総合理工学研究科 フォトニクス分析の新たなブレークスルー 生命理工学コース 糖鎖被覆リポソームを基盤としたワクチン開発 キーワード:感染症、がん、ワクチン、ドラッグデリバリー 主研究担当者:小島 直也 どのような研究課題に取り組むのか Background and Motivation 抗原のデリバリーシステムは人為的な免疫応答の誘導 や調節にとって重要である。ワクチン開発において鍵 となるのは、如何に抗原提示細胞(APC)に効率的に 抗原を送達し、その後の T 細胞を介した免疫応答の活 性化を誘導するかということである。従って、生体内 で APC を標的とし、その機能を調節できる戦略を講じ ることが、ワクチンデザインにとって重要である。 どのような点が新しいか Originality 私たちはオリゴマンノース被覆リポソーム(OML)が 強い細胞性免疫を誘導できることを示してきた。OML は私たちの研究室独自の安全なアジュバントであり、 DDS の媒体である。OML が示すこのような機能は、生 体内で APC による選択的な取り込みを促す能力と、そ の後の APC の成熟、細胞上への抗原提示、APC からの IL-12 の選択的な分泌、さらには末梢組織から所属リン パ節への APC の移動を促進することができる OML の 能力に基づいている。 研究展望とインパクト Impact and Perspective OML を基盤としたワクチンを投与することによって、 腫瘍の退縮・消失、アレルゲンに対する血清 IgE レベ ル上昇の抑制、あるいは原虫感染憎悪の阻止が可能で あることをマウスモデルで示すことができたことか ら、OML を基盤としたワクチンは CTL および Th1 細 胞が治療や予防に必要とされる疾患のためのワクチン Published papers from the group Ishii M et al. Targeting with oligomannose-coated liposomes promotes maturation and splenic trafficking of dendritic cells in the peritoneal cavity. Int Immunopharm, 11, 164-171, 2011 Ishii M et al. Anti-allergic Potential of Oligomannose-Coated Liposome-Entrapped Cry j 1 as Immunotherapy for Japanese Cedar Pollinosis in Mice. Int Immunopharm, 10, 1041-1046, 2010 として医療応用が可能である。 ◆電子メール:naoyaki※keyaki.cc.u-tokai.ac.jp(※印を@へ変更して下さい)
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