今週の日米株式ストラテジー;pdf

2015.3.27
今週の日米株式ストラテジー
∼米国では景況感が改善し、日本でも景気回復期待が高まる可能性∼
図表① 日経平均とNYダウ
先週月曜日(3/23)の東京市場では日経平均が 194 ∼3/26 のNYダウは 40 ドル安と 4 日続落した∼
3/23 の日経平均は約 15 年ぶりの高値を更新
円高と続伸し、前週末(3/20)に続いて約 15 年ぶ
りの高値を更新した。前週末の米国市場で NY ダウ
が 168 ドル高と反発したことが好感されたことに
加えて、週明けの東京市場では 3 月期末の配当取り
目的の買いが相場を押し上げた。一方、月曜日の米
国市場で利益確定売りが優勢となり、NY ダウが 11
ドル安と小反落すると、翌火曜日(3/24)の東京市
場でも利益確定売りが優勢となり、日経平均は 40
円安と 3 日ぶりに反落した。さらに、火曜日の米国
市場でも利益確定売りが続き、NY ダウが 104 ドル
安と続落したが、翌水曜日(3/25)の東京市場では
3 月期末の配当取り目的の買いなどが入り、日経平
均は 32 円高と小幅に反発した。しかし、水曜日の
米国市場で米 2 月の耐久財受注が前月比で予想外に
減少したことなどが嫌気され、NY ダウが 292 ドル
安と 3 日続落すると、翌木曜日(3/26)の日経平均
は 275 円安と反落した。
今週の米国株式相場は堅調な展開と想定
今週の米国市場では月曜日(3/30)に発表される
2 月の個人消費支出、火曜日(3/31)に発表される
3 月のシカゴ購買部協会景気指数及びコンファレン
スボード消費者信頼感指数、水曜日(4/1)に発表さ
れる 3 月の ADP 雇用統計・ISM 製造業景況感指数・
新車販売台数、木曜日(4/2)に発表される 2 月の
貿易収支などが注目されよう。
3/12 に発表された米 2 月の小売売上は前月比で予
想外に減少し、個人消費の失速懸念が高まった。大
雪や寒波など 2 月後半の厳しい天候が要因とみられ
るが、今週発表される 2 月の個人消費支出は 3 カ月
ぶりに増加し、3 月の新車販売台数は 4 カ月ぶりに
増加すると予想されており、個人消費の回復を示す
指標として株式市場で好感されよう。また、3 月の
シカゴ購買部協会景気指数は前月比で大幅に上昇
すると予想されており、3 月のコンファレンスボー
ド消費者信頼感指数及び ISM 製造業景況感指数は
前月比ほぼ変わらずと予想されている。米国の経済
指標がエコノミスト予想を上回ったか下回ったか
を数値化したエコノミック・サプライズ・インデッ
クスは既に大幅なマイナスとなっているが、経済指
標の下振れが一巡するタイミングは近い可能性も
19800
20600
(左軸)日経平均と200日移動平均→
(円)
(ドル)
18000
3/26まで
19600
16200
18600
14400
17600
12600
16600
↑
NYダウと200日移動平均
(右軸)
15600
10800
14/3/27 5/23
出所
7/22
9/17
11/12 15/1/12 3/11
大和証券投資戦略部で取りまとめ
図表② 米国の小売売上と個人消費支出
∼2 月の個人消費支出は 3 カ月ぶりに増加すると
予想されている∼
465
12.4
(10億$)
445
米国の小売売上(左軸)
〃 個人消費支出(右軸)
←15/1
(兆$)
12.0
←15/2
425
11.6
405
11.2
15/2の個人消費支出は
3/30(月)発表
385
10.8
365
10.4
345
10.0
325
2008/1 09/1
出所
9.6
10/1
11/1
12/1
13/1
14/1
15/1
米商務省
図表③ ユーロ・日本・米国のエコノミック・サプライズ・インデックス
∼米国の経済指標の下振れが一巡するタイミン
グは近い可能性も∼
75
過去3カ月間に発表された経済指標がエコノミスト予想を上(下)回
れば、エコノミック・サプライズ・インデックスが上昇(低下)する。
←ユーロ
50
25
3/26まで
0
←日本
▲25
▲50
←米国
▲75
▲100
14/3/26 5/22
出所
7/18
9/12
11/7
15/1/6
3/3
大和証券投資戦略部で取りまとめ
本資料は、投資の参考となる情報提供のみを目的としたものです。投資に関する決定はご自身の判断でなさいますようにお願い申し上げます。本資料は、当社が信頼
できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されていますが、その情報の正確性、完全性を保証するものではありません。また、本資料に記載された意見や予
測等は、資料作成時点の当社の判断で、今後、予告なしに変更されることがあります。なお、本資料のご利用に際しては、最終ページの記載もご覧ください。
-1/3-
あると見ている。
今週の米国市場では金曜日(4/3)に発表される 3
月の雇用統計を見極めたいという様子見気分が高
まる可能性もあるが、景況感の改善を背景に株式相
場は堅調な展開と想定する。
図表④ 日本の輸出金額と鉱工業生産指数
∼2 月の輸出金額が大幅に減少したのは中華圏に
おける春節が影響したとみられる∼
8.0
124
日本の輸出金額(左軸)
(兆円)
日本の鉱工業生産指数(右軸)
(2010年=100)
7.0
114
←リーマン・ショック
日経平均の下値余地は限定的と想定する
今週の東京市場では月曜日(3/30)に発表される
2 月の鉱工業生産指数、火曜日(3/31)に発表され
る 2 月の毎月勤労統計、水曜日(4/1)に発表され
る 3 月調査の日銀短観などが注目されよう。
3/18 に発表された貿易統計で 2 月の輸出金額(季
節調整値)が前月比で大幅に減少したことについて
大和総研は、中華圏における春節が影響したとみら
れ、過度に悲観的に捉える必要もないだろうとレポ
ートした。一方、政府は先週発表した 3 月の月例経
済報告で、景気判断を 8 カ月ぶりに上方修正した。
米国やアジア向けの輸出がけん引役となり、企業が
生産を増やし収益を伸ばしていることを重視した。
今週発表される 2 月の鉱工業生産指数は前月比で 3
カ月ぶりに低下すると予想されているが、同時に発
表される 3 月及び 4 月の生産予測が上昇すれば、企
業活動の回復基調が裏付けられよう。
先週発表された 2 月の消費者物価指数(生鮮食品
を除く)は消費税の影響を除くと前年比変わらずと
なった。今週発表される 2 月の毎月勤労統計では基
本給を示す所定内給与の伸び率がプラスを維持す
る可能性が高く、今春の労使交渉で毎月の基本給を
引き上げるベースアップ(ベア)で昨春を上回る額
を提示する企業が相次いだことと合わせて、実質賃
金の回復期待が一段と高まる可能性があろう。
今週発表される 3 月調査の日銀短観では大企業製
造業の業況判断 DI が 14、先行きも 16 と、昨年 12
月の前回調査の 12 から小幅に改善すると予想され
ており、鉱工業生産指数や毎月勤労統計と合わせて
景気回復を示す指標として株式市場で好感されよ
う。また、日銀短観では、今回初めて発表される 2015
年度の経常利益や設備投資の計画も注目されよう。
目先の東京市場では海外投資家の利益確定売り
に加えて、国内の機関投資家の期初の利益確定売り
も先行する可能性があるが、3 月の株高に乗り遅れ
た個人投資家の押し目買い意欲は強いと考えられ、
日経平均の下値余地は限定的と想定する。
(野間口)
←15/2
6.0
←15/1
5.0
104
94
15/2の鉱工業生産指数は
3/30(月)発表
4.0
84
いずれも季節調整値
3.0
2005 06
出所
74
07
08
09
10
11
12
13
14
15
財務省、経済産業省
図表⑤ 日本の消費者物価と所定内給与
∼実質賃金の回復期待が一段と高まる可能性∼
4
(前年比:%)
日本の消費者物価
〃 (消費税除く)
〃
所定内給与
3
2
←15/2
消費者物価は生鮮食品を除く
1
←15/1
0
←15/2
▲1
15/2の毎月勤労統計は
3/31(火)発表発表
▲2
▲3
2005 06
出所
07
08
09
10
11
12
13
14
15
総務省、日本銀行、厚生労働省
図表⑥ 個人投資家の日本株売買差額
∼3 月の株高に乗り遅れた個人投資家の押し目買
い意欲は強いと考えられる∼
6000
個人投資家の日本株売買差額(左軸)
日経平均(右軸)
(億円)
3月第3週
(3/16∼20)
買い越し
↑
↓0
売り越し
17900
▲6000
15800
▲12000
14/4/18 6/13
出所
20000
←3/26 (円)
13700
8/8
10/3
11/28 15/1/23 3/20
東京証券取引所、日本経済新聞社
本資料は、投資の参考となる情報提供のみを目的としたものです。投資に関する決定はご自身の判断でなさいますようにお願い申し上げます。本資料は、当社が信頼
できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されていますが、その情報の正確性、完全性を保証するものではありません。また、本資料に記載された意見や予
測等は、資料作成時点の当社の判断で、今後、予告なしに変更されることがあります。なお、本資料のご利用に際しては、最終ページの記載もご覧ください。
-2/3-
お取引にあたっての手数料等およびリスクについて
手数料等およびリスクについて
z 株式等の売買等にあたっては、
「ダイワ・コンサルティング」コースの店舗(支店担当者)経由で
国内委託取引を行う場合、約定代金に対して最大 1.24200%(但し、最低 2,700 円)の委託手数料
(税込)が必要となります。また、外国株式等の外国取引にあたっては、現地諸費用等を別途い
ただくことがあります。
z 株式等の売買等にあたっては、価格等の変動による損失が生じるおそれがあります。また、外国
株式等の売買等にあたっては価格変動のほかに為替相場の変動等による損失が生じるおそれがあ
ります。
z 信用取引を行うにあたっては、売買代金の 30%以上で、かつ 30 万円以上の委託保証金が事前に必
要です。信用取引は、少額の委託保証金で多額の取引を行うことができることから、損失の額が
差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。
z 債券を募集・売出し等により、又は当社との相対取引により売買する場合は、その対価(購入対
価・売却対価)のみを受払いいただきます。円貨建て債券は、金利水準の変動等により価格が上
下し、損失を生じるおそれがあります。外貨建て債券は、金利水準の変動に加え、為替相場の変
動等により損失が生じるおそれがあります。また、債券の発行者または元利金の支払いを保証す
る者の財務状況等の変化、およびそれらに関する外部評価の変化等により、損失を生じるおそれ
があります。
z 投資信託をお取引していただく際に、銘柄ごとに設定された販売手数料および信託報酬等の諸経
費、等をご負担いただきます。また、各商品等には価格の変動等による損失を生じるおそれがあ
ります。
ご投資にあたっての留意点
z 取引コースや商品毎に手数料等およびリスクは異なりますので、上場有価証券等書面、契約締結
前交付書面、目論見書、等をよくお読みください。
z 外国株式、外国債券の銘柄には、我が国の金融商品取引法に基づく企業内容の開示が行われてい
ないものもあります。
商号等 :大和証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第108号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、
一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会
【保有株式等について】
大和証券は、このレポートに記載された会社が発行する株券等を保有し、売買し、または今後売買することがあります。大和証券グループ
が、株式等を合計 5%超保有しているとして大量保有報告を行っている会社は以下の通りです。(平成 27 年 3 月 13 日現在)
第一カッター興業(1716) 北弘電社(1734) 大豊建設(1822) テノックス(1905) アコーディア・ゴルフ(2131) フルスピード(2159) エ
イジア(2352) アルコニックス(3036) ソリトンシステムズ(3040) サンセイランディック(3277) 星野リゾート・リート投資法人(3287)
日本ヘルスケア投資(3308) クリヤマホールディングス(3355) ケー・エフ・シー(3420) サンコーテクノ(3435) トーセイ・リート投資
法人(3451) テックファーム(3625) エムアップ(3661) モブキャスト(3664) アバント(3836) 関東電化工業(4047) 第一稀元素化学
工業(4082) ラクオリア創薬(4579) 中国塗料(4617) MORESCO(5018) 相模ゴム工業(5194) 有沢製作所(5208) ノザワ(5237) 中山製
鋼所(5408) 東京鐵鋼(5445) 新報国製鉄(5542) 日本精鉱(5729) テクノプロ・ホールディングス(6028) ライドオン・エクスプレス
(6082) 日進工具(6157) レオン自動機(6272) 日精エー・エス・ビー機械(6284) 日精樹脂工業(6293) オカダアイヨン(6294) 加藤製
作所(6390) 兼松エンジニアリング(6402) JUKI(6440) 三相電機(6518) ダブル・スコープ(6619) SEMITEC(6626) 寺崎電気産業
(6637) 戸上電機製作所(6643) 京写(6837) 山一電機(6941) 芝浦電子(6957) アストマックス(7162) ノジマ(7419) 大興電子通信
(8023) マネースクウェア HD(8728) マネーパートナーズ(8732) シノケングループ(8909) 大和証券オフィス投資法人(8976) 日本賃
貸住宅(8986) ファーストエスコ(9514) セレスポ(9625) 帝国ホテル(9708) 丸紅建材リース(9763) パーカーコーポレーション
(9845) バイテック(9957)(銘柄コード順)
【主幹事を担当した会社について】
大和証券は、平成 26 年 3 月以降下記の銘柄に関する募集・売出し(普通社債を除く)にあたり主幹事会社を担当しています。
日本M&Aセンター(2127) リンクアンドモチベーション(2170) 東京エレクトロンデバイス(2760) 北の達人コーポレーション(2930)
アークランドサービス(3085) ブロンコビリー(3091) 鳥貴族(3193) ホットランド(3196) 大和ハウスリート投資法人(3263) アクテ
ィビア・プロパティーズ投資法人(3279) イオンリート投資法人(3292) ヒューリックリート投資法人(3295) 日本ヘルスケア投資法人
(3308) トリドール(3397) トーセイ・リート投資法人(3451) ケネディクス商業リート投資法人(3453) コロプラ(3668) リアルワール
ド(3691) オプティム(3694) GMOリサーチ(3695) 大王製紙(3880) クラウドワークス(3900) カヤック(3904) データセクション
(3905) 竹本容器(4248) クイック(4318) ダイト(4577) リボミック(4591) 日本エンタープライズ(4829) OATアグリオ(4979)
クニミネ工業(5388) GMO TECH(6026) アドベンチャー(6030) インターワークス(6032) エクストリーム(6033) MRT(6034)
ファーストロジック(6037) レアジョブ(6096) 日本ビューホテル(6097) パンチ工業(6165) イマジカ・ロボット ホールディングス
(6879) FPG(7148) 盟和産業(7284) プラッツ (7813) 菊水化学工業(7953) 三井不動産(8801) 日本ビルファンド投資法人(8951)
オリックス不動産投資法人(8954) ユナイテッド・アーバン投資法人(8960) 平和不動産リート投資法人(8966) 大和証券オフィス投資法
人(8976) ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985) U−NEXT(9418) エムティーアイ(9438) アルファポリス(9467) 広島ガス
(9535) アイ・エス・ビー(9702) 学究社(9769) 蔵王産業(9986)(銘柄コード順)
本資料は、投資の参考となる情報提供のみを目的としたものです。投資に関する決定はご自身の判断でなさいますようにお願い申し上げます。本資料は、当社が信頼
できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されていますが、その情報の正確性、完全性を保証するものではありません。また、本資料に記載された意見や予
測等は、資料作成時点の当社の判断で、今後、予告なしに変更されることがあります。なお、本資料のご利用に際しては、最終ページの記載もご覧ください。
-3/3-