オーストラリア経済見通し - ニッセイ アセットマネジメント

オーストラリア経済見通し
2014年第4四半期の実質GDP成長率は、前年比+2.5 %と、前期(第3四半期)の+2.7%からやや低下しました(図表左)。 低金利の継続
や住宅価格・株価上昇の資産効果で個人消費は堅調に推移しています。一方で、資源価格の下落や主要輸出先である中国経済の鈍化
傾向などから鉱業部門を中心に輸出や設備投資が伸び悩んでいます。オーストラリア経済は、鉱業部門の落ち込みを、住宅関連部門や
個人消費がカバーする形で推移しているものと思われます。
雇用については、2月の失業率が6.3%と高い水準が続いており、今後上昇する可能性があるとみています。物価については、原油価格
の下落等により鈍化傾向が継続するものとみられます。第4四半期の消費者物価指数(前年比)は、前年比+1.7%と前期の同+2.3%から
大幅に低下しています(図表右) 。
オーストラリア準備銀行(RBA)は、3月の理事会で政策金利を2.25%に据え置きましたが、更なる金利引下げの可能性にも含みをもたせ
ています。オーストラリア経済は、当面成長率が低水準で推移する可能性はあるものの、低金利の持続を背景に、住宅関連や個人消費
等の内需を中心に緩やかな景気回復基調をたどると予想しています。
【実質GDP成長率(前年同期比)の推移】
6
【失業率と消費者物価指数(前年同期比)の推移】
(2004/第4四半期~2014/第4四半期、四半期)
(%)
7
5
6
4
5
(%)
(2004/第4四半期~2014/第4四半期、四半期)
失業率
4
3
3
2
2
実質GDP(四半期)
1
0
04/12
06/12
08/12
1
10/12
12/12
14/12
0
04/12
消費者物価指数
06/12
08/12
10/12
12/12
出所:ブルームバーグのデータをもとにニッセイアセットマネジメント作成
14/12
(年/月)
(年/月)
出所:ブルームバーグのデータをもとにニッセイアセットマネジメント作成
ご留意いただきたい事項 ●当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的とするものではありません。●投資信託は値動きのある資産を投資対象としており、基準価額は変
動しますので、これにより投資元本を割込むおそれがあります。ファンドによって投資対象資産や投資規制、投資対象国などが異なるため、リスクの内容や性質が異なります。また、投資信託のお申込時、保有期間中、およびご換金時には費用をご負担いただく場合があ
ります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。●当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料に記載されている各指数、統計資料等の著作権・知的財産
権その他一切の権利は、各算出先、公表元に帰属します。 ●当資料に記載されている内容は作成日現在のものであり、今後予告なく変更される場合があります。投資に関する最終決定はお客様ご自身でご判断ください。
●当資料のグラフ・数値等は過去の実績であり、将来の市場環境の変動や投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。
オーストラリア長期金利・株式見通し
オーストラリア準備銀行(RBA)は、3月の理事会で政策金利を2.25%に据え置きました。オーストラリア長期金利は、当初政策金利の据え置きを
受けて上昇しました。その後、2014年第4四半期の消費者物価上昇率が前年比+1.7%とRBAの目標レンジから低下したことや、2月の失業率が
6.3%と高水準が続いていることなどから追加利下げ観測が強まり、月末にかけては低下しました。今後は、年央にかけての追加利下げ実施の
見方も根強く、当面横ばいから緩やかな低下基調で推移すると思われます。
オーストラリア株式は、高値警戒感からの売りもあって6,000ポイントを前に上値を抑えられる展開となりました。原油や鉄鉱石価格の下落などを
受けて月半ばまで軟調に推移しましたが、その後RBAが追加利下げに前向きな姿勢を示したことや、米利上げ開始が当初予想より遅くなるとの
見方から上昇に転じました。月末にかけては、資源価格の下落が嫌気されて株価は下落しました。今後は、鉄鉱石など資源価格や米金融政策
の動向次第では調整局面もあると考えられますが、低金利政策の持続や堅調な個人消費がオーストラリア経済を下支えすると思われ、オースト
ラリア株式は緩やかな上昇基調をたどると予想しています。
【政策金利と10年国債利回りの推移】
8
(%)
【株価(S&P/ASX200)指数とロンドンメタル(LMEX)指数の推移】
(2005/3~2015/3.、月次)
10年国債利回り
7
8,000
6,000
5
5,000
4
4,000
3
3,000
2
2,000
政策金利
07/3
09/3
S&P/ASX200指数
LMEX(ロンドンメタル)指数
1,000
0
05/3
11/3
13/3
出所:ブルームバーグのデータをもとにニッセイアセットマネジメント作成
(2005/3~2015/3、月次)
7,000
6
1
(ポイント)
15/3 (年/月)
0
05/3
07/3
09/3
11/3
13/3
15/3
(年/月)
出所:ブルームバーグのデータをもとにニッセイアセットマネジメント作成
ご留意いただきたい事項 ●当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価証券等の 勧誘を目的とするものではありません。●投資信託は値動きのある資産を投資対象としており、基準価額は変
動しますので、これにより投資元本を割込むおそれがあります。ファンドによって投資対象資産や投資規制、投資対象国などが異なるため、リスクの内容や性質が異なります。また、投資信託のお申込時、保有期間中、およびご換金時には費用をご負担いただく場合があ
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為替見通し
3月の豪ドル円は、オーストラリア準備銀行(RBA)が政策金利を据え置いたことを受けて、中旬ごろまでは横ばいで推移しました(図
表左)。その後は、米準備制度理事会(FRB)が利上げを当初予想より遅らせるとの観測が強まり、豪ドルは買われ上昇しました。月
末にかけては、4月のRBA理事会で追加利下げを行うとの見方が広がり豪ドルは売られました。
今後は、RBAによる追加利下げ観測などから当面横ばいからやや豪ドル安傾向が続く可能性もあるとみています。仮に追加利下げ
が実施された後は、当面安定的な金融政策を継続するものと考えられ、量的緩和を継続する日本や欧州に対してオーストラリアの金
利水準が依然相対的に高い傾向が続くと予想されることから、豪ドル円は緩やかな上昇基調をたどると予想しています。
【米ドル/円と豪ドル/円の推移】
140
(円)
【豪ドル/円と対米ドル投機的ポジションの推移】
(2005/3~2015/3、月次)
120
(2005/3~2015/3、月次)
豪ドル/円(左軸)
豪ドル買いポジションの蓄積
米ドル/円
120
(円)
100
100
(万枚)
12
10
8
6
80
4
80
60
0
豪ドル/円
60
2
40
40
20
20
05/3
07/3
09/3
11/3
13/3
出所:ブルームバーグのデータをもとにニッセイアセットマネジメント作成
15/3
(年/月)
-2
豪ドル/米ドルの投機的
ポジション建て玉(右軸)
-4
-6
豪ドル売りポジションの蓄積
0
05/3
07/3
09/3
11/3
13/3
-8
15/3 (年/月)
出所:ブルームバーグのデータをもとにニッセイアセットマネジメント作成
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