第2回 東北6県リサイクル業 主要100社の最新期業績;pdf

2015/03/26
仙台支店
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特別企画:第 2 回 東北 6 県リサイクル業 主要 100 社の最新期業績動向調査
100 社売上高 前期比 11.9%増
全 6 県で増収増益、好調さが浮き彫りに
はじめに
東日本大震災では、宮城県で 1171 万トン、岩手県で 429 万トン、福島県で 280 万トンと、被災 3 県
で 1880 万トンもの震災ガレキが発生し(環境省調べ)
、2014 年 3 月までにほぼすべての処理を完了し
た。また、消費税増税前の住宅購入の駆け込みで、解体・産廃処理需要が増加したうえ、アベノミクス
効果による円安、スクラップ相場の上昇基調などで廃棄物のリサイクル事業の採算性が改善するなど、
業界を取り巻く環境に追い風が吹いている。
そこで帝国データバンク仙台支店は、東北 6 県における解体・産廃処理などのリサイクル業者を対象
に最新期、前期、前々期の年売上高や純利益(税引後純損益)を調査・分析し、その傾向を探った。
この調査は、帝国データバンクの企業概要ファイル「COSMOS2」
(収録数 146 万社)から、東北 6
県に本社を置き、リサイクル業(鉄スクラップ・非鉄金属卸、廃棄物処理・収集運搬、解体工事)を主
業とする売上高上位 100 社(以下:主要 100 社)を対象に集計した。売上高・純利益(税引後当期純損
益)の両方が 3 期連続で判明しない企業は除外した。
なお、同調査は 2014 年 2 月に続き 2 回目。
調査結果(要旨)
1.主要 100 社の売上高合計は、前期比 11.9%増の 2560 億 6300 万円。
2.主要 100 社のうち、増収企業は 69 社、減収企業は 31 社。
3.主要 100 社の純利益合計は、前期比 36.3%増の 146 億円。
4.主要 100 社のうち、黒字企業は 92 社、赤字企業は 8 社。
5.県別の売上高伸び率は、
「山形県」が前期比 23.4%増で最大、次いで「福島県」は同 23.1%増とな
った。純利益は、
「青森県」が同 104.5%増(約 2 倍)で最大。
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特別企画:第 2 回 東北 6 県リサイクル業主要 100 社の最新期業績動向調査
1.県別内訳・概要
県別の内訳は、
「宮城県」34 社で最多。以下「福島県」23 社、
「岩手県」13 社、
「山形県」12 社、
「青
森県」11 社、
「秋田県」7 社と続いた。
最新期の売上高伸び率で最も大きかった県は、
「山形県」
(23.4%増)
、以下「福島県」
(23.1%増)
、
「青
森県」
(15.5%増)と続いた。同じく純利益の伸び率で最も大きかった県は「青森県」
(104.5%増)
、以
下「福島県」
(59.6%増)
、
「岩手県」
(32.3%増)と続いた。
なお、被災 3 県はいずれも 2 期連続の増収増益で好調さが浮き彫りとなったが、売上高伸び率では「宮
城県」が前期から減少した一方、
「岩手県」と「福島県」は大きく増加した。
東北6県主要100社 県別売上高・純利益の推移
売上高(百万円)
県(社)
前々期
前 期
前々期比
(%)
純利益(百万円)
最新期
前期比
(%)
前々期 前 期
前々期比
(%)
最新期
前期比
(%)
青 森
11社
38,547
40,045
3.9
46,262
15.5
1,366
1,912
40.0
3,910
104.5
岩 手
13社
35,855
36,274
1.2
39,691
9.4
393
679
72.8
898
32.3
宮 城
34社
69,767
83,524
19.7
86,896
4.0
4,465
5,379
20.5
5,808
8.0
秋 田
7社
9,291
9,398
1.2
9,896
5.3
355
470
32.4
518
10.2
山 形
12社
12,990
13,106
0.9
16,169
23.4
672
523
▲ 22.2
672
28.5
福 島
23社
44,043
46,441
5.4
57,149
23.1
1,238
1,751
41.4
2,794
59.6
100社 210,493 228,788
8.7
256,063
11.9
8,489 10,714
26.2
14,600
36.3
計
※売上高は単独決算のもので、2015年3月時点の帝国データバンク企業概要ファイル(COSMOS2)登録データ
※集計対象は、過去3期において売上高・純利益(当期純損益)のすべてが判明している企業
2.100 社の売上高合計
~前期比 11.9%増の 2560 億 6300 万円
主要100社の売上高・伸び率の推移
300,000
主要 100 社最新期の売上高合計は、前期比
200,000
11.9%増の 2560 億 6300 万円。前期の 8.7%増
100,000
よりも伸び率が増加した。売上高増減の構成は、
「増収企業」が 69 社(構成比 69.0%)
、
「減収
企業」が 31 社(同 31.0%)で、前期とほとん
20.0%
15.0%
10.0%
(百万円)
0
売上高(左目盛)
伸び率(右目盛)
5.0%
前々期
210,493
前 期
228,788
8.7%
最新期
256,063
11.9%
ど変化がなかった。
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2
0.0%
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3.100 社の純利益合計
主要100社の純利益・伸び率の推移
~前期比 36.3%増の 146 億円
20,000
15,000
主要 100 社最新期の純利益(税引後当期純損
10,000
益)
合計は、
前期比 36.3%増の 146 億円。
26.2%
5,000
増だった前期より伸び率が増加した。最新期の
(百万円)
黒字赤字企業の構成は、
「黒字企業」92 社(構
0
前々期
8,489
純利益(左目盛)
伸び率(右目盛)
成比 92.0%)
、
「赤字企業」は 8 社(同 8.0%)
前 期
10,714
26.2%
最新期
14,600
36.3%
となり、前期と比較しほとんど変化がなかった。
4.まとめ
東北 6 県のリサイクル業(産廃・解体等)主要 100 社の業績は、2 期連続の増収増益で好調さが浮き
彫りとなった。売上高においては、災害廃棄物の処理が比較的早かったため、売り上げ計上が前期に集
中した「宮城県」の伸び率は減少したが、災害廃棄物処理の影響が東北 6 県のリサイクル業者に波及し
たため、
「青森県」や「山形県」の伸び率が増加したとみられる。純利益は、解体工事関係は労務単価の
上昇で苦戦したが、鉄スクラップや産廃処理・収集運搬の単価が良い水準で推移し、伸び率が増加した。
来年度は、
集中復興 5 カ年計画の最終年度であるためリサイクル需要の急激な反動減は考えにくいが、
2014 年 3 月までで大半の災害廃棄物処理が終了しているほか、震災によって建物解体需要を相当先食い
した状態にあるため、業界全体の成長は鈍化する可能性があり、楽観視できない。
東北6県リサイクル業 売上高上位10社
順位
1
法人名
A社
最新期決算
本社
所在地
主業
北東北
岩手県
一関市
宮城県
石巻市
仙台市
青葉区
福島県
いわき市
2
ヨシムラ
3
鈴勇商店
4
仙台環境開発
5
クレハ環境
6
B社
南東北
7
釜屋
8
東北東京鐵鋼
9
フェニックス
10
北東物産
福島県
須賀川市
青森県
八戸市
青森県
青森市
福島県
福島市
売上高(百万円)
前々期
前 期
前々期比
(%)
最新期
前期比
(%)
年
月
鉄スクラップ卸
2013
12
19,894
21,361
7.4
21,970
2.9
非鉄金属くず卸
2014
4
25,000
20,800
▲ 16.8
21,000
1.0
鉄スクラップ卸
2014
2
10,577
12,554
18.7
14,944
19.0
産業廃棄物処分
2014
10
8,685
9,410
8.3
9,653
2.6
産業廃棄物処分
2014
3
6,210
7,473
20.3
9,279
24.2
▲ 4.3
8,000
6.4
主系列
クレハ
鉄スクラップ卸
2014
10
7,856
7,517
鉄スクラップ卸
2014
7
6,880
6,245
▲ 9.2
6,900
10.5
鉄スクラップ卸
2014
3
6,150
5,502
▲ 10.5
6,612
20.2 東京鐵鋼
産業廃棄物
収集運搬
2014
3
58
318
448.3
5,049
1487.7
鉄スクラップ卸
2014
9
3,969
4,289
8.1
4,634
8.0
95,279
95,469
0.2
108,041
13.2
上位10社合計
タイセイ
©TEIKOKU DATABANK, LTD.
3
60.0%
50.0%
40.0%
30.0%
20.0%
10.0%
0.0%
2015/03/26
特別企画:第 2 回 東北 6 県リサイクル業主要 100 社の最新期業績動向調査
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