H26 修了式の話 株(くいぜ)を守る 2015.3.24 校長 西谷 秀幸 今日は朝会ではありません。平成26年度を修める式「修了式」です。あっという間の 1年間でしたね。今の学年になってからの1年間はどうでしたか。 さて、今日は、中国に伝わる話をします。 昔の中国に、畑を耕している農家の人がいました。その畑は 荒れ地で石ころや木の切り株などがあって、耕すのがとても大 変でした。 ある日、その畑で一生懸命、畑仕事をしていると、ウサギが すごい勢いで走ってきて、畑の中にある木の切り株にぶつかっ て 死 ん で し ま い ま し た 。 そ れ を 見 て い た 農 家 の 人 は 、「 こ れ は よかった。自分でウサギを捕まえなくても、自分から切り株に ぶつかってくれた。もうけた、もうけた。」と言って喜びました。 それからというもの、農家の人は畑仕事を全くしないで、毎日、畑の切り株を見て いました。ウサギがまた切り株にぶつかってくると思ったからです。でも、二度とウ サギが切り株にぶつかってくることはありませんでした。 その農家の人は、国中の人から「おろかな人」と言われました。 世の中には、偶然にうまくいくことがあります。でも、その偶然が続くことはめったに ありません。学校の勉強もそうです。勉強をしていなくても、できるときがたまにありま す。でも、それはそのときだけです。続くことはありません。努力をしないと結果は出て こないのです。 み な さ んは こ れ か ら、「あ ゆ み 」を も ら い ます ね 。 勉 強し て い な い のに 、 た ま たま 成績 がよくなっていることがあるかもしれません。でも、そうだとしても、それは続きません。 しっかりと努力した人だけが、結局は良い結果につながるのです。 だから、成績が良かったからと安心せずに、努力を続けてください。反対に、努力を続 けてきたけど成績があがらなかったという人は、これからも努力を続ければ必ずよくなり ます。これは絶対です。ですから、あきらめずにがんばっていきましょう。 4月から、1年から5年は新しい学年に、そして、6年は中学校に進みます。今日は、 修了式で1年間の最後の日ですが、実は、次の学年のスタートの日でもあるのです。です から、今日からまた、新たな気持ちで毎日を過ごしていきましょう。それが、新しい学年 の良いスタートダッシュになるのです。 こ れ で 修了 式 の 話 を 終わ り ま す。 (裏面に「先生方へ」があります) 〈先生方へ〉 明日の卒業式を残していますが、平成26年度は今日で一応最後となります。髙田 副校長先生はじめ、先生方、主事さん方には、1年間、それぞれの立場で力を十分に 発揮し、板八小を盛り上げていただきました。本当にありがとうございました。2年 目になっても力のない校長をもり立てていただき、感謝あるのみです。素晴らしい職 員と素直な子供たちに囲まれ、良い学校で働ける喜びを感じています。 さ て 、 今 日 の 修 了 式 で 話 し た 「 株 ( く い ぜ ) を 守 る 」( 守 株 ) で す が 、 高 校 な ど 、 漢 文 で 習 っ た こ と が あ る 人 も 多 い か と 思 い ま す 。 本 来 的 に は 、「 い た ず ら に 古 い 習 慣 や し き た り に と ら わ れ て 、 融 通 が き か な い た と え 」 と し て 使 わ れ ま す が 、「 偶 然 の 幸 運をあてにする愚かさのたとえ」としても使われることもあるようです。今回は後者 の意味で使いました。努力をしないで良い結果を得たとしても、そのときだけに過ぎ ません。結局は、努力した人が良い結果が得られるということになります。時間はな いと思いますが、学年に合わせて補足してくださると助かります。 最後に、年度末で多くのことがありますが、書類などの最後の仕上げを確実に行っ てください。後回しにすることなく、そのときにやってしまいましょう。 ま た 、 校 務 支 援 シ ス テ ム 「 C4th」 を 朝 夕 に チ ェ ッ ク す る 習 慣 を 春 休 み に 付 け て い き ま し ょ う 。 平 成 2 8 年 度 か ら 成 績 処 理 を し て い く に あ た り 、 2 7 年 度 は 、「 慣 れ る 」 ことが大事ですので…。そして、机上整理、教室清掃などもよろしくお願いします。 1年間、本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。なお、26日からの 春季休業日は、休めるときにはしっかりと休んで、来年度に備えてください。何事も 気分転換とメリハリが大事ですから…。 〈資料〉待ちぼうけ 北原白秋が、この話をもとに「待ちぼうけ」の詩を作っている。 1 2 3 4 5 待ちぼうけ、待ちぼうけ。 ある日、せっせと、野らかせぎ、 そこへうさぎが飛んで出て、 ころり、ころげた、木のねっこ。 待ちぼうけ、待ちぼうけ。 しめた、これから寝て待とうか、 待てばえものは駆けて来る。 うさぎぶつかれ、木のねっこ。 待ちぼうけ、待ちぼうけ。 きのうくわとり、畑仕事、 きょうはほおづえ、日なたぼこ。 うまい切り株、木のねっこ。 待ちぼうけ、待ちぼうけ。 きょうはきょうはで待ちぼうけ、 あすはあすはで森のそと、 うさぎ待ち待ち、木のねっこ。 待ちぼうけ、待ちぼうけ。 もとは涼しいきび畑、 いまは荒野のほうき草。 寒い北風、木のねっこ。
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