発 行 日 2015年4月号 第650号 日本労務センター 日本労務センター 社長 の 右腕! 山田です。社長の右腕4月号をお届けします。 労務問題→いきなり解決策という前にやることがあります。 労務の問題を解決する際に大事なことは「現状を把握する」こと です。 1.今ある規則や規程、書式類などを確認して、労務問題になった経緯や対象者の 人柄、家族構成、借金などを詳細に把握します。 2.社長の姿勢(気持ち)や対応方針を確認します。 3.社長の方針に沿った解決策をいくつか提案します。 4.解決策を講じた後の良い結果と悪い結果の両方を予測します。 5.悪い結果を予測して、再度、社長の対応方針を確認します。 6.解決策を実施します。 最善策でやっても労務問題は「人=感情」なのでどうのような結 果になるか解りません。 いかなる結果になろうとも上記の過程を繰り返して社長が納得い くまでやります。 社長も私も見栄も恥じも捨てて本音で話し合いますから真剣にな ります。 その時その時を同じように苦しみ抜いてやっていきます。だか ら、深まるというか、絆というか、親しみが深くなりますね。 そうやって「社長の右腕」となってやるだけですよ。 高崎市常盤町133番地 ℡027-330-5557 駿東郡清水町新宿214-22 ℡055-981-1166 発 行 日 2015年4月号 第650号 日本労務センター ●困った社員対応 社長 の 右腕! 今月のテーマ「通勤手当の不正受給」 1.通勤手当の不正受給 会社の近く引っ越したものの、通勤手当は従来の通勤経路のまま受給しているケー ス、車通勤から自転車へ変えた、送迎してもらっている、実際の通勤距離よりも長 い経路で申告しているケースなどがあります。 このような不正受給を大きな問題ではないと考える社員も、なかにはいます。 うっかりミスといった過失ではなく、故意に基づく場合、会社に対する詐欺が成立 しえますし、懲戒処分の対象にもなる行為です。 ある会社では社員が4年半もの長期間にわたり通期手当を不正受給し、その金額が約 250万円という多額に及んだ事案もあります。 2.懲戒処分 給料や手当などの不正受給は懲戒処分となることを就業規則などにしっかりと明記 しておきましょう。動機や不正受給の金額の程度の観点から懲戒処分の種類を検討 することになります。 3.不正受給した手当を返してもらいたい! 社員は、会社に対して、雇用契約に付随する信義則上の義務として、誠実義務を 負っていると考えられていますので、不正受給した額を損害賠償請求することがで きます。民法上認められた「不当利得返還請求」という請求権があります。 労働法令で直接規制されている事柄では無い為、本人に対し直接返還を請求しても 差し支えありません。いつまで遡るか? 不当利得返還請求の消滅時効期間は10年となっておりますので、10年前まで遡って 請求できます。 4.通勤災害について 会社に申告していた通勤経路が虚偽だった。虚偽の通勤経路や手段で通勤災害が起 こった場合は労災の給付がされるのだろうか?会社への申告が虚偽でも通常利用す ることが考えられる経路が2~3あるような場合は、いづれも合理的な経路とされ、 通勤災害の給付対象となります。 5.家族手当や住宅手当も確認しましょう。 家族手当や住宅手当なども「条件」に応じて支給される手当なので同様の問題が起 こりやすいです。家族手当は年末調整の際に提出される扶養控除申告書で気づくこ とが多いです。妻や子供が既に家族手当の支給対象家族では無くなっているのに家 族手当が支給されていたということが多いです。 「お金」の問題は大きなストレスになりますから「予防」と「対応策」を整備する ことをお勧めします。 高崎市常盤町133番地 ℡027-330-5557 駿東郡清水町新宿214-22 ℡055-981-1166
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