山口FPの 知っておきたい お金の話 To p i c A b o u t M o n e y 山口大介、56歳。証券会社に勤務後、 ファイナンシャル・プランナーとして独立。 ファイナンシャル・プランナー 山口 大介 相続・事業承継から資産運用まで、 多様な相談業務に携わっている。 2015年度税制改正大綱のポイント② 2014年度もあった学校の入学金や授業料などの「教 贈与税の非課税制度拡充 育」に関する資金の贈与非課税制度(1人当たり最大 こんにちは、山口大介です。前回の「知っておきたい 1,500万円まで) も2019年3月末まで延長される見込み お金の話」 では、 「2015年度税制改正大綱」 のうち、法人 です。留学渡航費や進学時の引っ越し代が新たな対象 実効税率の引き下げなど、企業経営に関する税制改正 となるなど、使い勝手もよくなりそうです。 を紹介しましたが、今回は暮らしに関わる改正点を見 子ども版NISAがスタート ていきましょう。 暮らしの税制改正で目立つのが、贈与税の非課税制 投資に関わる改正点として注目されるのが、少額投 度の拡充策が多いこと。これは主に若年層への資金移 資非課税制度(NISA) の見直しです。現在、年100万円 転を目的と し た も の で す が、例え ば2014年は最大 の非課税枠は2016年1月から年120万円になることが 1,000万円だった住宅資金の非課税枠は、2015年1月 予定されていますが、同時期にスタートする見込みの から1,500万円になっています。2016年以降の非課税 「子ども版NISA」 への期待も増しています。 枠は消費再増税の兼ね合いなどもあって変則的です 「子ども版 NISA」の概要案を図表2に示しました。 が、住宅資金の非課税贈与は2019年6月までの延長が 対象となるのは日本に住む0~19歳までの未成年者 見込まれています(図表1参照) 。 で、利用限度額は年80万円。上場株式や株式投信など 2015年4月に創設が予定されている「結婚 ・子育て の売却益や配当が非課税になるのは一般のNISAと同 資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」 も、覚えて じ仕組みになりそうですが、注意したいのが「子ども版 おきたい改正案の1つ。これは、20歳以上の子や孫の NISA」は原則18歳になるまで引き出せない可能性が 「結婚」 「出産」 「子育て」の資金贈与について、一定の 高いこと(途中で引き出す場合には、利益が出ていれば 条件を満たせば1人当たり1,000万円まで非課税にな 課税されます) 。期間中に20歳以上になった場合は、 るもので、期限は2019年3月末までとなっています。 一般のNISAに自動的に移行されます。 ■ 図表1/住宅資金贈与の非課税枠 ■ 3,000 消費税率 最大 1,500 万円 1,200 1,500 1,200 10 %に 1,000 図表2/子ども版NISAの概要案 利用対象者 0~19歳 年間の投資上限 80万円(5 年で最大400万円まで) 非課税の投資商品 上場株式、公募株式投信など 投資できる期間 2023年まで 資金の引き出し ← 2017年 4月 2015年 1月 2016年 1月 2016年 10月 2017年 10月 2019年 6月末まで 2018年 10月 口座管理人 非課税の適用を受けるためには、 18歳までは引き出せない 親権者
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