資料3 人口推計シミュレーション (1)将来人口の推計 <推計の前提として> ①掛川市の人口は、平成 20 年をピークに減少傾向で推移しており、今後も減少を続けると予測されている。また、人口減少に合わせ、人口構成も極 端に高齢化にシフトしていくことが予測されている。 ②①の要因は、1970 年代から続く少子化に伴う出生数の低下(自然減)と転入人口の減少(社会減)である。 ③人口減少社会へ対応する体制や環境を整えるために、人口減少の推移を緩やかにするとともに人口構成を維持していくことが課題である。 ④総合戦略(総合計画)に示す将来人口は、人口減少の抑制及び人口構成の維持を目指すための目標値として設定する。また、この目標値は、地域創 生で求められる「人口ビジョン」に相当することから、各種施策はこの目標を達成するにふさわしい成果目標を設定していく。 <人口推計パターン> 現在値 出生率 1.63(H20~24) (参考) ・0~4 歳児のいる世帯 約 2,140 →1世帯あたり 2.2 人の出生数 社会移動 H22→H27 の人口動態から推計 <流出超過数> ・ 0~14→ 5~19 歳 約 50 人/年 ・15~19→20~24 歳 約 100 人/年 ・20~24→25~29 歳 約 70 人/年 ・25~29→30~34 歳 約 50 人/年 ・30~39→35~44 歳 約 70 人/年 ・40~54→45~59 歳 約 70 人/年 ・55~59→60~64 歳 約 15 人/年 ・60~79→65~84 歳 約 30 人/年 ・80~84→85~89 歳 約 30 人/年 <流入超過数> ・85~ →90 歳以上 約 130 人/年 仮定項目 2020 年 2030 年 → 2040 年値 備考(仮定値補足) A 国立社会保障・人口問題研究所の仮定値 出生率 社会移動 1.59 1.56 国勢調査人口より推計 → 人口 95,595 人 構成 0~14 歳 11.1% 15~64 歳 51.8% → 65 歳以上 37.1% 出生率仮定値:出生率は低下 社会移動仮定値:H17→22 の動態から推 計 B 地方創生モデルの出生率仮定値 出生率 社会移動 1.63 2.10 Aの仮定値と同じ。 人口 構成 100,048 人 0~14 歳 14.4% 15~64 歳 50.2% 65 歳以上 35.4% 2030 年の出生率 2.1 →0~4 歳児数 5,100 人。子どもを持つ世帯 数が向上しない場合、1世帯あたり 3 人 程度の出生数と推測される 人口 構成 101,076 人 0~14 歳 12.3% 15~64 歳 54.3% 65 歳以上 33.4% 出生率仮定値:現在値を維持 → 人口 構成 → 105,436 人 0~14 歳 15.3% 15~64 歳 52.7% 65 歳以上 32.0% 出生率仮定値:2020 年は現在値より向上 させ、その後は地方創生モデルを採用 → → C 独自設定・社会移動を改善した仮定値 出生率 1.63 社会移動 <流出超過数> ・就職期 0 ・結婚期 半減 ・住宅需要期 0 <流出超過> 転入超過 20 人 → 社会移動仮定値:ターゲットを絞って現 在値を改善させることを想定。85 歳以上 の社会移動は実績に合わせて0と仮定 → D 独自設定・出生率と社会移動を改善した仮定値 出生率 社会移動 1.70 転入超過 20 世帯 2.10 Cの仮定値と同じ。 (2)推計結果(A~Dの比較) ①A・Bパターンは 2010 年国勢調査人口を基準としているため、2015 年人口は推計値。C・Dパターンは住民基本台帳を基準とした実績数。 このためA~Dの結果は指標により比較する。 ②2015 年の実績値(C・D)は 推計値(A・B)よりも低く推 A 移している。 ③20~30年後を見据え、緩や かに人口減少を推移するために は、出生率と社会移動の両方を 回復していく必要がある。 B C D 人数 指標 人数 指標 人数 指標 人数 指標 2010年 116,363 1.0000 116,363 1.0000 120,229 1.0000 120,229 1.0000 2015年 114,284 0.9821 114,302 0.9823 117,681 0.9788 117,681 0.9788 2020年 111,655 0.9595 111,786 0.9607 114,971 0.9563 115,176 0.9580 2025年 108,424 0.9318 109,173 0.9382 112,227 0.9334 112,906 0.9391 2030年 104,675 0.8996 106,726 0.9172 109,048 0.9070 110,983 0.9231 2035年 100,425 0.8630 103,688 0.8911 105,318 0.8760 108,474 0.9022 2040年 95,594 0.8215 100,048 0.8598 101,076 0.8407 105,436 0.8770 2045年 90,374 0.7767 96,044 0.8254 96,368 0.8015 101,996 0.8483 2050年 85,139 0.7317 92,054 0.7911 91,636 0.7622 98,555 0.8197 2055年 79,916 0.6868 88,173 0.7577 86,922 0.7230 95,228 0.7921 人口の長期的見通し(2010年を1.0とした指数) 1.1000 1.0000 0.9000 0.8000 0.7000 0.6000 A(社人研推計準拠) B(A+出生率上昇) 0.5000 C(独自推計・社会移動回復) D(独自推計・出生率+社会移動回復) 0.4000 2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 2045年 2050年 2055年 2060年 2060年 74,734 0.6422 84,407 0.7254 82,226 0.6839 92,034 0.7655 ④出生率の回復が無い場合(A・C) 、将来的に人口構成が高齢化にシフトしていく。また、いずれの仮定においても、生産年齢人口(15~64 歳) の割合が全人口の約半数となる推計結果となる。現在の 65~69 歳は、概ね健康で、様々な場面で活躍している人が多いことから、この世代を高 齢人口と捉えない、新たな人口構成も考え得る。 Bの仮定値による推計人口の年齢3区分の推移 Aの仮定値による推計人口の年齢3区分の推移 2060年 10.5 50.1 5.8 33.5 2060年 14.5 50.7 2055年 10.7 49.5 6.1 33.7 2055年 14.4 49.5 5.5 30.5 2050年 10.9 49.4 7.0 32.7 2050年 14.4 48.9 6.5 30.3 2045年 11.0 50.4 31.3 2045年 14.3 49.3 6.9 29.4 2040年 11.1 51.8 29.6 2040年 14.4 50.2 2035年 11.2 28.6 2035年 13.9 52.2 27.2 2030年 13.2 53.8 2025年 12.7 55.6 2020年 13.1 2015年 13.7 2010年 14.1 2030年 11.5 2025年 12.1 2020年 13.0 2015年 13.7 2010年 14.1 0% 7.4 7.5 53.7 6.5 54.9 6.5 56.0 6.6 57.4 25.3 7.6 60.2 7.6 63.9 20% 0~14 40% 18.5 5.5 60% 15~64 22.1 16.6 80% 65~69 0% 100% 11.8 51.6 5.9 30.6 2060年 2055年 11.9 51.3 6.7 30.1 2055年 2050年 12.1 51.8 7.1 29.0 2050年 2045年 12.2 52.9 27.6 2045年 12.3 54.3 2035年 12.4 55.8 2030年 12.6 56.7 2025年 13.2 2020年 13.7 2015年 14.1 2010年 14.1 0% 7.1 6.1 6.1 57.5 6.5 59.0 7.4 61.8 64.9 20% 0~14 40% 15~64 5.4 60% 65~69 80% 70~ 27.7 6.3 26.7 6.6 25.1 7.6 63.9 40% 18.5 5.5 60% 15~64 22.0 7.6 16.6 80% 65~69 100% 70~ 51.9 5.3 27.3 15.3 51.1 6.1 27.5 15.2 51.2 6.6 26.9 15.2 51.8 6.9 26.1 26.3 2040年 15.3 52.7 6.8 25.2 25.7 2035年 14.8 54.4 5.9 24.9 24.6 2030年 14.1 55.7 6.0 24.2 22.8 2025年 13.7 57.1 15.5 2020年 13.8 17.3 2015年 14.1 15.7 2010年 14.1 19.9 6.8 28.3 6.3 Dの仮定値による推計人口の年齢3区分の推移 Cの仮定値による推計人口の年齢3区分の推移 2060年 2040年 7.2 60.2 0~14 7.3 29.7 57.3 20% 70~ 5.1 100% 0% 6.5 58.9 7.4 61.8 0~14 40% 15~64 19.9 6.8 64.9 20% 22.7 5.4 60% 65~69 80% 70~ 17.3 15.7 100% (3)将来人口の目標値(案) <目標値> ① 将来人口 2040年に人口10万人を下回らないために 2025年(平成37年)の目標人口は 112,900人 2040年以降の年少人口(0~14歳)を15%以上、高齢人口(70歳以上)を30%以下とするために ② 将来人口構成 2025年(平成37年)の目標人口構成は 0~14歳 13.7%以上、 15歳~64歳 57.1%以上、 65歳以上 29.2%以下 <必要な施策目標> ①出生数の向上 (地域創生「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」の重要業績指標(KPI)に相当) 【想定される指標】 合計特殊出生率 2020 年 1.70 2025 年 1.80 2030 年以降 2.10 ②若い世代の流入人口の促進 (地域創生「地方への新しい人の流れをつくる」「地方における安定した雇用を創出する」のKPIに相当) 【想定される指標】 UIJターン就職 結婚による転入 住宅需要による転入 2020 年 +70人/年 +25人/年 +35世帯/年 2025 年 +90人/年 +25人/年 +55世帯/年 2030 年以降 +90人/年 +25人/年 +55世帯/年 ③65~69歳世代の活躍の場の拡大 (4)将来人口の目標値設定に関する課題 ①国の地方創生で策定を求められている「地域人口ビジョン」と整合させる必要があること 「地域人口ビジョン」は、住民の結婚・出産・子育てや移住に関する意識・希望等の調査・分析に基づき基本的施策の方向性を設定し、人口の将 来展望を提示する
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