2015/3/24 フィールド鳥類講座 ID-BIRD try 2015年2⽉22⽇(⽇) 新宿御苑 第1回 調査の道具と マイフィールドをつくろう NPO法人バードリサーチ この企画の目的 • バードリサーチや他の調査に参加するための アシスト • フィールドでの実際の経験と鳥類に関する話 題を提供 1 2015/3/24 野鳥の調査も様々 • 生態学、行動学、分類学 採食や繁殖生態、越冬生態、種間関係、種内社 会、捕食、被捕食、分布、環境への反応などなど • バードリサーチの調査では、野外観察を通した 参加型調査が多く、個体数の変化や分布の変 化を明らかにすることがメイン。 • 会員が全国にいる特色を活かすことができる。 野鳥の調査道具 • • • • 双眼鏡 望遠鏡と三脚 野帳と筆記用具 図鑑 2 2015/3/24 双眼鏡 • 森林の中やまず鳥を探す時に必要。一面に いる鳥をザッとスキャンするのにも向く。手軽。 • 8~10倍程度のものが扱いやすい。 (高倍率だと、手ブレる。視野が狭く暗い。) • 明るいものが観察に適してます。 接眼レンズ 倍率 対物レンズ 口径(mm) 〇〇〇〇 8x42 ○口径÷倍率=ひとみ径(mm) ○ひとみ径(mm)の2乗=明るさ 対物レンズ -双眼鏡- • 雨に濡れたりは、避けられないこともあるので 防水仕様がよい。 • コーティングなどの見えやすさ、重さ、調査に 必要なスペック、値段等 実際見比べて購入 するのがお薦め。 • メンテナンス、修理に対応してくれるメーカの もののほうが安心。 3 2015/3/24 望遠鏡と三脚 • 干拓地、草地、干潟など広い所で威力を発揮。 詳細な観察にも適している。皆で観察する時に も便利。 • 嵩張って重いのが難点。すばやい鳥・森林調査 には不向き。 • 干潟などには、40‐60倍で明るいものが有利。 • 倍率が高く、明るい望遠鏡は重いので、三脚が 軽いと風などに不安定、しかし重すぎると疲れる。 • 望遠鏡とのバランスを考えて三脚は一緒に選び ましょう。 野帳と筆記用具 • ポケットサイズ • 掛線があると使いやすい。(好みです。) • 鉛筆やシャープペンが雨に濡れても滲まない。 • あまり濡れないなら多色ボールペンが、後で 見やすく整理もしやすい。 • 時間を置かずに記録。(忘れます。) • 画や擬音も描いておくと種を覚えやすい。 4 2015/3/24 記録 • 日付、場所は、必ず記入。 • 比較可能かどうかを意識する。 • 調査の条件を書いておく。調査設計のヒント になるかも。 天候、人数、環境、調査時間、季節、温度、風 速、風向きなど 図鑑 • 最初の図鑑は、記載の種数は多 くなくてもよい。 • 携行しやすいもの • 写真の図鑑より、イラストの図鑑のほうが特 徴がはっきり解りやすい。 • 特徴部分に矢印があるなど、直感的に理解し やすいものが使いやすいと思います。 • 分布図が付記されているものがよい。 5 2015/3/24 忍ばせとくといいモノ • カウンター 多くの鳥がいた時にカウントに 便利。100円ショップで売っています。 • カメラ 移動しながらの調査では、なかなか 使うのは難しい。記録用なら300‐400mm、50 倍ぐらいの手持ちで撮影できるもの。シルエッ トでも種や属まで判別できます。どうしても分 からない時、とりあえず撮っておくということも。 • レコーダー 鳴き声は種を判別する大き な手がかりになります。調査中につけっぱなし ということもできます。小型のものが多く、手軽。 識別の近道①‐詳しい人と観察‐ • コツや種がすぐその場で判明して理解が早い。 • その場で図鑑やメモをとり、確認しておく。 • 頼り過ぎないように、自分で覚えることも意識 する。 • 探鳥会、調査などの積極的な参加で機会を 活かそう。 6 2015/3/24 識別の近道②‐普通種を覚える • 普段、見慣れた、聞き慣れた鳥から違いに気 づく • 鳥の大きさの感覚 • 種に最も特徴的な指標。覚えやすいものから 覚える。(シジュウカラの胸の模様、ヒヨドリの 声など) 識別の近道③‐環境を覚える • どこで観察したか、どんな環境でよく見るか。(ex. ウグイスはヤブのような環境、カワセミをよく見る のは水辺など) • その種をよく観察する位置。(木の頂部に止まる か、地面によく降りているか。タカ類は稜線部で よく気がつくなど) • 注意してみるべきところが理解できてくると、探 索能力向上! 経験が役立つ。 7 2015/3/24 識別の近道④‐図鑑を活用 • 必要な時に引くものではなくて、読み物だと思おう! • 判断の範囲-どの種がいそうか推測してみよう。 • 段階的に写真図鑑などでパターンやバリエーションを 知ろう。 • 声の聞きなしは、個人で聞こえ方が違いますので、自 分の聞こえ方をメモしておいたほうが良いです。 • ネットにも多くの写真や声の音源があり参考にできま す。(怪しいのもありますのでご注意を。) ONLINE野鳥図鑑 http://yacho.no‐heya.jp/index.html 野鳥の 杜 http://www5b.biglobe.ne.jp/~wildbird/ バードリサーチ鳴き声図鑑 http://www.bird‐research.jp/1_shiryo/nakigoe.html マイフィールドをつくろう • 『識別の近道』の実践の場 • 普段見かける鳥を繰り返して覚える。 (普通種といえども、声や雌雄の羽のパターン などバリエーションがあります。) • 四季を通じて見る鳥の変化 みにくる→狭山公園調査 • 通勤・通学路 通勤センサス→加藤さん 8 2015/3/24 定例狭山公園調査 40 2009/10 35 2010/11 • 月一回のポイントセンサス。 • 2009年5月から69回 • 通算95種の観察 2011/12 30 2012/13 25 2013/14 20 2014/15 15 10 5 0 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 ツグミ類 通勤ウォッチ • 延べ調査日数 475日 (2010/9/15~2013/9/19の3年間) • 雨の日は休止 • 調査開始時刻はおよそ8:08 • 全出現種数 33種(3~13種/日) • 延べ出現数 34,954羽 ムクドリ 60 2011‐12年 50 40 30 20 ムクドリ 10 35 0 2012‐13年 30 25 20 15 2010‐11年 ムクドリ 10 5 0 40 35 30 25 20 15 10 5 0 9 2015/3/24 リスク管理 • 野外調査には危険は付き物ですが、危険回避の 準備は必要です。 ・天候の事前情報(暑さや寒さ、雷、大雨など) ・危険生物の知識(ヒグマやハブ、スズメバチ等) ・交通事故(林道での転落) ■野外調査の安全マニュアル案 (日本生態学会 野外安全管理委員会 編) http://www.esj.ne.jp/safety/manual/ フィールドマナー • 他人の土地への無断侵入はトラブルのもとで す。(水田の畦、立入禁止場所への侵入など はやめましょう。) • 木の伐採や土地の改変もトラブルのもとです。 • 不審者だと思われないように、挨拶をしたり、 可能な範囲で目的を話しましょう。 • 車の駐車など、交通の邪魔にならないように しましょう。 10 2015/3/24 調査をするということ • 鳥類の生態を詳細に調査することは、生息環 境の保全や保護に利益があります。 • しかしながら、負担の高低はありますが、対 象種の生活を撹乱することにもなります。 • 得られた調査の結果は、できるだけとりまと めて発表することを意識しましょう。 • 対象種の保全が進んだり、不必要な負荷が 避けられるかもしれません。 今日の目標 • 探索-双眼鏡や鳴き声で野鳥を見つける。 • 種の同定-まずは図鑑で調べたり、詳しい人 に聞く。 • 記録-観察条件、環境や気づいたことを野帳 につける。 11 2015/3/24 日付 時間 項目 座学内容 AM9:00 AM10:00 座学 フィールド実習 機材の使い方・図鑑を引く フィールド:新宿御苑 リスク管理、科学倫理、識別できない、 カテゴリ:公園(身近な鳥) フィールドマナー、マイフィールド 最寄り:新宿駅 フィールド 1 2月2回 2月22日 2 3月1回 3月8日 座学 フィールド実習 3 3月2回 3月22日 座学 フィールド実習 鳥の体の名称 フィールド:行徳鳥獣保護区 カテゴリ:湖沼(カモ類) 最寄り:行徳駅 4 4月1回 4月12日 座学 フィールド実習 調査手法 フィールド:葛西臨海公園 カテゴリ:海・公園 最寄り:葛西臨海公園駅 5 4月2回 4月26日 座学 フィールド実習 フィールド:国分寺の雑木林 カテゴリ:里山(渡りの鳥) 最寄り:西国分寺駅 6 5月1回 5月10日 座学 フィールド実習 フィールド:三番瀬 カテゴリ:干潟(シギ類・サギ類) 最寄り: 7 5月2回 5月24日 座学 フィールド実習 8 6月1回 6月6-7日 9 10 宿泊 フィールド:多摩川河川敷 カテゴリ:河川 最寄り:聖蹟桜ヶ丘 日本の鳥相・分類 フィールド: カテゴリ: 最寄り: 座学 フィールド実習 フィールド:富士山 カテゴリ:高原 最寄り: 6月2回 6月28日 座学 フィールド実習 フィールド:九十九里浜 カテゴリ:砂浜 最寄り: 7月1回目 7月12日 座学 フィールド実習 フィールド:手賀沼・我孫子 カテゴリ:湖沼 最寄り: 12
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