記者発表資料(PDF形式 206KB)

横 浜 市 記 者 発 表 資 料
平成 27 年4月2日
医療局がん・疾病対策課
市内4病院を「小児がん連携病院」に指定します
~総合的ながん対策を始動!~
横浜市では、昨年6月、議員提案により、「横浜市がん撲滅対策推進条例」が制定さ
れ、4月からは、横浜市の医療政策を一体的かつ強力に推進していくため、医療局を設
置し、総合的ながん対策を推進しています。
このたび、総合的ながん対策、第一弾の取組として、小児がん診療に実績のある4つ
の病院を「横浜市小児がん連携病院」と指定し、診療体制の充実や相談支援体制を構築
していきます。
◇目的
小児がんは、こどもの病死原因の第一位ですが、種類が様々であり、患者数が少ないことから、
医療関係者でも認知が進んでおらず、診断が遅れる場合があります。また、小児の成長発達に応
じた長期にわたる相談支援や、成人後の円滑な診療への連携など課題が多い状況です。
今回、小児がん連携病院を指定することで、市民の皆様が、どこを受診すれば良いのか、より
わかりやすくなり、早期に適切な診断や治療ができる医療機関につなげていきます。
◇横浜市小児がん連携病院
(平成 27 年4月 10 日指定)
病 院 名
神奈川県立病院機構
神奈川県立こども医療センター
住 所
南区六ツ川
2-138-4
代表者
総長
康井制洋
社会福祉法人恩賜財団済生会
横浜市南部病院
港南区港南台
院長
3-2-10
今田敏夫
公立大学法人
横浜市立大学附属病院
金沢区福浦
院長
3-9
平原史樹
青葉区藤が丘
院長
1-30
眞田
学校法人昭和大学藤が丘病院
備
考
小児専門病院
厚生労働省小児がん拠点病院
神奈川県がん診療連携指定病院
厚生労働省地域がん診療連携拠点病院
裕
【指定要件】
1 日本小児血液・がん学会認定専門医又は指導医が常勤でいること
(2020 年 4 月までは日本小児血液がん学会暫定指導医がそれに代わることができる)
2 日本小児白血病・リンパ腫研究グループへの参加施設であること
3 原則として、年間 10 例以上の小児がん患者を診療していること
◇小児がん連携病院の取組内容
1
2
3
4
診療の連携を円滑にすることで、小児がん診療を充実します。
関係職種の研修を行い、小児がんの診療や相談を充実します。
県立こども医療センターに相談窓口を設置し、情報提供や相談支援を充実させることで、患
者・家族等の不安を軽減します。
本市が行う実態調査に協力し、今後の本市の小児がん診療や相談支援に関する検討をします。
裏面あり
小児がん連携病院による診療連携のイメージ
神奈川県立こども医療センター
成人診療科への紹介・長期フォローアップ連携
病院・診療所
(主に小児科)
◎横浜市小児がん相談窓口
診療連携協力
昭和大学藤が丘病院
済生会横浜市南部病院
横浜市立大学附属病院
病院・診療所
病院・診療所
病院・診療所
(主に小児科)
(主に小児科)
【参考1】小児がんとは
(主に小児科)
(国立がん研究センターホームページより一部改変)
小児がんは、小児がかかるさまざまながんの総称です。
主な小児がんは、白血病、脳腫瘍、神経芽腫(しんけいがしゅ)、悪性リンパ腫、腎腫瘍(腎芽腫(じ
んがしゅ)、ウィルムス腫瘍)などです。白血病や脳腫瘍が割合としては多い状況ですが、種類が多く、
治療法もそれぞれに異なります。
主な小児がんとしては、白血病が約 40%、脳腫瘍が約 20%を占めます。血液のがんである白血病や悪
性リンパ腫を除き、大人ではまれなものばかりです。
現在、小児がんは、手術治療、薬物療法(抗がん剤治療)、放射線治療、造血幹細胞移植などを組み
合わせて治療します。小児がんは発見が難しく、がんの増殖も速いのですが、成人のがんに比べて化学
療法や放射線療法に対する効果が極めて高いのも特徴です。ここ数十年の医療の進歩で、現在では 70
~80%が治るようになってきました。
小児がんは、数が少なく種類が多いため、症例の多い病院での治療が必要です。
子どもは発育途中にあるため、治療の合併症がその後何年も経ってから現れることがあります(晩期
合併症)。晩期合併症には成長・発達、生殖機能、臓器機能、二次がんに関するものなどがありますの
で、治った後も年齢に応じた長期にわたるフォローアップが必要です。小児がんでは治癒後も、晩期合
併症においてはチーム医療が、生活面や教育面では社会的なさまざまなサポートが必要とされていま
す。
【参考2】年齢別こどもの死亡原因 (平成 25 年人口動態調査)
1位
2位
1~4 歳
先天奇形、変形及び染色体異常 不慮の事故
5~9 歳
悪性新生物、不慮の事故
-
10~14 歳 悪性新生物
自殺
15~19 歳
自殺
不慮の事故
3位
悪性新生物
その他の新生物
不慮の事故
悪性新生物
※0 歳については、周産期に関する死亡及び先天奇形に関する死亡があるため、除外しています。
※不慮の事故及び自殺を除き、1~19 歳の総数では悪性新生物が病気による死因の 1 位です。
お問合せ先
医療局がん・疾病対策課長 杉浦 宏
Tel 045-671-2957