Business Column 資産を増やして相続税を払う 税理士 村田顕吉朗 は驚くほど少ないのが現状です。 ますが、実際に相続対策をしている方 企業でも相続税への関心は高いと思い 関心が高まっています。パチンコホール 施 行 され、世 間では相 続 税への 年1月1日に相続税の大増税が こ れ か らの 時 代 は、従 来 の よ う な 況です。 は 立 ち 行 か ない 状 裕 層の 相 続 税 対 策 的 な 方 法 だけで 富 ります。もはや一般 を 抱 え ることに な 税 を 払 う 」対 策 が 必 要です。 資 産 を 減 ら す 対 策 には 限 界がありますが、増やす 対 策には限界がありま せん。相 続 税の 負 担 も 増 え ま す が、そ れ 以 上 に財産も増加し、結果的 に手残りは多くなります。 具体的には、預金以外での金 融 資 産の運 用や、遊 休 地の活 用、 休 地であれば、事 業に使 うのか、売る のか、そのまま貸すのか、建てて貸すの か、既に活用している資産であれば、更 に収 益を生む方法はないのか等、様々 な観点から最良の方法を見つけていく 必要があります。従来型の対策よりも 「攻め」の対策と言えます。 相続対策には相続専門のアドバイザ ーがつくことが多いのですが、このよう 不動産 51.2% 図2 相続税対象者の保有資産割合 その他 11.1% 有価証券 12.3% (平成21年総務省全国消費実態調査より) 村田顕吉朗税理士事務所所長。税理士事務所で主に相続税 や地主・資産家の所得税・相続対策を担当した後、独立。現在 は四谷で事務所を構え、資産家様に向けた相続対策をメイン に行う。相続関連の雑誌寄稿、講演など多数。 むらた・けんきちろう 人三脚で一歩踏み出してみませんか。 相続税改正を期に、専門家チームと二 を検 討してみることをお勧めします。 の資産内容やご事情にマッチする手法 ズの資産活用となりますので、ご自身 「攻め」の相 続対 策 実例といっても、 ケースによって様々。完全なカスタマイ が増えてきました。 もセカンドオピニオンを利用される方 することが可能です。最近では士業に 籍し、複合的な目線から解決策を提案 は、相続に精通した多くの専門家が在 ) ま しいでしょう。日 本SFP協 会 (※に 様々な専門家がチームを組むことが望 の専 門 家 だけでは解 決できないため、 家を選ぶ必要があります。また、1人 な対策をとる場合、更に精通した専門 預貯金 25.4% 不動産 70.1% 金融資産 26.4% 今 図 は我が国の平均的な財産所有状 況です。自宅と少しの金融資産という 「資産を減らして相 耐久消費財 3.5% 策ではなく、 「資産を増やして相続 続 税 を 減 ら す 」対 % 構 成が一般的で、不 動 産の割 合は に及びます。一方で、相続税の課税対象 支えないと思います)の平均 の通 図1 日本人の保有資産の内訳 資産の組み換え等が考えられます。遊 1 となる方々 ( 富 裕 層 と呼んで差し 的 な 資 産 構 成 は図 % を 超 え、預 貯 金 りです。こちらも不動産 が は %しかありません。 相 続 税は現 金一括 納 付 が 原 則で す が、 「不 動 産 はあっても 預 貯 金は足 り ない」という方が大多数であ 相続税対策を行うか否かで税額は数 ることが 読み 取 れ ま す。しかし、 建築」では競争が激しく、空室リスクや の購入も従 来型の「空き地にアパート 額の現金が必要ですし、賃貸用不動産 げ られます。しかし、生前 贈 与には多 一般的な相続税対策としては、生前 贈与や賃貸用不動産の購入・建築が挙 はいかないでしょう。 %程度変わります。何もしないわけに 10 2 家賃下落リスク、借入金の返済負担等 MARCH 2015 111 シリーズ どうする!? 相続税 70 1 25 50 ※一般社団法人日本SFP協会 http://sfp.or.jp/ 来たる事業承継・相続問題などに対し、士業がクライアントのために必要な資産の知識と、対策に適した大手金融・不動会社を紹介することで、円滑な事業承継・相続を目指す団体。
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