概念とカテゴリ

2015/6/19
概念とカテゴリ
あるものがあるものであるとわかる
カテゴリ化は人間の推論の基本の一つ
• 人間はカテゴリ化することで思考の整理をすることができる
• こどもでも自発的にカテゴリ化を行う
• 今までの経験と結びつけることができる:“これはあれと同じだな”
• ラベルが与えられるとそれを自発的に一般化する
• 思考を経済的にすることができる:“これらはみんな○○だな”
• 人間に共通したカテゴリ化がある
• 新しい知識を学ぶことも容易になる:“これがあれだとするとこうなるな”
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2015/6/19
どっちがブーバでどっちがキキ?
カテゴリの定義:外延と内包,家族的類似性
• 外延的定義:具体的対象による定義
• “芸術とは文学,演劇,絵画,音楽などを指す”
• 内包的定義:対象に共通した性質による定義
• “芸術とは表現者あるいは表現物と、鑑賞者とが相互に作用し合うことなど
で、精神的・感覚的な変動を得ようとする活動”(Wikiの「芸術」から)
• 家族的類似性:部分的な共通性による集合
• Wittgensteinの”ゲーム”:全てのゲームに含まれる共通した性質はなく,互
いに緩い共通性で結ばれあっている
自然概念と人工概念
• 現実にあるものの概念(自然概念)を調べるか,それとも実験的
に作り出した概念(人工概念)を学習させてその分類の仕方を
研究するか
どうして犬?どうして猫?
カテゴリ
A
カテゴリ
B
家具?机?椅子?物入れ?
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2015/6/19
カテゴリ化に関する心理学的理論
プロトタイプ理論
• プロトタイプ理論
• カテゴリは典型を中心とした連続体として定義できる
• 階層構造がある
• 事例理論
• 上位概念(superordinate level)
• 基礎概念(basic level)
• 下位概念(subordinate)
事物
• 説明ベース理論
どれくらい近い?
• 根拠
プロトタイプ
• 典型性効果
• メンバーシップ関数
カテゴリ
典型性効果
• 典型例が心の中にあるかのような現象
• 概念学習をさせると,提示していないが平均的な事例を誤再認する
• カテゴリに含まれる事例を自発的に生成させると,ほとんどの参加者が共通
してある典型的な事例を先に生成し,非典型的な事例を後に再生する
• 典型的な事例は互いに多くの特徴を共有している
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2015/6/19
概念のメンバーシップ
• 概念らしさを表す量のようなものがある?
• Rosch (1973):様々な事物がどれだけあるカテゴリに
典型的かを評定させた上で,その事物の写真を提
示しあるカテゴリに当てはまるかどうかを判断させる
• コマドリはどれだけ鳥らしいか?
• 殺人はどれだけ犯罪らいしか?
• 典型性が高いほど判断が早い
事例理論(exemplar theory)
説明ベース理論
(explanation-based theory)
• 心の中に典型例というものはなく,個別の事例の集合から概念を構
成している
• これまで経験した全ての事例が概念分類に影響する
• 特定の個別事例が分類に大きく影響する
• 納得できる説明に従って概念が心の中で定義されている
• 人工概念を用いた研究で支持
• 文脈依存性などを説明
事物
• 同じ情報でも,その情報に対する説明の仕方で異なったカテゴリ化
を生じる
個々の事例
カテゴリ
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