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一寸一息
一寸一息
言葉は大切! 誉めると、誉められる
人から誉められるのは、嬉しいもので、やる気が一層増してくるなどのいい効果があります。だからと
言って、このような効果を期待して人を誉めるのもどうかと思うけれど、世の中のハウツー本には、こう
いう内容のものも多いようです。
素直に思ったままを表現して、それが結果的に人を誉めることになるのが一番いいと思いますが、人
の受け取り方は様々で、物の言い方には気を付ける必要があることも。
例えば、ネットに載っていた話。本当かどうか定かではありませんが、男性が、ある日にお茶を入れて
くれた職場の女性に対して「今日のお茶はおいしいね。」と言ったら、職場の女性から総スカンを喰った
とか。複数の女性がいるときに、その日に特定の女性が入れてくれたお茶を誉めたように受け取られたよ
うで、別の女性が入れたお茶はマズイのかとか、これからはその人にお茶をいれてもらえばとか、職場の
雰囲気が悪くなったようです。物事を限定的に誉めるのは、誤解を招きやすいかも知れないので、「今日
のお茶もおいしいね。」とか、単に「ありがとう。」とか、無難な言い方がよろしいのではという話が載っ
ていました。
私に言わせれば、その男性が普段、どのような態度でいたかが、ポイントのような気がします。
「ありがとう。」は、最高のポジティブ・ワードで、人の心は言葉で作られる面があるので、ポジティブ
な言葉をたくさん言うほど、言った人の心の状態が良くなり、結果的に物事がうまくいく傾向があるとの
こと。普段から、笑顔を絶やさず、素直な気持ちで「ありがとう。」という言葉がスッと出てくるような
状況であれば、ネットに掲載されていたような誤解も生じなかったのかも知れません。これが、なかなか
思ったとおりにはいかないものではありますが。
また、誉められる側の受け取り方や反応も、やっぱり素直でないと。誉められたときは、過度に謙遜や
否定をせず、素直に同意するのがいいようです。例えば、「ありがとう、そう言ってくれて、私もとても
嬉しいです。」とか。欧米の外人は、このようなことに慣れているのですが、日本人は何だか恥ずかしい
感情が先に立ってしまいがち。謙遜することが昔からの文化だという向きもあるようですが、やはり過度
の謙遜は考えもの。
キリストも「はじめに言葉ありき。」と言っているように、言葉は本当に大切で、決しておろそかには
できません。普段から口に出している言葉がポジティブであれば、ポジティブな人生に、ネガティブであ
れば、ネガティブな人生になりがちだとすれば、素直な気持ちで、ポジティブ・ワードで誉めたり、誉め
られたりしていれば、こんな時代でも、結構、世の中楽しめそうです。
(F)
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