説明書(PDF)

投資の促進及び保護に関する日本国とウクライナとの間の協定
の説明書
外
務
省
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二
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入国、滞在及び居住……………………………………………………………………………………………………………………………
腐敗 行為 の防 止に関する措置………………………………… …… …… ………………………………………………………… …… ……
公衆による意見提出の手続 ……………………………………………………………………………………………………………………
透明性……………………………………………………………………………………………………………………………………………
特定措置の履行要 求の禁止……………………………………………… …… …… …… ……………………………………………………
裁判所の裁判を 受ける権利……………………………………………………………………………………………………………………
一般的待遇………………………………………………………………………………………………………………………………………
最恵国待遇………………………………………………………………………………………………………………………………………
内国 民待遇………………………………………………… …… …… …………………………………………………… …… …… …… ……
こ の協定が与える 待遇 よりも有 利な待遇………………………………………… …… …… ………………………………………………
投資の許可………………………………………………………………………………………………………………………………………
定義………………………………………………………………………………………………………………………………………………
協定の内容…………………………………………………………………………………………………………………………………………
協定 締結 の意 義………………………………………………… …… …… …… …………………………………………………… …… ……
協定の成立経緯…………………………………………………………………………………………………………………………………
概説…………………………………………………………………………………………………………………………………………………
三
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次
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収用及び補償 ……………………………………………………………………………………………………………………………………
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目
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争乱から の保護…………………………………………………………………………………………………………………………………
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ページ
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代位………………………………………………………………………………………………………………………………………………
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見直し……………………………………………………………………………………………………………………………………………
利益の否認………………………………………………………………………………………………………………………………………
健康、安全及び環境に関する措置並びに労働基準…………………………………………………………………………………………
合同委員会………………………………………………………………………………………………………………………………………
租税に係る課税措置……………………………………………………………………………………………………………………………
知的財産権………………………………………………………………………………………………………………………………………
信用秩序の維持のための措置…………………………………………………………………………………………………………………
一 時 的な セー フガ ー ド 措 置 … … … … … … … … … … … … … … … … …… …… …… … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … ……
安全保障のための例外…………………………………………………………………………………………………………………………
一方 の締約国と他方の締約国の投資家との間の投資紛争の解決 …… …………………………………………………… …… …… ……
両締約国間の紛争の解 決………………………………………………………………………………………………………………………
資金の移転………………………………………………………………………………………………………………………………………
五
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四
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四
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四
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最終規定…………………………………………………………………………………………………………………………………………
協定の実施のための国内 措置 …… …… …………………………………………………… …… …… …………………………………………
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概説
協定の成立経緯
平成二十 三年(二千十一年)一月に日本国とウクラ イナと の間で投 資協定の交渉を 開始するこ とについて 意見が 一致 したことを 受
け 、 同年 九 月 か ら 両 国間 で 交 渉を 行 っ た結 果 、 協 定 案 文に ついて 最終 的 合 意を みる に至 っ た ので 、 平 成 二 十 七 年 ( 二 千 十 五 年 ) 二 月
五 日にキエフにおいて 、我が方在ウ クラ イナ角大使 と先 方ア ブロ マヴィチュス経済発展・貿易大臣との間でこ の協 定の署名が行われ
た。
協定締結 の意義
こ の 協 定は 、 投 資 財 産 設 立 後 の投 資活 動 の保 護 等 に つ いて 包括 的 か つ 詳 細 な 事 項を 規 定 して い る 。こ の 協定 の締 結は 、 投 資 環 境 の
整備を促す とと もに 、 両国間の投 資 及び経済関係の更なる緊 密化に大 いに 資す るも のと期 待される。
協定の 内容
こ の 協 定 は 、 前 文 、 本 文 二 十 八 箇 条 及 び 末 文 から 成 り 、 そ の 概 要 は 、 次 の とお りで ある 。
定義
こ の協定における「投 資財産」、「締約 国の投資 家」、「締約国 の企 業」、「投資活動」、「区域」等について 定義して いる(第
一 条) 。
投資の許可
一 方の締約国は、 自国 の関 係法 令に 従って 権限を 行使する自国 の権 利を 留保 の上 、他 方の 締約 国 の投 資家に よる投 資を 許 可するこ
と等について 規定して いる(第二条)。
こ の協定が 与え る 待遇 より も有 利な 待遇
こ の 協 定 のい かな る規 定も 、 投 資 財 産 及 び投 資活 動 に ついて こ の 協 定が 与え る 待 遇 よ りも 有 利な 待 遇を 与え る 締 約 国 の法 令、 国際
協定に基づく義務等に 影響を 及ぼ さな い旨 規定して いる(第三条)。
内国民待遇
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二
一 方 の締約国は、自国 の区 域内において 、投 資活 動に 関し 、他 方 の締約国 の投 資家 及びその投 資財産に 対し 、内国民 待遇を 与え る
旨 規 定 して いる ( 第 四 条 ) 。
最恵 国 待遇
一 方 の 締 約 国 は 、 自 国 の 区 域 内 にお いて 、 投 資活 動 に 関 し 、 他 方 の締 約 国 の 投 資 家 及 び そ の投 資財 産に 対 し 、 最 恵 国 待 遇 を 与 え る
こ と等に ついて 規定して いる(第五条)。
一般的待遇
一 方の締約国 は、 自国 の区 域内において 、他 方の締約国 の投 資家の投 資 財産に対 し、 公 正かつ衡平な 待遇並びに十分な保護 及び保
障を 含む国際法に基づく待遇を 与える とともに、当該投資財産に関 して 義務を 負うこ ととな った 場合 には、当該義務を 遵守す る旨 規
定して いる (第 六条 )。
裁判所の裁判を 受ける権利
一 方 の 締 約 国 は 、 自 国 の 区 域 内 に お いて 、 裁 判 所 の 裁 判 を 受 け る 権 利 等 に 関 し 、 他 方 の 締 約国 の投 資 家 に 対 し 、 内 国 民 待 遇 又 は 最
恵 国待 遇を 与え る旨 規 定して いる ( 第七条)。
特定措置の履行要求の禁止
いずれの一方の締約国 も、 自国 の区域内における他 方 の締約国 の投 資 家 の投 資活 動 の 条 件 と して 、 現 地 調 達、 技 術 移転 等 の特 定 措
置 の履行要 求を 課 し、又は 強 制しては なら ない 旨 規 定して いる( 第八条) 。
透明性
各締約国は、こ の協定の実施及び運用に関連し、又は影響を及ぼす 法令等を速やかに公表すること等について 規定している( 第九
条)。
公 衆に よ る意 見提 出の 手続
各締約国は、 自国 の法 令に 従い、こ の協 定の 対象 とな る 事項に 影響を 及ぼす一 般に適 用される 規制 の設 定等をす る前に、公 衆に よ
る 意 見 提 出 のた め の 合 理 的 な 機 会 を 与え る よ う 努 め る 旨 規 定 して いる ( 第 十 条 ) 。
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腐敗行為の防止に関する措置
各締約国は、 自国 の法 令に 従い 、こ の協定の対 象となる 事項に関する 腐敗行 為 の防止 等の ために 措置を とるこ と等を 確保する旨 規
い る( 第十 六条 )。
三
ある他方の締約国の投 資家の投資財産に関連するものが、遅滞なく、かつ、自由に行わ れることを確保すること等について 規定して
一 方 の 締 約国 は、 一定 の 場合を 除 く ほ か、 自国 の区 域に 向け た又 は 自国 の区 域 から の 全て の 資金 の 移転で あ って 、 自国 の 区域 内に
資金の移転
る(第十五条)。
自国 の投 資家の損害の塡補 等を 行っ た締約国又は その指定する 機関に よる当該投 資家 の権 利又 は 請求権の代 位に ついて 規定して い
代位
遇を与えること 等について 規定して いる(第十四条)。
等 の解 決 方 法 に 関 し 、 内 国 民 待遇 又は 最恵 国 待 遇 の う ち 当 該 他 方 の 締 約 国 の 投 資 家 に と って い ず れ か 有 利 な も の よ り も 不 利で な い 待
一 方 の締 約国 は、 武 力 紛争 等に より 自国 の区 域 内にある投 資財 産に 関して 損 失等を 被っ た他 方 の締約国 の投 資家に 対 し、 原状 回復
争乱からの保護
は 国 有 化 等 に 伴 う 補 償 は 、 公 正な 市 場 価 格 に相 当す るも ので なければなら な いこ と等に ついて 規定してい る。 ( 第十三条)
正当な 法 の 手続 等に 従うこ とという 条件を 満 たさない限 り、 収用 又は 国有 化等を 実施 して は なら ない旨 規定して いる。ま た、収 用又
い ず れ の 一 方 の 締 約 国 も 、 公 共 の 目 的 の た めで あ るこ と 、 無 差 別で あ る こ と 、 迅速 、 適 当 か つ 実 効 的 な 補 償 の支 払を 伴 う こ と 及 び
収用及び補償
に 係る 申 請に対 し、 自国 の関 係法 令に 従い、 好 意 的な 考慮を 払う旨 規 定して いる( 第十 二条 ) 。
一方 の締約国は、投資財産に関連する事業活動を行うことを目 的とする他方 の締約国の国籍を有する自然人の入国、滞在 及び居住
入国、滞在及び居住
定して いる(第十一条)。
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両締約国間の紛争の解決
四
こ の協定の解釈又は適 用に 関す る両締約国間の紛争で あって 、外交交渉によって も満 足な 調整に至らなかったものは、仲裁委員会
並 びに いず れか 一 方の締約国が 締結して いる知 的財産権の保 護に 関す る多 数国間 協定に ついて は、当該一 方の締約国が 当該 多数 国間
約国が締結して いる知的財産権の保護に関する多数国間協定に基づく権利を 害し、 及び 義務を免 れさせるも のと解して はならない旨
両締約国 は、 知的 財産 権の十分かつ効果的な保護を 与えるこ と等に ついて 規 定して いる。ま た、こ の協定のいかなる 規定も、 両締
知的財産権
締約 国は 、信 用秩序 の維持 のための金 融 サービ スに 関 連す る措置を とるこ とを 妨 げら れな い旨 規定して いる ( 第二 十 一条 )。
信用秩序の維持のための措置
規 定 に 基 づ く 義 務 に 適 合 し な い 措 置を 採用 し、 又 は 維 持 す るこ と がで き る 旨 規 定 して い る ( 第二 十条 )。
ら す場合に は、 第四条(内国民待遇) の規定に基づく義務で あって国 境を 越える資本取引に係るもの及び第十六条(資金の移転)の
い ず れ の 締 約 国 も 、 国 際 収 支 及 び 対 外 支 払に 関して 重 大 な 困 難 が 生ず る 場 合 又 は 資 金 の 移 転 が 経 済 全般 の運 営 に 重 大 な 困 難を も た
一 時 的な セー フガ ード 措 置
九条)。
際 の平和 及び安 全 の維持 の ため国 際 連合 憲 章に 基づ く義 務 に 従って とる 措置を とるこ とがで き るこ と 等に ついて 規 定して いる( 第十
こ の協定の他 の規定に かか わら ず、 各締約国は、自国 の安全保障 上 の重大な利益 の保 護の ために 必要で あると 認める措置並びに国
安全保障のための例外
国 際商取引 法委員会の仲裁規則による仲裁等のいずれかに付 託さ れるこ と等に ついて 規定して いる(第十八条)。
間の投資紛争の解決に関する 条約による仲裁、投資紛争解決国際セン ターに係る追 加的 な制 度に ついて の規則による仲裁、国際連合
一方 の締約国 と他 方の締約国 の投 資家と の間の紛争が 協議に よ り解 決さ れな い場合には、当該紛争は、国家と他 の国家の国民との
一方の締約国と他方の締約国 の投資家と の間の投 資紛争の解決
に付 託するこ と等に ついて 規定して いる( 第十 七条 )。
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協定に より第三国 の投 資家 及びそ の投 資財 産に 与えて いる 待遇を 他 方の締約国 の投 資家 及び その投資 財産に 与え るこ とを 義務付ける
も のと 解しては なら ない旨 規定して いる。(第二十二条)
租税 に係 る 課税 措置
こ の協定のいかなる規定も、租税条約に基づく締約国の権利及び義 務に影響を 及ぼすものでは なく、こ の協定と当該租税条約とが
五
て 行い 、遅 い方 の 通 告 が 受 領 さ れ た日 の後 三 十 日 目 の 日 に 効 力を 生ず る旨 規 定 して い る 。 ま た 、 こ の 協 定 の 終 了 の 日 の 前に 取得 さ れ
こ の協定は、各締約国がこ の協定の効力発生 のた めに 必要 とされる国 内 手続が完 了し たこ とを 確認する 通告を他 方の締約国に対し
最終規定
見 直 しを 行 う 旨 規 定 して いる ( 第 二 十 七 条 ) 。
両締 約国 は、 投 資を 更に促 進し、 及 び漸 進 的に 自由 化す る こ と を 目 的と して 、 一 方 の 締約国 の要 請が あっ た場合 に は 、こ の協 定 の
見直し
こ とができ る旨 規定して いる(第 二十 六条 )。
配 され 、か つ、 一 定 の 場合 に 該 当 す る とき は 、 当 該 他 方 の 締 約国 の投 資 家 及 び そ の投 資 財 産に 対 し 、こ の 協 定に よる 利 益を 否認 す る
一 方 の 締 約 国 は 、 他 方 の 締 約 国 の 投 資 家 で あ って 当 該 他 方 の 締 約 国 の 企 業で あ る も のが 第三 国 の 投 資家 に よ って 所 有 さ れ 、 又 は 支
利益の否認
び 第 三 国 の 投 資 家 に よる 投 資 を 奨 励 す る こ と が 適 当で な い こ と を 認 め る 旨 規定 して いる ( 第 二 十 五 条 ) 。
両締 約国 は、一 方の締約国が 健康、 安全若しくは環境に関 する 措置 の緩和又は労働基 準の引下げを 通じて 他 方の 締約 国の投資 家及
健康、安全及び環境に 関す る措 置並 びに労働基 準
両締約国は、こ の協定の目的を 達成するため、合 同委 員会 を設置する旨規定して いる(第二十四条)。
合同委員会
ついて 適 用するこ と等に ついて 規 定して いる。( 第二十三条)
抵 触 す る 場 合 に は 、 当 該 租 税 条 約 が 優 先 す る 旨 規 定 して いる 。 ま た 、 第 十 三 条 ( 収 用 及 び 補 償 ) 等 の 規 定 は 、 租税 に 係 る 課 税 措 置 に
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た投 資 財 産 に 関 して は 、 当 該 終 了 の日 から 更に 十 年 の期 間 引き 続き 効 力を 有 す る 旨 規 定 して いる 。 さ ら に 、こ の 協 定は 、 一 方 の 締 約
国 の投 資家 の投 資財 産で あって 、こ の協定の効力発生の前に他方 の締約国 の区 域内において 当該他方の締約国 の関係法令に 従って取
得 され たも のに ついて も 適 用するこ と 等に ついて 規 定して い る 。 ( 第二十 八 条)
協定の実施のための国内措置
こ の協定を実施するためには、新たな立法措置及び 予算措置を 必要としない。