2014年度 税務問題アンケート集計結果

JJC 課税問題委員会
2014年度 税務問題アンケート集計結果
<目次>
1.アンケート結果総括
2.アンケート集計結果詳細
税務問題アンケートの集計結果・分析ならびに国税総局との対話に向けて
【アンケートの概要】
本年のアンケート全会員企業585社(10月末時点)中178社(30%)となった。
<過年度対⽐>
2014年
178社/585社 (30%)
2013年
124社/536社 (23%)
2012年
139社/485社 (29%)
2011年
177社/433社 (41%)
【日系企業と税務問題】
回答した178社のうち、「何らかの税務問題を抱えている」と回答した企業は88社(49%)にのぼり、在インドネシアの日系企業にとっ
て税務問題は引き続き重要な課題であると言える。
【税務調査の状況】
直近1年間に何らかの課税(更正)を受けた企業は74社(42%)あった。
更正事案全137件のうち、法人税が75件(55%)、VATが43件(31%)。
更正税額はRp200億以上の事案が5件あった一方で、Rp10億未満の⽐較的小口事案が69件(50%)と増加傾向にあり、その後
の対応も「異議申⽴等はせず更正を受け⼊れ」とした回答が91件(66%)にのぼった。
【税務裁判の状況】
以前から継続している係争事案では、税務裁判の判決として、勝訴、敗訴が拮抗する結果となっており、係争事案を抱える日系企
業にとっては気になる点となった。
【移転価格税制について】
直近1年の更正事案(法人税)のうち、移転価格税制の適用によるものが44%を占めた。
過去からの係争事案でも移転価格を理由としたものが51%。
また、事前確認制度(APA)の利用を検討していると回答した企業が34%あり、日系企業にとって移転価格税制への対応は重要な
課題であることが伺える。
なお、APAを検討していない理由として、「時間がかかりそう(12件、13%)」、「ガイドライン未整備(9件、10%)」、「様⼦⾒中(19件、
20%)」といった回答も多く、APAの使い勝⼿向上を当局に引き続き訴えかけて⾏く必要性あり。
<アンケート集計結果詳細>
全体の回答状況 / 業種別の回答回収率
2014年アンケート
会員数
回答数
所轄税務署集計
回答状況の推移
回答数
2014年アンケート
1. 電子・電機グループ
51
13
25%
2. ⾃動⾞グループ
98
26
27%
3. 機械グループ
37
5
14%
4. 建設不動産グループ
66
14
21%
5. 商社グループ
50
33
66%
6. ⾦属グループ
33
18
55%
7. ⾦融保険グループ
41
10
24%
8. 運輸グループ
28
7
25%
9. 化学品合樹
68
15
22%
10. 繊維グループ
12
7
58%
11. 燃料グループ
6
2
33%
12. 生活用品グループ
22
12
55%
13. 農林⽔産グループ
16
7
44%
14. 公的団体等グループ
57
2
4%
会員企業数
433
100%
回答企業
177
41%
30%
未回答企業
256
59%
15. その他
7
585
178
会員企業数
585
100%
回答企業
178
30%
未回答企業
407
70%
2013年アンケート
会員企業数
536
100%
回答企業
124
23%
未回答企業
412
77%
2012年アンケート
会員企業数
485
100%
回答企業
139
29%
未回答企業
346
71%
割合
PMA1
26
15%
PMA2
32
18%
PMA3
10
6%
PMA4
7
4%
PMA5
10
6%
PMA6
13
7%
LTO1
7
4%
LTO2
17
10%
その他
56
31%
178
100%
合計
2011年アンケート
今年度の回答社数は178社。回
答率は30%となり、ともに前年⽐
増となった。
業種別では商社Gが33社(66%)
で最も多く、⾃動⾞Gが26社
(27%)で続いた。
1.現在、税務について解決すべき課題/問題がありますか?
合計
割合
YES
88
49%
NO
90
51%
178
100%
計
何らかの税務問題を抱えている企業は
49%と約半数に上った。
引き続き税務問題はインドネシアの日系企
業にとって重要な課題であるといえる。
直近一年間に税務調査を受けて何らからの査定書を
受け取った企業は74社で回答社全体の42%。
なお、昨年とは質問の仕方を若⼲変えているため単純
⽐較はできないが、企業数、割合ともに増加している。
課税事案は全部で137件となり、税目別では法人税
が75件(55%)、VATが43件(31%)。
【法人税(75件)】
更正理由は移転価格が33件(44%)と引き続き多い。
一方で、更正⾦額としてはRp10億未満の⽐較的小規模な事案が33件(44%)と増加傾向にある。
対応状況としては、「内容に同意して修正を受け⼊れ」が48件(64%)であり、異議申⽴、税務裁判に進むケースは全体の22%であった。
【VAT(43件)】
更正⾦額としてはRp10億未満が53%となり、法人税同様⽐較的小規模な事案が多い。
一方で、異議申⽴、税務裁判へ進む事案が46%あり、法人税に⽐べると納税者の納得感は低い様⼦。
4.2013年8⽉以降に発⽣した追徴税額の影響などをご記⼊ください(売上、営業利益などに占める割合)
別紙コメント集参照
5.上記更正内容、係争内容などにつき、具体的にご説明ください。
別紙コメント集参照
回答社の30%弱にあたる49社が何らかの係争(異議申⽴、裁判)を抱えている(いた)結果となった。
【法人税(53件)】
理由としては移転価格が51%と最多。昨年度も46%であり、傾向とし
てはほぼ同様。
Rp200億以上の大規模事案が29%あり。
税務裁判の結果は、勝訴10件に対して敗訴が8件と拮抗。
(昨年アンケート時は勝訴8件、敗訴3件)
【VAT(31件)】
税務裁判の結果は勝訴5件に対し、敗訴6件。
(昨年アンケート時は勝訴6件、敗訴0件)
昨年アンケートでは税務裁判レベルでは納税者の勝訴率が⾼かったが、
今回は勝訴、敗訴が拮抗する結果となった。
税収不⾜が影響しているのかは分からないが、企業側にとってはネガティ
ブな傾向にある。
(3) AR及び税務署職員の問題点、要望事項などをご記⼊ください
別紙コメント集参照
(4)却下の理由
回答
回答数
割合
1. 収益⾒通しが減免条件にあっていない
3
23%
2. 税務署の事情(徴税目標達成等)
3
23%
3. 理由不明
7
54%
13
100%
合計
(5) 法人予納制度について、何かコメントがあればご記⼊ください。
別紙コメント集参照
11、12.事前確認制度(APA)、相互協議(MAP)の利⽤検討状況について
(1)APA、MAPの利⽤検討状況
APA
回答数
MAP
割合
回答数
割合
合意済
0
0%
16
11%
申請中
0
0%
1
1%
申請準備中
6
7%
1
1%
検討中
30
34%
32
22%
検討していない
51
59%
96
66%
87
100%
146
100%
合計
(2)APA、MAPを検討していない理由(複数回答)
APA
回答数
通常の税務調査/裁判にて対応予定
MAP
割合
回答数
割合
17
18%
12
13%
6
6%
7
7%
10
11%
31
33%
3
3%
4
4%
12
13%
15
16%
9
10%
9
10%
19
20%
16
17%
税務調査への悪影響を懸念
5
5%
合意実績に関する情報開示がない
6
6%
10
11%
⾃社の取引形態などが変わる可能性があるため
2
2%
5
5%
21
22%
コストが⾒合わない
対象取引がない或いは⾦額が⼩さい
本社方針
時間がかかりそう
ガイドライン未整備
様子⾒中
その他
(3) APA及びMAPに関するコメント
別紙コメント集参照
14.その他税務問題でお困りになっている点を記載願います。
別紙コメント集参照
相互協議(MAP)について「合意済」とし
た回答が16件あったが、殆どはMAPの
意を誤解したものと判明。