次世代エネルギーパーク計画書 1.計画名称 宮古島市エネルギーパーク計画書 2.所在地 沖縄県宮古島市一円 3.計画策定主体 宮古島市役所 宮古島市 企画政策部 エコアイランド推進課 資源活用推進係 TEL:(0980)72-3751 内線:452 E-Mail:[email protected] 4.実施運営主体 宮古島市役所 ・拠点整備(宮古島市エコアイランドPR館)及びパンフレット作成等。 5.計画概要 (1)計画のコンセプト <宮古島の概要> 宮古島市(人口約5万5千人 世帯数約2万5千世帯)は、平成17年10月に近隣5市町村が合併により誕 生した。沖縄本島から南西に約290Kmに位置し、市の総面積の約8割を占める宮古島を中心に池間島、 大神島、伊良部島、下地島、来間島からなる。平坦な地形に河川は無く、生活用水の全てを地下水に頼り、 その保全が大きな問題となっている。本市には、宮古空港と平良港が整備されている。産業は、サトウキ ビ、葉たばこ、マンゴー、畜産を中心とした農畜産業と隆起珊瑚礁の美しい海浜、自然環境を背景とするリゾ ート産業が主となっている。国際的な規模のイベントとして「全日本トライアスロン宮古島大会」の開催と、各 種スポーツのキャンプ地として定着しており、観光・リゾート産業への波及効果が高まっており、近年、約40 万人の観光入域客を維持している。 <計画のコンセプト> 本市は、再生可能エネルギーに関する施設を積極的に誘致してきた結果、太陽光発電をはじめ、風力発 電や島の基幹作物であるサトウキビの製糖時の副産物である糖蜜等を原料とするバイオエタノール生産施 設、バイオ堆肥生産施設等、数多くの再生可能エネルギー普及促進に向けた実証研究事業や取り組みが行 われており、いわゆる地域参加型実証研究事業のモデル地となっている。平成21年1月には内閣官房から 環境モデル都市の認定を受け、島嶼型低炭素社会の構築に向け、再生可能エネルギーの活用による温室 効果ガス等の削減を含め環境負荷の削減に取り組んでいるところである。今後は市関連施設への太陽光発 電の導入、エコハウスの普及促進、民間における周遊エコツアーの増加や全島エネルギーマネージメントシ ステムの事業化が見込まれる。 本エネルギーパーク計画では、これからの各施設をネットワーク化し、「エネルギーの地産地消の島みや こ」をコンセプトとして、島全体をエネルギーパークとして位置づけ、宮古島市エコアイランドPR館(愛称:エ コパーク宮古)を周遊エコツアーの拠点とし、見学や体験をとおして次世代エネルギーの効率性や有効性を 体感してもらい、再生可能エネルギー利用等の促進に貢献しようとするものである。 (2)計画の全体像 宮古島市次世代エネルギーパークは、別添資料に示された再生可能エネルギー関連の既存施設が点在 している。このことから、宮古島市全体をエネルギーパークとして位置づけ、学習・見学・視察コースメニュー を設定する。中心施設としては宮古島市エコアイランドPR館を位置づけ、市全体の再生可能エネルギー既 存施設や関係施設を配置したジオラマを設置し、再生可能エネルギー学習のスタート地点とする。本施設 は、来館した市民及び観光客等に対して、エコアイランド宮古島の取り組み等の説明を行い、再生可能エネ ルギーの理解を深めて貰う。 さらに、既存の施設に加え、島嶼型スマートコミュニティ実証事業等の各種事業を加えた見学ルートを確立 したうえで、これらの施設情報(所在地、連絡先、休館日、交通アクセス等)を網羅した「宮古島市次世代エネ ルギーパークホームページ」を立ち上げ、全国に発信し、見学者自らがコース設定のできる環境を整備す る。この取り組みを通じて再生可能エネルギーと観光をリンクさせながら市民及び観光客等の自発的な学習 行動をもって誘客を図り、再生可能エネルギーの普及・発展に寄与する。 (3)関連施設 1.中心となる施設 宮古島市エコアイランドPR館(愛称:エコパーク宮古) ①所有者、管理者、設置時期、場所 管理者(指定管理者):宮古島市長(日本アルコール産業㈱) 設置時期 :平成26年度 場所 :沖縄県宮古島下地字上地743番地 ②見学等に係る取り組み、体制 見学者への対応としては、周遊エコツアーの拠点となる宮古島市エコアイランドPR館を 中核施設とし、本館に来館される市民及び観光客(一般、企業研修、視察、修学旅行等) は、少人数の場は個々に見学し、団体の場合は研修室においてエコアイランド宮古島の 概要を映像で説明を受けたのちに個々で見学する。また、事前に連絡があり、市からの 説明を要求された場合は必要に応じて担当職員が対応する。来館した見学者に対しては パンフレット及びリーフレット等の配布と、エコ施設の位置関係がわかるジオラマ、パネル やタッチパネル(動画での説明)等により全体的な説明を受ける事ができる。 ③その他 見学者には、興味の有る周遊エコツアーのコースを提案する。 2.既設施設 <風力発電設備> 平成16年の台風14号で倒壊等の被害を受け、狩俣では4基あった風力発電施設のう ち2基が倒壊し、他の2基も破損が激しいため撤去された。城辺のサデフネでは、1基が 倒壊もう1基も羽根が破損し撤去された。 現在は狩俣地区に3基、城辺のサデフネに2基再建され稼働中である。 所有者・管理者:沖縄電力(株)、沖縄新エネ開発㈱ 場所:城辺地区 サデフネ風力1、2号機:900kW×2(沖縄新エネ開発㈱) 場所:狩俣地区 狩俣風力1、2号機:900kW×2(沖縄新エネ開発㈱) 宮古風力6号機:600kW×1(沖縄電力㈱)) <メガソーラ―設備> 4,000kWの太陽光発電と4,000kWのNAS電池で、系統規模の小さな離島の独立 型系統へ太陽光発電設備を大量導入した場合の実系統へ与える影響を把握するととも に、太陽光発電と蓄電池の運用データを解析しながら、系統安定化対策に関する実証研 究に取組んでいる。本研究は経済産業省の「平成21年度離島独立型系統新エネルギー 導入実証事業費補助金」を活用。 所有者・管理者:沖縄電力㈱ 場所:沖縄県宮古島市城辺字福里1878-1 <宮古島市メガソーラ―展望台> 鉄筋コンクリート2階建てで、高さは8m20cm、2階のバルコニーと屋上からメガソーラ ―実証研究施設が一望できる。屋上にはメガソーラ―実証研究の説明板なども設置され ている。誰でも、いつでも利用できる。 所有者:宮古島市 場所:沖縄県宮古島市城辺字福里1878-21 <バイオエタノール製造施設> 宮古島市の基幹作物であるサトウキビから、砂糖を生成する過程で発生する副産物の 糖蜜を原料としてエタノールを生成する施設。製造されたバイオエタノールは、E3燃料と しての利用、また、製造過程で出る蒸留残渣液、残渣酵母の肥料、飼料利用など様々な 活用も検討している。 所有者(指定管理者):宮古島市(日本アルコール産業㈱) 場所:沖縄県宮古島市下地字上地744番地 ・バイオマス燃料(バイオエタノール40KL/年) ・エタノール発酵生産プラント <E3製造> (株)りゅうせき宮古油槽所内にあるE3製造施設では、バイオエタノールとガソリンを混合 させ、エタノールが3%混合されたE3と言われる燃料を製造している。 所有者:㈱りゅうせき 場所:E3製造場所:沖縄県宮古島市平良字西仲宗根2-40 <E3販売> 製造されたE3を販売している給油所。 所有者:㈴宮古給油所 場所:沖縄県宮古島市平良字西里353 <バガス発電設備> 製糖工場では、サトウキビから製品(粗糖)が出来るまで、大別して「搬入」、「圧搾」、 「清浄」、「結晶・分離」の4つの工程に別けられる。バガス(サトウキビの搾り粕)を利用し たバガスを蒸気タービン発電設備のボイラの燃料として使用する発電方式。 所有者:沖縄製糖(株)宮古工場 ※バイオマス発電:2600kW 場所:沖縄県宮古島市下地上地725 所有者:宮古製糖(株)城辺工場 ※バイオマス発電:2300kW 場所:沖縄県宮古島市城辺字砂川836 所有者:宮古製糖(株)伊良部工場 ※バイオマス発電:600kW 場所:沖縄県宮古島市伊良部伊良部1391 <メタン発酵設備> 泡盛酒造課程で排出される泡盛蒸留粕を、同工場内にあるメタン発酵槽施設へポンプ 輸送しバイオガスを発生させボイラーの燃料として利用し、蒸気を製造し、得られた蒸気 で工場内の泡盛蒸留工程や洗瓶工程で使用している。メタン発酵後の水処理脱水汚泥は 肥料として利用されている。 所有者:(株)多良川 ※バイオマス燃料:メタンガス400トン/年 場所:沖縄県宮古島市城辺砂川85 <宮古島市資源リサイクルセンター> 平成15年に農林水産省農村振興総合整備統合補助事業の一環として事業を開始し、 「地域資源循環管理」をテーマに建設された。「家畜糞尿、生ごみ、選定枝葉を堆肥化して 農地に還元し、知力の向上を図り農産物の品質向上や食の安全に資するとともに、地下 水の保全、環境改善を図る」を事業目的としている。 所有者(指定管理):宮古島市(S&Kみやこ島) 場所:宮古島市上野字野原1190-212 <宮古島市地下ダム資料館> 世界で初めての大型地下ダムの建設技術や構造、地下水のメカニズムを映像やナレー ションで、わりやすく解説している。さらに、水に関する情報を、光による演出効果や参加 体験型の装置で照会している。 所有者:宮古島市 場所:沖縄県宮古島市城辺字福里1645-8 <エコハウス> 地域の気候風土や敷地の条件、住まい方に応じて自然エネルギーが最大限に活かされ ること、身近に手に入る地域の材料を使うなど、環境に負荷をかけない方法で建てられて いることがエコハウスの基本。 所有者:宮古島市 【市街地型】 場所:沖縄県宮古島市平良字西里255-6 ※体験宿:一泊のみ ※問い合わせ:宮古島市エコアイランド推進課 【郊外型】 場所:沖縄県宮古島市城辺字友利56 ※体験宿泊(数泊) ※問い合わせ:友利部落会(指定管理者) <イオンタウン宮古南ショッピングセンター> 「エコアイランド宮古島」宣言に賛同し、環境に配慮した「エコストア」として、マックスバリ ュ宮古南店を核店舗として、平成21年11月にオープン。 【屋外施設】 ・太陽光発電システム ・風力・太陽光発電照明 ・電気自動車充電ステーション ・壁面緑化 ・その他、再生利用設備 【屋内施設】 ・エコインフォメーション ※太陽光発電量やCO2排出削減量をモニター表示 ・LEDダウンライト ・店内採光窓 ・オーバーヘッドキャノピー照明 ※蛍光灯の本数を減らした照明 ・その他、人感センサー付き照明や節水器具等 <宮古島市エコアイランドPR館(愛称:エコパーク宮古)> 平成26年度10月にオープンした本館は、市民や島を訪れる観光客(一般、研修旅行、 修学旅行等を含む)等に、エコアイランド宮古島の概要や取り組みを紹介する事により、 エコアイランド宮古島のブランド化を図っていく。 【設備】 ・太陽光発電(5kW) ・太陽光発電・風力発電(街灯) 【展示】 ・エコ概要コーナー:「エコアイランド宮古島」についての概要を紹介 ※「宮古島の概要」、「なぜ、エコアイランドなの?」、「『環境モデル都市』としての取り 組み」、「島嶼型低炭素社会システム構築に向けたアクションプラン」、「宮古島市地 域新エネルギー・省エネルギービジョン」 ・エコ設備・施設コーナー:島内のエコ設備やエコ施設を紹介 ※本計画書掲載の「2.既設施設」が展示 ・エコ実証事業コーナー:宮古島市が取り組んでいる各実証事業を紹介 ※「離島マイクログリット実証事業」、「島嶼型スマートコミュニティ実証事業」、「宮古島 市全島EMS実証事業(すまエコプロジェクト)」、「来間再生可能エネルギー100% 自活実証事業」、「宮古島市小型電気自動車事業化モデル実証事業」、「バイオエタ ノール高効率製造・流通事業」、「超小型モビリティ実証事業」 ・エコ未来コーナー:未来予想図やEVギネス記録更新等の展示 ・エコキッズコーナー:キャラクターやエコ体験グッツ等を展示 3.新設施設(予定) <民間企業による施設計画> 民間企業等においても当市の姿勢に賛同し以下のような再生可能エネルギー導入の計 画がある。 〇宮古空港ターミナル(株) ・太陽光発電 <水溶性天然ガス> 宮古島市の保良地区において行われた、水溶性天然ガスの試掘調査後の、ガス及び付 随水の利活用計画を作成中。 ・ガス発電 ・付随水(温泉)利用 ・コージェネレーション ・トリジェネレーション (参考)近隣の再生可能エネルギー関連施設 6.全体スケジュール 周遊エコツアーの運営に関しては、観光+エコのセットが効果的であると考えられるので主に民間の代理店 を通じて行うこととする。基本的には、宮古島市エコアイランドPR館を中心拠点として実行していくが、見学ル ートについては、エコ施設及びエコな取り組み等の状況を考慮し今後の動向を注視しつつ随時検討していく。 7.運営費 1, 運営は市の予算で実施していく。 2, 将来的にはNPO等による企画運営が可能な環境を整え、運営主体を移行していく。 3, 情報発信源は専用の「宮古島市次世代エネルギービジョンホームページ」より発信する。 4, ツアー客に係る料金については、民間事業者の料金設定による。 8.関連する新エネルギービジョン等 1, 宮古広域圏地域新エネルギービジョン(平成7年) *2010年を目標にとして、10の個別ビジョンを策定した。 2, 上野村地域新エネルギービジョン(平成12年度) *上野ドイツ文化村独立型風力発電システム事業化フィジービリティスタディ調査 3., 平良市地域省エネルギービジョン(平成13年度) *2010年までに地域全体で17%前後の省エネルギーを目指すもの 4., 平良市省エネルギービジョン(平成14年度) *宮古島市マリンターミナル・省エネフィジービリティ―調査 5, 城辺町新エネルギービジョン(平成15年度) *水溶性天然ガス利用によるコージェネレーションの可能性調査 6, 城辺町新エネルギービジョン(平成16年度) *天然ガスコージェネレーションにおける事業採算性等の多角的検討 7, 宮古島市環境モデル都市行動計画(平成20年度) *各地域における温室効果ガス削減の見本となる事を目指すもの 8, 宮古島市島嶼型低炭素社会システム構築委員会報告(平成22年度) *「環境モデル都市」行動計画の目標を具現化するための方針を明らかにしたもの 9, 宮古島市地域新エネルギー・省エネルギービジョン策定等事業(平成22年度) *電気自動車およびバイオ燃料を利用したクリーンエネルギー自動車の導入可能性調査 10,宮古島市EV充電インフラ整備検討委員会(報告書) *EV(電気自動車)の普及拡大に向けて、有効性の高い一般開放型の充電インフラ整備の検討 11,第二次宮古島市環境モデル都市行動計画(平成25年度) *宮古島市環境モデル都市行動計画を引き続き取り組むための見直したもの ○添付資料 .その他、参考資料。
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