1.社会環境の変化 [PDFファイル/996KB]

第2章情報化の現状
第2章
情報化の現状
1. 社会環境の変化
(1) インターネットの普及と利用の多様化
我が国では、インターネットは 1990 年代前半から一般に普及し始めました。
当初は、通信速度が遅く(主にアナログ電話回線)、電子メールや電子掲示板等の文字情
報の利用が中心でした。
本市が「山武市情報化計画(以下、
「前回計画」)
」を策定した平成 21 年度の時点では、
ホームページやブログ※等の登場により、企業活動での利用はもちろん、個人でも趣味やシ
ョッピング、観光など、インターネットを利用する機会が増える傾向にありました。ただし、
高速な情報通信網(以下、
「ブロードバンド※」)は、地方の都市までは十分に普及しておら
ず、インターネットの能力を十分に活かした利用にはいたっていませんでした。
しかし、この5年間で、ブロードバンド環境が全国的に整備され、インターネットの利用
者数、人口普及率ともに増えるとともに、その利用方法も大きく変わりました。
従来のホームページやブログの閲覧や書き込みだけでなく、通信回線の高速化により、リ
アルタイムでの動画の配信や閲覧が容易にできるようになったため、新たな SNS※等のコミ
ュニケーションが発達しました。また、インターネットバンキング※や各種金融商品の取り
扱いも増え、インターネットを利用した売買も盛んに行われるようになりました。このよう
にブロードバンド環境が地方都市にも普及したことで、多様な目的でインターネットを利用
する機会が増えました。
平成 26 年版の総務省情報通信白書によると、我が国のインターネット利用者数は、平成
21 年(2009 年)の 9,408 万人から、平成 25 年(2013 年)末には、10,044 万人に
まで増加し、人口に対する普及率は、78.0%から 82.8%に上っています。また、家庭内で
のインターネットの利用目的を見ると、電子メールの送受信が 69.9%と依然として多いも
のの、
「商品・サービスの購入・取引」57.2%、
「動画投稿・共有サイトの利用」48.4%で
あり、
「地図・交通情報の提供サービス」も 40%台の割合を示しています。
また、スマートフォンやタブレット端末※の普及により屋外でのインターネットの利用が
増え、2020 年の東京オリンピック・パラリンピックへ向けての整備とあわせて飲食店や
鉄道、公共施設等におけるフリースポット(無料の無線LAN)の整備も進められています。
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[インターネット利用者の動向]
[インターネットの利用目的・用途(個人)]
(出典:総務省平成 26 年版情報通信白書)
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(2) ネットワークインフラの高速・大容量化
動画や大容量のデータを高速に扱うことができるブロードバンドネットワークの整備は、
インターネット利用の高度化を図り、社会経済構造の変化を促進し、国が進める「高度情報
通信ネットワーク社会」を実現するために必要となるインフラです。
ブロードバンドネットワークは、ADSL(xDSL※)、ケーブルテレビ(CATV)インタ
ーネット、光ファイバーケーブル(FTTH※)などの有線通信、FWA(多重無線)※、第3
世代携帯電話(W-CDMA、CDMA2000、HSPA、LTE)※、WiMAX※などの無線通信が
あります。
総務省では、ブロードバンドネットワークの整備・利活用の加速化を通じて、ICT の恩恵
を迅速、公平、十分に実感・享受できる豊かな社会の実現を目指すため、2015 年を目途
にすべての世帯でのブロードバンド利用を実現するという目標を掲げています。ブロードバ
ンドネットワークの整備は、この 5 年間で著しく進みました。下表のように、ブロードバ
ンドの整備率は 2010 年 3 月末の 99.9%が 2011 年 3 月末以降 100%に、また超高速
ブロードバンドの整備率は、2010 年 3 月末の 91.6%が 2014 年 3 月末には 99.9%に
なりました。世帯数では、ブロードバンドが 5,557 万世帯、超高速ブロードバンド(実行
速度 10Mbps 以上)が 5,553 万世帯です。
(出典:総務省
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ホームページより)
(3) 接続形態の多様化、モバイル化
総務省の「平成 25 年 通信利用動向調査」によれば、端末別のインターネットの利用率
は、平成 25 年末時点で、自宅のパソコンが 58.4%、自宅外のパソコンが 27.9%、従来
型の携帯電話が 24.5%です。前年の調査時点に比べ、これらの端末を介したインターネッ
トの利用は減少しています。一方、スマートフォンは 42.4%であり、前年調査から 10 ポ
イント以上、増えています。また、タブレット端末の利用も 12.4%あり、前年調査よりも
5 ポイント程度上昇しています。
主たるインターネット接続端末として、スマートフォンの利用が急速に伸びています。家
庭内においてもパソコンではなく、スマートフォンでインターネットに接続する機会が増え
ていることが伺えます。
[ インターネット利用率 ]
[ インターネット接続端末 ]
出典:総務省「平成25年通信利用動向調査」
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(4) 規制緩和や法制度等の整備
インターネットをはじめとする ICT の普及により、日常生活や企業間の商取引、行政サ
ービス等の社会活動で、様々な課題が新たに生じ、法制度の見直しの必要が出ています。
また、よりいっそうの ICT の普及、利活用のための規制緩和も求められています。
政府は、平成 13 年 1 月に、「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法」
(平成 12 年
法律第 144 号)を施行するとともに、
「高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部」(IT
総合戦略本部)を設置し、高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する施策を迅速かつ重
点的に推進しています。
また、IT総合戦略本部を中心に、ICTの利活用を阻害する制度・規制等の徹底的な洗出し
等を実施し、これを平成23年3月に報告書にまとめ、公表しています。
これらの政策により、ICTの利活用がさらに拡がり、生活・産業面において、よりいっそ
うの効果が期待されています。
[ 情報通信技術の利活用を阻害する制度・規制等 ]
(出典:総務省 23 年度情報通信白書)
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(5) 電子自治体の推進
国が進めている電子自治体については、
「世界最先端IT国家創造宣言」や地方自治体を取
巻く環境の変化等を踏まえ、自治体クラウドの導入をはじめとした、地方自治体の電子自治
体に係る取組みをいっそう促進することを目的として、総務省は平成26年3月「電子自治
体の取組みを加速するための10の指針」を公表しました。
指針では、マイナンバー制度の導入を契機として、自治体クラウドの導入をはじめとする
情報システムの効率化に取組むこと、オープンデータ※や新たなICTの利活用を通じた住民
利便性の向上に取組むこと、セキュリティの確保やPDCAサイクルの構築等、電子自治体推
進のための体制整備に取組むことなどが示されています。
なお、マイナンバー制度は、平成 28 年 1 月から開始される「行政手続きにおける特定
の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(マイナンバー法)」に基づき施行され
る制度です。
本制度が施行されることで、複数の機関に存在する個人の情報が、同一人の情報であるこ
とを確認できるようになります。社会保障・税分野の給付と負担の公平化が図られ、真に手
を差し伸べるべき者を見つけることが可能になるほか、災害時における被災者への積極的な
支援への活用も期待されています。
現在、個人番号カードの交付や情報提供ネットワークシステム及び情報提供等記録開示
システムなどの運用開始に向け、国、県、市町村等で準備が進められています。
[ マイナンバー制度イメージ ]
(出典:総務省ホームページ)
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(6) 世代間の情報格差
国内の世代別インターネット利用率を見ると、13 歳から 59 歳までのインターネット利
用率は 9 割を超えています。60 歳以上になると、その割合は急に低くなっています。しか
し、過去5年間を見ると、50 歳から 69 歳までのインターネット利用は拡大傾向にありま
す。
インターネットを利用した情報提供は、即時性、効率性において、非常に有効な手段です
が、とりわけ 60 歳以上の高齢者層に対して、世代間の情報格差を防ぐ取組みが必要です。
[国内の世代別インターネット利用状況]
(出典:総務省
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平成 25 年通信利用動向調査)
(7) 暮らしや地域を取り巻く変化
インターネットの普及とブロードバンド・超高速ブロードバンドの整備により、私たちの
暮らしや地域を取り巻く環境に ICT が浸透しています。また、接続形態の多様化、モバイ
ル化、利活用の多様化をもたらしています。高齢社会に代表される社会構造の変化とともに、
行政が実施する種々の政策と相まって、私たちの暮らしや地域を取り巻く環境は、これまで
以上に大きく変化しています。
① 暮らしや仕事への ICT の浸透
従来型の携帯電話や PC とともに、スマートフォンやタブレット端末が普及してきました。
これらの情報機器は私たちの暮らしや仕事に欠かせないものとなっています。いつでも、ど
こでも、だれでも、必要な情報を入手できます。また、個人が容易に情報発信することがで
きます。民間企業や行政も ICT を活用し、さまざまなサービスを提供しています。
今後は、これらの情報を集約・整理し、利用者の特性に合わせて入手し、仕事や生活に役
立てることが求められます。さらに、行政と住民の双方向のコミュニケーションにより、私
たちの暮らしや仕事に関わるより質の高いサービスや技術の向上が期待されています。
(出典:総務省)
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② 多様な生活価値の共存するまちづくり
個人の価値観の多様化に伴い、地域のまちづくりにおいても、多様な生活価値を認めあい、
共存するまちづくりが求められています。地域の情報化においても、ビジネス、ショッピン
グ、趣味、教育、コミュニケーション、行政のサービスなど、様々な場面で、様々な世代が
活用でき、様々なニーズに対応できる多様性、柔軟性が必要とされています。
[ ICT を活用した新たなまちづくり ]
(出典:総務省ホームページ)
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③ 超高齢社会の到来への対応
我が国は世界に先駆けて超高齢社会を迎え、地域にかかわらず、高齢者の一人暮らしや高
齢者のみの世帯が増えています。経済活動や社会保障制度、国民生活、地域コミュニティ等
の在り方について、従来の施策では対応できない課題が発生しています。
こうした諸々の課題に対し、距離や時間の制約を受けにくい ICT を積極的に活用し、高
齢者に利用しやすくすることにより、例えば、高齢者を含むシニア世代の生活の質を高め、
その活力を引き出す等、超高齢社会に対応することが期待できます。
[ 超高齢化社会に対応するためのICT利活用の推進 ]
(出典:総務省ホームページ)
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④ 地域の活性化
人口減少、雇用機会の減少等、様々な課題を抱える地域社会において、ICT の持つポテン
シャルを最大限に活かして課題解決に結びつけることが期待されています。また、ICT は、
地域住民が様々な人や関係機関と連携し、協働することを可能にします。ICT は、人と人と
の絆を再生する役割を担うツールであり、地域における課題解決、絆の補完、新たなビジネ
スや価値の創出等を可能にします。このように、ICT は地域の活性化に貢献することが期待
されています。
[ ICT を活用したまち・ひと・しごとの創生 ]
(出典:内閣府ホームページ)
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⑤ 地域情報化のための情報流通連携基盤※の整備
国内のほとんどの地域において、地域情報化に資する ICT 基盤はこの5年間で急速に普
及し、世界最先端の ICT 基盤を備えるに至りました。現在、多くの地域が様々な分野にお
いて、ICT の効果的な利活用の促進に取組んでいます。
地域情報化を進めるために、デジタルコンテンツ※の流通促進とともに、情報流通連携基
盤の構築、整備などに期待が寄せられています。
[ 行政が発信する情報の連携イメージ ]
(出典:総務省ホームページ)
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