平成26年度自己評価シート(中間評価まとめ)

様式 4
平成26
平成26年度自己評価
26年度自己評価シート
年度自己評価シート(
シート(中間評価まとめ
中間評価まとめ)
まとめ)
校番
49
学校名
広島県立五日市高等学校
校長氏名
小路口真理美
全・定・通
本・分
1 評価結果の
評価結果の分析
(1)キャリア教育の視点に立った進路指導を推進し,自信と誇りを持って果敢に挑戦する生徒を育てる学校
学力定義(学力=学習動機・学習方法・学習時間・メタ認知力)に対する共通理解が進み,今年度の行動計画は概ね順
調に実行している。
学習意欲は,進路目標が曖昧であると,一時的な感情に左右される。そこで,クリスタルセミナー(総合的な学習の時間)
で,進路目標すなわち学習動機を醸成するよう,キャリア教育に取り組み,年間計画に従って実行している。
しかし,進路目標を,現在の学力に相応する妥協点として設定するのは間違っている。学力を向上させてこそ,多様な進
路目標を設定できるわけだから,目標の設定と学習習慣の定着には,相関がなければならない。
そこで,1学年時には,学習が習慣として生活に位置付くように,入学後早急に,スターティングウィークを,実施している。
国・数・英3教科に特化して,授業の受け方,学習方法を指導し,宅習時間確保の重要性を認識させている。昨年度,夏休
み後の中だるみが学習意欲の減退を招いた反省から,今年度は,夏休み明け8月末にアップグレードガイダンスを実施。
学習習慣の修正と,学ぶ意義の再確認,進路意識の向上を図った。
1学期宅習時間調査によると,平均2時間以上が,1学年63%・2学年59%と一定の成果はあるものの,1時間未満が,
10%・11%で,課題が残った。
今年度は,特に,「生徒にどのような学力を身につけさせるべきか(到達目標)」を,明確に示せるように,各教科で大学
入試問題研究並びに全国模試の分析に取り組んでいる。そこで,7月全国模試の結果も,国・数・英総合の偏差値が,1学
年43.7(現2学年同回 42.5 現3学年同回 42.8 ) 2学年43.0(現3学年同回 42.6 既卒同回 40.7) で,着実に伸びている。
また,1・2学年共に中間層の伸びが大きい。また,3学年補習の内容が入試に向けてより実践的なものになり,参加生徒
が増え,途中でやめる生徒が少なくなった。
教員が授業力向上に当事者意識をもつことのできる「授業づくり研修会」を行った。まず,本校教員全員の授業を DVD に
収めた。次に講師(広島大学大学院草原和博教授)の協力を得て,特に優れた工夫のある授業を6つ選び出し,「五日市高
校の実践に見る授業デザインの注目点」と題した研修会を開き,授業を改善するヒントを共有した。
なお,昨年度までは,希望者に対してのみ実施してきた「センター試験説明会」を,3学年生徒全員を対象とした学年集
会で行った。「受験は団体戦」「チーム3学年」をスローガンに,進路検討会議でも個々の生徒に対する進路指導の方針を
共有したことで,センター試験受験予定者は222名(昨年度159名)となった。
(2) 調和の取れた教育を推進し,校是の通り「気品・気力・体力」を基盤として,主体性と社会性を確立させた生徒に
鍛える学校
本校の育てたい生徒像「規範意識を身につけ,他者の立場に立って考え,行動することができる生徒」育成のために,
最も中核をなすのが,これらの項目である。
「規範意識を身につける」基本として,生徒指導部・保健部のイニシアチブで, 「あ(挨拶励行)・じ(時間厳守)・み(服装
整斉)・そ(掃除徹底)」のために,今年度は,次のような取組を行った。
「じ(時間厳守)」について
・8:35「校門通過」から「教室着席」に変更し,8:40には,SHRをスタートできるようにした。
・5月・7月,生徒会風紀局が中心となってベルスタートグランプリ(授業開始のベルと同時に号令,授業開始)を行った。第
1回目(5月)は昨年度の2月に比べて違反者が激減したが,第2回目(7月)は第1回目よりも増加。課題を残した。
次に,「そ(掃除徹底)」について,昨年度より始めた全員清掃が定着し,今年度は行事前には,来校者に対する「おもて
なしの心」を表現するため,大掃除を実施した。
8月30日には,PTAと合同で清掃活動を行ったが,参加者が200名を越えた。生徒は,部活動単位でまとまって参加し,
トイレ清掃も丁寧に行った。また,日常的に部活動の指導に清掃を取り入れている。
美化活動推進事業で,全HRの廊下側窓を透明にした「教室内の見える化」は,教室美化推進と緊張感のある授業の構
築を意図している。
「豊かな心・リーダー育成プラン」は,平成 24 年度「東日本大震災復興支援ボランティア」を契機に,「他者の立場に立って
考え,行動する」ことを具現化するための3年に亘る取組である。
今年度は,過去2年間,被災地から学んだ教訓①平時にできないことは有事にはできない ②津波てんでんこ=自分の
命は自分で守れ ③地域とのつながりを大切にする ④災害弱者を守れ を,活かすため,地域とともに「防災訓練」
(11/5)実施の準備をしている。
よって,今年度は,宮城県岩沼市社会福祉協議会と連携し,生徒 10 名,教員 4 名が,岩沼市立玉浦中学校と山本町立
中浜小学校で,防災インタビューを試みた。
なお,「なぜ防災か?」との問いには,15年前の 6.29 土砂災害に端を発していることを全校生徒教職員が理解するため
に,当時本校に勤務し,救助活動に当たった流田靖夫氏(宮島工業高校長)の講演,放送部作成「水災橋のある町で」を上
映し,キックオフイベントとした。
11/5 防災訓練に向けて,佐伯消防署,佐伯警察署,佐伯区役所,自主防災会,まちづくり推進協議会,消防団,観西小
学校の共催を得ており,合同会議を行ったり,部門毎に連携したり,小学校では事前授業を行ったりして,全団体が当事者
意識を持って,防災意識を高めている。
クリスタルセミナーは,様々な体験を,如何に言葉にしていくか,つまり,自分を表現する力を高めることを目的に取組を
進めており,各学年とも,概ね順調に計画通り実行している。
(3)教職員が一体となって組織的な学校運営にあたり,保護者・地域社会から信頼される学校
情報公開と地域連携について,今年度は次のような改善を行っている。
・ホームページを行事ごとに,即更新している。
・11/5 防災訓練に向けて,地域との連携を深めている。
防災かまどベンチ(平時はベンチ,有事は竈)も観西おやじの会の協力で,10/19 完成した。
・中学生対象のオープンスクールは,バス停から校門まで,生徒が案内し,会場でも生徒が大活躍した。中学生保護者か
ら「他校では,すべて教員が行っており,冷たい印象を受けたが,五日市高校は,生徒が生き生きと活動し,自分の学校
を紹介していて,好感を持つことができた」と好評であった。
・昨年度来,8月末まで,体育館は耐震工事で使用できず,その間,観西小学校や近隣の中学校を利用させてもらった。
そのことで,部活動では他校種間連携が進んだ。本校の教育の一端を見せる機会としたことで,ピンチをチャンスに変え
ることができた。
2 今後の
今後の改善方策
(1)キャリア教育の視点に立った進路指導を推進し,自信と誇りを持って果敢に挑戦する生徒を育てる学校
①学習(宅習)時間の確保について
・進路指導部がイニシアチブをとって,計画的に宅習時間調査を実施し,生徒自身が変化を可視的に認識することがで
きる資料を提示する。
・教科別に学習時間を計時させる宅習調査シートを使って,まず学習計画を立てさせ,実際の学習時間を記入させ,振
り返りをさせる。(計画に対し,どれだけ実行できたか確認することで,メタ認知力をつける)
・宅習課題一つひとつに,取り組む時間を設定し,その総体で最低2時間の宅習時間を確保させる。
・保護者とも協力し,基本的な生活習慣(起床時刻・就寝時刻・学習開始時刻)の確立を目指す。
②教員の授業力・進路指導力のさらなる向上について
・大学入試問題(特にセンター試験)を研究して,定期考査を作成し,授業を行う。(アクションリサーチ)
・進路検討会議において,個々の生徒の合格可能性を全国模試偏差値のみで判定するのではなく,大学入試問題と
その生徒の相性で判断できるよう,大学入試問題研究を行う。
・英語の CAN-DO リストや,実技教科の到達目標の設定,振り返りの仕方に学び,各教科で,到達目標と振り返りの
方法について検証する。
・大きく変わりつつある大学入試制度に関して,情報をできるだけ迅速に入手できるよう,進路指導部を中心に外部と
の連携を強める。新情報は,教科主任会議で説明し,主任が教科に伝達する。
・今夏の研修のように,本校の教員同士で,授業の工夫について学び合う機会を,今後も定期的に設ける。
(2) 調和の取れた教育を推進し,校是の通り「気品・気力・体力」を基盤として,主体性と社会性を確立させた生徒に
鍛える学校
①じ(時間厳守)の徹底について
ベルスタートに対する意識が低い,遅刻者は減少しているが,未だ0には遠い。このことは,宅習時間が十分に確保
できない,つまり,決まった時間に決まったことができないという意味では同根である。従って,次のような改善策が考え
られる。
・保護者とも協力し,基本的な生活習慣(起床時刻・就寝時刻・学習開始時刻)の確立を目指す。
・1分1秒が惜しいと感じさせるような授業づくりを行う。
・ベルスタートグランプリの意義を生徒会風紀局を中心に問い直し,生徒によるキャンペーンを行う。
②「豊かな心・リーダー育成プラン3.0」について
・校内で,「防災訓練」の目的の共有化を図る。
・共催団体との綿密な連携を行い,学校も地域もやってよかったと思える防災訓練にする。
(3)教職員が一体となって組織的な学校運営にあたり,保護者・地域社会から信頼される学校
①保護者への適切な情報提供について
保護者に進路に関する啓発を行い,生徒に,高い目標を持たせ,チャレンジさせることに理解を求めたい。
②地域連携について
地域で最も問題になっているのが交通マナーである。地域の方や,小・中学校,本校のPTAと協力連携して,事故の
未然防止に努める。
特に自転車マナーについて,スピードの出し過ぎは時間的な余裕の無さが原因になっていることも多く,他の項目でも
述べたように,「時間管理」について,保護者の協力を得て改善していく必要がある。
現在,概ね計画通りに進捗しているが,課題は,生徒の時間管理と教員の授業づくりが,最大の課題と言える。
3 学校関係者評価結果を
学校関係者評価結果を踏まえた今後
まえた今後の
今後の改善策
(1)今後の改善策は概ね適切である。
(2)ベルスタートグランプリを,生徒・教職員の意識を高め,日常化させる取組みを行う。
(3)生徒の自主的な時間管理のため,手帳の活用を検討する。
※手帳は,計画を立て振り返りが書き込めるもので,生徒・保護者・学校のコミュニケーションツールとして活用できる
ものにする。