ベトナム:高成長回帰の危うさ

みずほインサイト
アジア
2015 年 4 月 8 日
ベトナム:高成長回帰の危うさ
みずほ総合研究所
調査本部
実力を超える成長の継続による弊害が懸念
アジア調査部
03-3591-1385
○ ベトナムの成長率は2014年後半から加速しており、潜在成長率を上回る水準で推移しているとみら
れる。マクロ経済運営の方針は実態として安定重視から高成長追及路線に転換したといえよう
○ 景気加速のけん引役をみると投資など内需が拡大しており、その背景には2014年後半からのベトナ
ム国家銀行(中央銀行)による相次ぐ金融緩和策と銀行への貸出促進策がある
○ 景気刺激策の強化により、貿易赤字拡大や外貨準備の低下傾向といった変調の兆しがみられる。今
後も景気過熱を続ければ、大幅な通貨安などのリスクが再燃して経済が混乱する可能性がある
1.高成長追及路線に戻ったベトナム
ベトナムは、実力を超える高成長を追求した結果、2007年終盤頃から2011年中盤にかけて、高イン
フレや外貨準備不足といった問題に悩まされた。その反省から、2011年以降は安定重視を掲げて政策
運営を行うようになり、インフレの沈静化に成功するなど、経済は安定に向かった1。
ところが2014年は、ベトナム政府が通年の成長率目標(+5.8%)を政策的に達成することにこだ
図表 1
(前年比、%)
60
国別・地域別訪越旅行者数
オーストラリア
日本
韓国
米国
図表 2
中国
マレーシア
台湾
その他(欧州など)
(前年比、%)
8
7.5
40
ベトナムの実質 GDP 成長率
2009
2010
2011
2013
2014
2015
2012
2015年1~3月期
7
6.5
20
6
5.5
0
5
4.5
▲ 20
▲ 40
13/01
4
3.5
13/07
14/01
14/07
3
15/01
1~3月期
(年/月)
4~6月期
7~9月期
10~12月期
(資料)ベトナム統計総局、各種報道資料によりみずほ総合研
(資料)ベトナム統計総局によりみずほ総合研究所作成
究所作成
1
わったようにみえる。ベトナムでは、成長率は年末にかけて上昇する傾向があるが2、2014年は景気刺
激策を積極的に活用したことから、反中デモの悪影響3で訪越旅行者数が減って(図表 1)年後半の経
済が下押しされたにもかかわらず、特に鋭角的な上昇となったことが確認できる(図表 2)。この結
果、通年の成長率は+6.0%と、2011年以来の高さまで上昇した。2012~13年は、対米ドル連動の為
替政策維持のために、ベトナム政府は安定重視の緊縮的な財政・金融政策を実施した結果、インフレ
率と経常収支の改善を通じて外貨準備が増加した一方、経済成長率は抑制された4。2014年後半の成長
率加速は、こうした安定重視のマクロ経済運営時には見られなかった現象だ。
ここで注意しなければならないのは、ベトナムの生産年齢人口増加率は趨勢的な低下傾向となって
いることから、潜在成長率も低下しているとみられることだ。潜在成長率の概念に近い生産年齢人口
(15~64歳)1人当たりGDP成長率をみると、+7%を超える高成長を3年連続で達成するほどの景気過
熱を招いた2005~07年平均が+4.9%、同じく景気過熱を招いた2010・11年平均が+4.6%であった。
これに対し、2014年の生産年齢人口1人当たりGDP成長率は+4.9%であり、これを大きく上回る2014
年の成長率+6.0%は、おそらく持続不可能な水準ではないかとみられる。それにもかかわらず、2015
年1~3月期の成長率も+6.0%と、2009年以降で最も高い水準となった。これから成長率が上向くと
いう例年の傾向となるならば、2015年通年の成長率は政府目標の+6.2%を上回り、6%台後半をうか
がう展開となり、潜在成長率からの乖離は更に大きくなりかねない。
現在に至るまで、ベトナム政府は安定重視の看板を完全に下ろしたわけではない5が、実態的には高
成長追及路線に戻ってしまったようだ6。足元でインフレは抑制されているが、今後経済は再度不安定
化してしまうのだろうか。本稿では、2015年2月に実施した現地ヒアリング調査の結果も踏まえなが
ら、この点について考えてみたい。
2.成長率加速の背景とその弊害をどうみるか
(1)高成長のけん引役は投資など内需拡大
まず、最近の成長率加速の背景を探っていこう。ベトナムでは四半期GDPの需要項目別の内訳が公
表されないため、代理指標を用いて考察する(図表 3)。
はじめに、実質輸出をみると、足元で引き続き高い伸びを維持しているものの、2014年央からやや
減速傾向となっている。2014年末までは、繊維製品や魚介類の輸出が底堅く推移した一方で、スマー
トフォンやコンピューター関連の輸出が減速したことで全体の伸び率が低下した7。2015年1~3月期に
は、スマートフォンやコンピューター関連の輸出が不調を脱して底打ちしつつあるが、これまで好調
だった繊維製品や魚介類の輸出拡大が一服したことで、全体の伸び率は伸び悩んだ。
一方で、内需をみると、実質建設投資、対内直接投資実施額、機械設備投資の代理指数である機械・
同部品輸入額、実質小売売上高が、いずれも2014年後半から加速傾向となっており、総じて内需は堅
調と評価していいだろう8。
以上から、最近の成長率加速は外需ではなく内需拡大によるものといえよう。
2
(2)内需拡大の要因は金融緩和と貸出促進
それでは、投資など内需拡大の背景には何があるのか。都市部の失業率が安定的に推移しているこ
とから雇用・所得環境が比較的良好であることも一因とみられるが、より大きな要因として考えられ
るのが景気刺激策の実施である。具体的には、金融緩和と銀行貸出の促進が挙げられる。
まず金融緩和をみると、2014年3月18日、主要政策金利(リファイナンスレート)が7.0%から6.5%
に引き下げられた。同時に、1~6カ月のドン定期預金の金利上限が7.0%から6.0%に引き下げられた。
そして、同年10月29日、リファイナンスレートは動かされずに、定期預金金利上限が6.0%から5.5%
に引き下げられた。現地ヒアリングによると、2回目が預金金利だけの引き下げとなった背景には、
経済の安定重視という看板を下ろしていないという建前を保つために「今回は、利下げはしていない」
という体裁を維持したかったことがあるようだ。もっともその効果は、実質的に利下げとほとんど同
じである。
次に銀行貸出の促進をみると、まずベトナム国家銀行(中央銀行)が個別行に目標を設定し、その
遵守を指導しているようだ9。不動産価格下落に伴う借り手の担保不足などから、銀行は貸出姿勢を慎
重化させていた。これを受け、ベトナム国家銀行が銀行に貸し出しを促した形だ。またベトナム国家
銀行は銀行全体の貸出にも目標を設定、2014年は+12~14%、2015年は+13~15%とした10。
こうした相次ぐ金融緩和策の実施の結果、貸出残高は2014年後半から顕著に加速しており、2015年
3月の伸び率もかなり高い水準にある(図表 4)。貸出残高の伸び率急騰と景気加速の時期が重なっ
ていることから、政府の銀行貸出促進策による成長率加速への寄与が大きいとみて間違いあるまい。
なお、一般的な景気刺激策である公共投資の拡大については、建設投資の動向をみる限り、今のと
ころベトナム政府は慎重のようである(図表 5)。安定重視の看板を掲げていること、原油安による
石油関連収入減少の見込みから11、財政赤字抑制の方針は変更せず、代わりに金融緩和策による景気
図表 3
外需、内需関連指標の推移
実質小売売上高(左目盛)
(年初来累計
前年比、%)
対内直接投資実施額(左目盛)
実質建設投資伸び率(左目盛)
12
(前年比、%)
7.5
貸出残高(左目盛)
16
50
実質財貨輸出(右目盛)
貸出残高の推移
(前年比、%)
17
60
機械・同部品輸入(右目盛)
10
図表 4
(年初来累計
前年比、%)
実質GDP成長率(右目盛)
40
8
6
30
4
20
2
10
0
0
▲2
▲ 10
▲4
▲ 20
▲6
▲ 30
12/03
12/09
13/03
13/09
14/03
14/09
7
15
6.5
14
13
6
12
5.5
11
15/03
(年/期)
10
(注)実質建設投資は実質建設業活動指標を代理指数として
14/01
用いている。
(資料)ベトナム統計総局、ベトナム計画投資省によりみず
14/04
14/07
14/10
5
15/01 15/03
(年/月)
(資料)ベトナム国家銀行、各種報道資料によりみずほ総合研
ほ総合研究所試算
究所試算
3
刺激モードを強めていると推測される。
(3)成長率加速による弊害の兆しあり
以上のベトナムの景気刺激策については、次の2つの問題点を指摘したい。
第一に、輸入増加要因である景気刺激策を打ち出した結果、2014年後半から貿易収支が悪化基調と
なり、外貨準備が明確に減少していることだ(図表 6)。月次輸入額に対する外貨準備の水準12は、
適正とされる3カ月分に満たないまま、やや低下傾向に入った。2015年1~3月期の貿易収支も赤字が
続き、通貨ドンの対米ドル為替レートが変動幅の下限に接近するなど、通貨下落圧力が強まっている
(図表 7)。これに対して、ベトナム国家銀行は通貨ドンの対米ドル為替レートを維持すべく市場介
入を行っているため、外貨準備が更に減っている可能性が高い。
第二に、景気刺激策として銀行貸出促進を用いると、優良な貸出先だけでなく、返済能力が低い貸
出先への与信も増える恐れがある。どこにどれだけ貸出を行うかは、本来個別行が経済合理性に基づ
いて判断すべきことであって、政府が無理に貸出を増やさせると、将来融資が焦げ付く恐れがあり、
不良債権問題が再燃するリスクがあろう13。
第三に、労働力不足から賃金インフレ圧力が高まる恐れがある。都市部失業率は緩やかな低下傾向
にあり、2015年1~3月期の3.2%は過去数年で最も低い水準となり、労働需給ひっ迫の度合いは徐々
に高まっているとみられる。一方で、政府は2015年1月から最低賃金を、インフレ率を大きく上回る
水準の約+15%引き上げており、政策面からも賃上げ圧力がさらに増す可能性がある。
3.景気刺激策を続ければ、再び経済不安定化の恐れ
このまま景気刺激策を続ければ、貿易収支の更なる悪化により、外貨準備不足は深刻化する可能性
が高い。銀行貸出の焦げ付きも増え、さらに労働力不足から賃金インフレが再燃する恐れもある。
図表 5
建設投資の推移
(前年比、%)
15
図表 6
外貨準備と貿易収支
(億ドル)
(前年比、%)
180
4.5
残高÷月次輸入額(右目盛)
150
10
(ヵ月)
貿易収支(左目盛)
500
4.0
120
0
90
3.5
3.0
60
5
▲ 500
30
2.5
0
0
▲5
▲ 10
国家部門(左目盛)
▲ 60
非国家部門(左目盛)
▲ 90
1.5
▲ 150
▲ 180
▲ 15
14/03
14/06
14/09
1.0
▲ 1500
▲ 120
直接投資部門(右目盛)
13/12
2.0
▲ 1000
▲ 30
14/12
15/03
(年/月)
0.5
0.0
▲ 2000
08
09
10
11
12
13
14
15 (年)
(注)脚注12を参照。貿易収支は12カ月移動平均値。
(資料)ベトナム統計総局、IMF、CEIC Dataによりみずほ総合研究
所試算
(注)実質建設業活動指標を代理指数として用いている。
(資料)ベトナム統計総局
4
先行きを見通すと、以下2つのシナリオが考えられる。まず、ベトナム政府が先見的視点から政策
転換を比較的早く実施することで、経済はソフトランディングに向かう場合だ。ベトナム政府は2015
年中に銀行貸出促進の強化や場合によっては利下げなど何らかの追加的な金融緩和策を実施すると
みられるが、そうした金融緩和策は、①2015年の景気を加速させて貿易赤字拡大と外貨準備の減少を
もたらすこと、②景気加速と原油価格の底打ちもあってインフレ率が2016年初頭にかけて徐々に高ま
っていくこと、③米国の利上げが2015年後半に開始されることで米ドル高ベトナムドン安圧力が強ま
ることから、2015年10~12月期前後から徐々に転換を迫られると予想する。政府がフォワードルッキ
ングに政策を運営するとすれば、銀行への貸出奨励などは2016年前半までには徐々に中断されるだろ
う。上述のシナリオの場合、2015年1~3月期の成長率結果と上述した政府の政策転換を踏まえると、
2015年の成長率は前年比+6%台後半程度まで上昇するが、2016年は2015年末からの金融引き締めへ
の転換を受けて、成長率は前年比+5%台後半まで低下するとみられる。
しかし、過去のベトナム政府の対応をみる限り、マクロ経済の変調の兆しを軽視して景気刺激策の
強化を続けて対応が後手に回る結果、事後に大幅な調整を強いられて成長率が大きく落ち込むハード
ランディングに陥ることが多かった。今回も、金融政策の転換が遅れて景気過熱を優先する状況が長
引く場合は、2015年の成長率は+7%台まで伸びる一方、2016年に景気が深刻な調整局面を迎えるこ
ととなり、成長率は+5%台前半まで急激に低下する可能性がある。
現行の景気刺激策は、2016年の5年に一度の共産党大会を前に、政府が高い経済成長を実現したか
ったために一時的に導入されたというだけで、米利上げ開始などをきっかけに速やかに政策転換が行
われれば、後者のシナリオが現実化することは避けられるだろう。しかし、過去の経緯をみる限り、
マクロ経済政策の運営に失敗して経済が大きく混乱する可能性も否定できまい。現状の政策姿勢がい
つまで続くのか、今後注視すべきだろう。
[共同執筆者]
アジア調査部主任研究員
稲垣博史
[email protected]
アジア調査部主任エコノミスト
宮嶋貴之
[email protected]
図表 7
対米ドルレートの推移
(ドン/米ドル)
20,600
20,800
ド
ン
高
21,000
21,200
ド
ン
安
市場レート
21,400
基準レート
21,600
21,800
12/01
上下限
12/07
13/01
13/07
14/01
14/07
15/01
(年/月)
(資料)CEIC
Data
5
<参考文献>
稲垣博史(2008)「08年ベトナム経済の変調を振り返って~何が起こったのか、政府はどう対応し
たのか、今後どうなるのか」(みずほ総合研究所『みずほリポート』2008年11月26日)
―――(2011)「ベトナム経済はなぜ安定しないのか~求められる経済成長至上主義との決別」(み
ずほ総合研究所『みずほアジア・オセアニアインサイト』2011年10月20日)
―――(2013)「ベトナムの不良債権問題はどこまで深刻か~景気減速の主因は長引くインフレ圧
力」(みずほ総合研究所『みずほリポート』2013年3月25日)
―――(2014)「ベトナム経済はなぜ堅調か~安定成長の維持には為替政策変更が有効」(みずほ
総合研究所『みずほインサイト』2014年1月28日)
稲垣博史・宮嶋貴之(2014a)「ベトナムの景気は持ち直す見通し~政策運営は緊縮型から景気刺
激型に転換」(みずほ総合研究所『みずほインサイト』2014年5月15日)
―――(2014b)「反中デモ後のベトナム経済をどうみるか」(みずほ総合研究所『みずほインサ
イト』2014年6月2日)
―――(2014c)「サムスン電子のスマートフォン不振はベトナム経済にどう影響するか」(みず
ほ総合研究所『みずほインサイト』2014年11月26日)
みずほ総合研究所(2015)『みずほアジア・オセアニア経済情報』(2015年4月号)
1
この間の経緯について、詳しくは稲垣(2008)・(2011)・(2014)を参照。
政府の成長率目標を達成するため、あるいは成長率目標に実績を近づけるために、政府が景気をコントロールしているとみら
れる。
3 反中デモ過激化による経済的悪影響については、稲垣・宮嶋(2014b)を参照。
4 同時期の経緯については稲垣(2014)を参照。
5 例えば、以下のような発言が挙げられる。2015 年 3 月にグエン・タン・ズン首相はインフレ率の低下と為替レートの安定を続
ける中で GDP 成長率+6.2%達成を目指すと発言した(Vietnam News, 4 April 2015)。また、昨年 10 月には公的債務残高につ
いて、上限値である GDP 比 65%を依然として下回っており、2020 年までに 60.2%まで低下する見込みと述べ、財政赤字拡大懸
念に配慮した発言をしている(Vietnam News, 30 October 2014)。さらに、ベトナム国家銀行のグエン・バン・ビン総裁は昨年
末に地元紙に対して、対米ドルレートの為替政策については、通貨価値の安定と外貨準備の増加を目指し、2015 年の為替レート
は切り下げたとしても 2%以内に抑えると発言した(Vietnam News, 18 December 2014)。
6 報道によれば、ベトナム政府首脳から成長率を重視する旨の発言が増えている。2015 年 1 月にグエン・タン・ズン首相は今年
の GDP 成長率など各種経済目標の断固達成を支持、ベトナム国家銀行に対して積極的金融政策と与信拡大策の継続を要望した
(「NNA」2015 年 1 月 26 日付記事)。また、ベトナム国家銀行のグエン・バン・ビン総裁は銀行の中長期融資の金利はさらに 2%
程度の引き下げ余地があると発言した(
「NNA」2015 年 1 月 27 日付記事)。
7 ベトナムのスマートフォン輸出については、稲垣・宮嶋(2014c)を参照。
8 実質建設投資伸び率は 2015 年 1~3 月期に前期から減速しているものの、2014 年 1~3 月期も同様に前期(2013 年 10~12 月
期)から減速したため、GDP と同様に年末にかけて伸び率が上昇する傾向があるとみられる。2015 年 1~3 月期の伸び率は 2014
年 1~3 月期の伸び率よりも高いため、足元の建設投資は底堅く推移していると評価している。
9 現地紙ダウトゥ電子版によれば、2014 年 7~9 月期に銀行の融資残高が増加した要因として、ベトナム国家銀行が一部銀行に
対して融資拡大目標を引き上げさせたこと、エビ、ナマズの養殖業者や住宅購入への融資を積極的に進めるよう指導したことな
どが挙げられており(
「NNA」2014 年 10 月 9 日付記事)、同時期から貸出促進策が本格化したとみられる。
10 報道によれば、2015 年 3 月にベトナム国家銀行のグエン・バン・ビン総裁は成長率 6%確保に向けて、必要であれば融資残高
伸び率は+17%程度を目指すと発言しており、今後、目標値が上方修正される可能性もある(「NNA」2015 年 3 月 18 日付記事)
。
11
原油安によるベトナムへの影響については、『みずほアジア・オセアニア経済情報』(2015 年 4 月号)を参照。
12
算出に当たって、輸入は、財貨・サービスの輸入+所得の受取の 12 カ月移動平均をとった。財貨輸入の未発表月については、
通関統計の伸び率で延長した。サービス輸入と所得受取の未発表月については、前年同期実績で延長した。
13
ベトナムの不良債権問題については稲垣(2013)を参照。なお実際、低利融資の拡大で銀行の損失が増えているとの報道もあ
る。"Lending drive reconciles banks to losses " (Vietnam News, 6 August 2014)を参照。
2
●当レポートは情報提供のみを目的として作成されたものであり、商品の勧誘を目的としたものではありません。本資料は、当社が信頼できると判断した各種データに
基づき作成されておりますが、その正確性、確実性を保証するものではありません。また、本資料に記載された内容は予告なしに変更されることもあります。
6