概要版(PDF:270KB)

「ふじのくに新エネルギー等導入倍増プラン」進捗状況等評価書
1
概要
新エネルギー等の導入率
○県では、太陽や水、森林など本県の豊かな自然資源を活用し、プランに掲げる目標を
可能な限り早期に達成できるよう、新エネルギー等の導入を加速するための取組を推
進している。特に、太陽光発電は、日本一の日照環境を生かし、住宅から事業所まで
幅広く導入を支援する中で、昨年度は導入目標を 30 万 kW から 90 万 kW に見直しを行
うなど、順調に進捗している。
○こうした取組の結果、新エネルギー等の導入率は、平成 24 年度末時点で 6.7%(平成
23 年の最終エネルギー消費量(暫定値)による暫定値)となり、プランに掲げる目標
の達成に向けて全体としては着実に推移している。今後は、目標を可能な限り前倒し
して達成できるよう、より一層の導入促進に努める必要がある。
【数値目標の達成状況】
項
目
H21 年度
(基準年度)
原油換算 設備容量
(万 kl) (万 kW)
2.43
9.94
5.96
2.02
4.51
2.23
2.16
3.99
1.17
0.95
-
-
H24 年度
(現状)
原油換算 設備容量
(万 kl) (万 kW)
6.87
28.06
6.80
6.44
14.41
2.36
3.03
4.50
1.17
0.95
-
-
H25 年度
(中間目標)
原油換算 設備容量
(万 kl) (万 kW)
10.4
42.5
8.0
6.44
14.41
3.0
3.0
5.0
1.6
1.3
-
-
H32 年度
(目標)
原油換算 設備容量
(万 kl) (万 kW)
22.0
90.0
12.0
8.6
20.0
4.0
4.0
8.0
2.3
1.9
0.1
0.1
新エネルギー
太陽光発電
太陽熱利用
風力発電
バイオマスエネ 発電
ルギー
熱利用
中小水力発電
温泉熱発電
天然ガスコージェネ
39.48
45.01
35.96
40.99
54.0
61.0
79.0
90.0
レーション
計
57.27
62.57
64.10
87.44
88.44
122.21
136.0
206.0
最終エネルギー消費量
968.39 万 kl
951.82 万 kl
1,064 万 kl
1,082 万 kl
新エネルギー等導入率
5.9%
6.7%
7%以上
10%以上
※ H25、H32 の最終エネルギー消費量は、H19 年度(2007 年度)の実績を元に推計
※ 太陽光発電及び風力発電については導入目標を平成 24 年度に上方修正
高度利用
新エネルギー
【参考:年度別導入実績推移】
H21 年度
H22 年度
H23 年度
H24 年度
(基準年度)
項
目
原油換算 設備容量 原油換算 設備容量 原油換算 設備容量 原油換算 設備容量
(万 kl) (万 kW) (万 kl) (万 kW) (万 kl) (万 kW) (万 kl) (万 kW)
太陽光発電
2.43
9.94
3.24
13.23
4.60
18.78
6.87 ※28.06
太陽熱利用
5.96
5.89
6.76
6.80
風力発電
2.02
4.51
5.81
13.01
6.44
14.41
6.44
14.41
バ イオマ ス 発電
2.23
2.16
2.52
2.44
2.29
3.03
2.36
3.03
エネルギー 熱利用
3.99
4.35
4.41
4.50
中小水力発電
1.17
0.95
1.17
0.95
1.17
0.95
1.17
0.95
温泉熱発電
-
-
-
-
-
-
-
-
天然ガスコージェネ
39.48
45.01
37.41
42.64
35.93
40.96
35.96
40.99
レーション
計
57.27
62.57
60.40
72.27
61.59
78.13
64.10
87.44
最終エネルギー消費量
968.39 万 kl
952.54 万 kl
951.82 万 kl
951.82 万 kl
新エネルギー等導入率
5.9%
6.3%
6.5%
6.7%
うち新エネルギー
1.8%
2.4%
2.7%
3.0%
うち天然ガスコジェネ
4.1%
3.9%
3.8%
3.8%
※ 最終エネルギー消費量:H22 確定値(H25.6 国公表)
、H23 暫定値(H25.6 国公表)
※ H24 の新エネ等の導入率は、H23 の最終エネルギー消費量(暫定値)による暫定値
※ 太陽光発電の導入量は、H25 年 6 月末現在で 35.6 万 kW
高度利用
1
2
エネルギーの種類別進捗評価・今後の施策展開
(1)
進捗評価
<平成 24 年度末現在
基準
年比
項目
太陽光発電
+182.3%
エネルギーの種類別進捗評価>
目標に対す
る進捗率
進捗状況の評価
順調に進捗している
22.6% ・平成 24 年度に目標を上方修正(30 万 kW→90 万 kW)
(90.3%) ・固定価格買取制度などにより導入が進んでいる。
※ ・今後、導入支援策の動向に留意しながら取り組む必要
がある。
進捗が遅れている
太陽熱利用
風力発電
+14.1%
13.9% ・徐々に導入が進み、平成 24 年度の導入件数の実績は
全国 1 位となった。目標の達成のためには、普及啓発
等の取組を一層進める必要がある。
順調に進捗している
63.9%
+219.5% (104.3%) ・平成 24 年度に目標を上方修正(14 万 kW→20 万 kW)
※ ・民間事業者による計画が進んでいる。
・洋上風力発電の導入に向けた取組が進められている。
進捗は見られるが現在停滞している
バイオ
マスエ
ネルギ
ー
発
電
熱
利
用
+40.3%
47.3% ・平成 24 年度には新たな導入がなかった。
・豊かな森林資源を活用できるよう、企業等の参入を促
進する取組を進める必要がある。
進捗が遅れている
+12.8%
12.7% ・徐々に導入が進んでいる。食料・飼料等、製品の原料
として利用した後、燃料としての活用も促す取組を進
める必要がある。
進捗が遅れている
中小水力
発電
0%
0%
・農業水利施設を活用した発電施設が今年度稼動し、今
後の導入計画が進められている。
・官民連携の強化や製品開発など、導入促進のための取
組を進める必要がある。
進捗が遅れている
温泉熱発電
-
-
・今年度、小規模発電設備の導入が進められている。
・伊豆半島地域等で普及に向けた取組を進める必要があ
る。
進捗が遅れている
天然ガス
コージェネ
レーション
※
(
△8.9%
△8.9%
・燃料価格上昇等により、工場における設備の更新や新
規投資が積極的に行われていない状況がある。
・電気や熱を有効活用する富士・富士宮でのモデル事業
の取組を進める必要がある。
)は、当初の目標に対する進捗率
2
(2)
取組概要
Ⅰ 太陽光発電
(住宅用太陽光発電に対する導入促進)
○ 住宅用太陽光発電の導入に対する助成制度を平成 23 年 7 月に新設
○ 平成 23 年度は太陽光発電と他の新エネ・省エネ機器を複合的に導入する市民等
に対して助成を実施する市町へ助成
(事業者用太陽光発電に対する導入促進)
○ 太陽光発電設備と新・省エネ機器を複合的に導入する中小企業等に対する助成を
平成 23 年度に実施
○ 太陽光発電等を導入する中小企業等に対する助成を平成 24 年度に実施
○ 平成 25 年度は、事業者用支援制度を制度融資に一本化し、中小企業が行う太陽
光発電等の導入に対する県の制度融資の利率を引下げ、太陽光発電の導入を支援
(メガソーラーの導入促進)
○ 県HP「ふじのくにメガソーラー情報バンク」を平成 24 年7月に開設し、情報
を提供
○ メガソーラー設置に係るワンストップ相談窓口を平成 24 年7月に設置し、企業
等からの問い合わせに対応
(県有施設への導入)
○ 県営都市公園、県営住宅等県有施設への太陽光発電設備導入
○ 国の補助金を財源とする基金を活用し、平成 25 年度から平成 27 年度までの3年
間に、防災拠点や避難所への太陽光発電設備及び蓄電池を整備
○ 県有地や県有施設で太陽光発電事業を実施する民間事業者を公募
(普及啓発)
○ 県内金融機関や大手パネルメーカー等と連携し、太陽光発電セミナーを開催
○ 太陽光発電等の技術ニーズを紹介する「新エネルギー製品開発セミナー」を開催
○ 県内金融機関と連携した、個人住宅向け太陽光発電普及啓発を実施
(新技術・新製品の研究開発、販路開拓等に対する支援)
○ 産学官が連携して実施する太陽エネルギー等を活用した新技術・新製品の研究・試
作開発に取り組む中小企業者に対する助成を実施
○ 県内企業の新エネルギー関連製品の販路開拓を支援
Ⅱ 太陽熱利用
(住宅用太陽熱利用に対する導入支援)
○ 住宅用強制循環型太陽熱利用設備を導入する県民等に対する助成制度を平成 24
年に新設
(新技術・新製品の研究開発等に対する支援)
○ 産学官が連携して実施する太陽熱等を活用した新技術・新製品の研究・試作開発に
取り組む中小企業者に対して助成
3
Ⅲ 風力発電
(新技術・新製品の研究開発、販路開拓に対する支援)
○ 産学官が連携して実施する風力エネルギー等を活用した新技術・新製品の研究・試
作開発に取り組む中小企業者に対する助成を実施
○ 県内企業の新エネルギー関連製品の販路開拓支援
(御前崎港再生可能エネルギー施設導入)
○ 「駿河湾港アクションプラン」推進計画において、御前崎港港湾区域内に「再生可
能エネルギーゾーン」を位置づけ、洋上風力発電事業者の公募に向け準備
Ⅳ バイオマス発電
(木質バイオマス発電を中心とした産業拠点整備)
○「“ふじのくに”防災減災・地域成長モデル総合特区」において小山町が計画して
いる「地域の森林資源を活用する木質バイオマス発電所を中心とした産業拠点の
整備」事業を、連携して推進
(新技術・新製品の研究開発等に対する支援)
○ 産学官が連携して実施するバイオマスエネルギー等を活用した新技術・新製品の研
究・試作開発に取り組む中小企業者に対して助成
Ⅴ
バイオマス熱利用
(木質ペレット工場の整備)
○ 平成 22 年度から整備に着手した県内2箇所の木質ペレット工場の建設工事が完了
し、ともに平成 23 年7月から稼動を開始
(木質バイオマス利用設備導入の支援)
○ 木質バイオマス供給・利用施設等の導入を行う事業主体に対し、機械購入費等の費用
の一部を助成
(新技術・新製品の研究開発、販路開拓等に対する支援)
○ 産学官が連携して実施するバイオマスエネルギー等を活用した新技術・新製品の研
究・試作開発に取り組む中小企業者に対して助成
○ 県内企業の新エネ関連製品の販路開拓支援
Ⅵ 中小水力発電
(市町と連携した小水力発電の導入)
○ 自然エネルギーを活用したまちづくり・観光振興を目指す河津町において、小水
力発電設備を設置
(農業水利施設を活用した小水力発電施設の設置)
○ 国営の大井川用水伊太発電所の運転開始
○ 県営の小水力発電所3箇所の建設、5箇所の概略設計を実施
○ 平成 24 年3月に設立した「静岡県農業水利施設を活用した小水力等利用推進協議
会」による技術セミナーや個別プロジェクト等の検討
4
(県営ダムへの小水力発電の導入推進)
○ 平成 25 年度中に奥野ダムの管理用小水力発電設備を整備し、発電を開始
(新技術・新製品の研究開発等に対する支援)
○ 産学官が連携して実施する水力等を活用した新技術・新製品の研究開発に取り組
む中小企業者に助成
Ⅶ 温泉熱発電
(温泉熱発電事業化判断調査)
○ 温泉熱発電の事業化の可能性について、平成 24 年 12 月、複数源泉の集中管理に
よる大型発電システムは採算が見込めないことから企業局による事業化は困難で
ある旨の報告
(温泉熱発電に関する構造改革特区提案)
○ 平成 24 年2月、ボイラー・タービン主任技術者の外部委託化及び選任義務の不要化
等を内容とする構造改革特区の提案を提出(提案は認められなかったものの、省令
等の改正により一部分については規制が緩和)
(市町と連携した温泉熱発電設備の導入)
○ 東伊豆町は「自然エネルギーを活用したまちづくりプラン」のモデル事業として、
平成 25 年度に、災害時にも使用可能な分散自立型電源として小型温泉熱発電設備
を設置
Ⅷ 天然ガスコージェネレーション
(県管理施設への導入)
○ 平成 23 年度までに、県有4施設(計 1,408kW)に導入
(分散型エネルギーシステム活用研究会・推進協議会の設置)
○ 平成 24 年度、富士・富士宮地域において、官民による分散型エネルギーシステム
推進協議会を設置
○ 事業の具体化に向け、電力供給事業者や需要家の確保、事業者の電力需給データ
の分析等を県、市、事業者が連携して実施
5
(3)
今後の施策展開
Ⅰ 太陽光発電
○新たな導入目標を定め、全国有数の日照環境に恵まれている本県の地域特性を生か
し、引き続き太陽光発電を重点施策として積極的な導入促進に取り組む。
Ⅱ 太陽熱利用
○全国第 1 位の導入件数(平成 24 年度)のより一層の進捗が図られるよう、エネルギー
利用効率の高さなどについて普及啓発に努め、住宅用強制循環型太陽熱利用設備の
導入に対する助成制度等を活用し、導入を促進する。
Ⅲ 風力発電
○自然景観等への影響や、地元の合意形成に留意し、民間事業者による計画的な導入
を促進する。また、関係機関等と連携し、御前崎港における洋上風力発電の円滑な
導入を図る。
Ⅳ バイオマスエネルギー
○「内陸のフロンティアを拓く取組」として進められているバイオマス発電など、恵
まれた森林資源等を活用し導入促進に努める。
Ⅴ 中小水力発電
○農業水利施設や県営ダムへの中小水力発電施設の整備が進められており、今後も官
民の連携を一層強化するとともに、小河川や上下水道施設等への導入促進を図る。
Ⅵ 温泉熱発電
○東伊豆町において、平成 25 年度に小型温泉熱発電システムを設置する。市町と連携
し、伊豆半島地域における小型温泉発電システムの普及を図る。
Ⅶ 天然ガスコージェネレーション
○富士・富士宮地域におけるエネルギー地産地消のモデル事業の具体化に取り組む。
3
新エネルギー等導入目標の見直し
○ 計画の中間年(平成 27 年度)を目途に全ての目標項目について総合的な評価を実施する。
○ 進捗が進む太陽光発電について、より高い導入目標を掲げる。
項
目
太陽光発電
目
標
現状
(H32 年度)90 万 kW
変更後
(H29 年度)
(H32 年度)
100 万 kW
110 万 kW
○ 固定価格買取制度などで導入促進策が強化される間の飛躍的拡大とともに、中長期的に
も継続した導入拡大を目指す。
○ 現在策定中の静岡県総合計画次期基本計画の最終年(平成 29 年度)までに 100 万 kW、
さらに平成 32 年度までに 110 万 kW の達成を目指す。
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