2015 年 赤十字国際ニュース 第 15 号 2015 年 3 月 26 日 ( 通巻 第 1100 号 ) 日本赤十字社 国際部 東京都港区芝大門 1-1-3 TEL 03-3437-7087 / FAX 03-3435-8509 E-mail:[email protected] ■(速報 3)大洋州 http://www.jrc.or.jp/ サイクロン「パム」救援 超大型サイクロン「パム」の 3 月 13 日の上 陸による被害状況が、バヌアツおよび周辺のツ バルやキリバスで徐々に明らかになってきま した。バヌアツとツバルでは、政府が非常事態 宣言を発出しています。一番被害の大きかった バヌアツは 83 の島々で成り立っており、遠く の島はボートで片道 3 日間かかるため、被災状 況を確認することや物資を運ぶことが非常に 困難な課題です。 3 月 20 日、赤十字による物資配布が開始され た©Nina Svahn/Finnish Red Cross 3 月 23 日現在、バヌアツでは 6 県すべての調 査が完了し、22 の島々にいる被災者は約 16 万 6000 人、7 万 5000 人が家を失い、11 万人がき れいな飲料水を手に入れることができずにいる ことがわかりました。また、食糧源となってい る穀物などの作物が大きな被害を受け、今後農 業の復興なども必要となる見込みです。 ■ 赤十字の国際支援要請を拡大 ボートで離島(シェパード島)に救援物資を届けるバヌ アツ赤ボランティア©Vanuatu Red Cross 国際赤十字は 16 日、バヌアツの被災者 を支援するため総額約 4 億 7000 万円の緊 急支援要請を発表しました。しかし、被災 状況が明らかになるにつれ、周辺国への支 援も必要であるとわかってきたため、対象 をバヌアツだけでなくキリバスや、ソロモ ン諸島、ツバル、パプアニューギニアの被 災者とし、緊急支援要請総額を約 7 億 1390 万円としました。 支援は 8 万 1000 人(1 万 3500 世帯)に 対して行われ、救援物資の配布や緊急シェ 最初の物資配布対象となったエトン村での配付の様子 ルター(家屋)のための資材提供、安全な ©Vanuatu Red Cross 水の確保やトイレなどの衛生環境の整備、 さらには農業などの長期的な分野も含めて約 2 年かかると見込んでいます。 ■ バヌアツでは救援物資の配布を開始 被災状況が明らかになってくると同時に、救援物資の配付や給水などの支援が開始さ れています。バヌアツでは、政府が許可を出した 20 日から、首都付近での物資配布が 開始され、22 日には離島にも救援物資を積み込んだ調査の船が到着し始めています。 南に位置するタンナ島には、簡易な家屋修繕キット 200 セットと防水シート 1400 枚、 大型給水タンク 2 個が到着し、被災した人び との調査と同時に救援活動も実施されてい ます。 家屋修繕キットを受け取ったエスターさ ん(35 歳)は 3 児の母。サイクロンが上陸し た時、子どもたちは恐怖で泣き叫び、自分も 何が起こったのかわからず、崩れてしまった 家を建て直さなければならないという途方 もない状況を目の当たりにしました。「家屋 修繕キットと防水シートは、がれきを片付け て、新しい家を建て直すのにとても助かりま す」と、支援を受け取った感謝の気持ちを伝 えてくれました。 壊れた家の前で受け取った家屋修繕キットを手にする エスターさん©IFRC ■ 日本赤十字社の対応 日本赤十字社は、大洋州の被災者を支援 するため、上記緊急支援要請に応じて 1000 万円の資金援助および家屋修繕キットや衛 生キットを含む 1200 万円相当の救援物資 の支援を行う予定です。 引き続き、温かいご支援をよろしくお願 いいたします。 設置された給水施設に集まる子どもたち©IFRC 配付用救援物資の防水シートを首都ポートビラのテント から運ぶ辻職員©日本赤十字社 3 月 23 日には首都エリアでの防水シートの配付も始ま った©Vanuatu Red Cross ●救援金受付名: 「2015 年南太平洋サイクロン救援金」 1.受付期間 平成 27 年 3 月 18 日(水)~平成 27 年 5 月 29 日(金) 2.協力方法 以下のウェブページをご参照ください http://www.jrc.or.jp/press/150318_003445.html
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