ジまであり註解用紙は澗理はE亘ユ[亘ユ[亟コの3

平成27年度
前 期 日 程
理
科 (1・・分)
注 意 事 項
1.
2.
試験開始の合図があるまで,この問題冊子を開いてはいけません。
問題は,1物理]が]ページから1]ページまで,「化学1が]2ページから23ペー
ジまであり註解用紙は澗理はE亘ユ[亘ユ[亟コの3
枚「化学」は[亘コ[董コ[亘コE亟コの4枚からなっ
ています。ページの脱落等に気付いたときは,手をあげて監督者に知らせなさ
い。「化学!mのB,Cは選択問題です。解答用紙の所定の欄に選択した問題の記
号(BまたはC)を記入すること。記入のあった記号の問題を解答したものとして
採点します。
解答は,以下の指示に従い解答用紙の指定された欄に記入しなさい。
第一部志願者
(ア)生命・物質工学科,環境材料工学科,電気電子工学科,建築・デザイン工学
3.
科を志望するものは,「物理」,「化学」のうちから]科目を選択し,解答しなさい。
(イ)機械工学科,情報工学科,都市社会工学科を志望するものは,「物理]を解答
しなさい。
第二部志願者
(ア)物質工学科,電気情報工学科を志望するものは,「物理」,「化学」のうちから
]科自を選択し,解答しなさい。
(イ)機械工学科,社会開発工学科を志望するものは,吻理」を解答しなさい。
4.監督者の指示に従って,選択した科目のすべての解答用紙の該当欄に志望学科名
及び受験番号(2か所)を左詰めで記入しなさい。
5.解答用紙の※を付した欄には,何も記入してはいけません。
6.問題冊子の白紙と余白は,下書きに適宜利用してもよいが,どのページも切り離
してはいけません。
7.試験終了後,この問題冊子及び下書き用紙は持ち帰りなさい。
〈>M3(641−11)
理
物
注意問題は1,五,皿の3題である。
1 以下の問いに答えよ。
問1なめらかな水平面上に,同質量沈〔kg〕の2個の小物体AとBがある。図1
に示すように,一直線上で小物体A,Bが衝突する場合を考える。最初Bは
静止していて,Aが左側から,速さγ〔m/s〕で衝突した。衝突後AとBは,
それぞれ速さγA〔m/s〕とγB〔1n/s〕で,衝突前のAと同じ向きに運動した。
(1)衝突前と衝突後で小物体AとBの運動量の和が等しいことを表す式を書
け。
(2)小物体AとBの反発係数(はね返り係数)がεであったとする。衝突前と
後のAとBの相対速度にはどのような関係があるか。γ,γA,γB,εを用
いて表せ。
(3)γAと万をそれぞれ,8とγを用いて表せ。
(4)衝突前の小物体AとBの力学的エネルギーの和をE〔J〕,衝突後の小物体
AとBの力学的エネルギーの和を∬〔」〕とする。∠E〔」〕≡E’−Eとして,
∠Eを辮,γA,γB,γを用いて表せ。
(5)4Eを,㌘,ε,γだけを用いて表せ。
1
◇M3(641−12)
A
B
○
衝突前
A
B
γA
γB
衝突後
図1
一 2
<>M3(64/−13)
問2なめらかな水平面上に,同質量Mkg〕の2個の小物体AとBがある。図2
に示すように,静止しているBにAを左側から速さγ〔1n/s〕で衝突させたと
ころ,衝突後のAの速度ベクトルは,大きさはγA〔rn/s〕で,衝突前のAの速
度ベクトルとなす角はα〔rad〕であり, Bの速度ベクトルは,大きさは
γB〔m/s〕で,衝突前のAの速度ベクトルとなす角はβ〔rad〕であった。
⑥ まず,衝突前のAの運動方向と平行な,運動量の成分について考えよ
う。衝突前と衝突後で,小物体AとBの運動量成分の和が等しいことを表
す式を書け。
(7)次に,衝突前のAの運動方向と垂直な,運動量の成分について考えよ
う。衝突前と衝突後で,小物体AとBの運動量成分の和が等しいことを表
す式を書け。
(8)γAと恥をそれぞれ,γ,α,βを用いて表せ。
(9)特に・α+β=丁であった場合・4E〔」〕を求めよ・ただし・衝突前の小
物体AとBの力学的エネルギーの和をE〔J〕,衝突後の小物体AとBの力
学的エネルギーの和を亙〔J〕としたとき∠E=百一Eである。
A
γ
β
図2
一3
<>E43(641−14)
問3次に,水平面上に,同質量Mkg〕の2個の小物体AとBがあり, Aと水平
面の間,および,Bと水平面の間に摩擦があり,動摩擦係数は, AとBとも
にμノであるとする。最初Bは静止していて,Aを左側からすべらせて衝突さ
せた。衝突直前のAの速さはγ/m/s〕で,衝突直後のAの速度ベクトルは,
大きさはγA〔m/s〕で,衝突前の速度ベクトルとなす角はα〔rad〕であり,衝突
地点からの距離がRA〔m〕の地点まですべって止まった。衝突直後のBの速度
ベクトルは,大きさはW〔m/s〕で,衝突前のAの速度ベクトルとなす角は
だ
丁一α〔rad〕であり,衝突地点からの距離が1∼8〔m〕の地点まですべって止
まった。重力加速度をg〔m/s2〕とする。
(10)RAをγA,μ’, gを用いて表せ。また,1∼{3をγ8,μ’, gを用いて表せ。
(1・比晋を・だけを用いて裁ただし・搬は瞬醐・起きるので小
物体AとBが接触している間の,摩擦力の力積は無視できる。
(12>1∼A=L〔m〕,1∼B=3L〔m〕であったとする。この場合,衝突後の小物体A
の速度ベクトルが,衝突前の速度ベクトルとなす角αを求めよ。また,衝突
直前の小物体Aの速さγをL,g,〆だけを用いて表せ。
ここで得られた知見を,氷上でストーンをすべらせ,衝突させて得点を競う
冬季スポーツ競技,カーリングに応用することは,とても興味深いことである。
一一
S
〈>M3(641−15)
H 以下のコンデンサーに関する問いに答えよ。なお問1と問2の平行板コンデン
サーは異なるものである。
問]図1に示すような2つの平行板コンデンサー,起電力WV〕の電池,抵抗,
2つのスイッチからなる回路がある。コンデンサー1の極板の面積はS〔m2〕
であり,コンデンザ・の極板の面積は÷〔…〕である・コンデンサー1の
極板Aは極板に垂直な方向に動かすことができるが,極板Bは固定されてい
る。コンデンサー2の極板C,Dはどちらも固定されていて,極板の間隔は
24〔m〕である。コンデンサーの極板間には空気が満たされており,空気の誘
電率は真空の誘電率εo〔F/m〕と等しいとみなすことができる。最初スイッチ
1,2は開いており,コンデンサー1,2には電荷は蓄えられていなかった。
コンデンサー2
極板A
/・4
電池
スイッチ2
スイッチ1
図1
コンデンサー1の極板の間隔が4〔m〕となる位置に極板Aを固定してからス
イッチ1だけを閉じ,十分長い時間が経過した。
(D コンデンサー1に蓄えられた電気量を求めよ。
一5
〈>M3(641−16)
(2)コンデンサー1の極板間の電場の強さを示せ。ただし極板の面積は十分大
きく,極板間の電場は一様と考えることができる。
(3)コンデンサー1に蓄えられた静電エネルギーを求めよ。
次に,スイッチ1を開き極板Aの固定を静かにはずした後,極板Aに一定
の大きさの力を加えて極板の間隔が広がる方向に2∂〔m〕だけゆっくりと移動
させて固定した。ただし∠4>0である。
(4)極板Aと極板Bの電位差を示せ。
(5)コンデンサー1に蓄えられた静電エネルギーは,極板Aを移動させる前
と比べてどれだけ増加したかを求めよ。
(6)極板Aを移動させる間に加えた力の大きさを求めよ。
次に,スイッチ1を開いたまま極板Aをコンデンサー1の極板の間隔が
∂〔m〕となる位置に戻して固定した。その後,スイッチ2を閉じ,十分長い時
間が経過した。
(7)
コンデンサー2の極板間の電位差を示せ。
(8)
極板Aから極板Cに移動した電気量を示せ。
(9)
スイッチ2を閉じてから抵抗で発生したジュール熱を求めよ。
一一
U
◇M3(641−17)
問2図2は平行板コンデンサーを使った質量はかりの模式図である。コンデン
サーの極板Eは,床に固定した絶縁体製の支柱L]に取り付けてあり水平に保
たれている。
極板Fは絶縁体で作られた支柱L2の一端に取り付けられており,支柱のも
う一方の端には平らな板Pが取り付けられている。板Pはばね定数紅N/m〕の
ばねで天井につながれ,水平に保たれている。極板Fは水平に保たれたまま
鉛直方向に動くことができるが,極板EとFが接触することはない。板P,
支柱L2,極板Fは全体として剛体とみなすことができる。コンデンサーの極
板EとFは起電力γ〔V〕の電池とスイッチからなる回路に導線でつながってい
る。板Pの質量はM〔kg〕であり,支柱L2,極板F,ばねは十分軽く質量は無
視できる。また,極板にっながった導線は自由に曲がり極板の動きに影響しな
いものとする。コンデンサーに電荷が蓄えられておらず板Pの上に何ものせ
られていない状態では,極板の間隔はぬ〔m〕であった。重力加速度は
g〔m/s2〕とする。
天井
板P
電池
床
図2
一7
<>M3(641−−18)
極板の間隔が40〔m〕となる位置に極板Fを固定しスイッチを閉じた。十分
長い時間がたった後,コンデンサーにはQ〔C〕の電荷が蓄えられた。次に,ス
イッチを開いてから極板Fの固定を静かに外すと,極板Fは単振動を始め
た。
00 単振動の振幅を求めよ。
qD極板Fが単振動の中心の位置を通過する瞬間の速さを求めよ。
次に,極板Fを単振動の中心の位置に静止させた。
02)極板Eと極板Fの間の電位差を求めよ。
次に,板Pの上に質量勿〔kg〕の物体を手で支えながら静かに置き,支えな
くても静止する位置まで下がったところで物体から静かに手を放した。このと
き極板Eと極板Fの電位差は,板Pの上に物体をのせる前と比べると減少し
ていた。物体の質量勿と電位差の減少量の間にはある関係があり,電位差の
減少量を測定すれば物体の質量卿を算出することができる。
⑬ 電位差の減少量が∠γ〔V〕(∠γ>0)のときの勿を求めよ。
8
<>M3(641−19)
皿 単原子分子理想気体において,図1に示す圧カー体積グラフのように,A→
B→C→D→Aと状態を変化させるサイクルを考える。以下の問いに答えよ。
図2のような,断面積S〔m2〕の円筒形の容器を考える。なめらかに動くピスト
ンで物質量κ〔mol〕の単原子分子理想気体を封じ込め,この容器を大気圧ρ〔Pa〕の
大気中に置き,ピストンの上部にばね定数〃〔N/m〕のばねを取り付ける。ここで,
ばねとピストンの質量は無視できる。また,ばねの上部にはおもりがあり,このお
もりは下から支えられて下に落ちることはないが,上がることが可能なように設置
されている。容器内の気体の圧力と体積がそれぞれヵ〔Pa〕,γ〔ln 3〕である状態A
のときに,おもりとピストンの聞の距離がちょうどばねの自然長になっている。ば
ねは鉛直方向にのみ伸び縮みが可能で,おもりは鉛直方向にのみ運動することがで
きる。状態Aのときは,ばねは自然長なので容器内の気体はばねからの力を受け
ないが,体積がγよりも大きくなるとばねが縮み,ばねからの力を受ける。
気体に熱を加えるか奪うかして,ゆっくりと気体の状態を変化させる。熱量
0〔」〕は,気体が外部から熱を受け取る場合を正(Q>0),熱を放出する場合を負
(Q〈0)とする。仕事W〔J〕は,気体が外部に仕事をした場合を正(W>0),
外部から仕事をされた場合を負(W〈0)とする。以下の解答では,これらの符号
に注意せよ。なお,状態変化A→Bの間の出入りする熱量をQAB〔J〕,仕事を
WAI〕〔J〕のように表す。気体定数はR〔」/(mol・K)〕であり,単原子分子理想気体の
定圧モル嶋は÷Rである・
(1)状態Aの温度をη,1∼,ヵ,γを用いて表せ。
(2)状態Aから気体を加熱したところ,図2に示すように,ピストンがばねを押
し縮めながら上昇し,おもりが支えから離れる直前に気体の圧力がκ倍
(圧力幼),体積が冗倍(体積κのの状態Bとなった。ここで,κ>1である。こ
の状態変化A→Bにおいて,圧力の上昇4♪〔Pa〕と体積の増加Zγ〔ln 3〕は比例
関係となる・このとき・弁をばね撒と容器の緬榔を用いて表也
(3)ばね定数〃をヵ,γ,∫を用いて表せ。
一9
〈>M3(641−20)
xカ
圧力
〔Pa〕
カ
Al
0
(2κ一1)γ
克γ
体積〔m3〕
図1
円筒形
容器 A
⇒
⇒
⇒
⇒
C
B
D
A
図2
一10一
<>M3(641−21)
(4)状態変化A→Bにおける内部エネルギーの変化∠ひAB〔J〕,仕事WAB〔J〕,熱
量(9AB〔J〕をカ,γ,κを用いて表せ。
(5)さらに容器内の気体を加熱したところ,図2に示すように,ばねが長さ一定で
縮んだ状態を保ちながら,おもりは支えから離れて上昇し,圧力がκヵ,体積が
(2κ一1)γの状態Cへと変化した。熱量(2BC〔」〕と仕事WBC〔J〕をヵ,γ,κを
用いて表せ。
(6)状態変化B→Cにおける,おもりの重力による位置エネルギーの増加分を
ヵ,γ,κを用いて表せ。
(7)状態Cにおいて,支えの位置をおもりのすぐ下に移動させ,おもりがこのと
きの位置より下がらないようにした。その後,容器内の気体から熱を奪い,圧力
がヵ,体積がκγとなる状態Dへ変化させた。仕事WCD〔」〕をヵ,以κを用いて
表せ。
(8)状態Dから,容器内の気体から熱を奪い体積を減少させた直後,ばねの上部
はおもりから離れ,ピストンはばねからの力を受けなくなった。さらに熱を奪い
気体を最初の状態Aに戻した。仕事WDA〔」〕をヵ,γ,κを用いて表せ。
(9)状態変化A→B→C→D→Aの1サイクルで,外部から受け取った熱量の
一部を仕事に変換し,残りの熱量は外部に放出している。ここで,Wt〔J〕を気体
が外部に対してした正味の仕事,すなわち,この1サイクルにおける仕事の総和
とする。また,〔g」。〔」〕は熱量QAB, QBC,(ICf), QI)Aのうち正の熱量の総和とす
る・このとき・熱辮は・一 Wと表される・気体が外部に対してした正味の
仕事Wと正の熱量の総和(9i.を♪,17,κを用いて表せ。また,この熱効率εを
κを用いて表せ。
一11一
<>M3(641−22)
化
学
注意問題は1,H,田の3題である。解答に単位が必要なものには単位をつけ
て記すこと。田のAは全員解答し,皿のBとCはどちらか一方を選択して解答
すること。また,問題文中の体積の単位記号Lは,リットルを表す。
1 次の文章を読み,以下の問1∼問4に答えよ。問2,問3,問4は解答に至る導
出過程も記すこと。必要であれば,下の値を用いよ。
原子量 H:1.O C:12 0:16
気体定数 1∼=8.3×103Pa・L/(rnol・K)
27℃における水の飽和蒸気圧 3.6×103Pa
二酸化炭素(CO 2)は,我々の生活にとってなじみ深い気体の1つである。大気圧下
において一1・・℃以下のような低謙件では,C・・は[ア]と1・乎ばれる固体とな
る.[]は端で放置すると気体に変イヒするがにの聴を「[という.
[口が生じるとき,[1の吸鰻は糸勺573J/・であり,氷の融鰍が糸勺
334J/・であること鰭えると,巨]}ま水よりも酬性に働ていることがわか
る.そのため巨]は浪料品などの保冷斉‖として踊的に勧れている.
CO 2には,温室効果ガスとしての一面もある。化石燃料の大量消費や森林の大規
模伐採が原因で,大気中のCO 2濃度は増加の一途をたどっており,地球温暖化の問
題が深刻化しつつある。こうした背景から,CO 2の排出量が比較的少ないクリーン
なエネルギー源として,天然ガスの重要1生が増している。天然ガスの主成分はメタン
(CH 4)であり,都市ガスなどで幅広く利用されている。
一方,CO 2の排出量を削減するための方法としては,発電所や製鉄所で発生した
CO 2を分離・回収する研究が注目されている。 CO 2をよく吸収する特殊な液体を合
成し,この液体にCO 2を溶解させて回収する方法は,その一例である。現在,他に
も様々な研究が世界各国で進められており,地球温暖化問題の解決を目指すために
は,人類の英知を幅広く結集していかなければならない。
一一 12 一 く>M3(641−23)
和蜘の空欄[ア]と巨コに入る鎚な縦記也ただし,[1は
漢字で記すこと。
問2容積24.9Lの密閉容器に,温度57℃で二酸化炭素と水蒸気の混合気体を
入れたところ,容器内の気体の圧力は1.50×104Paであった。この気体の温度
を27℃まで徐々に冷却したところ,容器内の気体の圧力が9.6×103Paにな
り,容器内には水滴が生じていた。生成した水滴の体積および二酸化炭素の水へ
の溶解は無視できるものとして,以下の(D∼(3)に答えよ。なお。解答に至る導出
過程も記すこと。
(1)冷却後の27℃における二酸化炭素の物質量(mol)を求め,3桁日を四捨五
入して有効数宇2桁で記せ。
(2)冷却前の57℃における二酸化炭素の分圧(Pa)を求め,3桁目を四捨五入し
て有効数字2桁で記せ。
(3>冷却によって生成した水滴の物質量(mol)を求め,3桁日を四捨五入して有
効数字2桁で記せ。
問3圧力1.0×10δPaのCO 2が0℃で水1.OLに溶ける物質量(mol)は
7.7×1忙2molである。圧力2.5×105PaのCO 2を0℃で体積1.1Lの水と接
触させたとき,水に溶けているCO 2の質量(g)を求め,3桁目を四捨五入して有
効数字2桁で記せ。ただし,ヘンリーの法則が成立し,水の蒸気圧と体積変化は
無視できるものとする。なお,解答に至る導出過程も記すこと。
一13一
〈>M3(641−24)
問4CO 2をよく吸収するために開発された特殊な溶媒として,セレクソールと
いうものがある。圧力1.0×105PaのCO 2がセレクソール1.OLに溶ける物質
量(mol)は,17℃で0.22 mol,47℃で0.10 molであり,水よりもかなり溶解
度が高い。セレクソールによるCO 2の溶解は,ヘンリーの法則に従う。以下の
(1)と(2)に答えよ。ただし,セレクソールの蒸気圧および温度変化による体積変化
は無視できるものとする。なお,解答に至る導出過程も記すこと。
(1)容積17.6Lの密閉容器に,セレクソール1.OLとCO2のみを入れた。17℃
で平衡状態に到達させたところ,容器内の圧力は2.9×104Paを示した。こ
のとき,封入したCO 2の物質量(mol)を求め,3桁目を匹|捨五入して有効数字
2桁で記せ。
(2)(1>の操作の後,密閉容器全体の温度を47℃まで加温してから平衡状態に到
達させた。容器内の気体の圧力(Pa)を求め,3桁目を四捨五入して有効数字
2桁で記せ。
一14一
<>M3(641−25)
]] 次の文章を読み,以下の問1∼問5に答えよ。問2(2),問4は解答に至る導出過
程も記すこと。必要であれば,下の値を用いよ。
原子量 H:1.O O:16 Cu:63.5 Zn:65.4 Ag:108
ファラデー定数 96500C/mol
銅は,自然銅として存在するため,先史時代から用いられてきた金属である。銅は
新石器時代から用いられていたが,やわらかいため用途は限られていた。合金にする
と銅よりも硬くなることを利用して,銅とスズの合金である青銅が開発され,それを
成型して様々な青銅器を作り出す金属加工技術が体系化された。現在においても,電
気伝導性および熱伝導性の高さから,銅は電気配線や熱交換器など様々な工業製品に
利用されている。
また,銅は古代から硬貨の材料として用いられている。現在,造幣局で製造してい
る通常の十円硬貨は純銅製ではなく亜鉛を3∼4%,スズを1∼2%含む青銅であ
る。また,五円硬貨は亜鉛を30∼40%含む黄銅,五十円硬貨や百円硬貨はニッケル
を25%含む臼銅,五百円硬貨は銅と亜鉛およびニッケルの合金である。
銅の精錬過程において,まず銅鉱石に酸素を反応させて酸化銅(1)を生成し,これ
を還元する操作を行うが,銅以外の金属を含む粗銅が得られる。その後,粗銅を陽
極,純銅を陰極として硫酸酸性硫酸銅伍)溶液を用いて電気分解を行う電解精錬法に
より,純銅が得られる。銅は塩酸や希硫酸とは反応しないが,濃硝酸との反応により
(a)
気体Aが発生し,希硝酸との反応により気体Bが発生する。
(b>
一15一
<>M3(641−26)
問1下線部(a),(b)で生じる反応を化学反応式で記せ。
問2 気体Aを容器に密閉すると気体Cと以下の式で示す平衡状態になることが知
られている。
2A = C
以下の(1)と(2)に答えよ。
(1)気体Cの化学式を記せ。
(2)ある温度で気体Aを容積一定の容器に100kPaになるまで入れた。(この時
点では,反応は起こっていなかった。)その後,十分な時間がたつと平衡状態に
なった。そのときの容器内の圧力は80kPaであった。平衡状態における気体
Aと気体Cの分圧(kPa)および圧平衡定数1Φを求め,3桁日を四捨五入して
有効数宇2桁で記せ。
問3粗銅中には亜鉛や銀などの不純物が含まれている。電解精錬により亜鉛と銀
のそれぞれが取り除かれる理由を2行以内で記せ。
問4 亜鉛と銀のみを不純物として含む粗銅と純銅を用いて電解精錬を行った。
1.930×105Cの電気量を流したところ,粗銅の質量が64.00g減少した。減少量
のうち,銅の質量は62.23gであった。粗銅64.00gに含まれていた銀の質量(g)
を求め,3桁目を四捨五入して有効数字2桁で記せ。ただし,粗銅の組成は均∼
であり,流れた電気量はすべて電気分解に使われたものとする。なお,解答に至
る導出過程も示すこと。
問5純銅と黄銅を十分な量の希硝酸と反応させて完全に溶解させた溶液を調製し
た。どちらが黄銅を処理した溶液であるかを,沈殿生成反応を利用して半‖断する
方法を2行以内で記せ。ただし,溶液の色では区別できないものとする。
一16一
〈〉』vl 3(641−27)
皿 Aについては全員が解答すること。B, Cについてはいずれか一方を選択し,解
答用紙の所定の欄に選択した問題の記号(BまたはC)を記入すること。
A次の文章を読み,問1∼問4に答えよ。構造式は例にならって記すこと。
[例] HO−CH 2
O CH 3
1{ 1
H2N
C−−CH−CH 2−CH 3
*
分子式C8HloOの芳香族化合物A∼Eがある。化合物AとBはベンゼンの一置換
体であり,化合物C∼Eはベンゼンの二置換体でパラ位に置換基がついている。化合
物A∼Dは金属ナトリウムと反応して水素を発生するが,化合物Eは反応しなかっ
た。化合物Aは不斉炭素原子をもち,化合物Aに水酸化ナトリウム水溶液とヨウ素を
加えて加熱すると,特有のにおいをもつ黄色結晶が生成した。酸触媒を加えてから加
熱し,脱水反応を行ったところ,化合物AとBからは同じ化合物Fが得られた。化合
物Fに臭素を反応させると付加反応が起こり,化合物Gが得られた。化合物Cに塩化
鉄(皿)水溶液を加えると呈色した。化合物Dを穏やかに酸化すると,還元性を示す化
合物Hが得られた。Hのベンゼン環についた水素原子1つを臭素原子に置換すると,
2種類の化合物が生じた。
問]化合物A∼Hの構造式を例にならって記せ。不斉炭素原子が存在するものに
関しては,不斉炭素原子の上または下に*を付けて記すこと。
問2下線部の黄色結晶の化学式と名称を記せ。
問3分子量は同じであるが,化合物Cは化合物Eよりも沸点が高い。その理由を
2行以内で記せ。 一
一17一
<>M3(641−28)
問4 化合物1を加水分解すると,酸性を示す有機化合物」と,化合物AおよびB
が得られた。化合物」は,化合物Dを過マンガン酸カリウムで酸化することに
よっても得ることができる。一方,化合物」の位置異性体である化合物Kは,加
熱すると脱水して化合物Lが生じた。化合物Lと化合物Dを反応させると,化合
物Mが生じた。化合物Mに炭酸水素ナトリウム水溶液を加えると,気体が発生し
た。化合物1,L, Mの構造式を例にならって記せ。不斉炭素原子が存在するも
のに関しては,不斉炭素原子の上または下に*を付けて記すこと。
一18一
<>M3(641−29)
B 次の文章を読み,以下の問1∼問4に答えよ。化学構造は例にならって記せ。
高分子に適当な試薬を反応させることで,様々な構造の高分子材料へと変換でき
る。熱可塑性樹脂の代表例であるポリメタクリル酸メチルやポリ酢酸ビニル,ゴムの
(1) (2)
成分であるシス形ポリイソプレンなどは,付加重合により合成される。ポリメタクリ
{3)
ル酸メチルとポリ酢酸ビニルは側鎖のエステル基の加水分解により,それぞれ高分子
化舗である巨]と巨]へ変換される。巨]にホルムアルデヒドの水溶
瀦反応させると[互]が得られる.この反応により高分子主鎖に結飢た
巨]基の数が減少するため,[ウ]は水に禰性になる.シス型ポリイソプレ
ンに巨]を馴することにより巨]撒を持つ難ゴムが得られる.
問1下線部(1)∼(3)の高分子化合物の構造式を例にならって記せ。
問2蜘の空欄[ア]一巨]に当てはまる幽嬬を記せ.
一19一
<>M3(641−3G)
下図に示す単量体Aでは,環構造を保持したまま付加重合が進行して高分子化合物
1が生じる。また,反応条件によっては開環重合も可能であり,単量体Aのエステル
結合が開裂してポリエステルである高分子化合物∬が得られる。高分子化合物1はエ
ステル結合の加水分解により高分子化合物田に変換される。また,高分子化合物互に
は複数の炭素一炭素2重結合があるため,高分子化合物Hとアクリロニトリルを重合
させると複雑な構造を持つ高分子化合物IVを得ることができる。
CH 2
↓
・\C/\CH,
\ /
O−CH 2
単量体A
問3高分子化合物1,H,孤の構造式を例にならって記せ。
問4 高分子化合物IV中の炭素と酸素の物質量(mol)比は4:1であった。この高
分子化合物IV中の単量体A由来の繰り返し単位の数に対するアクリロニトリル由
来の繰り返し単位の数の比を求め,最も単純な整数比で記せ。
一20一
<>M3(641−31)
C 次の文章を読み,以下の問1∼問4に答えよ。
糖類は光合成により生産される。具体的には,1molのグルコースは,6molの水
と巨]m・1の[イ]から蛾する.一方,11n・1のグル}スは醐齢作用
によりア加ヲレ=して[ウ]m・1の[三]ど2m・1の[]になる.グ
ルコースは水溶液中で環状構造と鎖状構造(開環構造)が平衡状態になっており,鎖状
構造には巨]基があるた腿誰を示す.蹴構造は,縮榊では存在比率が
1%以下であるが,鑛反頗どが嫉よく齢する.これは[三]の原理によ
り反応の進行とともに平衡移動が起こるためである。フルクトースは水溶液中では,
(1)
鎖状構造,6員環構造,5員環構造が平衡状態になっている。二糖類のマルトースと
(2)
セロビオースはそれぞれ,αおよびβ一グルコースが1位と4位で縮合したα一1,4一
(3)
およびβ一L4一巳コ締譜つ・繊の成分であ6スク・一スはげルコース
とβ一フルクトースが1位と2位で縮合したものである。アミロースやセルロースは
多糖類に分類される。アミロースはα一グルコースが縮合した直鎖状構造であり,分
子全体では巨]構避とっている。その[ク]構造中に巨]分子轍り込
むため青色に呈色する。一方,セルロースはβ一グルコース分子が縮合した構造であ
るが,分禍で巨]結合することによ姫大な会合体を輸するため,ほとんど
の溶媒には溶解しない。
問1文中の空欄[1−[三]に当てはま鏑当な語または数を記せ.
一21一
〈>M3(641−32)
問2下の化鞘造式中の巨]一[D]}・当てはまる鎚館能基を例にな
らって記せ。なお,環中の炭素原子に結合した水素原子は省略している。
1例]
O
il
−CH 2−C−OH
C−O\/OH
C/OH
C−O C
/
/ \
COH C =こ COH
/[コ= HO/\1
HO/\と_C/\OH
HO/\LC
l l
OH OH
α一グルコース 開環構造
C−C↓H
β一グルコース
l
i l
OH
OI{ OH
α一フルクトース
/C
開環構造 β一フルクトース
問3下線(1)∼(4)の糖の中で還元性を示さないものはどれか。記号で示せ。その理
由を1行で説明せよ。
一22一
<>M3(641−33)
問4 グルコースの発酵としては,アルコール発酵以外に乳酸菌を用いた乳酸発酵
がある。ヨーグルト用のブルガリア菌を用いた場合には,グルコース1mo至から
乳酸が2mo1生じ,ホモ発酵と呼ばれている。他の菌を用いた場合には,乳酸以
外の生成物が生じるヘテロ発酵が起こることがある。例えば,ビフィズス菌を用
いた発酵では,2molのグルコースから2molの乳酸とκmolの酢酸が生じる。
また,カッテージチーズを作るときに用いる乳酸菌を用いた場合は,11nolのグ
ル}スから1m・1の乳酸と・m・1の巨]と…1の[イ]が生じる.上
のκ,ッ,zの値を整数で記せ。
一一
Q3一
〈>M3(641−34)