1412景気動向調査の概要

第51回 小山市内景気動向観測調査結果の概要
Ⅰ 調査の概要
調査の概要
1.調査の目的
小山市の景気動向を的確かつ敏速に観測し、小山市における景気対策の基礎資料
とすることを目的に実施した。(平成26年12月末時点における景気動向観測)
尚、この調査は、平成14年6月より四半期ごとに調査している。
2.調査の期間
平成27年1月20日(火)~2月13日(金)まで
3.調査方法
小山商工会議所のホームページに掲載した調査票及びFAXにて直接回答する方法
で実施した。
4.小山市内企業 124社を対象
回収数 47社
Ⅱ
回収率 37.9%
調査の結果
1.景気動向の判断
小山市内における景気の動向は、前回調査(第50回調査 平成26年9月の状
況)に比べ、企業全体の状況を判断する業況を示す数値(対前年同月)は、好転等の
プラス評価割合が前回14.5%から0.4%増加し、14.9%となっている。対する、
悪化等の傾向を示すマイナス評価割合は、前回27.3%から4.6%増加し、31.
9%となっており、好転、悪化ともに割合の増加がみられ、業種ごとに二極化の状況
にあるといえる。
全業種における各項目を見ていくと、売上高に関しては増加・やや増加の割合が、
前回30.9%から9.7%減少し、21.2%となっている。一方、減少・やや減少のマ
イナス評価割合は、前回25.5%から8.5%増加し、34.0%となっている。卸・小売
業の一部からは、1年で見ると消費税増税による3月の駆け込み需要があったが、増
税後はかなり売上が下回っているとの声があった。
採算に関しては、好転等のプラス評価割合が前回21.8%から6.9%減少し、14.
9%となっている。一方、悪化等の傾向を示すマイナス評価割合は、前回25.4%か
ら10.7%増加し36.1%となっている。消費税増税後は悪化傾向が続き、収益環境
はいまだ改善には至らず厳しい状況が続いているが、向こう3ヶ月、6ヶ月先はやや
落ち着きを見せると予想されている。
仕入単価においては、下落、やや下落の割合が、前回1.8%から2.5%増加し4.
3%となっている。一方、上昇・やや上昇の割合は、前回54.5%から0.8%増加し5
5.3%となっており、円安と物価上昇の影響により厳しい状況にある。
従業員動向については、不足・やや不足の割合が、前回25.5%から4.2%減少
し21.3%となっている。一方、過剰・やや過剰の割合は、前回5.4%から3.1%増
加し8.5%となっており、一部業種により人手不足の声が聞こえるが、依然として全
体の70.2%の方が、足踏み状態(横ばい)にあると回答しており、まだまだ雇用環
境の改善は厳しい状況が続いている。
資金繰りについては、好転・やや好転の割合が、前回10.9%から6.2%増加し1
7.1%となっている。また、悪化・やや悪化の割合は、前回20.0%から2.9%減少
し17.1%となっている。消費税増税後の資金繰り等に対する国の支援策に対する
要望も多く聞かれた。
2.景気動向指数(ディフュージョン・インデックス)DI値からの判断
現況判断のDI値からは、平成26年9月と対比すると、仕入単価、資金繰りの項目
ではやや回復傾向、また、売上、採算、従業員、業況の項目で悪化傾向が見られた。
雇用情勢については、12月末現在の管内有効求人倍率は0.91倍(前回0.92倍)
と低い状況にあり、依然として予断が許せない状態が続いている。
増税後、一様に落ち込んでいた個人消費に緩やかな回復の兆しを伝える景況分析
が出始めているのは、景況観測の好転と受け止めている。但し、為替、株、原油に起
因するところが多く、不安定要素がある。個人消費の代表指標である新設住宅着工
数(特に戸建て持家)や、国内自動車販売数は一部の自動車メーカーを除き、依然回
復の兆しが出ていないのは気掛りな要素である。外需型牽引、内需型まだら模様で、
今しばらくは推移と見ている。国内消費好転組は、従来とは変えた MD 展開でアッパ
ーグレード商品で成功しており、単なる従来延長の MD で景況好転待機組は、総じて
下降組の多いことを大いなる学びとしている。この先、原材料諸資材の値上げ気運が
出ているのが気掛り要因である、との意見があった。