2015 年 3 月 18 日 宝飾品(ジュエリー)市場に関する調査結果 2015 -消費増税前の駆け込み需要大きくも、反動減もあり市場規模は微増- 【調査要綱】 矢野経済研究所では、国内宝飾品(ジュエリー)市場について調査を実施し、2014 年の市場規模(実 績値)、および 2020 年まで予測値を公表する。 1.調査期間:2014 年 1 月~12 月 2.調査対象:宝石専門店チェーン、百貨店や時計宝石店および呉服などの異業種宝飾参入企業、 インポートジュエリーブランド企業等 3.調査方法:当社専門研究員による電話及び直接面接によるヒアリング、および郵送アンケートを併用 <本調査における宝飾品(ジュエリー)とは> 本調査における宝飾品(ジュエリー)とは、主に金やプラチナを素材に、ダイヤモンド、貴石、真珠などを使用し た宝飾品を対象とし、宝飾時計、ならびに一部シルバー素材や半貴石の商品を含む。 【調査結果サマリー】 ◆ 2014 年の国内宝飾品小売市場規模は前年比 101.1%の 9,726 億円と微増 2014 年の国内宝飾品(ジュエリー)小売市場規模は、前年比 101.1%の 9,726 億円と前年に引き続きプ ラスとなった。第一四半期における消費増税前の駆け込み需要が予想以上に大きく、4 月以降の落ち込 みを結果的に上回ったことが要因である。 ◆ 増税前に高額品販売が伸び、全体の単価は上昇 富裕層のみならず一般層においても比較的高単価のジュエリーが求められた。特に百貨店を中心に、 高品質のダイヤモンドや色石、金やプラチナの地金ジュエリーなどが活況であった。小売店も増税前の 駆け込み需要を狙った催事イベントを仕掛けるケースが多く、購買機会が増えたことも好調の要因となっ ている。一方で、ブライダルジュエリーは 4 月以降の需要を先取りする形となり、年間を通すとマイナスと なった。 ◆ 株高などに支えられて 2020 年の東京オリンピックまでは堅調に推移すると予測 今後の国内宝飾品(ジュエリー)小売市場規模について、2015 年は前年比 99.2%の 9,648 億円、2016 年は 2017 年に予定されている消費増税前に駆け込み需要が再び起きることもあり同 102.6%の 9,899 億 円、また 2020 年の東京オリンピックに向けて国内消費、及び訪日外国人におけるインバウンド消費が期 待されることから、堅調に推移すると予測する。 株式会社 矢野経済研究所 所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝 設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/ 本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/) ㈱矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected] 本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。 本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報チーム迄お問合せ下さい。 Copyright © 2015 Yano Research Institute Ltd. 2015 年 3 月 18 日 【 調査結果の概要 】 1. 市場概況と予測 2014 年の国内宝飾品(ジュエリー)小売市場規模は、前年比 101.1%の 9,726 億円と前年に引き続きプ ラス成長であった。4 月 1 日からの消費増税前の駆け込み需要が予想以上に大きく、その後の反動減を 上回ったことが要因である。 今回の消費増税時の特徴としては、前回の 1997 年の増税時と比較して宝飾市場が回復基調にあっ たことと、消費者の購買ムードが高額品に向けて特に大きく高まったことが挙げられる。また、販売者側な ども前回の増税時の経験を生かし、売り逃しの無いように商品企画や催事イベントを綿密に準備したこと も奏功した。 特に百貨店チャネルにおいては、富裕層のみならず一般層にも比較的高単価のジュエリーが購入さ れた。好調なアイテムとして、高品質のダイヤモンドや色石、金やプラチナの地金ジュエリーなどが活況 であった。また、ブライダルジュエリーにおいては、4 月以降に購買する予定だったカップルが前倒しで 購入するケースも見られたが、婚姻組数は減少しているために、結果として 4 月以降のブライダルジュエ リーの販売は落ち込み、年間を通すとマイナスとなった。 一方、消費増税の反動による落ち込みは夏以降も続き、ジュエリー最大の需要期である 12 月のクリス マス商戦になって漸く例年並の売上げに近づいた。これは年末に向けての株高が富裕層の購買を支え た面もある。 また、訪日外国人によるジュエリー購買も伸びている。日本政府観光局データによると、2014 年は前 年より 3 割近く訪日外国人客数(総数)が伸びているが、いまや中国や ASEAN 諸国の観光客は、ジュエ リー市場にとって欠かせない存在となっている。円安も重なって彼らにとって本国より割安なブランドジュ エリーや高品質な日本のジュエリーは魅力的な商品となっている。 今後の国内宝飾品(ジュエリー)小売市場規模について、2015 年は前年比 99.2%の 9,648 億円、2016 年は同 102.6%の 9,899 億円、2019 年に 1 兆円を回復すると予測する。 具体的なプラス要因として、2017 年に予定されている消費増税前に駆け込み需要が再び起きることや、 地金価格が今後も上がっていくと予想されること、また東京オリンピック開催に向けて、国内消費、及び訪 日外国人におけるインバウンド消費が期待される。 一方でマイナス要因としては、婚姻組数の減少によるブライダルジュエリーの縮小や今後の消費増税 後の買い控えがあるものと考える。 図 1. 宝石・貴金属小売市場規模推移 (億円) (年) 注 1. 小売金額ベース 注 2. 予は予測値 矢野経済研究所推計 Copyright © 2015 Yano Research Institute Ltd.
© Copyright 2024 ExpyDoc