第5学年 音楽科 学習指導案 平成27年2月17日(火)第5校時 場 1 題材名 所 音楽室 詩と音楽を味わおう 2 題材について (1)題材観 本題材は、主となる内容として、学習指導要領の B 鑑賞(1)に関連している。また、 副次的に関連する内容として、学習指導要領 A 表現(1)に関連し、歌詞と旋律が一体 となって生みだされる日本歌曲の美しさを味わったり、歌詞や曲想を生かした表現を工夫し たりしながら、思いや意図をもって鑑賞、表現することをねらいとしている。 B鑑賞(1) ア「曲想とその変化などの特徴を感じ取って聴くこと。 」 イ「音楽を形づくっている要素のかかわり合いを感じ取り、楽曲の 構造を理解して聴くこと。 」 ウ「楽曲を聴いて想像したことや感じったことを言葉で表すなどし て、楽曲の特徴や演奏のよさを理解すること。」 A表現(1)歌唱 イ「歌詞の内容、曲想を生かした表現を工夫し、思いや意図をもっ て歌うこと。」 本題材では、大正時代につくられた山田耕筰の歌曲「待ちぼうけ」を取り上げ、歌詞と旋 律が一体となって生みだされる曲想を感じ取りながら聴く学習を中心とし、ときには歌唱す ることで、その美しさを味わうようにすることをねらいとする。 (2)児童観 ※内容の一部を省略 児童に行ったアンケートでは、 また、 「喜びを感じる時は」という問いに、 「みんなで合わせた時」 「できるようになった時」 「グループで発表する時」等の回答から、グループ活動の学習形態を取り入れる素地ができ ていると考えた。さらに、児童の記述には、 「みんなで~することが楽しい」等、 「みんなで」 という言葉がどの問いにも多くみられ、人間関係の基盤が充分であることもうかがえた。以 上のことから、本題材を通して、鑑賞活動への不安を取り除けるような展開を工夫し、自分 の感じたことや思ったことを積極的に表現できる児童を育てたい。 <児童のアンケートより> 音楽の学習について 好きな領域 鑑賞 器楽 歌唱 好きな領域 0 10 20 (3)指導観 本題材の流れのように、楽曲に出会う、楽曲を理解する、自分なりに感じる、めあてに向 かって鑑賞・表現するという一連の活動は、自分の思いと友達の感じ方や思いを共感したり、 比較したりすることでより広く深い思いをもつことができるようになると考える。この様な 活動を繰り返すことは、基礎的・基本的な内容を定着させ、音楽を愛好する心情と音楽に対 する感性を育てることにつながると考える。 本題材では、詩と音楽が一体となって生みだす曲想を感じ取ったり、味わったりする活動 を主としながらも、日本語の美しい歌詞と言葉の持つ語感を大切にしてつくられた日本の歌 曲に親しめるように表現活動も取り入れていきたい。また、本教材「待ちぼうけ」は、わず か8小節の歌曲であるものの、その中に音楽的魅力が凝縮されており、児童が意欲的に取り 組める楽曲であると考える。鑑賞を中心としながら、鑑賞と表現の両面から主体的に学習活 動に取り組むことができるように授業を展開していきたい。 3 題材の目標 ○詩と音楽が一体となって生みだされる日本の歌曲の美しさを味わうようにする。 4 教材について ○「待ちぼうけ」 北原白秋 作詞 山田耕筰 作曲 1923年、当時の南満州教育会編輯部の委嘱により作曲され、1925年、日本人学 校の副読本唱歌集「満州唱歌集尋常科第一・二学年用」に掲載された。歌詞は、紀元前3 世紀の古典で、中国の戦国時代に生きた韓の国の思想家韓非子が書いた「守株待兎(かぶ をまもりてうさぎをまつ) 」の萬話をもとにしている。8小節の中に、旋律やリズムの反復、 音の動きが生み出す勢いといった多彩で変化に富んだ曲想がつまっている。歌詞の内容が 音楽で表現されているため、親しみやすい曲である。 5 本題材で主に取り扱う〔共通事項〕と学習活動のかかわり 〔共通事項〕ア 〔共通事項〕イ 学習活動 旋律・リズム 反復・速度・強弱 2分音符・8分休符 ・詩を音読したり楽譜を読み取ったりすることで、 ・歌詞を音読し、歌詞の内容や旋律の動き 言葉のもつリズムと音楽の関わりを感じ取る。 から、反復や速度や強弱を感じ取る。 6 題材の評価規準・評価計画(2時間扱い) (1)評価規準 ア 音楽への関心・意欲・態度 イ 音楽表現の創意 エ 鑑賞の能力 ○日本の歌曲のよさや ○歌詞の表す情景を想像し ①リズム、旋律等の要素のかか 特徴に気を付けて聴 たり、言葉と旋律のかか わり合いによってつくられる く学習に主体的に取 わりを感じ取ったりし 楽曲の特徴やよさを感じ取っ り組もうとしてい て、曲想を生かした表現 て聴いている。 る。 の仕方に思いや意図をも ②日本の歌曲の詩や旋律の美し っている。 さを感じ取り、楽曲全体の曲 想や表現の工夫を味わいなが ら聴いている。 (2)題材における学習評価計画(★本時) ア 音楽への関心・意欲・態度 1★ イ 音楽表現の創意工夫 ○ エ 鑑賞の能力 ① 2 ○ ② (3)題材における指導計画 時 ○学習内容 ・主な学習活動 ○「待ちぼうけ」の詩や旋律の 特徴を理解する。 ・指導上の留意点 ◇評価規準【方法】 ・挿絵を用意し、情景を思い浮かべやすいように する。 ・言葉のリズムを感じながら音 ・歌詞の内容に応じた音読の工夫をするようにす 1 読をする。 る。 ・音楽を特徴付けている要素を ・山田耕筰について知り、楽曲についての理解を 探求し、「待ちぼうけ」の理解 共通事項 深めるようにする。 旋律 リズム 反復 2 分音符 8分休符 を深める。 ・鑑賞カードに記入する。 ・歌詞と旋律の楽譜に、気付いたことを書き込む ようにし、楽曲の特徴を理解するようにする。 ・気づいた特徴を広め合う。 ・気付いたことを拡大譜にまとめるようにする。 ◇ア 【発言内容・行動観察・鑑賞カード・振り返りカード】 ○音楽を形づくっている要素の 関わり合いを感じながら鑑賞 する。 ・ 「待ちぼうけ」を鑑賞する。 ・楽曲分析した内容と聴き比べながら聴くように する。 旋律 速度 ・音楽を特徴付けている要素の 働きとその効果を感じ取る。 ・「待ちぼうけ」を聴いて、想像したことや感じ 強弱 取ったことの理由を、音楽の中から見つけて、 リズム 自分の意見や感想をもつようにする。 速度 ・友達の感想を聞き、さまざまな捉え方があるこ とに気付くようにする。 ◇エ―①【発言内容・鑑賞カード・振り返りカード】 ○「待ちぼうけ」の歌詞と旋律 の関わりを感じながら表現す る。 ・歌詞の表している内容と、旋 律の動きや言葉の感じなどを ・言葉のもつリズムや抑揚等、音読したことを歌 に生かすようにする。 生かして歌う。 ・表現を工夫する。 リズム 速度 強弱 ・鑑賞から感じ取ったことを歌唱に生かすように する。 2 ◇イ 【演奏聴取・発言内容・鑑賞カード】 ○「待ちぼうけ」の特徴を感じ 取って鑑賞する。 ・曲全体を味わって鑑賞する。 ・音楽が表わす情景やイメージを思い浮かべるだ けでなく、音楽の特徴を手掛かりにして楽曲全 体を聴くようにする。 ・他の日本の歌曲を鑑賞する。 ・参考として、他の日本の歌曲を聴くことでより 興味を広げるようにする。 ◇エ―② 【発言内容・鑑賞カード】 7 本時の学習 (1)目標 ○日本の歌曲のよさや特徴に気を付けて聴く学習に主体的に取り組むようにする。 (2)展開(1/2) 学習内容 ・学習活動 ・指導上の留意点 ☆評価規準【評価方法】 時間 1 本時の目標を確認する。 ・ 「待ちぼうけ」のお話を聞く。 ・ 「待ちぼうけ」のお話を知らせ、学習の雰囲気をつくる ようにする。 3 ・本時のめあてを知り、学習の ・めあてを知らせ、学習の流れを説明する。 見通しをもつ。 日本語の言葉の感じを生かした歌曲を楽しみましょう。 ~「待ちぼうけ」のひみつをさぐろう!~ 2「待ちぼうけ」の詩や旋律の 特徴を理解する。 ・言葉のリズムを感じながら音 読をする。 ・挿絵を用意し、情景を思い浮かべやすいようにする。 5 ・歌詞の内容に応じた音読の工夫をするようにする。 ・山田耕筰について知り、楽曲についての理解を深める ようにする。 ・歌詞と楽譜から、音楽を特徴 ・歌詞と旋律の楽譜に、気付いたことやわかったことを 付けている要素を探求し、「待 メモ程度に書きこむようにし、話し合いの手掛かりと ちぼうけ」の理解を深める。 なるようにする。 ・鑑賞カードに気付いたことを メモする。 5 <予想される児童の反応> ・「待ちぼうけ」が言葉も旋律もくり返している。 ・五七調 ・「待ちぼうけ」で始まり「木の根っこ」で終わる。 ・8 分休符がフレーズの前にある。・2 分音符がフレーズの最後にある。 ・後半のリズムが似ている。 ・後半の音が上下する。 ・気付いた特徴を広め合う。 ・気付いたことを拡大譜に確認しながらまとめるように 10 する。 ◇ア 【発言内容・行動観察・鑑賞カード・振り返りカード】 3 音楽を形づくっている要素 のかかわり合いを感じながら 鑑賞する。 ・ 「待ちぼうけ」を鑑賞する。 ・拡大譜にまとめたことと比較しながら聴くようにする。 5 ・自分達で気付いた要素に注目して聴くようにすること で鑑賞する喜びを味わえるようにする。 ・音楽を特徴づけている要素の ・ 「待ちぼうけ」を聴いて、想像したことや感じ取ったこ 働きとその効果を感じ取る。 5 との理由を、音楽の中から見付けて、自分の意見や感 想をもつようにする。 ・鑑賞カードに記入する。 <予想される児童の反応> ・リズムミカルな感じがする。 ・強弱がついている。 ・言葉と音の動きが合っている。 ・5 番がゆっくりに変化した。 ・「待ちぼうけ」の「け」が伸びていた。 ・歌詞(お話)と音楽が合っている。 ・気付いたことを広め合う。 ・個々の意見を認め、共感しながら発表できるようにす る。 ・気付いたことを拡大譜に確認しながらまとめるように 10 する。 ◇エ―①【発言内容・鑑賞カード・振り返りカード】 4 本時のまとめをする。 ・振り返りカードに記入する。 ・本時のめあてに自分がどの位、迫ることができたかを 短時間で振り返るようにする。 ・次時の学習内容を知る。 ・ 「待ちぼうけ」を歌ったり、鑑賞をしたりすることを知 らせ、次時の興味・関心がもてるようにする。 (3)板書計画 黒板1 1 「待ちぼうけ」 北原白秋作詞 絵 絵 5 4 3 山田耕筰作曲 2 今日のめあて 日本語の言葉の感じを生かした歌曲を楽しみましょう。 ~「待ちぼうけ」のひみつを探ろう!~ 3 「待ちぼうけ」のひみつを探ろう! ・鑑賞カード1 4 「待ちぼうけ」を聴こう! ・鑑賞カード2 ☆振り返りカード 黒板2 ~「待ちぼうけ」のひみつを探ろう!~ 拡大譜 リズム・旋律・反復・強弱 2分音符・8分休符・速度 拡大歌詞 2 1 2 振り返りカード 1 月 年 日 組 名 前 -詩と音楽を味わおうー 「待ちぼうけ」のひみつを探ろう! 評 価 項 目 自己評価(5 大変よい) ①進んで活動できましたか。 5-4-3-2-1 ②自分の思ったことを友達に伝えるこ 5-4-3-2-1 とができましたか。 ③「待ちぼうけ」の音楽の特徴を感じ 5-4-3-2-1 取ることができましたか。 ④「待ちぼうけ」の詩のおもしろさ、音楽の特 徴に気をつけて聴くことができましたか。 5-4-3-2-1 振り返りカード 2 月 年 日 組 名 前 -詩と音楽を味わおうー 「待ちぼうけ」の世界を味わおう! 評 価 項 目 自己評価(5 大変よい) ①進んで活動できましたか。 5-4-3-2-1 ②歌詞の表す情景を想像したり、言葉 5-4-3-2-1 と旋律の関わりを感じ取ったりする ことができましたか。 ③自分の思ったことを工夫に生かして 5-4-3-2-1 歌うことができましたか。 ④日本の曲の詩や旋律のおもしろさ、美しさを 感じ取り、味わって聴くことができましたか。 5-4-3-2-1
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