/19/18 IMM通貨先物ポジション動向(2015年4月14日時点) ≪主なポジション動向≫ ○円のネットショートは2万3,070枚と、2012年10月23日以来、約2年半ぶりの低水準に ○ユーロのネットショートは2週連続で縮小 ○豪ドルのネットショートは2週連続で拡大 ○主要8通貨に対するドルの買い越し額は3週連続で縮小 IMM通貨先物 非商業(投機筋)のポジション(週次:2011/1/4~2015/4/14) 円(JPY) (兆円) 1.0 JPY LONG 85 0.0 95 (1973/3=100) 105 600 USD LONG 500 0.5 米ドル(USD) (億ドル) (1ドル=円) 75 100 400 300 95 200 ▲ 0.5 90 100 105 0 ▲ 1.0 JPY SHORT ▲ 1.5 ▲ 300 ドル円為替レート(右逆目盛) 12/1 12/7 USD SHORT ▲ 400 13/1 13/7 14/1 14/7 75 ドル合成ポジション(金額、左目盛) ドル指数(右目盛) 135 11/7 80 ▲ 200 125 ネットポジション(金額、左目盛) ▲ 2.0 11/1 85 ▲ 100 115 ▲ 500 11/1 15/1 (年/月) 70 11/7 12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 (年/月) ユーロ(EUR) (億ユーロ) 200 EUR LONG 150 豪ドル(AUD) (億豪ドル) (1ユーロ=ドル) 1.60 ネットポジション(金額、左目盛) ユーロドル為替レート(右目盛) (1豪ドル=ドル) 150 1.10 AUD LONG 1.50 100 1.05 100 50 1.00 1.40 0 50 ▲ 50 0.95 1.30 ▲ 100 0.90 0 ▲ 150 1.20 ▲ 200 0.85 ▲ 250 EUR SHORT ▲ 50 1.10 AUD SHORT ▲ 300 0.80 ネットポジション(金額、左目盛) ▲ 350 11/1 1.00 11/7 12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 ▲ 100 11/1 15/1 豪ドル米ドル為替レート(右目盛) 11/7 12/1 12/7 13/1 0.75 13/7 14/1 14/7 (年/月) 15/1 (年/月) (注)枚数を契約金額により、当該通貨に換算。ドル指数は主要通貨に対するドルの価値を示し、米インターコンチネンタル取引所(ICE)にてリアルタイムで算出される。 米ドルはユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、スイスフラン、カナダドル、メキシコペソ、円の差し引きから算出 出所:米商品先物取引委員会(CFTC)、ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 2015/4/14現在のポジション(ドルベース) 対前週比 (億ドル) (億ドル) 15 400 LONG LONG 10 300 200 5 100 0 0 ▲5 ▲ 100 ▲ 10 ▲ 15 ▲ 200 SHORT ▲ 300 SHORT ▲ 20 ユーロ 英ポンド 豪ドル NZドル スイスフラン カナダドル メキシコペソ 円 米ドル ユーロ 英ポンド 豪ドル NZドル スイスフラン カナダドル メキシコペソ 円 米ドル (注)米ドルはユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、スイスフラン、カナダドル、メキシコペソ、円の差し引きから算出 出所:米商品先物取引委員会(CFTC)、ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 英ポンドとIMM通貨先物ポジション この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 3 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 2015/4/20 FXウィークリー 2014/19/18 (1ドル=円) ドル円 一目均衡表 (日次:2014/7/10~2015/4/17) 125 (1ドル=円) 125 121 121 117 117 113 113 109 109 105 105 101 101 2014/08 2014/10 転換線 基準線 出所:各種資料よりみずほ証券作成 2014/12 先行スパン1 2015/01 先行スパン2 2015/03 遅行スパン ユーロドル 一目均衡表 (日次:2014/7/10~2015/4/17) (1ユーロ=ドル) 1.40 2015/05 (年/月) (1ユーロ=ドル) 1.40 1.36 1.36 1.32 1.32 1.28 1.28 1.24 1.24 1.20 1.20 1.16 1.16 1.12 1.12 1.08 1.08 1.04 1.04 1.00 1.00 2014/08 2014/10 転換線 基準線 出所:各種資料よりみずほ証券作成 2014/12 先行スパン1 2015/01 先行スパン2 2015/03 遅行スパン 2015/05 (年/月) この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 4 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 2015/4/20 FXウィークリー 2014/19/18 金融商品取引法に係る重要事項 当社取り扱いの商品等(外貨建商品等も含む)にご投資いただく際には、各商品等に所定 の手数料(投資信託の場合は銘柄ごとに設定された販売手数料および信託報酬等の諸費 用等)をご負担いただきます。債券を当社との相対取引によりご購入いただく場合は、購入 対価のみをお支払いいただきます。 各商品等には価格の変動や発行者の信用状況等の悪化等により損失を生じるおそれがあ ります。 なお、債券の利金・償還金の支払いについて、発行者の信用状況等によっては、支払いの 遅滞・不履行が生じるおそれがあります。 外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向を ふまえて当社が決定した為替レートによるものとします。また、売却時等の為替相場の状況 によっては為替差損が生じ、損失を被るおそれがあります。 商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や 目論見書またはお客さま向け資料等をよくお読みください。 商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号 加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、 一般社団法人第二種金融商品取引業協会 広告審査番号 : MG5690-150420-24 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 5 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
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