グローバル調達センターの活用;pdf

EY税理士法人
グローバル調達センターの活用
Maximizing tax savings through global procurement center
はじめに
近年、企業の国際展開がますます増
えていく中で、
コストダウンのための
製造機能移管やより事業効率の向上
を求めた地域統括会社の設置を行う
企業、
また原材料や資材の購買機能
を集中化し、
さらなる効率性の向上や
ボリュームディスカウントによるコスト
ダウンを求める企業が増えてきてい
ます。グローバルベースでの購買機
能の集中化においては、拠点の設置
国や購買機能に伴うインボイシング、
トレードファイナンス、
為替リスク管理
等の活動を付加することや、上述の
事業統括機能を併せて持つことを検
討することで、
グローバル企業の経営
効率のさらなる向上への貢献が期待
できます。
グローバル調達センターにおける税務戦略とは?
グローバル調達センターの構築にあたっては、EYが提唱するオペレーティング モデル エフェクティブネ
ス*の税務プランニングアイディアを取り入れることが有効です。主として以下の4つの機能を含む、全世
界における原料、資材、部品、製品等の調達及び物流を管理する拠点としてグローバル調達センターを設
置し、調達・物流機能を主導的に実施することでグループ全体の資金効率性を高めることが可能となりま
す。
4つの機能
• サプライヤーからの商品や原
材料の調達・価格交渉・契約合
意等
• 調達先からのインボイス管理
• 売掛金や買掛金の管理
グローバル調達センターの活用メリット
• 調達及び物流管理の統括機能を低税率の国・地域に設置するこ
とで、
連結ベースでの実効税率低減を実現
• インボイス機能やファイナンス機能を付加することにより、製造
拠点での資金負担を軽減するとともに、それらの機能に応じた
所得をグローバル調達センターで稼得させることが可能
• 為替リスクの管理
取引形態
(例)
第三者サプライヤー
グローバル調達拠点
サプライヤー、
インボイス、
売掛金・買掛金等の管理
グループ拠点(全拠点)
*オペレーティング モデル エフェクティブネス
(OME)
とは?
OMEは、
クライアントのサプライチェーンの構築や事業再構築及びその導入において、
事業面及び国際税務、
移転価格、
間接税、
関税、
会計等の税務・会計面におけるサポートサービスです。EYのOMEチームは、
クライアントのあらゆるニーズ
にお応えすべく、
国際税務、
移転価格、
関税及びサプライチェーン アドバイザリーチーム等の様々な専門家から構成され
ております。また、
企業に対し、
効率的なビジネスストラクチャーの構築、
運用、
プロセスの改善、
さらに国際取引において
発生するコスト及びリスク管理の支援を行います。
グローバル調達センターの導入モデル
実効税率の最適化をグローバルに展開する企業の重要な経営課題と位置付け、
サプライチェ
ーン・マネジメントの観点からスキームの設計・構築・実行面でのサポートを実施いたします。
EYでは、
まずベネフィットが得られるオポテュニティの発見、
その後実行可能モデルの検討を行
い、
効率的なプロジェクト推進を実現するためのアプローチを採用しています。貴社における実
行可能なモデルについて、
より詳細なモデル構築とその実行支援をいたします。
導入モデル機能
機能リスク例
エージェントモデル
統括会社モデル
サプライヤー
管理
P
P
P
調達戦略及び
方針の策定
P
P
P
サプライヤーと 物流管理、
の交渉及び契
コスト低減の
約締結
責任
P
P
P
P
P
P
販売・製造統括、
研究開発、
金融
機能等の高付
加価値活動の
実施
P
導入モデルとベネフィットの相関図
高
ベネフィット
バイ・セルモデル
調達戦略の
構築及び交渉
や契約締結の
サポート
グローバル調達センターに、サプライヤーと
の交渉・管理や販売・物流管理等を含む多数
の機能リスクを集約することで、
より多くのベ
ネフィットを享受する機会が期待できます。調
達管理等のサービスを提供する拠点(エー
ジェントモデル)
から、サプライヤーとの契約
やコスト低減、事業戦略等の責任を持つモデ
ル
(バイ・セルモデル)
が想定されます。また、
他の機能を付加した統括会社モデルにするこ
とに、
より効率的な事業運営を実現すること
が期待されます。
導入事例
業界
ニーズ
• 5年間で約400億円(NPVベース)のベネフィット
• シンガポールに拠点を配置することにより
衣料
B社
• バーゲニングパワーの増加及び業務集約化に
エージェント
モデル
リスク管理・
ベネフィット
最大化
中程度の利益
低収益・安定
低
機能集約度合い
高
インセンティブを享受
よる調達コストの低減
• 調達コスト削減に合わせた税ベネフィットの変革
• 原材料・製品在庫の一元管理、
リードタイムの
短縮化
食品・飲料 • 地域内における役割及び担当業務の
C社
マニュアル化
• 地域内の大規模なITプログラム更新
• 直接税・間接税の管理
バイ・セル
モデル
ベネフィット
エレクトロ • 現地主導型のビジネスモデルの
ニクス
中央・地域統括型への変革
A社
• 調達機能の分散型による低い価格交渉力の改善
• 国際貿易リスク・コスト管理の充実
• 地域内の直販・フランチャイズ店の管理
• 原材料の調達一元化
• 在庫管理のイニシアチブ
統括会社
モデル
•
•
•
•
サプライチェーンプロセスの標準化
バイイング・シナジー
10年間で約800億円(NPVベース)のコスト削減
うち6割以上がタックスによる
EYのサポート体制
EYは、OMEタックスセンターを3ヶ所(ア
ジア、
北南米、
及び欧州・中東・インド・アフ
リカ地域)
に設置し、
各センターに所属す
る合計15を超えるチームがそれぞれの
専門性を活かし、
また現地の専門家と密
に連携し、
クライアントのニーズにお応
えしてまいります。
また、
グローバル調達センターが携わる
税務戦略のプロジェクトでは、
EYの移転
価格、国際税務、間接税の専門家が中
心となり、税効率の向上及び税務リスク
への対応の両面を考慮した実践的なサ
ポートをご提供します。
Contact
本サービスに関するご質問・ご意見等がござ
いましたら、
下記までお問い合わせ下さい。
EY税理士法人
コーポレート・コミュニケーション部
[email protected]
EY | Assurance | Tax | Transactions | Advisory
EYについて
EYは、アシュアランス、税務、トランザクションおよび
アドバイザリーなどの分野における世界的なリーダー
です。私たちの深い洞察と高品質なサービスは、世界中
の資本市場や経済活動に信頼をもたらします。私たち
はさまざまなステークホルダーの期待に応えるチーム
を率いるリーダーを生み出していきます。そうすること
で、構成員、クライアント、そして地域社会のために、よ
り良い世界の構築に貢献します。
EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミ
テッドのグローバル・ネットワークであり、単体、もしく
は複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは
法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・
グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社で
あり、顧客サービスは提供していません。
詳しくは、ey.com をご覧ください。
EY税理士法人について
EY税理士法人は、EYメンバーファームです。税務コンプ
ライアンス、クロスボーダー取引、M&A、組織再編や移
転価格などにおける豊富な実績を持つ税務の専門家集
団です。グローバルネットワークを駆使して、各国税務
機関や規則改正の最新動向を把握し、変化する企業の
ビジネスニーズに合わせて税務の最適化と税務リスク
の低減を支援することで、より良い世界の構築に貢献し
ます。詳しくは、www.eytax.jp をご覧ください。
© 2013 Ernst & Young Tax Co.
All Rights Reserved.
Japan Tax SCORE CC20131011-2
ED None
グローバル調達センターの活用
本書は、一般的な参考情報の提供のみを目的に作成されており、会
計、税務及びその他の専門的なアドバイスを行うものではありませ
ん。EY税理士法人及び他のEYメンバーファームは、
皆様が本書を利
用したことにより被ったいかなる損害についても、
一切の責任を負い
ません。具体的なアドバイスが必要な場合は、
個別に専門家にご相談
ください。
www.eytax.jp