北日野の自然を生かして ~県身近な生きもの生息環境調査事業~ 北日野小学校 1 はじめに この事業は,県内小学校において,共通の生きものや学校特有の生きものを継続して 調査することで,子どもたちの自然環境保全に対する関心を高め,自主的な自然環境保 全活動の実践を促すことを目的として実施されているものである。本校はその実施対象 校として指定され,9月より調査活動を進めてきた。共通の生きものは「メダカ」 「トン ボ」,学校特有の生きものとして「ショウリョウバッタ」「コオロギ」「トノサマガエル」 を調査対象とした。 2 実践内容 (1)3年生理科の実践 ①調査対象 ショウリョウバッタ,コオロギ,トノサマガエル トンボ ②調査場所 校庭,日野っ子園(畑) ③調査の様子 3年生では,1学期の学習で生きもの探しを行った。 その中から調査対象の生きものを選んだ。採集や観察 にあたっては県立武生高等学校 西出和彦教諭に指導 をお願いした。 児童は,捕虫網を使ったりくさむらをかきわけたり しながら虫やカエルなどを捕まえた。校庭や畑の周り の水路でも「カワニナ」「ヤゴ」などを見つけること ができた。場所によって見つかる生きものが違うこと から,それぞれ生息場所(生き方)が異なることを知 ることができた。また,『ダブルスコープ』という観 察装置に入れ,上下両方から観察した。足のとげや体 の模様,腹の動きなどが拡大され,目を輝かせていた。 トンボの種類や雄雌の見分け方についても,スライ ドの写真を使って指導していただいた。 「イトトンボ」 「アキアカネ」など児童が見つけたトンボをはじめ, トンボにはいろいろな種類がいて,体や羽の色,腹の 部分の特徴,また見つけた季節によって種類を見分け られることが分かった。 (2)理科クラブの実践 ①調査対象 メダカ,その他水生動物 ②調査場所 大屋町用水 ③調査の様子 大屋町用水は,どんぐり山(村国山)のふもとにあ り,毎年2年生が生きもの探検をしている場所である。 採集や観察にあたっては,越前市産業環境部農政課 日和佳政氏に指導をお願いした。 9・10月の調査では,「ドンコ」「カワムツ」「ウ グイ」「カマツカ」「アメリカザリガニ」「ヌカエビ」 「カワニナ」などの生きものがたくさん見つかった。 なかには15cmもあるドンコもいた。また,準絶め つ危ぐ種の「ヤリタナゴ」も見つかった。10月の調 査では,「アキアカネ」がたくさん飛んでいた。日和 氏の話では,近年農薬を減らす取り組みをした結果「ア キアカネ」が増えてきたということだった。 11月の調査では,かなり水温が低かったため,わ ずかの生きものしか見つけることができなかった。石 の陰などに隠れていたと思われる。 共通の調査対象だった「メダカ」については,地域 の方に呼びかけて生息場所を探したが,見つけること ができなかった。 3 まとめ 調査活動にあたっては,教育課程内で(理科やクラ ブ活動の時間)無理なく行うことができた。 毎月の調査や観察では,毎回専門の方に指 導をしていただき,大変有意義な体験を積むことが できた。 繰り返し調査活動をすることで,児童は自然豊か な北日野地区の良さを再発見し,これからも大切に していこうという意識をもつことができた。
© Copyright 2024 ExpyDoc