シ ャープ ﹁ 液晶敗戦﹂の教 訓 ︱︱ ■疑 憐 評 輸 家 ド 評・ 山崎 元 鮮明なテレビは工場の名前が ﹁ 亀山モデル 一とプランド化 日本 のも のづくりはなぜ世界 で勝てなくな った のか される勢いだ った。それが、 中 田行 彦著 実娑脅諄豚 i 500円+む なぜ今日の苦境に陥 ったか。 いずれの理由にも興味深い 者は、長年シャープで太陽電 教訓が含まれるが、最大の要 池と液晶に関わ った技術者で 因は、パソコンやスマートフ あると同時に経営学者でもあ ォンを典型とする主力製品の り、このテーマを語るに最も ﹁ モジ ュール化 一に、適応し ふさわしい方だといえよう。 損ねたことだ った。日本企業 シャープはソニーと並んで の強みは、数多くの部品 ・製 独自性のある商品を作る面白 造 工程を自社内 ・系列内 で い会社だ った。思い起 こす ﹁ すり合わせ﹂する技術と経 と、かつてのザウルスは現在 験にあ った。しかし主力製品 のスマートフォンの 一歩手前 の構造がモジ ュール化され、 まで来ていたし、液晶画質が 強みの多くが無力化した。加 経営 の現場を丁寧 に か つて日本の家電メーカー は 自 動 車 と 並 ん で 圧 倒的な国 際競争力を持 った ﹁ 勝ち組﹂ であり、強い ﹁ 日本のものづ くり﹂の代表選手だ った。 しかし今では、ソニーやシ ャ っ プ と ー い た 代 表 企 業 が い る ように見える。両者の 赤 て 字 ・黒字の境界をさまよい、 差の ︲ 原因﹂は何なのか。 米国のア ップルや韓国のサム 本書は、シャープの事例を スンに進かに き離されたば 中心に日本の家電メーカーの 引 かりかデ沖国、台湾の有力企 ﹁ 敗因﹂を分析した本だゃ著 業にも後塵を拝する。他方、 自動車はトヨタ自動車を筆頭 にまだ強い国際競争力を持 っ 1造 1 0 日曜 日 8日 (2015年 )3月 27年 平成 )― F_q えて、技術 ・品質 への過剰な 傾斜や投資タイミ ング の拙 さ、提携戦略の失敗などで、 日の丸家電は凋落に向かう。 現在の自動車や高級デジタ ルカメラにはまだ日本の ﹁ す り合わせ ﹂の強みが生きてい るが、電気自動車が普及した 時に日本の自動車が勝ち残る ことができるかは不透明だ。 著者はシャープの開発 ・製 造 ・経営の現場を丁寧に追い ながら、ビジネス環境も作昭 し つつ、失敗とその教訓を 一 つ 一つ明らかにする。この種 の本にありがちな ﹁ あの社長 がダメだ った﹂式の悪国が 一 切ないので、失敗の物語なの だが、読後感は爽やかだ。
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